眼瞼下垂の手術を受けるメリットとは?手術方法や費用相場・注意点も詳しく解説します
眼瞼下垂とは、上瞼が下がってきて目が開きにくくなり、歯科医が狭くなってしまう病気です。
年齢と共に発症するケースが多く、誰しも発症の可能性があります。そのような症状に悩まされている方の中には、手術を受けようか検討されている方も多いでしょう。
しかし、手術をするのであれば、メリットや副作用などを把握したうえで受けたいと考えている方も多いでしょう。
そこで本記事では、眼瞼下垂の手術を受けるメリットをご紹介します。手術方法・費用相場・注意点も詳しく解説するので参考にしてください。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
眼瞼下垂の治療法は手術しかない?
眼瞼下垂の治療について、手術以外の効果的な治療法は現在のところほとんどありません。
テープによって一時的に見た目以外の症状の改善は可能ですが、根本的な解決方法ではないです。
また、薬やマッサージによる治療方法などもありません。よく眼瞼下垂に効くマッサージなどといわれるものもありますが、逆効果を招く可能性もあり注意が必要です。
これらのことから、最も効果のある治療方法は手術となります。とはいえ手術にもリスクがあり、手術後のリハビリが必要なため十分に理解して受ける必要があります。
また、症状が軽い場合はすぐに手術をする必要がないこともあるでしょう。
治療方法は個々人の状態や症状によって異なりますので、専門医に相談して適切な治療を受けることをおすすめします。
眼瞼下垂の手術を受けるメリット
眼瞼下垂の治療について、手術以外の効果的な治療法は現在のところほとんどありません。
眼瞼下垂の手術を受けるメリットは、次の通りです。
- 外見の改善
- 視力の改善
- 目疲れの改善
- 生活の質の向上
手術を受けると、これまで同様に瞼が上がるようになります。そのため、眼瞼下垂によって目が閉じられることがなくなり、見た目が若々しくなります。
視力の改善もメリットにあげられるでしょう。瞼がしっかりと開くようになるため、視野が広がり視力が向上します。
また、眼疲れの改善効果に期待できる点も大きなメリットです。
眼瞼下垂によって瞼が閉じられる中、無理に目を開けていると心身の緊張状態が続くので目疲れを感じることがあります。
しかし、眼瞼下垂の手術を受けると、これまでと違い心身の緊張を招くことなく瞼を開けるようになります。そのため、目疲れも感じにくくなるのです。
生活の質の向上もメリットの一つです。見た目が若々しくなり、目疲れが改善することで、生活の質の向上にも期待できます。
このようにいくつものメリットがあるため、リスクも少なからずありますが、手術は非常に有効な治療方法だといえます。
眼瞼下垂の手術方法
眼瞼下垂の治療について、手術以外の効果的な治療法は現在のところほとんどありません。
眼瞼下垂の手術を受けるメリットは、次の通りです。
眼瞼下垂の種類のメリットをご紹介しました。しかし、手術を受けるには不安を感じる方も多いでしょう。
不安を払拭するためには、具体的な手術方法などを把握することも大切です。ここでは、眼瞼下垂の手術方法をご紹介します。
重瞼部・眉毛下皮膚切除術
重瞼部・眉毛下皮膚切除術は、眼瞼下垂の治療に使用される手術方法の1つです。この方法では、特に上眼瞼皮膚弛緩症の治療法として使われます。
重瞼部皮膚切除術の場合、挙筋前転術と同時にでき、重瞼部に隠れて傷は目立たない特徴があります。
一方で、皮膚が厚い方では、二重の線が丸くなって美しくないことがあるため注意が必要です。
眉毛下皮膚切除術は、厚い皮膚が切除できる方法です。術前と眼瞼のイメージの変化が少なく、傷跡もほとんど目立たない点が特徴です。
しかし、傷跡が重瞼部皮膚切除術よりも目立つ点や、挙筋前転と同時にできないなどの特徴もあります。
手術は、局所麻酔や全身麻酔の下に行われ、手術時間は約1時間程度です。縫合部によって、一時的な腫れや痛みが生じることがありますが、数日から数週間で回復します。
余剰皮膚切除術
重瞼部・眉毛下皮膚切除術は、眼瞼下垂の治療に使用される手術方法の1つです。この方法では、特に上眼瞼皮膚弛緩症の治療法として使われます。
余剰皮膚切除術には、二重ライン切除術と眉毛下切除術の二つがあります。二重ライン切除術は、眉毛下と眼の上などのような二か所を切除して余った皮膚を取り除く方法です。
眉毛下切除術の場合は、眉毛下のみを切除して余った皮膚を取り除く方法です。二重ライン切除術の場合は、二重の底で傷が見えず、術後の腫れが強い傾向があります。
一方、眉毛下切除術の場合、眉毛の際を切るため傷は目立ちにくく腫れも弱いです。しかし、この方法では二重の調整ができません。
拳筋タッキング法・短縮法
挙筋タッキング法とは、緩んで伸びてしまったり瞼板から外れてしまった腱膜を再び正常な状態に戻して瞼板に縫合する方法です。
挙筋短縮法は、腱膜の縫合と同時に、ミュラー筋の短縮や縫合固定も行う手術です。上瞼の開きを良くして、縦にパッチリと開く目にできます。
こちらも二重ライン切除術と眉毛下切除術があり、いずれの場合でも傷の見え具合は、二重の底であるため見えません。
しかし、強い腫れが見られる可能性があるため注意が必要です。
眼瞼下垂は薬では治らない?
眼瞼下垂の手術を受けるメリットは、次の通りです。
眼瞼下垂の手術方法をご紹介しました。手術が最も効果のある治療方法ですが、特に目の周りの手術であるため、できれば薬での治療ができないかと考える方は多いでしょう。
結論からいうと、眼瞼下垂は瞼の構造が問題となって起きる病気であるため、薬の服用での治療はできません。
例え皮膚がたるんでいるだけの、軽度の眼瞼下垂であっても、手術による治療が基本となります。
眼瞼下垂の手術にかかる費用相場
眼瞼下垂の治療は、薬ではできず、手術が基本であるとご紹介しました。それでは、手術にはどの程度の費用がかかるのでしょうか。
治療における費用は重要な問題です。手術と聞くと高額なイメージを持つ方も多いでしょう。そこで、ここでは眼瞼下垂の手術にかかる費用相場をご紹介します。
両眼の場合
眼瞼下垂の手術にかかる費用相場は、目的に応じて費用が異なります。日常生活に支障をきたしている場合で視野障害を改善する目的で行う場合には、保険が適用可能です。
そのため、費用は手術費用の3割負担となります。細かい費用は病院によっても異なりますが、一般的に両目の手術費用は50,000万円程度です。
しかし、視野障害の改善目的ではなく、単にパッチリした目にしたいといった美容目的の場合は保険適用されません。
美容目的でも腱膜固定術を行いますが、全額自己負担となってしまいます。そのため、手術費用は200,000万円程度必要です。
また、いずれの目的であっても手術方法によって費用が異なるため、どのような手術内容となるのかを把握したうえで治療を進めましょう。
さらに、手術とは別に、必要な場合には入院費用や薬などの費用が加算される可能性があります。
片眼の場合
片目の場合も、両目の場合と同様に手術目的によって費用が異なります。保険適用される場合であれば、3割負担となるため、片目の手術費用は18,000~50,000円程度です。
眼瞼下垂専門クリニックで行う手術であれば、費用相場は全国一律であるため非常に計算しやすいでしょう。
しかし、両目同様に手術方法によって費用が異なるため注意が必要です。また、美容目的の場合は保険診療扱いとはなりません。
そのため、手術内容による変動も考慮すると、50,000円よりも大幅に高額となる可能性があります。
また、片目の手術の場合であっても、手術方法によっては入院が必要なケースもあります。さらに、手術後に薬が必要となるケースもあるでしょう。
その場合は、入院費や薬の費用が別途必要であるため、細かく手術費の内訳を把握しておいた方が良いです。
費用について不安な場合には、専門医に相談して内訳表を出してもらいながら、手術の打ち合わせを行いましょう。
眼瞼下垂の手術を受ける際の注意点
眼瞼下垂の手術方法や、具体的な手術費用をご紹介しました。しかし、スムーズに手術を終えるためには、あらかじめ注意すべき点を知ることも大切です。
手術を受ける場合には、副作用や生活における注意点がいくつかあります。そこで、ここでは眼瞼下垂の手術を受ける際の注意点をご紹介します。
副作用が出るケースがある
眼瞼下垂の手術は一般的に安全です。しかし、副作用が出ることもあります。一般的な副作用としては、次のようなものが代表的です。
- 炎症
- 腫れ
- 痛み
- 出血
- 瘢痕
手術後に赤みを帯びて炎症・腫れ・痛みが伴うケースがあります。また、瘢痕ができることもあるでしょう。
さらに、手術後には眼瞼のシワ・アンバランス・眼瞼の過剰な上昇・瞼閉鎖不全などの美容上の問題もあります。
これらは、医師が目指す理想の形と患者様が思い描いていた理想とが異なるために、起こる可能性もあるため注意が必要です。
特に重瞼部・眉毛下皮膚切除術・拳筋タッキング法・短縮法は、筋肉を切断するため、眼瞼の過剰な上昇や瞼閉鎖不全などの美容上の問題が出ることがあります。
また、手術後には感染・出血・視力障害・眼球脱出などの、より重大な副作用もあります。
これらの副作用は、非常に稀ではありますが、万が一のリスクとして把握しておくことは大切です。
手術を受ける前には、必ず手術にかかるリスクや副作用について専門の医師に説明を受けるようにしましょう。
眼瞼下垂が再発するケースもある
眼瞼下垂の手術の効果は、一般的には長期にわたって効果が続くことが多いですが、再発することもあります。
手術後に再発する原因はさまざまです。手術後の筋肉の萎縮・組織の老化・新しい筋肉のフォームが形成されない・手術後の生活習慣などによって再発することがあります。
特に、余剰皮膚切除術は筋肉を切断しないため、筋肉の萎縮や組織の老化により再発することがあります。
また、手術を受けた後の生活習慣の変化や体重増加なども再発を引き起こす原因の一つです。
再発を防ぐためには、手術後に適度な運動や健康的な生活習慣を維持することが大切です。
万が一再発した場合には、手術後のフォローアップによって早期に症状が再発していることを発見し、適切な対応を取るようにしましょう。
そのためにも、定期的な受診はもちろん、細かな変化に気づけるように医師から再発についてのアドバイスを受けておきましょう。
手術後の飲酒・運動・湯船は控える
手術後の飲酒・運動・湯船は控える点も大切な注意点です。一般的に、手術後は手術部位を傷つけないようにし、血行を良くするために適度な休息と看護が必要です。
しかし、飲酒をしてしまうと、手術後の血行を悪化させて炎症を引き起こす可能性があります。
また、運動については、手術部位を刺激して炎症や腫れを引き起こす可能性があるでしょう。
湯船についても、血行を良くしてしまい出血を起こしたり、手術部位を濡らして感染を引き起こしたりする可能性があります。
個人差はありますが、手術後のこれらの行動は思わぬ身体の不調を招く可能性があるため、控えるようにしましょう。
手術後の適切な期間で控えるようにするためにも、眼瞼下垂の手術を受ける際、手術後の飲酒・運動・湯船について医師からの個別の指示に従うことが望ましいです。
また、手術後にも、改めて医師に説明を受けてリスクの確認をしておきましょう。
手術を受けていない片眼が緩むことがある
注意点としては、手術を受けていない片目が緩むことがある点も押さえておきましょう。
これは、手術を受けた眼瞼が上がるため、手術を受けていない片眼の眼瞼が相対的に下がることが原因です。
これを眼瞼不均衡と呼び、眼瞼下垂の手術後に見られることがあります。手術後に適切なフォローアップを受け、早期に発見して適切な対応をすることで改善することができます。
そのためにも、手術を受ける前に必ず手術にかかるリスク・副作用・眼瞼不均衡などについて専門の医師に説明を受けましょう。
傷の赤みが長期間続くケースがある
傷の赤みが長期間続くケースがある点にも注意が必要です。手術後、傷は一般的に数日から数週間で回復しますが、場合によっては長期間にわたって赤みが残ることもあります。
手術後の赤みは、治療やケアの方法によって改善することができるため、医師に相談しながら正しいケアを行いましょう。
また、赤み以外には稗粒腫などの症状が現れるケースもあります。稗粒腫とは、傷の周辺に現れる、1~2センチ程度の白くて硬いブツブツです。
ほとんどの場合、稗粒腫による痛みやかゆみは自然に治りますが、時間が経過しても改善しない場合があります。
その場合は、除去するために別途手術が必要となる可能性もあるため、早期発見と医師への相談が大切です。
あらゆる副作用や症状に備えるため、医師に相談して連携を取りながら、適切な対処ができるように準備しておきましょう。
眼瞼下垂の治療は早めにクリニックへ相談を
眼瞼下垂とは、上の瞼が下がってきて目がしっかりと開けられなくなる病気です。ひどい場合には、視力にも影響を及ぼし視力障害を引き起こすこともあります。
効果的な治療方法は、手術が基本となります。薬による治療やマッサージなどは効果はほとんどありません。
特にマッサージなどの方法は、良いと聞く場合もあるかもしれませんが、悪化を招く可能性もあるため注意が必要です。
また、手術を行うため、どうしても副作用などはつきものです。一般的には副作用は少なく、万が一起きても適切な対処で問題ありません。
しかし、稀に再発や別の症状の影響で再度手術が必要となる可能性があります。
これらのリスクに備えるためにも、手術前後で医師から適切な対処やアドバイスを聞いておきましょう。
編集部まとめ
眼瞼下垂は、瞼が落ちてきて正しく目を開けていられない病気です。視力障害を引き起こす可能性もあるため、放置していると危険です。
しかし、基本的な治療は手術となり、費用が心配と感じている方は多いでしょう。
一般的な費用相場はありますが、手術方法などによっても異なるため、詳しい費用については医師に相談しましょう。
また、副作用や注意点についての理解をあらかじめ深めておくことも大切です。手術後に控えるべき行動を押さえておけば、出血や腫れなどを避けられるかもしれません。
副作用は、どのような手術でも起こりえるものです。そのため、事前に医師から適切なアドバイスを受けてリスクを教えてもらい、万が一に備えておきましょう。
参考文献
- 眼瞼下垂症のスペシャリストによる最高・最新の治療|特定機能病院 福井大学医学部附属病院
- 腱膜性眼瞼下垂症について|日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第二病院
- 眼瞼下垂について|独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
- 眼瞼下垂症|大阪市立総合医療センター
参考サイト