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突発性難聴の治療方法|発症要因や症状、早期受診の重要性

 更新日:2025/03/24
突発性難聴の治療方法|発症要因や症状、早期受診の重要性

突発性難聴は、ある日突然何の前触れもなく聞こえが悪くなる病気です。近年、増加傾向にあるといわれています。

突発性難聴は片側の耳で生じることが多く、はっきりとした原因はわかっていません。
この記事では、突発性難聴の症状や発症要因、治療方法や早期受診の重要性を紹介しています。

聞こえにくさが気になる方の参考になれば幸いです。

石本 晋一

監修医師
石本 晋一(飯田橋みみ・はな・のどクリニック)

プロフィールをもっと見る
平成4年 山形大学医学部医学科卒業
東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科研修医
国立東静病院(現:静岡医療センター)研修医
平成6年 NTT東日本関東病院 勤務
平成7年 亀田総合病院 勤務
平成8年 東京大学耳鼻咽喉科医員・助手・医局長・病院講師
その間、平成13年2月~11月アメリカミシガン大学クレスゲー聴覚研究所留学
平成16年 東京山手メディカルセンター耳鼻咽喉科部長
平成24年 JR東京総合病院耳鼻咽喉科部長
令和6年 飯田橋みみ・はな・のどクリニック院長

突発性難聴の症状

突発性難聴の症状
突発性難聴では、突然の片側性難聴・耳鳴り・耳の閉塞感が生じます。以下で、各症状を詳しく紹介します。

突然の片側性難聴

突発性難聴は、突然片側の耳に難聴(聞こえなくなる)が生じる病気です。まれに両側の耳に発症するケースもあります。
前日まで問題なく聞こえていたのに、朝起きたら聞こえなくなっていることも少なくありません。 難聴の程度は、高音のみが聞こえにくい・低音が聞こえにくい・まったく聞こえないなど、個人差があります。

耳鳴り

突発性難聴の発症前後に、耳鳴り(耳の中あるいは頭の中から音がする)を伴うことがあります。 耳鳴りとは、周囲に音がないにもかかわらず、本人には音が聞こえる症状です。
「ピー」「キーン」などの高音の耳鳴りや、「ザー」「ゴー」といった低音の耳鳴り、さらに脈を打つような耳鳴りもあります。
耳鳴りの音量は、小さいものから、日常生活に支障をきたすほどの大きなものまで様々です。 耳鳴りの原因は完全には解明されていませんが、聴覚神経の機能が低下することで生じると考えられています。

耳の閉塞感

耳の閉塞感とは、耳が詰まったように感じる症状のことです。耳垢や中耳炎などが原因の場合もありますが、低音域の難聴が生じると、耳の閉塞感を強く感じることがあります。
また、音が割れて聞こえる・音が響く・めまい(回転性・浮動感)を伴う場合もあります。

突発性難聴の発症要因

突発性難聴の発症要因
ここでは、突発性難聴の発症要因として考えられるものを紹介します。
現在のところ、明確な因果関係は解明されていませんが、睡眠不足・疲労の蓄積・ストレス・糖尿病などが、循環障害やウイルス感染を引き起こすのではないかと考えられています。

循環障害

循環障害とは、内耳の血流が悪くなることを指します。内耳の血管は非常に細く、血流障害が生じやすい特徴があります。
循環障害が起こると活性酸素が発生し、これにより音を感じ取る有毛細胞がダメージを受ける可能性があります。 糖尿病や喫煙、ストレスは、血流障害のリスクを高めると考えられています。

ウイルス感染

ウイルス感染も、突発性難聴の原因として有力な説のひとつです。ただし、特定のウイルスが原因であると断定することは難しいとされています。
高度の難聴が生じ、治療を行っても改善が見られない場合、ウイルス感染の可能性を考慮することがあります。

ストレス

ストレスは、突発性難聴の発症要因の一つとして注目されています。過度なストレスは交感神経を過剰に刺激し、血管を収縮させることで内耳の血流を低下させる可能性があります。
また、ストレスによるホルモンバランスの乱れが、免疫機能の低下や炎症反応を引き起こし、突発性難聴のリスクを高めると考えられています。

突発性難聴の治療方法

突発性難聴の治療方法
突発性難聴の治療方法には、以下のようなものがあります。

ステロイド療法

ステロイド(副腎皮質ホルモン)治療が中心となります。通常は内服治療ですが、聴力の改善が見られない場合は点滴によるステロイド大量療法が推奨されます。
しかし、ステロイド大量療法には副作用のリスクがあるため、入院治療が必要になることもあります。
また、糖尿病や緑内障などの理由でステロイドの全身投与が難しい場合は、鼓室内に直接ステロイドを注入する「ステロイド鼓室内注入療法」が選択されることもあります。

循環改善薬

内耳の血流を改善するために、末梢血管拡張薬やビタミンB12製剤などが処方されることがあります。

高圧酸素療法

高気圧酸素療法は、ステロイド治療で効果が得られない場合に選択されることがあります。 高気圧ユニット内で高濃度の酸素を取り込むことで、内耳の組織に十分な酸素を供給し、回復を促す治療法です。

ストレスの軽減

ストレスを軽減することは、突発性難聴の予防や再発防止の観点からも重要です。
ストレス管理の方法としては、
・規則正しい生活習慣(十分な睡眠・バランスの取れた食事・適度な運動)
・リラクゼーション(深呼吸・瞑想・ヨガ)
・趣味や気分転換を取り入れる
・必要に応じて専門家に相談する(心理カウンセリングなど) が挙げられます。

突発性難聴が疑われる場合の早期受診の重要性

突発性難聴が疑われる場合の早期受診の重要性
突発性難聴は、治療が遅れるほど治りにくくなります。発症から2週間以内、できれば1週間以内に治療を開始することが望ましいとされています。
早期に治療を開始すれば、回復の可能性が高まりますが、それでも聴力が完全に回復する確率は約1/3とされています。
突発性難聴の予後に影響を与える要因には、治療開始までの期間・年齢・難聴の程度・めまいの有無などが挙げられます。
少しでも疑わしい症状がある場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診し、治療を開始することが大切です。

突発性難聴でお悩みなら飯田橋みみ・はな・のどクリニックへ

飯田橋みみ・はな・のどクリニック
突発性難聴は、突然片側の聞こえが悪くなる病気です。突然の変化に不安を感じる方も多いでしょう。
飯田橋みみ・はな・のどクリニックでは、突発性難聴をはじめとする耳鼻咽喉科の疾患に幅広く対応しています。

耳鼻科の各症状に特化した精密な診断と専門的な診療を提供

飯田橋みみ・はな・のどクリニックの石本晋一院長は、大学病院勤務後に多くの病院での勤務を経て、クリニックを開院しました。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 耳鼻咽喉科専門医・専門研修指導医・補聴器相談医の資格をお持ちです。これまでの豊富な経験や培った技術をもとに、耳鼻科の各症状に特化した精密な診断を心がけているそうです。

治療においては、専門性の高い治療と手術に対応しています。外科手術から突発性難聴のステロイド鼓室内投与療法、補聴器外来、好酸球性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法やレーザー手術、睡眠時無呼吸症候群など幅広い診療に対応しているため、耳鼻科に関する悩みや問題を相談しやすいでしょう。

耳鼻科用CT完備でよりしっかりとした精密な診断

飯田橋みみ・はな・のどクリニック
飯田橋みみ・はな・のどクリニックは耳鼻科用CTを完備しており、より精密な診断による治療を提供しています。座ったまま検査することができ、検査自体も1〜2分程と速やかに検査が行えるそうです。

耳鼻科用CTは、副鼻腔炎や中耳炎、伝音性難聴、顔面骨骨折、鼻骨骨折などの診断に役立ちます。耳鼻科用CTを使用することでレントゲンではわかりにくい部位も映し出せるため、適切な治療につなげられるといいます。

さらに耳鼻科用CTのメリットは、患部の状態をすぐに確認できるため診断がスムーズに進むことや、一般的なCTに比べて被ばく量が低いこと、撮影費用が安いことなどが挙げられます。

耳鼻咽喉科医療を身近に感じるアットホームな診療

飯田橋みみ・はな・のどクリニック
飯田橋みみ・はな・のどクリニックは、いつでも身近に耳鼻咽喉科医療を提供できる体制を目指し、アットホームな診療を心がけているクリニックです。
患者さん一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察を心がけ、新しい医療技術を提供されています。

土日祝日も診療を行っているため、平日の通院が難しい方でも気軽に通えます。また、JR飯田橋駅東口から徒歩1分の場所にあるため通いやすいでしょう。

気になる症状がある方は、飯田橋みみ・はな・のどクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

飯田橋みみ・はな・のどクリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

東京メトロ 飯田橋駅 徒歩1分
JR 飯田橋駅 徒歩1分

東京都千代田区飯田橋4-9-10細谷ビル6階

診療時間
9:30~13:00 ◼︎ ◼︎
15:00~18:30

◼︎:9:30~12:30
▲:14:00~16:30
休診日:年末年始・夏季

参考文献

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