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性病検査は何科で受けるべき?検査内容や検査を受けるタイミング、予防方法まで解説

 公開日:2024/05/10
性病検査は何科で受けるべき?検査内容や検査を受けるタイミング、予防方法まで解説

性病は誰でも感染する可能性がある身近な病気です。気になる症状があった場合、「性病検査をしたいけれど、何科に行けばいいの?」と悩む場合もあるでしょう。

この記事では、性病検査を行う診療科や、病院を受診する以外の検査方法なども紹介します。安心して検査を受けられるよう、ぜひ参考にしてみてください。

村上 知彦

監修医師
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

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長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

性病とは

性病とは

ここでは、性病についての基本的な内容をお伝えします。また、性病の種類は多岐にわたりますが、中でも罹患率の高いものをピックアップし、その詳細についても解説します。

性病の基本事項

性病、または性感染症は、主に性行為によって感染する病気を指します。症状が出ないことが多く、気づかないうちに病気が進行し、周りに広がってしまうリスクがあります。治療せずに放置すると、重大な健康問題につながることもあるため、早期発見と治療が重要です。

主な性病の種類

性病にはHIV、クラミジア淋病梅毒など複数の種類があり、それぞれ異なる症状と治療法が存在します。ここでは、上記4つの性病について解説します。

・HIV
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」の略で、免疫システムを攻撃し、体を病気から守る能力を低下させるウイルスです。血液や体液を介した接触、とくに性的接触によって感染することがあります。

クラミジア
近年、若年層の間で増加している性病です。水様性のおりものの増加などが見られる場合がありますが、自覚症状は乏しく、感染していることに気付かないケースも少なくありません。放置すると卵管炎や不妊症を引き起こす可能性があります。

また、喉の腫れや痛み、発熱や咳など風邪に似た症状が現れることもあり、こちらを放置すると咽頭炎や扁桃腺炎を発症します。

淋病
淋病は黄色いおりものや排尿時の痛みなどの症状が特徴ですが、多くの場合症状が軽く、感染に気づかず適切な治療を受けないまま放置されがちです。これにより、不妊症や咽頭炎のリスクが高まります。

梅毒
梅毒梅毒トレポネーマによって引き起こされる性病で、感染後約3週間の潜伏期間を経て症状が現れます。症状は進行具合により異なり、放置すると深刻な健康問題につながる可能性があります。

性病検査は何科で受ければ良いのか

性病検査は何科で受ければ良いのか

性病検査を受ける際、どの科を受診すべきかは、検査を受けたい性感染症の種類や、現れている症状によって異なります。以下では、性病検査が可能な診療科を紹介します。

性病検査を受けられる診療科

性病検査を受けたい場合、適切な診療科を選ぶことが重要です。性病検査は以下の科で受診することができます。

・性感染症内科
性感染症内科は、性病全般に対する診療を行う科です。男女問わず、さまざまな性感染症の検査や治療が可能で、専門性に長けているのが特徴です。

ただし、性感染症内科を標榜する病院やクリニックは保険診療外の自由診療を行う場合が多いため、検査や治療にそこまで費用をかけられない場合は、事前に確認することが重要です。

・泌尿器科
泌尿器科は、腎臓や尿道などの尿路系、陰茎や前立腺などの男性生殖器系に関わる疾患を診る科です。尿道に症状がある場合や、男性特有の性感染症については泌尿器科での受診が推奨されます。

・婦人科
婦人科では、膣や子宮、卵巣など女性特有の器官に関わる疾患の診療を行います。おりものの変化や膣周辺の症状が気になる場合、婦人科での検査を受けると良いでしょう。

このように、男性の場合は泌尿器科、女性の場合は婦人科が一般的な選択肢となりますが、咽頭に症状が出ていれば耳鼻咽喉科を受診することもできます。

性感染症全般について相談したい場合は、性感染症内科がもっとも専門性が高く安心です。

性病検査を受けるタイミング

性病検査を受ける最適なタイミングは、性感染症の種類によって異なります。これは、病原体に感染してから初めて症状が現れるまでの潜伏期間が病気ごとに異なるためです。

潜伏期間とは、病原体に感染してから初発症状が出るまでの期間のことを指します。性感染症によっては、この期間中に症状が全く現れないこともあります。

例えば、淋病の場合、感染後2日から7日で症状が出ることが多く、比較的短い潜伏期間です。一方で、クラミジア淋病に比べて潜伏期間が長く、感染後1〜3週間で発症するとされています。

具体的な性病とその検査可能時期は以下の通りです。

・HIV: 潜伏期間は2~4週間で、感染機会から14日以上経過した後にNAT検査で検査可能。
クラミジア: 潜伏期間1~3週間で、感染機会から24時間以上経過した後に検査可能。
淋病: 潜伏期間2~7日で、感染機会から24時間以上経過した後に検査可能。
梅毒: 潜伏期間3~6週間で、感染機会から1ヶ月後に検査可能。

潜伏期間中に症状がなくても、感染している場合はパートナーへの感染リスクがあります。そのため、不安がある場合は症状の有無にかかわらず検査を受けましょう。

また、検査のタイミングは病気の種類や検査方法によって異なります。抗体が検出可能になるまでの期間は病気によって違い、早すぎる検査は正確な結果が得られない可能性があります。検査を受ける日を選ぶ際は注意が必要です。

タイミングに迷う際は、医療機関に相談することをおすすめします。

検査当日の流れ

性病検査を受ける際の当日の流れを確認しましょう。

まず、検査を受ける科によっても異なりますが、基本的な検査内容について医師や看護師から説明を受けます。この時、質問や不安に思っていることがあれば遠慮なく相談しましょう。

続いて、性器の検査を行います。診察台に上がり、男性の場合は尿道から、女性の場合は膣からそれぞれ検体を採取します。痛みは少なく、1~2分程度で終了します。また、検査はプライバシーに配慮された環境で行われるため、安心して受けることができます。

咽頭の検査を行う場合は、10~20秒程度うがいを行い、そのうがい液を検査用のサンプルとして使用します。この検査も痛みはほとんどなく、簡単に行えます。

病院以外で性病検査を受ける方法

病院以外で性病検査を受ける方法

病院以外でも、性病検査を受けることは可能です。保健所へ行ったり、自宅で使用できる検査キットを利用したりといった方法があります。手軽さやプライバシーの保護という点において大きな利点があることから、一定の需要があります。

保健所で受ける

各自治体の保健所では、性病検査を受けることが可能です。保健所で検査できる性病には主にHIV、梅毒淋病(淋菌)、クラミジアがありますが、自治体によって異なるケースもあります。

ほとんどの保健所で、検査は無料かつ匿名で受けられます。費用をかけなくて済むこと、個人情報を明かす必要がないことから、誰でも安心して利用できます。

検査キットを使う

検査キットは、病院に行く時間がない人や、性病検査を受けることに抵抗感がある人、または性病専門の病院が近くにない人にとって便利な選択肢です。検査キットを使用すれば、自宅で簡単に、かつ匿名で検査を行うことができます。

検査キットは通販などで購入することが可能で、使用方法に従って自分で検体を採取し、指定の検査センターに送付します。その後、結果はオンラインや郵送で受け取ることができ、病院と同等レベルの精度を期待できます。

性病検査について知っておくべきこと

性病検査について知っておくべきこと

性病検査を受ける際、保健所や検査キット、病院を利用することにはそれぞれメリットとデメリットが存在します。適切な選択をするために、これらの違いやそれぞれの特徴を理解することが大切です。

性病検査の身体的な負担

性病検査の身体的な負担は、検査する病気や採取する検体の種類によって異なります。例えば、血液検査、尿検査、または性器や咽頭を擦って検体を採取する検査もあります。

これらの検査は通常、痛みは少なく、比較的簡単に行うことができます。しかし痛みの感じ方は人それぞれのため、不安があれば事前に医師に相談しましょう。

性病検査の費用

性病検査を受ける際の費用は、検査方法や検査項目によって大きく異なります。検査キットの場合、一般的には検査1項目あたり4500円程度からとなっており、検査内容によって価格が変わります。

一方、クリニックで自由診療の場合は、検査1項目あたりの目安として8000円程度かかる場合が多いです。ただし、病気の症状が出ている場合は、保険診療が適用されるため、患者の自己負担は約3割になるでしょう。

陽性と診断されたら

性病検査で陽性と診断された場合、まずは落ち着いて次のステップを考えることが大切です。陽性結果を受けたら、適切な治療を受けるために速やかに医療機関を受診し、専門医の指示に従ってください。

治療計画は性病の種類によって異なり、多くの性感染症は適切な治療を受けることで完治します。特定のパートナーがいる場合は性病について状況を共有し、一緒に治療を行いましょう。

性病にかからないためにできること

性病にかからないためにできること

性病を予防するために、日常生活に取り入れることのできることを紹介します。

性病の予防方法

性病を予防する最も効果的な方法の一つは、コンドームを正しく使用することです。これにより、HIVやクラミジア梅毒など多くの性感染症を防ぐことができます。

また、不特定多数との性行為やリスクの高い性行為を避けることも、性病予防には欠かせません。

定期的な検査

性病に感染していても、症状が出ないケースは少なくありません。そのため、自覚症状がない場合でも定期的な検査を受けることが推奨されます。

とくに、新しいパートナーと性的関係を持った後や、コンドームなしでの性行為があった場合は、検査を受けることを検討しましょう。

パートナーとのコミュニケーションを大切に

性病予防のためには、パートナーとのコミュニケーションも非常に重要です。性病のリスクや予防方法について話し合い、互いに理解し合うことが大切です。

また、どちらかが性病に感染している場合は、正直に伝え、適切な治療を受けましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

性病検査は、性感染症内科をはじめ、泌尿器科、婦人科など、症状や性別に応じて選択肢があります。また、費用や匿名性を重視する場合は、保健所や検査キットを利用するのも一つの手だと言えるでしょう。

性病に対する理解を深め、適切な予防と検査を心がけることで、自身と大切な人の健康を守りましょう。

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