生理不順と肌荒れが気になります。オススメの解決策は?
皮膚の乾燥や吹き出ものといった肌トラブル。もしかしたらその原因は、生理不順にあるのかもしれない。そこで、生理のリズムを整える方法と肌荒れ対策について、浜松町大門レディースクリニックの池田先生に解説いただいた。治療のみならず、セルフケアのコツについても知っておこう。
監修医師:
池田 貴子(浜松町大門レディースクリニック 院長)
東邦大学医学部卒業。東京医療センター外科系研修医、東京大学医学部産婦人科入局、複数の産科・婦人科クリニック院長などを経た2017年、東京都港区に「浜松町大門レディースクリニック」開院。その後の2018年、医療法人社団ウィンロイヤル会設立。女性特有の悩みを気軽に相談できるような環境整備に注力している。港区医師会、日本産科婦人科学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会の各会所属。
肌荒れの受診先は、必ずしも「皮膚科」に限らない
編集部
生理不順と肌荒れは関係しているのですか?
池田先生
関係しています。ホルモンバランスの乱れによって皮脂の分泌が過剰になると、ニキビなどを発症させるからです。実際、そうした方の血液検査で、男性ホルモンの上昇を見受けることがあります。
編集部
では、ホルモンバランスを安定させることが解決策になると?
池田先生
そういうことになります。生理にまつわる諸症状の多くは、ホルモン剤が効果的です。そのため肌荒れも、例外ではありません。なお、ニキビではなく乾燥肌の方に対しては、プラセンタや保湿剤などのクリームを処方することもあります。
編集部
漢方薬はどうなのでしょう?
池田先生
いくつか有効な漢方薬が出ているものの、3種類以上ののみあわせは控えるようにしましょう。そのときどきで、優先順をつけてみてはいかがですか。
編集部
受診先としては婦人科なのですか、それとも皮膚科?
池田先生
皮膚科でも構いません。ただし、生理不順が関係している場合、最終的には婦人科の受診を勧められるでしょう。
肌荒れ改善のヒントは、生活の中にも潜んでいる
編集部
対策として、家庭でできることはありますか?
池田先生
例えば乾燥なら保湿対策ですね。お風呂上がりのスキンケアはもちろんのこと、お部屋の湿度にも気を配りましょう。また、洗顔は基本的に1日1回で十分です。何度も洗顔していると、失われた脂質を補おうとして、かえって皮脂が分泌されかねません。
編集部
食事などで気をつけたいポイントは?
池田先生
女性は、あまり水分をとらないんですよね。体内からの保湿を考えると、1日1.5リットル以上の水分はとっていただきたいです。そのとき大切なのは、常温以上の食べ物・飲み物にすること。冷えは体内の血行を滞らせるので、患部に老廃物がたまってしまいます。
編集部
睡眠不足も良くないと聞きますが?
池田先生
そのとおりで、免疫力に関係してきます。最近の研究によると、1日のベストな睡眠時間は「7時間」とされています。そして、昼寝と組み合わせるといいようです。ただし、昼寝は20分までにしましょう。やはり、夜間の睡眠を重視してください。
あまり頑張り過ぎないことも重要
編集部
生理不順による肌荒れは体質なのですか?
池田先生
そう言っていいかもしれませんね。生理が安定していない方ほど、荒れやすい傾向にあります。一方、加齢や出産を機に、体質が変わる方もいらっしゃいます。
編集部
よく「基礎体温を付けるといい」と言われるのはどうしてでしょう?
池田先生
生理のサイクルが確認できるからです。ただし、私はめったに言いません。義務感みたいなプレッシャーを覚えて、「嫌になる」方が多いんですよね。もちろん、いままで付けていた方なら、それを元にアドバイスをします。
編集部
基礎体温を付けることが面倒でない人は?
池田先生
「3カ月付けて、半年休みを置いて、また3カ月付けてみる」。この方法をお勧めします。なぜなら、両者の比較がしやすいからです。1年を通して記録すると、日々の違いに“慣れ”が生じてしまいます。また、記録すること自体が目的化すると、そもそもの意味を失いかねません。
編集部
肌荒れで避けたいことはありますか?
池田先生
日焼けですね。ただし、ファンデーションの厚塗りは逆効果になりますので、日焼け止めを有効に活用してください。また、化粧水やクリームは刺激の弱いものを選びましょう。市販品の中には石油を含むものがあるので、赤ちゃん用か皮膚科で処方された基礎化粧品が好ましいです。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあればお願いします
池田先生
「チョコレートやナッツ類は控えたほうがいいんですか」と聞く方がいらっしゃいますが、無理して我慢するより、食べたほうがいいかもしれませんね。ストレスも大きな原因になるからです。基礎体温と一緒で、あまり「これをやらなきゃ」「これはダメ」などと、枠をはめないようにしてみてください。
編集部まとめ
数あるセルフケア方法の中で池田先生がもっとも推奨するのは、「睡眠時間」なのだそうです。若いと頑張りが効く反面、しわ寄せとしてはね返りやすいとのこと。その一例が、生理不順や肌荒れということでしょう。お薬だけに頼らず、体と精神を休めることも必要です。
医院情報
所在地 | 〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-15浜松町ゼネラルビル8階 |
アクセス | 都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」徒歩1分 JR山手線・京浜東北線「浜松町駅」徒歩3分 |
診療科目 | 婦人科・女性内科 |