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尿漏れの改善方法とは?尿漏れの原因や種類・治療方法についても解説

 更新日:2023/12/14
尿漏れの改善方法とは?

尿漏れの悩みは周囲に相談しにくく、1人で悩んでしまう方が多い傾向にあります。

しかし尿漏れはちょっとした行動の変化によって、改善することが期待できる症状です。また、病院を受診することで早期に改善できる可能性もあります。

今回は、尿漏れの原因や種類・治療方法について解説していきます。

現在悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

佐藤 歩美

監修医師
佐藤 歩美(あゆみレディースクリニック高田馬場)

プロフィールをもっと見る
横浜市立大学医学部卒業。産婦人科を専門にNTT東日本関東病院や愛育病院にて研鑽を積む。ベビースマイルレディースクリニック有明の副院長を経て、2022年あゆみレディースクリニック高田馬場を開業。

尿漏れが起きる原因

尿漏れが起きる原因
尿漏れが起きる原因はいくつか考えられます。しかし原因をひも解くうえで、尿漏れを起こしやすい人はどういった人なのかを考えることが重要です。尿漏れを起こしやすい人は40歳以上の女性に多く、およそ40%以上が尿漏れを経験したことがあるといわれています。では、何故40歳以上の女性に尿漏れが多いのでしょうか。女性は男性に比べ、尿道が短く直線的なため、男性より尿漏れが構造的に起こりやすくなっています。さらに女性の尿漏れが起きる原因に迫ります。

妊娠・出産

尿漏れの原因の一つが妊娠・出産です。妊娠中は実に半数以上の妊婦さんが尿漏れを経験しています。これは妊娠によって分泌されるホルモンの影響で骨盤が開くこと、大きくなった子宮により膀胱が圧迫されるためです。
妊娠中は5割以上の方が経験していた尿漏れですが、出産後は3割弱までその数は減ります。しかし出産後も尿漏れを経験される方はいます。特に自然分娩を含めた経腟分娩ですと骨盤底筋が下がる傾向にあり、これが尿漏れの原因と考えられます。
実際に帝王切開は尿漏れのケースが少なく、産後1ヶ月でみてみると、経腟分娩の30.2%に対し帝王切開は12.1%と大きな開きが見受けられます。

加齢

出産の項目でも触れましたが、尿漏れと骨盤底筋の関係は切っても切り離せません。骨盤底筋が緩むと普段は尿が出ないように尿道を締めている筋力の低下が起きるので、くしゃみなど腹圧がかかった時に尿漏れを起こしやすくなります。この骨盤底筋ですが、加齢による筋力低下や尿道の位置の変化、女性ホルモンの分泌低下による腟萎縮などの影響をうけます。膀胱容積が減少することも原因のひとつです。
そのため、加齢によって尿漏れを訴える方は少なくありません。加齢による尿漏れは男性より女性に多く見受けられます。それは尿道の形が男性はS字なのに対し、女性は直線であることから、尿道の抵抗が弱いために起こるとされています。

肥満

後ほどご紹介しますが尿漏れにはいくつか種類があり、その内のひとつが腹圧性尿失禁です。お腹が圧迫されることによって引き起こされる尿漏れの症状です。肥満や便秘は頻回に腹圧がかかり、骨盤底筋にダメージが加わります。
すると、くしゃみやちょっとした運動でお腹に衝撃が走り、尿漏れを引き起こしてしまうのです。尿漏れ改善のために肥満や便秘は少しでも解消したほうがよいでしょう。

閉経などの女性ホルモンの低下

閉経も尿漏れの原因です。女性が閉経を迎えると卵胞ホルモンであるエストロゲンが低下します。すると骨盤底筋がゆるくなり、腹圧がかかると尿漏れを引き起こしやすくなります。また、閉経後は腹圧性尿失禁だけではありません。
加齢による切迫性尿失禁も複合して起こります。切迫性尿失禁は急に尿がしたくなる尿意切迫感や、トイレに行きたいと思うと我慢できずに漏れてしまう状態です。急に寒くなったり、水の音を聞いたりすると尿意が誘発されやすく、外出時や乗り物に乗っている時に起きると困るとお出かけが億劫になりがちです。また少量ではなくまとまった量の尿が漏れる方が多いのもこのタイプです。閉経後は2つの特性を持つ尿漏れが起こりやすくなり、また膀胱瘤や子宮脱などが影響していることもあるため、注意が必要です。

慢性的な便秘

慢性的な便秘を持っていることも原因の1つになります。慢性的な便秘が尿漏れを引き起こすメカニズムは、複数の要因によるものです。まず1つは、便秘によって腸内の圧力が増加し、それが膀胱に圧迫をかけることが考えられます。これにより、膀胱の正常な収縮と弛緩が妨げられ、尿の正確なコントロールが難しくなります。
また、慢性的な便秘が持続すると、腸内で腐敗物質が発生し、それが周辺の器官に影響を与える可能性があります。腸の炎症が近くの尿道や膀胱に広がることで、尿漏れのリスクが増加すると考えられています。

尿失禁の種類

尿失禁の種類
尿漏れの原因について紹介しましたが、次にその種類についてみてみましょう。原因の中でもいくつか説明しましたが、種類によって対策も異なってきます。尿漏れの改善にはその種類について知っておくと良いでしょう。

腹圧性尿失禁

くしゃみをすると尿漏れをしやすい、と聞いたことがあるかもしれません。これが腹圧性尿失禁です。腹圧性尿失禁はジャンプ・ジョギング・咳・くしゃみなど、お腹に力が入ると尿漏れを起こしてしまう症状です。
何らかの原因で骨盤底筋がゆるんでしまうと、ちょっとしたことで尿漏れを起こしてしまいます。特に女性に多く、およそ500万人以上の方が週に1回経験しているようです。

切迫性尿失禁

何らかの原因でトイレに駆け込み、我慢していても漏らしてしまうことを切迫性尿失禁といいます。通常は膀胱に尿が溜まると、脳から膀胱に指令が出て尿意をもよおし、尿を出そうと意識して初めて尿がでます。ところが脳からの伝達がうまくいかないと、さっきまで感じていなかったのに、ちょっとした刺激で急に強い尿意を感じ、我慢が効かず尿漏れの原因となる場合があります。

溢流性尿失禁

トイレに行っても上手く排尿できないという方がいます。上手く排尿できないために膀胱がパンパンになり溢れて尿漏れを起こしてしまうのが溢流性尿失禁です。膀胱がためて置ける尿の量がこえて、少しずつ漏れてくる尿失禁です。男性の前立腺肥大症や直腸がん・子宮がんの手術後に発症するケースがあります。
今まで紹介した腹圧性・切迫性と異なるのが、一定数の男性患者さんがいるということです。理由としては、前立腺肥大症にかかると排尿機能が低下してしまうことが挙げられます。その結果として尿漏れにつながっていくと考えられています。

機能性尿失禁

膀胱や腹腔内が正常でも尿漏れにつながる場合があります。それが、機能性尿失禁です。排尿が正常でも、トイレまで行く運動機能や判断能力が損なわれていると尿漏れの原因となってしまいます。
高齢の方に多く、アルツハイマーの患者さんにはよく見受けられるでしょう。また、若年層でも怪我などによって身体機能が損なわれる場合があります。これも機能性尿失禁に分類されます。

反射性尿失禁

尿意が無いにもかかわらず尿漏れを起こす場合もあります。これが反射性尿失禁です。主に下半身麻痺など脊椎に何らかのトラブルが発生した時に起こりやすいとされています。
ほとんど兆候がなく、尿意を感じずに尿漏れしてしまうため、小まめにトイレに駆け込まなくてはなりません。

尿漏れの治療方法について

尿漏れの治療法
尿漏れの治療方法は、尿漏れの度合い・種類によって主に手術療法・薬物治療の2つに分けられます。尿漏れは命に直接関わるような病気ではないですが、生活の質を低下させてしまう病気です。困ると感じたら、早めに泌尿器科や産婦人科の医師に相談してみましょう。

手術療法

尿漏れの症状がひどい場合は手術療法が検討されます。泌尿器科での相談をおすすめします。手術の方法は「中部尿道スリング手術」です。具体的には、ポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通し、緩んだ尿道を支えます。体に負担が少なく、長期間の使用にも優れています。
女性の腹圧性尿失禁には、中部尿道スリング手術を行うことにより85〜90%程度の確率で尿漏れの消失が期待できるでしょう。
男性の腹圧性尿失禁は「人工尿道括約筋埋め込み術」が行われます。男性の場合は、前立腺肥大症による経尿道的前立腺切除術や、前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術後に重度の腹圧性尿失禁を発生する可能性があるでしょう。人工尿道括約筋埋め込み術は、人工的に取り付けた装置を使い、自身で尿道を圧迫して尿漏れを防止します。
以前は自費診療で200万円(税込)以上かかりました。しかし、2014年から健康保険適用となり費用を抑えられるようになっています。

薬物治療

薬物療法は、尿漏れの種類によって効果が異なります。先ほど紹介した腹圧性尿失禁の場合は薬物療法の効果が期待できません。しかし過活動膀胱を伴う切迫性尿失禁の場合は、「抗コリン薬」あるいは「交感神経β3刺激薬」により、切迫性尿失禁や頻尿など過活動膀胱の症状を改善できることがわかっています。症状によっては、薬物治療も効果が期待できるため医師に相談してみましょう。

生活習慣の改善

軽度の場合、生活習慣の改善で一定の効果が得られます。肥満や便秘を改善する、利尿作用のあるカフェインやアルコールは控える、膀胱炎に気を付けるなどを意識しましょう。腹圧性尿失禁の方は次で紹介する骨盤底筋体操をお勧めします。切迫性尿尿失禁の方は排尿を我慢する訓練をしたり、緊張状態では神経が過敏に反応し尿意を感じやすくなるため、ストレスを減らしリラックスできる環境をつくることも有効です。

尿漏れの改善方法とは?

尿漏れの改善方法
尿漏れの改善には、行動療法による効果が期待できるでしょう。行動療法は、主に次の2つが挙げられます。

  • 骨盤底筋体操
  • 膀胱訓練

尿漏れの治療は、先ほど紹介したように手術療法や薬物治療などがありますが、行動療法が基本的な治療方法です。尿漏れが気になり始めたら泌尿器や婦人科の医師に相談し、行動療法を試してみましょう。

骨盤底筋体操

骨盤底筋体操とは、腟あるいは肛門を締める運動を一定期間継続するものです。仰向けの姿勢のまま5秒程度、肛門・尿道・腟全体を占め、陰部全体を引き上げるように締めます。その後、リラックスして力を抜きます。
この「締める」「力を抜く」を1分間のサイクルで10回繰り返すことが一般的な方法です。1〜3ヶ月程度継続することで、効果がみられるケースが多いでしょう。また、骨盤底筋体操は腹圧性尿失禁に対して標準治療となっていますが、過活動膀胱による切迫性尿失禁に対しても有効とされています。

膀胱訓練

膀胱訓練とは、少しずつ排尿間隔を延長するものです。
尿意もしくは尿意切迫感があっても慌ててトイレに行かず、4〜8週間かけて徐々に膀胱の容量を大きくする治療方法です。最初は短時間から始めて、15分間隔で延長していき、最終的には2〜3時間の排尿間隔になるようにします。

尿漏れを改善したい女性はあゆみレディースクリニック高田馬場へ

あゆみレディースクリニック受付
尿漏れを改善したい方は、あゆみレディースクリニック高田馬場がおすすめです。女性特有の疾患を熟知した専門の医師が丁寧に診察してくれます。

また、エムセラ・ウルトラフェミー360など新しい治療機器を導入し、患者さんに合った治療を提供してくれるでしょう。

ここでは、あゆみレディースクリニック高田馬場の特徴を紹介します。

骨盤底筋群を鍛える新しい治療法『エムセラ』を導入

骨盤底筋群を鍛える新しい治療法の「エムセラ」(※1)を導入しています。

エムセラは2020年に販売された、骨盤底筋群を鍛える医療機器です。アメリカやEUなど25カ国の認可が下りています。

尿失禁治療だけではなく、加齢や出産に伴う性的不快感・腰回りのダイエット・腟のゆるみなどの治療が可能です。

日本では未承認のため、あゆみレディースクリニック高田馬場では、医師が個人輸入して導入しています。

自由診療となっており、費用は1回15,000円(税込)で、3回38,000円(税込)・6回60,000円(税込)のセットも用意されています。

エムセラによる治療は、ピリピリとした感覚と骨盤底筋群の収縮を感じることがありますが、基本的に痛みはありません。

服を着たまま約30分間座っているだけでメスを使用しない非侵襲的な治療なので、ダウンタイムもなく普段通りの生活を送れるというメリットがあります。

デメリットとしては、これまで使用していなかった骨盤底筋群を鍛えるため筋肉痛の時のような筋力低下が起こり、尿漏れすることが挙げられますが一時的なことで心配はいりません。

(※1)未承認医薬品等であるため医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。

女性特有のGSM・ペリネケアの治療に注力

あゆみレディースクリニック高田馬場は、女性特有のGSM・ペリネケアの治療に注力しています。

GSMとは、2014年に国際女性性機能学会とアメリカ更年期学会において提唱された、閉経後の女性ホルモンの低下に伴う外陰部・腟の萎縮変化やそれに伴う身体症状のことです。

GSMは慢性進行性の疾患のため、経過観察だけでは症状の改善はありません。外陰部の保湿など適切なケアや局所作用のホルモン剤の一時的な投与をすることで改善する症状もあります。

また、ペリネケアとは骨盤底筋をケアすることです。ペリネケアの「ペリネ」は骨盤底筋を表しています。

女性の産後は骨盤がゆるみ骨盤矯正を行う方が多いですが、産後だけでなく加齢とともに、また尿漏れのある方には骨盤底筋のケアが重要となります。

アットホームで一人ひとりに寄り添った診療

あゆみレディースクリニック院長
あゆみレディースクリニック高田馬場は、アットホームで一人ひとりに寄り添った診療を提供しています。

基本理念は「明日の笑顔がもっと輝くように」で、患者さん一人ひとりに寄り添った診察・診療の提案を心がけ、気軽に受診できる環境づくりをされているそうです。

ドクターはすべて女性の医師で、女性特有の悩みを患者さんの立場になって解決してくれます。一人で悩まずに、気軽に相談してみましょう。

あゆみレディースクリニック高田馬場の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用

JR山手線、東京メトロ東西線、西武新宿線 高田馬場駅すぐ

東京都新宿区高田馬場2丁目17−6 ゆう文ビル 8F

診療時間
9:30~13:00
14:00~18:00
18:00~20:00

▲: 9:30~14:00
※受付は診療終了の30分前まで
※基本予約制

【費用(税込)】
●エムセラ:1回15,000円・3回38,000円・6回70,000円
●ウルトラフェミー:膣内のみ1回100,000円・3回280,000円
          膣内+外陰部1回130,000円・3回350,000円

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