骨粗鬆症のセルフチェック方法|早期発見の重要性や治療法・予防法
公開日:2025/03/31

年齢を重ねると体力や筋肉の衰えを感じることが増えてきますが、骨の衰えにも注意が必要です。骨粗鬆症になると、日常生活のあらゆる面に影響が及びます。 しかし、骨粗鬆症はほかの病気と比べて自覚症状が現れにくいため、気付いたときには重症化していることも少なくありません。 この記事では、骨粗鬆症を早期発見するためのセルフチェック方法や、治療法・予防法を解説します。ご自身の骨の状態をチェックし、気になることがあれば早めに専門機関を受診しましょう。

監修医師:
井上 惣一郎(井上整形外科)
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昭和57年 日本医科大学卒業
昭和57年 日本医科大学整形外科学教室入局
平成元年 下館市民病院 医長
平成 2年 学位取得
平成 3年 日本医科大学整形外科学教室復帰
平成 6年 医療法人社団井上整形外科医院 副院長
平成11年 医療法人井上整形外科 院長
昭和57年 日本医科大学整形外科学教室入局
平成元年 下館市民病院 医長
平成 2年 学位取得
平成 3年 日本医科大学整形外科学教室復帰
平成 6年 医療法人社団井上整形外科医院 副院長
平成11年 医療法人井上整形外科 院長
骨粗鬆症とは?早期発見が重要な理由
普段、大きな怪我や病気にかかったりしないように注意をしていても、骨の健康にまで気を配っている方は少ないかもしれません。しかし、骨は身体全体と内臓の働きを支える重要な組織です。その骨の働きを妨げてしまう骨粗鬆症の概要とリスクを解説します。
骨粗鬆症の概要
骨は体内のカルシウムの貯蔵庫としての役割を持ち、カルシウムをはじめとするミネラルを多く蓄え、骨形成と骨吸収を繰り返して強い骨が維持されます。 骨粗鬆症とは、骨のミネラルの量(骨量)と骨密度が低下して、骨が脆くなる状態のことです。 骨量は20歳頃をピークに緩やかに減少していくため、加齢に伴い発症リスクが高まります。男女ともにみられる疾患ですが、生まれつき骨格が小さく筋力が弱い傾向にある女性の方が圧倒的に多く発症するのが特徴です。検査・診断
骨粗鬆症の検査は、DXA(デキサ)と呼ばれる検査機器による骨密度検査やX線撮影、血液検査などが行われます。 骨密度は、若年者の骨密度と比較して数値(YAM)を割り出します。骨折の既往や家族歴などの条件を踏まえたうえで、YAM80%またはYAM70%以下となった場合に骨粗鬆症と診断されます。 血液検査は、古くなった骨を壊して新しい骨を作る骨サイクルが適切に行われているか、血液中の成分濃度や骨の形成と吸収のバランスを反映する骨代謝マーカーを調べます。 骨密度検査と血液検査を行い、骨粗鬆症を早期発見して適切な治療を行うことが大切です。骨粗鬆症のリスク
骨粗鬆症発症によるリスクは骨折です。特に椎体骨折と大腿骨近位部骨折を起こすと、生活に大きな影響を及ぼします。 椎体骨折とは、身体の重さを支える背骨の骨折のことです。骨粗鬆症の方は、尻もちをついたり椅子に勢いよく座ったりしただけでも椎体骨折を起こすリスクがあり、背骨を骨折すると姿勢が悪くなるため転倒リスクも高くなります。また、姿勢の悪さから腹部が圧迫され、食事量が減って低栄養状態(サルコペニア)になる危険もあります。 大腿骨近位部骨折は、脚の曲げ伸ばしや歩行などの動作に関わる股関節近くの骨折を指します。治療には入院と手術が必要で、退院後には介護が必要になることもあるでしょう。骨粗鬆症のリスク評価ツール OSTAとは?
骨粗鬆症は初期症状がなく、気付かないうちに骨が脆くなってしまう疾患です。先述したように、骨折のリスクもあるため、予防と早期発見が重要になります。 骨粗鬆症のリスクは、OSTAと呼ばれる評価ツールを使うことで予測できます。体重から年齢を引き、0.2を掛けて出た数字を基にリスクを判定することが可能です。マイナス4未満の場合は骨粗鬆症のリスクが高く、骨密度測定が必要です。 マイナス1~マイナス4の場合は中リスクで、骨密度測定を考えた方がよいでしょう。マイナス1より大きい場合は、骨粗鬆症のリスクは低いです。ただし、脆弱性骨折歴のある方はこの結果に関わらず、骨密度測定が必要です。40代になったらチェックを!
骨粗鬆症は、骨量が大きく減少していく更年期から老年期にかけて発症リスクが上昇します。ただし、骨量の減少自体は自覚症状がなく起こり、発症のタイミングを察知するのが難しい疾患でもあります。 そのため、骨量が著しく減少する前の40代から定期的に骨密度を検査し、自身の骨量をチェックしておくことが早期発見のために重要です。骨粗鬆症を早期発見するためのセルフチェック方法
骨粗鬆症は自覚症状がほとんど現れず、何らかの症状が出たときにはすでに進行しているケースが多く見られます。早期発見し骨折のリスクを避けるには、セルフチェックが大切です。
以下の6つの項目に1つでも当てはまる方は、早めの受診をおすすめします。
女性で50歳以上または男性で70歳以上である
女性の場合は50歳以上、男性の場合は70歳以上になると骨量の減少が大きくなっていきます。女性の方が早いのは、閉経により卵巣機能が衰え、正常な骨形成のサイクルを支える女性ホルモンのエストロゲンが著しく減少するためです。 さらに、エストロゲンは妊娠期に増加するものの出産を経てほとんど失われるため、女性の方が骨密度が低下しやすくなっています。以前に比べて身長が縮んだと感じる
年齢を重ねるにつれて、身長が縮んでいるように感じる方もいるでしょう。身長を測定し、以前よりも2cm以上の身長低下がみられる場合は、骨粗鬆症の黄色信号です。 また、ある研究によると、25歳頃と比べて4cm以上身長が低下している方は、椎体骨折のリスクが2倍以上になると報告されています。明らかな身長低下を自覚している場合は、注意が必要です。背中や腰が曲がっている
高齢者は背中や腰が曲がっている方が増えてきますが、その原因のひとつに骨粗鬆症による椎体骨折があります。 かかととお尻、背中をすべて壁につけて真っ直ぐ立ち、この状態で後頭部が壁につけられるかをチェックしてみましょう。 後頭部が壁につけられない場合は、背中や腰が曲がっているサインです。背中や腰に痛みがある
背中や腰の曲がり以外に、痛みによって椎体や腰椎の骨折に気付くケースもあります。骨粗鬆症になると骨が脆くなるため、わずかな衝撃でも圧迫骨折を引き起こしやすくなります。 これにより椎体や腰椎が変形し、神経を圧迫して痛みが生じやすいです。背中や腰が重く感じていたり、ずんとした痛みを感じていたりする場合は、骨折が疑われます。1年以内に骨折をした経験がある
骨粗鬆症が原因の脆弱性骨折を起こした方は、起こしていない方と比較して、1年以内に二次骨折を起こすリスクが約2.7倍になるといわれています。したがって、1年以内に2回以上骨折をした経験がある方は、骨粗鬆症の可能性が高いといえます。 脆弱性骨折は痛みをほとんど感じないケースもあり放置されやすく、骨折が連鎖する骨折ドミノに陥りやすいです。骨粗鬆症の治療法
骨粗鬆症は基本的に完治する疾患ではなく、長期的な治療が必要となります。一般的に行われるのは、骨密度の低下を抑えて骨折を防ぐことを目的とした治療です。整形外科で行われる骨粗鬆症の3つの治療法を解説します。
薬物療法
骨粗鬆症は、骨吸収の抑制や骨形成の促進、骨代謝の改善に効果のある薬剤を使用した薬物療法が行われます。投与の方法は内服や点滴、注射や自己注射など薬剤によってさまざまです。 患者さんの骨密度検査の結果と生活状況を踏まえて、適切な薬剤を選択します。骨量の減少スピードを抑えて骨折を避けるには、薬物療法の継続が特に効果的です。食事療法
骨とカルシウムの関係はよく知られていますが、骨を形成するためにはさまざまな栄養素が欠かせません。例えばビタミンDはカルシウムの吸収を促し、ビタミンKは骨を作る働きをサポートしています。つまりカルシウムに加え、カルシウムの働きを支えるその他の栄養素も取り入れる必要があります。これには、日々の食事の管理が重要です。食事療法では、不足している栄養素を十分に取り入れるためにはどのような食事がよいのか、食事のアドバイスが行われます。運動療法
骨組織は少し強い刺激を与えることで活発化し、増殖しやすくなります。そのため、運動療法による刺激も骨粗鬆症治療に効果的です。しっかりとした歩行を基本とし、片脚立ちでバランスを強化する方法などが取り入れられています。立位や歩行に不安がある方は、椅子に座った状態から机に手をついて行う立ち上がりスクワットや、椅子に座ったまま行う片足の上げ下ろしが取り入れやすいでしょう。 運動量よりも、無理なく続けることが運動療法のポイントです。骨粗鬆症の予防法
骨量は加齢とともに減少するため、若いうちに骨量増加を目指すことは大切です。また、年齢を重ねてきたら骨量をなるべく維持するように心がけることで、骨粗鬆症予防につながるでしょう。世代に関わらず気を付けておきたい骨粗鬆症の予防法を紹介します。
バランスのとれた食事
丈夫な骨を作るためには、毎日のバランスの取れた食事が重要です。カルシウムやビタミン、たんぱく質などの栄養素を意識した食事を、なるべく1日3食しっかりと食べましょう。 やせ型は骨粗鬆症リスクを高めるため、特に骨量が増える10代や骨代謝が続く20~30代は、無理なダイエットは避けた方がよいでしょう。適度な運動を心がける
適度な運動を習慣にすると運動刺激によって骨量と筋力が高まり、骨粗鬆症と転倒予防になります。 ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動や筋力トレーニング、バランス運動を定期的に行うのがおすすめです。ウォーキングやジョギングを行う場合は、体内のビタミンD合成促進のために日中に行いましょう。1日30分以上の中強度の運動を週に2日以上行うと、骨粗鬆症を含めたさまざまな疾病発症リスクが抑えられ、健康増進効果が期待できます。禁煙をする
あらゆる疾患のリスク因子となる喫煙は、骨にとっても危険な悪習慣です。タバコに含まれるニコチンにより胃腸の働きが抑制されて食欲が減少し、カルシウムの吸収が妨げられます。 また女性の場合、エストロゲンの分泌が阻害されてしまいます。骨粗鬆症予防には、禁煙をすることが不可欠です。過度な飲酒を控える
普段から飲酒量が多い方は、過度な飲酒を控えることで骨粗鬆症リスクを軽減できます。アルコールは利尿作用があり、吸収されたカルシウムが必要以上に排泄されることがあるためです。 なお、飲酒自体はカルシウムの吸収にあまり影響を及ぼしません。むしろ食前酒で食欲が増すと、食事からカルシウムをより多く摂取できる可能性があります。普段から飲酒する方は、適度な量を心がけることが大切です。骨粗鬆症のことなら井上整形外科にご相談を
骨粗鬆症のお悩みや不安がある方は、神奈川県中郡二宮町で長年地域の方の健康を支えている井上整形外科を受診してみてはいかがでしょうか。
井上整形外科は、身体のさまざまな部位に生じる痛みの治療を中心に診療を行っているます。以下に、井上整形外科の特徴を紹介します。
骨粗鬆症リエゾンサービスで早期発見・早期治療
井上整形外科は、骨粗鬆症リエゾンサービスを導入しています。多職種が協力することにより、骨粗鬆症の早期発見と早期治療開始、治療継続率の向上を目指します。
日本整形外科学会 整形外科専門医の井上院長を筆頭に、医師と看護師、理学療法士、診療放射線技師が連携して患者さんの治療と予防をサポートされています。
症状や治療に不安を抱える患者さんにチームで寄り添って診療にあたるため、小さな疑問も解消しながらリラックスして治療に臨めるでしょう。
骨粗鬆症に関する知識を有する骨粗鬆症マネージャーが在籍
骨粗鬆症マネージャーとは、骨粗鬆症に関する知識を有するメディカルスタッフで、職種ごとの特徴や専門性を活かし、地域・社会や診療所、病院において患者さんの骨粗鬆症診療の充実を図っています。各施設の骨粗鬆症マネージャーが連携を取り、骨粗鬆症の患者さんをサポートするといいます。 井上整形外科に在籍する理学療法士は骨粗鬆症マネージャーであり、骨粗鬆症の患者さんの健康を守りたいとの思いから、理学療法士と骨粗鬆症マネージャーの知識と技能に基づいたアドバイスを行っているそうです。 転倒予防を目的とした運動方法、薬の効果や検査データの見方など、毎日の生活と治療に役立つ情報を細やかに提供されています。患者さん一人ひとりに寄り添ったリハビリ
井上整形外科は、さまざまな身体の悩みに合わせた治療を提供しています。 交通事故で怪我をした方や各種神経痛がある方、スポーツによる痛みがある方など、各種症状に合わせて患者さんと理学療法士がマンツーマンで個別リハビリテーションを行っているそうです。 運動器リハビリテーションでは、症状に合わせてストレッチや筋膜リリース、関節モビライゼーションを行い症状の緩和を図ったり、運動や体操、筋力トレーニング、動作分析などを行います。 物理療法では、電流や電気刺激、電熱線などの物理療法機器を使用して、治療部位に刺激を与えたり患部の痛みを和らげたりします。 これらのリハビリを、患者さん一人ひとりの身体の状態に合わせて行われています。さらに、患者さんが気になる点を質問しやすい雰囲気づくりにも努めているそうです。 井上整形外科は、肉体的な苦痛だけでなく心のとげまで抜ける診療を心がけ、地域の皆さんをサポートしています。 骨粗鬆症のリスクが高い方や、検査を受けてみたい方は、井上整形外科に相談してみてはいかがでしょうか。井上整形外科の基本情報
アクセス・住所・診療時間
神奈中バス 南5号前 徒歩1分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8:30~11:30 | ● | ● | ● | - | ● | ● | - | - |
| 14:30~18:00 | ● | ● | ● | - | ● | ▲ | - | - |
参考文献
- 骨粗鬆症について|井上整形外科
- 院長紹介|井上整形外科
- 井上整形外科
- 知っていますか?骨粗しょう症|松山市
- 閉経後骨粗鬆症|一般社団法人日本内分泌学会
- 年代別予防のポイント|公益財団法人 骨粗鬆症財団
- 骨粗鬆症予防の運動とは|公益財団法人 長寿科学振興財団
- タバコや酒の影響について|公益財団法人 骨粗鬆症財団
- あなたの「骨」は大丈夫ですか?骨粗鬆症 ワン・ツーチェック
- 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
- 骨粗しょう症二次骨折予防事業 報告書
- 二次骨折予防手帖
- *転倒予防手帳*
- 骨粗鬆症の薬物療法
- 骨粗鬆症に対する運動療法
- 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023(案)
- 骨粗鬆症のリスク評価ツール OSTA(Osteoporosis Self-assessment Tool for Asians)




