一重と二重はどちらが多い?構造の違いから一重から二重になる方法までを解説!
自分のまぶたに満足していますか? たいていの人は生まれつき、一重まぶたか二重まぶたのどちらかですが、近年は化粧映えがするなどの理由で二重まぶたが人気のようです。一重まぶたと二重まぶたには、どのような違いがあるのでしょうか? また、一重まぶたを二重にする方法はあるのでしょうか?
この記事では、一重と二重のまぶたについて詳しく解説していきます。憧れのまぶたを手に入れたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
監修医師:
柳 靖雄(医師)
目次 -INDEX-
一重と二重にはどのような違いがあるのか
まぶたの形は大きく分けて一重と二重に分けられますが、その違いは「皮膚が折りたたまれているか否か」です。まぶたの皮膚に折りたたみがなく、目を開く際に単純にまぶたが上に引き上げられるような形状は、一重まぶたです。この場合、まつ毛の付け根部分は皮膚が被さったままとなるため、根元が見えることはあまりありません。これに対し、まぶたの皮膚に折りたたまれて作られたラインがあるのが、二重まぶたです。二重まぶたは、目を見開いて正面から見た場合、まつ毛の付け根が見えることが多いのが特徴です。
一般的に、涼しげでクールなイメージに見られることが多いのは、一重まぶたです。一方、目がくっきりと大きくて華やかな印象を与えることが多いのが、二重まぶたです。
日本での一重と二重の割合
世界的には、二重まぶたの人種が大多数を占めています。アメリカやヨーロッパ系の白人、アフリカ系の黒人、またアジアでも、インド、東南アジア諸国の人々や、中東のアラブ人、イランなどに住んでいるペルシャ人などは、ほぼ全員が二重まぶたです。一重まぶたの人は、日本、韓国、中国、北朝鮮、モンゴルなどの北東アジアにのみ存在しているといわれており、これらの地域には一重まぶたと二重まぶたの人が混在しています。日本人は、男女ともに、生まれつき一重の人が7割、二重の人が3割といわれています。
どうして一重と二重の人がいるのか
日本に一重まぶたの人と二重まぶたの人が混在している理由は、もともとシベリアに住んでいた人々が日本にやってきたため、という説が有力です。
アフリカ大陸で誕生した人類が食糧を求めてユーラシア大陸へ移り住んだ際、遠くシベリアへとたどり着いた人々もいました。その中からさらに日本に移り住んだ人々が後の縄文人だといわれており、彫りの深い顔立ちが特徴で、まぶたの皮膚は薄く、ほとんどが二重まぶたであったとされています。
その後、氷河期が訪れ、シベリアに残った人々は、寒さから身を守るためにまぶたの脂肪を増やし、二重まぶたから一重まぶたに進化したといわれています。この人々の一部が後に日本に移り住んだため、日本には一重まぶたの人と二重まぶたの人が混在することになったとされています。
一重と二重の構造の違い
一重まぶたと二重まぶたの構造にはどのような違いがあるのでしょうか?
上まぶたの内部には、瞼板(けんばん)と呼ばれる細くて硬い板があります。この瞼板に付いている筋肉が、目を開く時に引き上げられます。このように、単純に瞼板が引き上げられて目が開くのが、一重まぶたです。
これに対して、瞼板に付いている筋肉の一部が上まぶたの皮膚にも付いている場合、目を開く時に皮膚も一緒に引っ張り上げられて、ひだができます。これが、二重まぶたです。このように、一重と二重ではそれぞれの構造に違いがあることがわかります。
一重や二重は遺伝するのか
生まれつき一重まぶたか二重まぶたかを決める要素として、その大部分が遺伝であることが明らかになっています。これはメンデルの法則(優性の法則)として広く知られています。
人はまぶたについて、両親から1つずつ遺伝子を受け継ぎ、2つの遺伝子を持っています。二重まぶたはA(優性遺伝子)、一重まぶたはa(劣性遺伝子)で、人のまぶたの遺伝子は、AA、Aa、aaの3パターンのどれかとなり、AA、Aaの人は二重、aaの人は一重となります。この場合の「優性」とは、単純にAaの場合に「現れる形質」という意味です。二重まぶたが「優れている」という意味ではないことに注意が必要です。(現在ではこの誤解を避けるため、「優性」「劣性」ではなく、「顕性」「潜性」と表現を改めるようになってきています。)
この法則でいくと、両親が二重まぶたの場合は高い確率で子どもも二重になります。ただし、二重まぶたの両親の遺伝子がどちらもAaだった場合は、子どもが一重まぶた(aa)となる場合もあり得ます。
一重と二重のメリット・デメリット
一重まぶたと二重まぶたには、それぞれメリットとデメリットがあります。
一重のメリット
一般的に、一重まぶたは涼やかでクールな印象を与えます。また、二重まぶたに比べて、たるみやくぼみが出にくく、そのため若く見られやすいというメリットもあります。
一重のデメリット
涼しい目元とされる一重まぶたですが、瞳に覆いかぶさる皮膚が厚いと、逆にまぶたが重い印象になってしまいます。目元も二重に比べて地味になりやすく、化粧映えしないことを悩む人も多いようです。また、視野が狭くなる傾向があるため、目元が細く見えがちです。視野が狭いとその分まぶたを押し上げるための筋肉に負担がかかり、肩こりや頭痛などの慢性的な症状を引き起こす可能性もあります。
二重のメリット
二重まぶたは、ぱっちりと目を大きく見せ、華やかな印象を与えます。アイシャドウなどを使った西洋風のメイクがよく映えるため、近年では一重まぶたを二重に見せるメイクも人気です。
二重のデメリット
二重まぶたのデメリットとしては、時によってまぶたが不格好になってしまうことが挙げられます。体調が悪い時などは、まぶたが安定せずに三重になってしまったり、ひだが重なってしまったりときれいな二重のラインが出にくい場合があります。また、たるみやくぼみも出やすく、年齢を重ねると老化が現れやすいという特徴もあります。さらに、一重まぶたよりも皮膚が薄くなってしまう分、乾燥しやすいというデメリットもあります。
一重と二重では二重に憧れる人が多い
これまで見てきたように、一重まぶたと二重まぶたには双方にメリット、デメリットがあります。しかし、実際にどちらに憧れるかというと、二重まぶたに軍配が上がるようです。
全国の10代〜20代の女性を対象にしたアンケートでは、二重まぶたの悩みは「特になし」が一番多かったのに比べ、一重まぶたの悩みは「写真が盛れない」「メイク映えしない」といった項目が上位を占めています。また、一重まぶたの人に「二重まぶたになりたいと思ったことはありますか?」と質問したところ、9割の人が「はい」と回答しています。
では、どうすれば一重まぶたを二重まぶたにすることができるのでしょうか?
一重から二重になりにくい人の特徴
一重まぶたと二重まぶたは構造上の違いがあるため、一重まぶたの人が自然と二重まぶたになる可能性は低いといえます。ただし、もともと二重の構造を持っている場合は、まぶたの脂肪が減ったり、皮膚が薄くなったりして、二重になるケースもあります。また、二重のりやアイテープを使用することで、折りたたまれた皮膚のラインが定着し、二重になる場合もあります。
逆に、一重から二重になりにくい人の特徴は、下記の3つです。
二重のりやアイテープを使用してもなかなか二重にならない場合は、まぶたの構造が一重まぶたである可能性が高いといえるでしょう。また、まぶたの脂肪が厚かったり、皮膚が硬かったりすると、いくらクセづけをしても皮膚がまぶたに食い込まずに二重にならないケースがあります。このような場合は、自力で二重まぶたにすることは難しいといえます。
一重から二重になるためのケアの方法
では、セルフケアで一重まぶたから二重まぶたにするにはどうすればいいでしょうか?
ここでは、まぶたのむくみを取る温冷タオルパックの方法をご紹介します。まぶたのむくみが取れると、皮膚がその分薄くなり、二重になりやすくなります。
温冷タオルパック
こうした目の周りのケアのほかに、手っ取り早く二重にしたい場合は、アイテープなどの二重まぶた化粧品を使ったり、二重メイクをしたりする方法もあります。詳しい方法を紹介している動画サイトも多くありますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。
一重を二重にする手術の種類
セルフケアでなかなか二重にならない場合でも、美容医療ならきれいな二重まぶたにすることが可能です。現在、二重まぶたの手術には、二重切開法と二重埋没法の2つがあります。
二重切開法とは、まぶたを切開して二重のラインを形成する方法です。切開した部分の皮膚と筋肉を癒着させるために、半永久的に二重まぶたが持続します。また、デザインの自由度も高く、埋没法では難しいまぶたの脂肪の多い人なども理想の二重にすることが可能です。
二重埋没法とは、まぶたを切らずに糸で留めることで二重のラインを作る施術方法です。切開を行わないため施術時間も短く、気軽に受けられるプチ整形として人気があります。
それぞれの方法について、メリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
切開法のメリット
切開法は埋没法に比べて、よりくっきりとした二重を作ることができます。まぶたが厚い人でもきれいな二重のラインができ、加齢などによるまぶたのたるみにも対応することができます。自由度が高いため、好みのラインを作ることも可能です。また、半永久的に二重まぶたを維持でき、一重まぶたに戻る心配がないことも大きな魅力です。
切開法のデメリット
切開法のデメリットは、切開を行うため、埋没法よりもダウンタイム(治療後の赤みや痛みが回復して普段の生活に戻るまでの時間)が長くかかる点です。また、費用も埋没法に比べて高額になる場合が多いようです。さらに、一度施術を行うとやり直すことができません。理想の二重とならなくても元には戻せないため、その点をしっかりと認識し、事前のカウンセリングで綿密に医師と打ち合わせを行う必要があります。
埋没法のメリット
埋没法のメリットは、切開を行わないため、施術時間が短く、傷が残らないことです。また、ダウンタイムも短く、数日で日常生活に戻れることが多いので、比較的手軽に受けることができます。
埋没法のデメリット
埋没法は手軽である反面、人によっては効果が持続せずに、二重が取れてしまう可能性があります。また、脂肪が多いなど、まぶたの状態によっては埋没法が適さない場合もあります。切開法のようなデザインの自由度も少ないため、理想の二重ラインを作ることが難しいケースも出てきます。
自分に合った治療法を見つけよう
せっかく二重手術をしても、仕上がりに後悔しては意味がありません。施術後の自分のまぶたを見て「理想の二重と違う」ということがないように、事前に準備や下調べをしっかり行うようにしましょう。
二重手術で後悔しないために大切なことは、自分にあった治療法を選ぶということです。まずは、自分がどのような二重を目指しているかをはっきりさせましょう。その上で、事前のカウンセリングでは理想の二重の画像などを用意して、医師に自分の希望を正確に伝えることが重要です。目の構造は人によってそれぞれ違うため、自分の思い通りの二重にできるとは限りません。理想の二重幅が自分の目にあっていないと失敗の原因になります。医師と十分な意思疎通をはかり、自分の目の形と照らし合わせて、どの治療法が良いか、二重の幅はどれくらいにすれば理想の形に近づけるか、などを検討するようにしましょう。
代表的な二重の種類は、下記の2つです。
・末広型
目頭に対して目尻の二重の幅のほうが広く、全体的に末広がりの形をしています。日本人の二重まぶたの大多数がこのタイプです。目頭の部分に「蒙古ひだ」と呼ばれる皮膚の張りがある人は、埋没法を施すと多くの人が末広型になります。二重の幅を約5〜7mmほどにしておくとまぶたの負担も少なく、仕上がりもナチュラルで、きれいな二重が維持しやすいといわれています。
・平行型
目頭から目尻までの二重の幅がほぼ均一で、欧米人などに多く見られるタイプです。目がはっきりと大きく見えるため、メイク映えがしやすく、顔全体が華やかな印象になります。目頭に蒙古ひだがあまりない場合は、平行型に仕上げることが可能です。埋没法でまぶたを2〜3点以上しっかり留めることで、アイメイクの映えるきれいな二重ラインを維持しやすくなります。
蒙古ひだのある人が平行型を希望する場合は、埋没法と目頭を部分的に切開することで、きれいな平行型に仕上げることができます。どうしても切りたくない場合は、埋没法で二重を作ることになりますが、蒙古ひだを取り除かないので、二重のラインの内側にうっすらと蒙古ひだのラインが出てくる可能性があります。
まとめ
一重まぶたと二重まぶたにはそれぞれ違った魅力がありますが、近年は化粧映えのする二重まぶたが人気のようです。きれいな二重まぶたにしたいと思っていても、セルフケアで思い通りにいかなかった場合は、美容医療を選択肢に入れてみるのもいいかもしれません。医師とよく相談し、自分に合った治療法を選択すれば、希望する形のまぶたを手に入れることができるでしょう。自分の瞳に自信を持って、毎日の生活を送れるようにしたいですね。
参考文献