性病検査の検査方法は?検査を受ける重要性やタイミングについても解説!
性感染症を早期に治療を開始することで症状の悪化を防ぎ、合併症のリスクを低減します。
定期的な検査により、感染が広がる前に適切な対策を講じることが可能です。
本記事では以下の点を中心に性病検査の検査方法について解説します。
・性病検査の重要性
・性病検査の検査方法
・性病検査を受ける方法
性病検査についてご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
監修医師:
澤田 樹佳(富山県のさわだクリニック)
20022金沢大学卒 / 2014年金沢大学大学院卒 / 現在は、富山県のさわだクリニック院長 / 専門は泌尿器科、在宅、緩和医療、東洋医学
保有免許・資格
泌尿器科専門医、指導医
医師へのコミュニケーションスキルトレーナー
目次 -INDEX-
性病検査の重要性
性病検査は、感染の早期発見と治療を可能にし、自分とパートナーの健康を守るために不可欠です。
以下で検査の重要性を解説します。
性病は自覚症状が現れにくい
性感染症は初期段階では自覚症状がないことが多く、感染に気付かないまま日常生活を送ってしまうケースが少なくありません。
この無症状期間が危険で、自分自身はもちろん、知らず知らずのうちにパートナーや他者へと感染を広げるリスクが高まります。
性感染症が進行すると、治療が困難になり、痛みやほかの健康問題を引き起こすこともあるため、定期的な性病検査がとても重要です。
性病は早期発見・早期治療が大切
性感染症を早期に発見し治療することは、深刻な健康問題を予防するうえで重要です。
特に、妊娠を計画している方や妊婦の場合、未治療の性病は不妊や母子感染といったリスクを高める可能性があります。
そのため、性感染症の検査と適切な治療を行うことは、自分自身だけでなく愛する人の健康を守るためにも必要です。
検査でわかる主な性病
性病検査でわかる主な性病はクラミジア・淋病・咽頭クラミジア/淋病・エイズ(HIV)・梅毒・B型肝炎・性器ヘルペス・尖圭コンジローマなどがあります。
性病検査の検査方法
性病検査の方法について病気ごとに分けて解説します。
クラミジア・淋病
クラミジアと淋病の検査方法は、性別によって異なります。
女性の場合は膣からの分泌物や粘膜を軽く拭い取ったサンプルを利用し、男性の場合は尿を採取して検査を行います。
また、肛門に感染が疑われる場合は、肛門周辺の分泌物を採取し、咽頭に感染があると考えられる場合には、男女共にうがい液からサンプルを得ることが一般的です。
検体は、専門の医療機関で適切に分析され、クラミジアの有無を確認するために用いられます。
カンジタ
カンジダ感染症の診断には、患部からのサンプル採取が行われます。
性器に症状が見られる場合、綿棒を用いて感染部位から菌を採取し、検査を実施します。
これにより、カンジダ菌の存在を確認し、適切な治療方針を立てることが可能です。
症状が表れていない場合でも、潜在的な感染を見逃さないために検査が推奨されます。
女性では膣分泌液を、男性では尿を用いて検査することが一般的です。
サンプルを分析することで、症状が明らかでない場合でも感染の有無を検出できます。
性器ヘルペス・尖圭コンジローマ
性器ヘルペスと尖圭コンジローマの検査方法については、症状が表れている部位から直接サンプルを採取することが一般的です。
この方法では、男女問わず、感染が疑われる病変部から細胞を採取し、ウイルスの有無を確認します。
症状が現れた場合にのみ検査が行われるため、感染しているが症状が表れていない場合の検出は難しい場合があります。
梅毒・エイズ(HIV)・B型肝炎
梅毒、エイズ(HIV)、B型肝炎の診断には、男女共に血液検査が用いられます。
これにより、体内における感染の有無を確認できます。
特に、HIV感染症の検査には、初期スクリーニングの後、さらに精密な確認検査が行われることが一般的です。
検査結果に基づき、適切な治療や対策を行うことが可能となります。
梅毒とB型肝炎についても同様に血液検査が実施され、感染の早期発見と治療につながります。
検査を受けるタイミング
性病検査は自分や周りの人を守るためにも重要なことはわかりましたが、どのようなタイミングで受けるのがいいのか以下で解説します。
性病の疑いがある
性病の疑いがある場合、特定の症状に注意することが重要です。
性器や喉などの異常を感じたときは、性病検査の受診を考えるべきです。
性病によって引き起こされる症状には、排尿したときの痛みや不快感、デリケートゾーンのかゆみ、赤み、腫れ、出血などがあります。
また、性的接触が原因で喉に違和感を感じることもあります。
このような症状が見られた場合は、早めに医療機関を訪れ、専門の医師に相談することが推奨されます。
適切な検査を受けることで、症状の原因を特定し、必要な治療を受けられます。
性病は早期発見が治療成功の鍵となるため、異常を感じた際は速やかに対応することが大切です。
パートナーが性病もしくは疑いがある
もしパートナーに性病の疑いがある場合、または性病に感染している可能性があると思われるときは、検査を検討することが賢明です。
症状が現れていない場合でも、性病は初期段階では無症状のこともあるため、自己の健康を守るためにも検査が重要です。
性病の感染は、自分だけでなくパートナーにも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、パートナーがすでに症状を示している場合や、性病に感染している疑いがあるときには、共に検査を受けることでお互いの健康状態を確認し、適切な対策をとれるでしょう。
身体に違和感を感じる
性病の疑いがある症状が全身に現れた場合、性病検査を検討することが推奨されます。
特に、次のような症状に注意が必要です。
・発熱
・咳
・喉の痛み
・あざ
・発疹
・かゆみ
・腫れ
性病の症状は、風邪と誤認されることがあるために見過ごされがちです。
特に性的な接触の後に症状が現れた場合は、性病の可能性を考慮し、検査を受けることが重要です。
また、リスクのある性行為を行った後や、性病感染の可能性がある状況が発生した場合は、自己判断をせずに専門家の診断を受けることが望ましいとされています。
無防備な性交渉や複数のパートナーとの性交渉など、感染リスクを高める行為をした場合も、速やかに検査を検討してください。
性病検査を受ける方法
性病検査は気軽に受けられるのでしょうか?
いくつかの検査機関を紹介します。
医療機関
性病の症状が現れた場合、その部分に応じて適切な診療科を選ぶことが重要です。
性器や尿道に異常が見られる場合は泌尿器科、性器の周辺の皮膚に問題がある場合は皮膚科、喉に違和感がある場合は耳鼻咽喉科、女性特有の症状がある場合は婦人科への受診が推奨されます。
これらの科は一般的な症状に対応していますが、性感染症の専門的な診療を求める場合や、どの科を受診すべきか不明な場合は、性病専門のクリニックの受診がよいでしょう。
こうした専門クリニックでは、性感染症に関する広範な知識と治療法が提供されます。
保健所
保健所での性病検査は、主に梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎などのスクリーニングを対象としています。
一部の保健所では、淋病やクラミジアの検査もできる場合があります。
多くの場合、検査は匿名で無料で行われるため、気軽に利用できます。
ただし、保健所で行われるのは検査のみであり、診断後の治療はできません。
そのため、検査結果が陽性であった場合は、適切な治療を受けるために医療機関を自ら受診する必要があります。
これにより、迅速かつ適切な治療を受けることが可能となります。
検査キット
性病の検査を受けることは、自分の健康を守るだけでなく、他人への感染拡大を防ぐためにも重要です。
しかし、多くの人が病院での検査をためらう理由として、プライバシーへの懸念や症状が明確でないために必要性を感じないことが挙げられます。
このような背景から、自宅で手軽に行えるオンライン検査サービスが注目されています。
オンライン検査では、自宅で簡単に検体を採取し、郵送で送ることで検査結果を得ることが可能です。
この方法では、病院を訪れることなく匿名性を保ちながら、性病かどうかを確認できるため、気軽に利用できます。
さらに、オンライン診療を利用すれば、結果に基づいた医師のアドバイスや処方も受けられるため、必要な治療を迅速に開始することも可能です。
性病の早期発見と治療は感染の拡大を防ぎ、個人の健康状態を保つためにもとても重要です。
そのため、不安や疑問を感じた際は、オンライン検査キットを活用することを検討してみてください。
性病を予防するためにできること
性病の検査も重要ですが、そもそも性病にならないためにはどのような予防法があるのでしょうか?
避妊具を使用する
コンドームは性感染症の予防に効果が期待できる手段の一つです。
コンドームを使用することによって、精液や膣分泌液などの体液が直接相手の粘膜に触れるのを防ぎます。
これにより、HIVやクラミジア、淋病など、多くの性感染症の病原体が体内に侵入するリスクを大幅に減少させることが可能です。
ただし、コンドームは性感染症を100%防ぐものではなく、適切な使用が求められます。
また、コンドームがカバーしない体の部分からの感染の可能性も考慮する必要があります。
そのため、コンドームを正しく使用することが、性感染症予防の鍵となります。
ワクチンの接種
ワクチンの種類は、以下のとおりです。
・A型肝炎ワクチン
A型肝炎ウイルス(HAV)の感染を防ぎます。
オーラルセックスやリミング、または汚染された手を介した接触から感染しますが、予防接種を受けることで、感染するリスクを低減させます。
・B型肝炎ワクチン
B型肝炎ウイルス(HB,)の感染を予防します。
血液や性行為(膣性交やアナルセックス)やキスを通じて感染するリスクを低減します。
・A型・B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)
A型とB型の肝炎ウイルス両方に対する予防効果が期待できるワクチンです。
特に、A型およびB型肝炎ウイルスの感染リスクが高い方に推奨されます。
・HPVワクチン
ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染を防ぎ、子宮頸がん、腟がん、外陰がん、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんのリスクを減少させます。
このワクチンは、9歳から45歳までの男女が対象となります。
上記のワクチンは、感染症を予防するのに重要な役割を果たします。
まとめ
ここまで性病検査の検査方法について解説してきました。
内容をまとめると以下のとおりです。
・性病検査は、自覚症状が少ない性感染症を早期に発見・治療し、健康問題や感染拡大を防ぐためにとても重要
・性病検査は、クラミジア・淋病は尿や分泌物、カンジダは感染部位からのサンプル、梅毒・HIV・B型肝炎は血液検査で行われる
・性病検査は医療機関、保健所、オンライン検査キットで可能。匿名・無料で利用できる保健所、自宅でのプライバシー確保ができるオンライン検査が便利
性病検査は自分だけでなくパートナーを守るためにも欠かせません。
症状の有無に関わらず、早期発見と対策が将来的な健康問題を防ぐため、定期的な検診の受診をおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。