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更年期はいつから?始まりと終わりのサインや適切な対策方法についてまとめました

 公開日:2024/05/23
更年期はいつから?始まりと終わりのサインや適切な対策方法についてまとめました

更年期という言葉はよく耳にしますが、具体的に何を指すのか、いつから始まりいつ終わるのか、どう対処すればよいのか、多くの人が疑問に思っていることでしょう。なんとなくイライラしがちになったりするのかな? というイメージだけは持っているという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、更年期の始まりと終わりのサイン、そして適切な対策方法について、専門的な知識を持たない一般の方にもわかりやすく解説します。更年期を迎える自分自身や、家族の健康をサポートしたい方への参考になれば幸いです。

馬場 敦志

監修医師
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

プロフィールをもっと見る
筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

更年期とは

更年期とは
更年期とは、一体何なのでしょうか。女性の人生において避けて通れないこの時期について、基本的な知識から深掘りしてみましょう。

更年期の定義

更年期とは、女性が中年期に差し掛かると体験する、ホルモンバランスの変化に伴う一連の症状のことを指します。この時期は人それぞれ異なりますが、平均的には40代後半から50代初めにかけて始まることが多いようです。

もう少し詳細に言うと、更年期は卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモンのエストロゲンが減少する時期です。エストロゲンが減少することによって、身体や心に様々な変化が現れます。そして、この変化は突然ではなく、徐々に進行します。

更年期は「病気」ではなく、女性が生殖能力を終える自然な過程です。一般的に閉経を中心に前後数年間にわたって起こり、一般的には、最初のサインから数年間で完了することが多いようです。

・更年期と閉経の違い
更年期と閉経は、しばしば混同されることがありますが、実際には異なる概念です。更年期は、女性ホルモンのエストロゲンが減少し始める時期で、様々な身体的・精神的な変化が起こるフェーズを指します。一方、閉経は、卵巣の機能が完全に停止し、月経が1年以上止まる状態を指す医学的な用語です。更年期は閉経に至る過程であり、閉経が更年期の終了を意味するわけではありません。閉経後も、ホルモンバランスの変化による影響は続くことがあるため、健康管理が引き続き重要となります。

更年期の症状

更年期の症状には様々なものがみられますが、特有のものはなく、医療機関で診断を受けた際に、他の器質的疾患の可能性が除外されて初めて更年期の症状としてみなされます。ここでは、更年期に現れることのある症状について紹介します。

・月経周期の乱れ
更年期に入ると、月経周期が不規則になることが一般的です。周期が短くなったり、長くなったり、量が増減することもあります。これは、卵巣の機能が低下し、ホルモンバランスが変化するためです。

・ホットフラッシュ(のぼせ)
のぼせは、更年期の典型的な症状で、顔や首が突然熱くなる感覚です。これは、エストロゲンの減少によって体温調節が乱れるために起こります。

・心の動揺
更年期には、イライラや不安、抑うつなどの心の動揺が現れることがあります。これは、ホルモンバランスの変化が、感情のコントロールに影響を及ぼすためです。自分でも驚くほど感情が不安定になることもあるでしょう。

更年期はいつから始まるのか

更年期はいつから始まるのか
更年期と聞くと、何となく年齢を感じるかもしれません。更年期がいつから始まるのかは、多くの女性にとって気になる問題でしょう。一般的な時期や、それが始まるサイン、個人差について詳しく見ていきましょう。

平均的な更年期の時期

更年期は一般的に40代後半から50代前半にかけて始まるとされています。この時期は、女性ホルモンのエストロゲンが減少し始める平均的な年齢を基にしています。しかし、これはあくまで平均的な数値であり、個人個人によっていつ更年期が始まるかは大きく異なると言って良いでしょう遺伝や生活習慣、ストレスなど多岐にわたる要因によって個人差が生じていると言われています。

更年期が始まったサイン

更年期が始まったサインとしては、月経の周期の乱れや、のぼせ、不眠などが挙げられます。例えば、月経がいつもより早く来たり遅れたりする、突然のほてりや夜中に目が覚めるなどの症状が現れ始めたら、更年期の始まりかもしれません。しかし、これらの症状は他の健康問題でも起こることがあるため、必ずしも更年期の始まりを意味するわけではありません。

比較的、更年期のサインといって良さそうなものとそうでないものを分類してみました。

・更年期が始まったと言える可能性が高いサイン
更年期特有と言って良い症状やサインとしては、月経の周期の乱れ、突然のほてり、夜中に目が覚めるなどが挙げられます。これらの症状が連続して現れる場合、更年期の始まりである可能性が高いと考えられます。

・更年期が始まったと言える可能性が低いサイン
更年期以外でも同じ症状になりやすい物としては、一時的なストレスや疲労による不眠、食生活の乱れによる体調不良などが挙げられます。これらの症状だけでは、更年期の始まりとは断定できません。

個人個人の差

更年期の始まりは個人個人で大きく異なります。遺伝的な要素や生活習慣、ストレスなどが影響を与えるとされています。例えば、母親が早く更年期に入った場合、娘も早く更年期に入る可能性があると言われています。これは、家族間でのホルモンバランスの遺伝的な傾向が影響すると考えられています。また、喫煙者は非喫煙者に比べて更年期が早く訪れることが多いとも指摘されています。これは、タバコに含まれる物質が女性ホルモンに影響を与えるためとされています。

・更年期が早まる要因
更年期が早まる要因としては、遺伝的な要素、喫煙、肥満、初潮の年齢が早かった場合などが挙げられます。これらの要因は、女性ホルモンのバランスに影響を与え、更年期の開始を早めることがあるとされています。

・更年期が長引く要因
また、更年期が長引く要因としては、遺伝的な要素に加え、生活習慣や運動習慣があります。健康的な生活習慣を送っていたり、適度な運動をする習慣を持っていると、女性ホルモンのバランスが安定しやすくなり、更年期の症状を緩和する効果があるとされています。結果的に、更年期の症状が無くなっていくのを早められると言っても良さそうです。

更年期対策はいつから始めるべきか

更年期対策はいつから始めるべきか
更年期の症状に対処するための対策は、いつから始めるべきなのでしょうか。早期対策の重要性や、具体的な対策方法について、詳しく解説します。更年期というと、なんとなく遠い未来のことのように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は40代から意識しておくと良いことがたくさんあります。それでは、具体的にどうすればよいのか見ていきましょう。

早期対策の重要性

更年期の症状は突然現れることもあるため、早めの対策が重要です。特に、生活習慣の見直しやストレス管理などは、更年期が始まる前から意識して取り組むと効果的です。早期対策によって、更年期の症状が軽減されることもあるため、40代からの健康管理に取り組むことがおすすめです。

対策を始めるべきタイミング

更年期の対策を始めるべきタイミングは、個人の体調や生活習慣によります。一般的には、更年期の症状が現れ始めたら、具体的な対策を始めるのが良いでしょう。しかし、早めに健康的な生活習慣を築くことで、更年期の症状を予防することも可能です。

・プレ更年期
30代半ばからを「プレ更年期」として、早めの対策を始める考え方もあるようです。生活習慣はすぐに変えられないし、変えたらすぐに効果が出るわけでもないので、早いうちから準備するとよいことが多いでしょう。例えば、食生活の改善や適度な運動を始めるなど、少しずつ取り組むことで、更年期の症状を予防することが可能です。

具体的な対策方法

更年期の対策方法としては、食生活の改善、適度な運動、ストレスの軽減などが挙げられます。これらの対策は、日常生活の中で少しずつ取り入れることができるものばかりです。

・食生活の改善
野菜や魚を中心としたバランスの取れた食事は、ホルモンバランスを整える助けとなります。特に、大豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、積極的に取り入れると良いでしょう。準備が大変でなくイソフラボンをとりやすい食品としては、豆腐や納豆、豆乳などがあります。

・適度な運動
適度な運動は心身の健康を保ち、ストレスを軽減する効果もあります。ウォーキングやヨガなど、無理なく続けられる運動がおすすめです。ウォーキングの目安としては、1日30分から始めると良いでしょう。

・ストレスの軽減
趣味を楽しむ、友人と過ごすなど、心地よい時間を作ることでストレスを軽減できます。自分に合った方法を見つけることが大切です。
更年期前後は子育ての大変な時期が少しずつ終わっていることもあるでしょうし、新しい趣味を見つける良いタイミングとも考えられます。例えば、園芸や料理教室、アートクラスなどがおすすめです。

更年期の対策は一人ひとり異なるため、自分に合った方法を見つけることが大切です。何よりも、自分の体と向き合い、自分に合った方法を見つけることが重要です。更年期は人生の新しいステージ。前向きに取り組んで、素敵な人生の次の章を迎えましょう。

更年期はいつから医療機関で受診するべきか

更年期はいつから医療機関で受診するべきか
更年期の症状が現れた際、いつから医療機関での受診が必要なのか、どのようなサポートが受けられるのか、医療機関選びのポイントについて、具体的に解説します。更年期の症状は、自分で対処するのが難しいことも多いと言われています。そんな時、医療機関でのサポートがあると安心ですよね。

医療機関で受診すべきタイミング

更年期の症状が日常生活に影響を及ぼすようになった場合、医療機関での受診を検討するとよいでしょう。特に、のぼせや不眠などがひどく、自分での対処が難しい場合は専門の医師に相談することがおすすめです。早めの受診によって、適切な治療やサポートを受けることができます。

医療機関で受けられるサポート

更年期の専門医に相談することで、症状に合わせた治療やアドバイスが受けられます。例えば、ホルモン補充療法HRT)などの医療的な対応や、食生活、運動習慣の指導など、個人に合ったサポートが提供されます。更年期の専門医は、女性の体の変化を理解しているため、安心して相談できるでしょう。

ホルモン補充療法HRT)とは
ホルモン補充療法HRT)は、更年期の症状を和らげるために用いられる治療法です。エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンを補うことで、のぼせや不眠などの症状を軽減します。薬の種類には、錠剤、パッチ、ジェルなどがあります。副作用として、乳がんのリスクがわずかに上がるとも言われていましたが、近年はHRTによる乳がんリスクの上昇は他の要因と比較して大きいものではないとも言われてきています。ただし、不安な気持ちを抱えたまま治療するのは良くないので、医師とよく相談して決めることが重要です。

医療機関選びのポイント

更年期の医療機関選びでは、専門の医師がいるか、診療時間や立地、費用などを考慮するとよいでしょう。口コミや紹介などを参考に、自分に合った医療機関を選ぶことが重要です。また、初診時には自分の症状や悩みをしっかりと伝え、医師とのコミュニケーションを図ることも大切です。自分に合う場所を見つけることが、安心して治療を受ける第一歩となります。

更年期の症状に対する医療機関のサポートは、多岐にわたります。自分に合ったタイミングで、適切な医療機関を選ぶことで、更年期をより快適に過ごすためのサポートを受けることができます。更年期は女性の人生の一つの節目。専門の医師と一緒に、自分らしい更年期を迎えましょう。

更年期はいつから終わったと言えるのか

更年期はいつから終わったと言えるのか
更年期はいつから始まるのかだけでなく、いつ終わるのかも気になる問題です。更年期が終わったサインや、更年期以降の生活、更年期をポジティブに捉える方法について、詳しく解説します。

更年期が終わったサイン

更年期が終わったと言えるサインは、症状の軽減や月経が停止してから4-5年経ったなどが挙げられます。しかし、これらのサインも個人差があるため、一概には言えません。更年期が終わったかどうかは、医師との相談によって確認するのが確実です。

更年期以降の生活

更年期が終わった後も、健康的な生活習慣の継続が重要です。更年期以降は骨粗しょう症などのリスクが高まるため、カルシウムの摂取や適度な運動など、健康管理に気を付ける必要があります。また、更年期を乗り越えた自信と経験を活かし、新しい趣味や活動に挑戦するのもおすすめです。

更年期をポジティブに捉える

更年期は人生の新しいスタートと捉えることもできます。子育てが一段落し、自分自身に時間を持てるようになることも多いでしょう。更年期をポジティブに捉え、自分らしい人生を楽しむためのステップとすることで、更年期も前向きに過ごすことができます。新しい趣味や友達との交流など、更年期以降の人生は豊かになることが期待できます。

まとめ

まとめ
更年期はいつから始まり、いつ終わるのか、そのサインや対策方法、医療機関での受診タイミングなど、多岐にわたるテーマを解説しました。更年期は女性の人生において避けて通れないフェーズですが、適切な知識と対策によって、より快適に過ごすことが可能です。自分の体の変化を理解し、早めの対策を始めることで、更年期をポジティブに捉え、新しい人生のスタートラインとすることができるでしょう。

この記事の監修医師