【漫画付き】スポーツをしていると耳に閉塞感が…これってなんで?
監修医師:
八代 利伸(八代耳鼻咽喉科 院長)
小さい頃から現医院のある西川口で育った、八代耳鼻咽喉科の2代目院長。慈恵医大卒業後、米国のブランダイズ大学に留学。帰国後、慈恵医大などで講師を務めたが、父が患者さんに信頼されていた地元の医院を継ぐため、平成11年に継承。地域の方々に恩返ししながら、日々の治療にあたる。
耳の閉塞感の原因は主に4つ
編集部
耳の閉塞感が起こるのは、どのような状態のときですか?
八代先生
耳の閉塞感が起こる場合、主に以下の4つの原因が考えられます。①耳垢や水などが耳の穴である外耳道につまっている、②気圧の変化により中耳の圧が狂っている、③耳管開放症(耳管が開きっぱなしになる)、④メニエール病など内耳の不調、などがあります。
編集部
①と②は経験したことがある人も多そうですね。そもそも耳管とはなんですか?
八代先生
耳管とは中耳と鼻の奥をつないでいる管のことです。中耳という部屋の圧力を調整しており、普段は閉じていますが、あくびやものを飲みこむなどの動作があると開き、中耳と外気の圧を一定に保つように調整しています。
編集部
気圧の変化が起こると、それが狂ってしまうのですか?
八代先生
飛行機の上昇や下降による気圧の変化で、耳に閉塞感を感じたことがある人は多いと思います。急な気圧変化により圧の調整ができず、中耳の圧がおかしくなってしまうのです。この場合、あくびをしたり、耳抜きなどをして空気を通してあげると元に戻ります。
編集部
では③の耳管開放症とはどういう症状ですか?
八代先生
ふだんは閉じているはずの耳管が、開きっぱなしになってしまう状態のことです。開きっぱなしになると、耳の閉塞感や自分の声が響く、聞こえずらいなどの症状が起きます。
編集部
どういうときに耳管が開きっぱなしになるのですか?
八代先生
急なダイエットや病気で食事がとれないなどもひとつの原因ですね。体が痩せたことで耳管も痩せてしまい、開いた状態になってしまいます。そうすると日常的に耳の閉塞感を感じてしまうのです。
編集部
では日常的に耳に閉塞感を感じるときは、どれが原因か探る必要があるのですね
八代先生
耳の閉塞感の原因としては、いくつか考えられるので、耳鼻咽喉科で原因を突き止めるといいでしょう。
スポーツ中の閉塞感は耳管の開きが原因
編集部
ではスポーツのときに起こる閉塞感の原因はどれなのですか?
八代先生
③の耳管開放症です。マラソンやサッカーなど激しいスポーツをすると脱水症状になったり、血液の循環に変化があります。そうすると耳管が開きっぱなしになってしまい、耳の閉塞感が起こるのです。
編集部
スポーツ中に耳の閉塞感が起きたら、どうしたらいいですか?
八代先生
きちんと水分を取り、少し休憩するといいでしょう。頭をしばらく下げていると耳管が閉じて改善することも多くありますよ。
編集部
このときの閉塞感はどれくらい続くものですか?
八代先生
スポーツ中の閉塞感はダイエットなどで起きたものとは異なり、一時的なものです。個人差はありますが、あまり長く続くものではなく、水分や休憩を取ることですぐに元に戻ると思います。長く続く場合は他の原因もあるので、調べた方が良いですね。ただ、スポーツ中のみ閉塞感を感じる場合は、病気の心配はないので安心してください。
編集部まとめ
耳の閉塞感にはいくつか原因がありますが、スポーツの際に起こるのは耳管が開くためとのこと。水分不足が原因のことが多いため、もし起きてしまったら
・水分をとる
・少し休憩をする
・頭を下に下げる
上記3点を心がけましょう。病気ではないので心配する必要はないですが、ふらふらする・めまいがするといった症状も併発している場合は、一度耳鼻咽喉科への受診をオススメします。
医院情報
所在地 | 〒332-0021 埼玉県川口市西川口2-2-9 |
アクセス | 京浜東北線「西川口駅」西口から徒歩6分 |
診療科目 | 耳鼻咽喉科疾患全般 |