女性ホルモンを増やすにはどうすればよい?女性ホルモンが減少する原因や症状・増やす方法・治療方法を紹介
女性ホルモンは、女性らしい美しさや健康に関わる重要な要素です。女性ホルモンが減少してくると、身体にさまざまな悪影響が及んでしまいます。
加齢とともに減少してくると考えられている女性ホルモンですが、これを増やす方法はあるのでしょうか。いつまでも健康で美しくいたいと希望する方にとって、重要な問題といえるでしょう。
今回は、女性ホルモンを増やす方法について紹介します。また、ホルモンが減少する原因や、減少によって引き起こされる症状および適切な治療方法も解説します。
女性ホルモンについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。美しく健康な身体を維持するための知識を得てもらえると幸いです。
目次 -INDEX-
女性ホルモンを増やすにはどうすればよい?
加齢とともに減少することがわかっている女性ホルモンですが、これを増やすにはどのように対処すればよいのでしょうか。
増やす方法を理解するためには、まずは減少する要因を理解することから始めましょう。そのうえで、日常生活において対処できる方法について理解を深め、日々実践することが肝要です。
自助努力で改善が見られない場合には、専門の医師による治療を受けるという選択肢もあります。自分に合った対処方法を実行し、女性ホルモンを増やして美容と健康を維持しましょう。
女性ホルモンが減少する原因
女性ホルモンが減少してしまう要因は、どのようなものがあるでしょうか。減少する要因を理解することで、適切な対処方法が取り入れられます。
女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。これらは、生理周期に伴って分泌量が変化しますが、何らかの要因により分泌サイクルが乱れてしまうと女性の体に不調をきたしてしまいます。
女性ホルモンの分泌が乱れ、減少してしまう要因の主なものは、以下の4項目です。
- ストレス
- 睡眠不足
- バランスが悪い食事
- 加齢
一つずつ具体的に紹介していくので、参考にしてください。
ストレス
女性ホルモンの分泌量は、日々の生活で受けるストレスに影響を受けやすいです。これは、ホルモンが脳の指令によって分泌されるためです。
まず、ストレスを感じると、脳からストレスホルモンが分泌されます。分泌されたストレスホルモンは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの生産に関係しています。
そのため、ストレスによって女性ホルモンのバランスが乱れてしまうのです。
現代社会では、さまざまな場面で心身ともにストレスを感じてしまう可能性があります。多忙な生活・精神的な緊張・急激な気温差など、ストレスを受ける場面は少なくないでしょう。
定期的な運動や自身の趣味に打ち込める時間を確保し、日々のストレスを上手に解消することが大切です。
睡眠不足
睡眠不足も、女性ホルモンの分泌量に大きな影響を与えます。十分な睡眠を得られないと、自律神経のバランスが崩れてしまい、ホルモン分泌に悪い影響が及ぶためです。
少なくとも6時間の睡眠時間を確保するとともに、睡眠の質にも配慮するのがよいでしょう。睡眠の2時間前以降は食事をしないことや、睡眠直前にパソコン・スマートフォン操作をしないことなどが大切です。
基本的な生活習慣を見直すことで、ホルモンバランスを正常に保てると考えられています。多忙な日々で睡眠時間を確保するのが難しい方も少なくないですが、生活自体を見直して良質な睡眠を確保するとホルモンバランスが整います。
バランスが悪い食事
食事のバランスが悪いと、ホルモン分泌に悪影響が及んでしまいます。ホルモン分泌のバランスを正常に保つためには、健康な身体が不可欠です。食事は健康の基礎ですので、重要な要素といえます。
特に、腸内環境を整える食材を意識して摂取するといいでしょう。例えば、納豆などの発酵食品・ゴボウなどの食物繊維を多く含む食材・乳酸菌を多く含むヨーグルトなどが挙げられます。
仕事などで忙しいと、どうしても食事をおろそかにしてしまいがちです。しかし、不摂生な食事を続けることでホルモン分泌に悪影響が及んでしまうので、普段からできるだけ食事のバランスに配慮しましょう。
加齢
加齢によって、女性ホルモンが減少することがわかっています。若い頃は体内でのホルモン生成および分泌が盛んに行われますが、年齢を重ねるとホルモン分泌活動が減少します。
特に、50歳代になると多くの女性は急激に女性ホルモン分泌が減少し、最終的に閉経が起こるのが一般的です。閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を更年期といいます。
更年期は女性ホルモンが減少するためさまざまな症状が現れるのですが、加齢によるホルモン減少は避けることが困難です。
更年期障害が発症した場合、女性ホルモンの減少だけでなく、心理的に社会的因子が複雑に関与していることが考えられるため、まずは生活習慣の改善や心理療法を試みます。
行動療法・心理療法に改善が見られないときは、医学的ケアにステップアップします。
女性ホルモンが減少すると起こる症状
女性ホルモンが減少する要因について紹介をしてきましたが、女性ホルモン減少によりどのような症状が起こるのでしょうか。
ホルモン減少は、ある程度避けられないものですので、ほとんどの女性が不調を経験するでしょう。事前にどんな症状が起こるのかを理解しておけば、落ち着いて対処できます。
女性ホルモンの減少によって起こる主な症状を、以下に3項目紹介します。
- 月経不順
- イライラ・不安感
- 肌の不調
1つずつ紹介するので、ぜひ理解を深めてください。
月経不順
女性ホルモンが減少すると、月経不順になりやすいです。月経は、基本的には1ヵ月周期で規則的に発生しますが、ホルモンバランスが乱れると不規則になることがあります。
月経後は、エストロゲンが急速に増加し、ピークを迎えた後急速に減少します。このころに卵巣で排卵が起こり、プロゲステロンが増加していきます。
月経を迎えると、エストロゲンとプロゲステロンがともに減少し、月経後に再びエストロゲンが増加するサイクルとなるのが一般的です。
ホルモン分泌のバランスが悪くなると、この周期が崩れるため、月経が不規則に訪れてしまいます。
イライラ・不安感
女性ホルモンが減少すると、イライラや不安感などの精神的な不調に見舞われてしまうケースが多くなります。些細なことで怒ってしまったり、気持ちが落ち込み不安になってしまったりすることが多くなります。
特に50歳代頃の女性は、更年期障害に見舞われ精神的なトラブルを経験するケースが多いようです。気持ちが常に安定せず、イライラや不安を抱えて過ごす方が多いと考えられています。
毎日の生活によるストレスを上手に解消しながら、精神的な安定を確保することが大切です。重度の更年期障害に悩む場合は、医療機関への受診を検討する必要があるでしょう。
場合によっては、ホルモン補充療法が行われます。
肌の不調
女性ホルモンが減少すると、肌荒れがひどくなってくる場合が多いです。特に美容に大きな影響を与えるのがエストロゲンです。ホルモン分泌が少なくなると、ニキビができやすくなったり、毛穴が皮脂で詰まったりするトラブルが多くなります。
エストロゲンが豊富に分泌されている時は、肌のバリア機能が充実していると考えられます。エストロゲンが肌の調子を整え、トラブル発生を未然に防いでいるためです。
ホルモンバランスの乱れにより肌が不調になってきた場合は、食生活の見直しや睡眠不足の解消を図り、肌のスキンケアを念入りに行いましょう。
女性ホルモンを増やす方法
女性ホルモンの減少の原因や、それにより発生する症状について解説をしました。では、女性ホルモンを増やすにはどんな方法があるのでしょうか。
ホルモンが減少する原因を改善することが、根本的な解決となります。日常生活でできることから対処していきましょう。
女性ホルモンを増やす方法について、日常生活で対応できる主なものを以下に3項目紹介します。
- 睡眠不足の解消
- 食生活の見直し
- 適度な運動習慣
日常の生活習慣の改善から、できる範囲で対処していきましょう。
睡眠不足の解消
睡眠不足の解消により、ホルモンバランスの改善が図れます。良質で十分な時間の睡眠を確保し、ホルモン減少の大きな要因である睡眠不足を改善しましょう。
具体的には6~7時間は眠るようにすると十分とされています。
多忙な生活を送っている方にとって、睡眠不足の解消は難しい問題であるかもしれません。しかし、ホルモン分泌に限らず、睡眠不足は高血圧疾患など身体にさまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。
普段の生活を見直し、可能な限り睡眠時間の確保に努めましょう。
食生活の見直し
食生活を見直すことでも、女性ホルモンが増える可能性があります。栄養バランスが偏った食生活を継続していては、ホルモンバランスが乱れてしまいます。
炭水化物過多にならないように、栄養素をバランスよく摂取しましょう。タンパク質・良質な脂質・ミネラル・ビタミンといったすべての栄養素のバランスを検討してみてください。
なかでも大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをする栄養素です。女性ホルモン減少の対策に効果があるとされているので、ぜひ積極的に食卓に取り入れましょう。
大豆製品である豆腐・納豆・味噌などは取り入れやすいのではないでしょうか。
適度な運動習慣
適度な運動を行うことにより、ホルモンバランスが整います。運動をすると血行と代謝がよくなり、ホルモン分泌によい効果があるからです。
普段よりも多めに歩いたり、階段を積極的に利用したりといった日常生活でできる対策でも十分に効果があります。
時間がある場合は、ヨガやストレッチなどゆっくりと身体を動かしながら緊張をほぐせる運動をするとより大きな効果が得られるでしょう。
軽度なものでも構わないので、日常的に運動する習慣を持つことがおすすめです。運動はホルモンバランスを整えるだけではなく、リフレッシュにもなるため、身体面・精神面どちらにも効果的といえます。
改善しない場合は治療を検討しよう
日常生活において取り組めるホルモン増加の方法を紹介しました。しかし、それでもホルモンバランスが改善しないこともあるでしょう。
このようなときには、医療的な手段による治療を検討してください。女性ホルモンを増やす治療方法の代表例は、以下の2つです。
更年期障害など、ホルモンの減少により起こる症状に悩んでいる方は、まずは専門の医師に相談して詳しく問診を行なうことが大切です。
問診の結果、医療的ケアが必要な場合は漢方療法やホルモン補充療法が選択されます。
漢方療法
ホルモンバランス改善には、漢方療法が効果的であると考えられています。漢方とは、古来に中国から伝承してきた医学で、人間本来の治癒力を引き出し、身体全体のバランスを考慮しながら体質改善を図ることを主眼としています。
女性ホルモン減少に効果のある漢方薬としては、以下の3つが代表的です。
- 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
- 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
- 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
この3種類の漢方薬は、婦人科の三大漢方薬とされています。血行をよくし、精神的な安定をもたらしてくれると考えられています。
漢方療法を取り入れる場合には、自分に合った薬品を選択する必要があるので、専門の医師に相談することが大切です。
ホルモン補充療法
女性ホルモンを医療的に増やす方法といえば、ホルモン補充療法が知られています。飲み薬・注射・ジェル状の塗り薬・貼り薬などの方法を用いた治療となります。
女性ホルモンの減少だけではなく、ホルモンの揺らぎを小さくします。不足したホルモンを直接、補充する療法なので効果は大きいです。
特に塗り薬・貼り薬は皮膚から吸収されて血管に入って作用するため、手間がかからず副作用が少ないというメリットがあります。
ホルモンバランスの不足による症状に悩まれている方は、ホルモン補充療法の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
一人ひとりに合わせた治療法となるため、信頼できる医療機関を訪ねて相談することがおすすめです。
編集部まとめ
女性ホルモンを増やすためにはまず、基本的な日常生活の改善からです。食生活・良質で十分な睡眠時間・適度な運動などが挙げられます。
それでも症状が改善しない場合は、漢方療法やホルモン補充療法を検討してみるといいでしょう。
専門の医師によるカウンセリングを受けることで具体的なアドバイスをもらえ、取るべき対策がきっと見つかるはずです。
生活習慣の改善で対処可能なのか、それとも医療行為を施す必要があるのか、専門的な視点からアドバイスを受けて輝かしい日常を送りましょう。