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整形外科で行われる治療|対象となる症状や形成外科との違い

 公開日:2025/05/30
整形外科で行われる治療|対象となる症状や形成外科との違い

整形外科は、加齢による機能低下や病気などで生じる運動機能の異常や怪我などを診療する分野で、首や肩の痛みやこり、ひじやひざの痛みなど治療対象の症状や疾患は多岐にわたります。
今回は、整形外科が扱う症状や疾患、整形外科で行われる検査や治療法を紹介します。

西村 暁

監修医師
西村 暁(にしむら整形外科クリニック)

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出身大学:兵庫医科大学(平成12年卒)以後 
東京女子医科大学 附属第二病院(現・東医療センター) 外科 入局
東京女子医科大学 整形外科 転局
関連病院(船橋総合病院、蓮田病院、東京北医療センター、東名厚木病院、国立がん研究センター、千葉県こども病院)にて研鑽を積む
平成30年4月にしむら整形外科クリニックを開院

整形外科と形成外科の違い

整形外科と形成外科の違い
整形外科と形成外科の違いは治療の対象です。
整形外科は、骨や関節、筋肉や神経など運動機能の改善を目指すための治療を行います。一方、形成外科は筋肉や皮膚、皮下組織、血管などの軟部組織の異常や変形を機能的、形態的に改善することを目的としています。先天性の形態異常とは、生まれつき唇が割れている口唇裂や耳が小さい小耳症などです。

整形外科の治療対象となる主な症状や疾患

整形外科の治療対象となる主な症状や疾患
運動機能の改善を目指す整形外科では、どのような症状や疾患に対応しているのでしょうか。ここからは、整形外科の治療対象となる主な症状や疾患を詳しく紹介します。

首や肩の痛みやこり

首や肩の痛みやこりも整形外科の治療対象です。首の疾患には、頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症性脊髄症などがあります。どちらも頸椎や椎間板の変形によって、脊髄が圧迫されて痛みやしびれが生じます。首の付け根やその周辺に痛みやこりが生じ、吐き気や頭痛につながることもある肩こりや、睡眠時に眠れないほどの痛みが生じることがある五十肩なども治療対象です。

リウマチなどの手足の痛みやしびれ

関節リウマチや外反母趾、痛風などの手足の痛みやしびれも整形外科で対応しています。関節リウマチは、手足の指の関節の腫れや痛み、貧血症状や微熱が出ることがあります。
外反母趾は、足の親指が人差し指の方に曲がって、突き出た親指の関節の部分が痛む病気です。靴を履くと突き出た部分が靴に当たるため、痛みが増すことがあります。痛風は、足の親指の付け根が腫れて痛む病気です。

ひじやひざなど関節の痛み

ひじやひざなどの関節部の酷使や変形などで生じる痛みやしびれも、整形外科の治療対象です。これらの疾患には、変形性ひじ関節症や変形性ひざ関節症などが挙げられます。変形性ひじ関節症は、ひじの酷使や外傷、関節炎などが原因で生じる病気です。
変形性ひざ関節症は関節の軟骨の老化や遺伝、肥満などが原因のひとつと考えられていますが、はっきりと原因がわからないケースもあります。

腰の痛み

加齢や外傷、感染などさまざまな原因で起きる腰痛や、加齢や外力による椎間板の変性が原因で腰や足に痛みやしびれが起き腰椎椎間板ヘルニア、背骨を通っている脊髄神経の通り道の脊柱管が周囲の組織に圧迫されて、痛みやしびれが生じる腰部脊柱管狭窄症なども整形外科で治療しています。

骨折

部位に関わらず、骨折は整形外科の治療領域です。健康な骨であれば、相当な力がかからない限り骨折することはありませんが、骨が弱くなっていると、弱い負荷でも骨折しやすくなります。また、同じ部位に力がかかり続けた場合も骨折につながる可能性があります。

怪我

外傷による切り傷や擦り傷、打撲や捻挫などの怪我も整形外科が扱う対象ですが、頭部や顔面の外傷、臓器の外傷など整形外科では対応していない怪我もあります。

骨粗しょう症

骨粗しょう症は高齢の女性がかかりやすい病気です。加齢やホルモンバランスの変化で骨の吸収と破壊のバランスが崩れ、骨の量や質が弱くなり、もろくなった状態を指します。骨がもろくなると骨折しやすくなるため、注意が必要です。

運動器の腫瘍や先天性疾患

運動器の腫瘍や先天性疾患も整形外科が対応します。運動器の腫瘍は、良性か悪性に関わらず骨に生じやすい特徴があります。良性骨腫瘍は生命に影響を及ぼさない腫瘍です。ひざや手、股関節に生じやすく、歩行時の痛みや骨折などで気付くことが多いでしょう。
悪性骨腫瘍は、10代で生じやすい骨肉腫やほかのがんの転移で起きることがあります。特有の症状はなく、痛みや腫れが続くのが特徴です。先天性疾患の1つに、先天性内反足(せんてんせいないはんそく)があります。この疾患は足全体が内側に向いており、放置すると歩行が困難になります。原因はよくわかっておらず、約1,000人に1人の割合で生じるとされています。

整形外科で行われる主な検査や画像診断

整形外科で行われる主な検査や画像診断
運動機能の異常や怪我は、外見の観察だけでは詳細がつかめません。状態を詳しく把握するために、さまざまな検査が行われます。ここからは、整形外科で行われる主な検査や画像診断を紹介します。

血液検査

血液検査は全身状態や症状の把握、手術のために赤血球や白血球、ヘモグロビンや血小板などの量や形態を調べます。
例えば腰痛の場合、炎症の有無や内臓疾患、骨粗しょう症の可能性を調べるために行われることがあります。骨折の場合は、炎症や貧血の状態を調べるために行い、検査結果から治療前と治療時の全身状態の把握を行います。

生化学検査

生化学検査は、血液中のたんぱく質の量や酵素、元素や炎症反応などを調べる検査です。健康状態や治療の効果、病気の診断のために行います。
多発性骨髄腫は、生化学検査で貧血や高たんぱく血症、高カルシウム血症の異常が見られることが少なくありません。そのため、多発性骨髄腫やリウマチでは生化学検査の結果が診断の正確性を上げます。

レントゲン撮影

レントゲン撮影は、整形外科では疾患の画像診断の基本です。X線を使って画像化することで、患部の骨の形態や配列、軟骨や軟部組織の状態を評価します。1方向からの撮影だけでは患部の正確な形状や位置関係を把握しにくいため、2方向以上で撮影することが少なくありません。

体幹や四肢の超音波検査

高周波数の音波の跳ね返りを画像化したのが、超音波検査です。画像化が容易で見たい部分をその場で観察でき、レントゲン撮影のような被爆のリスクはないのが特徴です。骨は超音波を通しにくいため、骨の内部の状態までは見られませんが、軟骨や関節、筋肉や腱などの組織は評価を行えます。
運動器の超音波検査は、腱板損傷や腱鞘炎、靭帯損傷や肉離れなどの診断に使われます。白く映る部分は超音波を反射する部位で高エコー組織と呼ばれ、黒い部分は超音波が透けやすい低エコー組織です。筋膜や靭帯、半月板などは高エコー組織に該当し、筋肉や関節軟骨は低エコーになります。

骨密度測定

骨粗しょう症は骨がもろくなる病気なので、診断には骨密度の測定が必要です。骨密度測定は、骨のなかのカルシウムやマグネシウム量を調べ、骨の強度を評価する検査です。

整形外科で行われる治療

整形外科で行われる治療
運動機能の異常や怪我の治療には、どのような治療が行われるのでしょうか。整形外科で行われる保存的治療と外科的治療について、それぞれの特徴を解説します。

保存的治療

整形外科で行われる治療に、運動療法や物理療法などの保存的治療があります。
運動療法は、運動を通じて身体機能の改善や疾患の治療、予防を図る治療法です。関節が硬くなるのを予防するための関節の可動域訓練、筋力トレーニング、有酸素運動などさまざまな方法があります。運動療法は、疾患や身体の状態に応じて適切な運動プログラムを組むことが大切です。
物理療法は、熱や電気、音波、光などの物理的エネルギーを用いて、身体の症状を軽減したり回復を促したりする治療方法です。温熱療法や冷却療法、電気療法、超音波療法、レーザー療法、牽引療法などがあり、運動療法と併用されることがあります。物理療法の目的は、患部の動作能力向上や痛みの軽減などです。

外科的治療

保存療法で改善が見られない場合や症状が進行した場合には、外科的治療が行われます。整形外科の外科的治療では、手術によって骨や関節、筋肉、腱、靭帯などの運動器の疾患や損傷を治療します。骨折の整復固定、人工関節置換術、断裂した腱の修復などを行うことで、機能の回復や症状の緩和を目指します。
例えば、変形性ひざ関節症で行われる外科的治療には、骨切り術や人工関節置換術などがあります。骨切り術は、変形したひざを矯正して、正常な部分に負荷がかかるようにする方法です。人工関節置換術は、傷んだひざ関節を人工のものに置き換える手術です。

整形外科の治療ならにしむら整形外科クリニックにご相談を

にしむら整形外科クリニック
整形外科の治療を受けたいと考えている方は、リウマチの早期診断や早期治療、ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)の予防に力を入れているにしむら整形外科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
にしむら整形外科クリニックは東京都新宿区にある整形外科で、交通事故による怪我などにも対応しており、整形外科の専門性が高い医師による診療や理学療法士の手厚いサポートを提供しています。ここからは、にしむら整形外科クリニックの特徴を紹介します。

整形外科のスペシャリストによる専門性の高い診療

にしむら整形外科クリニック
にしむら整形外科クリニックでは、整形外科のスペシャリストによる専門性の高い診療を提供しています。
にしむら整形外科クリニックの院長は日本整形外科学会 整形外科専門医・認定スポーツ医などの資格を持つ、多くの病院で研鑽を積まれた経験豊富な医師です。ほかにも、日本小児整形外科学会や日本整形外科超音波学会、日本骨粗鬆症学会など、数多くの学会に所属しています。
地域医療に貢献したいという想いでクリニックを開院し、地域の患者さん一人ひとりと向き合った診療を目指しているそうです。
豊富な知識と経験を活かしてスポーツ復帰リハビリテーションにも対応し、リハビリのための充実した施設を活用して、薬物治療だけでなく温熱療法運動療法も行い、患者さんの状態に合わせた治療を行うよう心がけられています。

担当者制で一人ひとりの症状に寄り添う保存的治療

にしむら整形外科クリニックの理学療法(外来リハビリテーション)は、理学療法士が専任で対応する担当者制を採用し、患者さん一人ひとりの症状に寄り添った保存的治療を提供しています。
保存的治療やロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)の予防に加えて、丁寧な診療やわかりやすい説明を心がけているそうです。
誰でもよりよい医療が受けられるよう、地域に根ざしたかかりつけ医として患者さんが健康で元気に過ごせるよう診療を行われています。

患者さんが健康で元気に過ごせるよう幅広い診療に対応

患者さんが健康で元気に過ごせるよう、幅広い診療に対応しているのも、にしむら整形外科クリニックの特徴です。
整形外科やリハビリテーションのほか、リウマチや骨粗しょう症、禁煙外来、労働災害、交通事故などの診療も行っています。腰椎や大腿骨頸部(股関節)の骨塩定量検査機器や骨密度測定器、マイクロ波治療機、ホットパックなど、充実した設備を備えて幅広い診療に対応しているため、さまざまな悩みを相談できます。

整形外科での診療を考えている方は、にしむら整形外科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

にしむら整形外科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

東京メトロ副都心線 西早稲田駅 徒歩1分

東京都新宿区高田馬場1-1-1 メトロシティ西早稲田1階

診療時間
8:45-13:00 ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎
15:15-18:30 ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎

※初診患者さんの受付時間は午前:8:45~12:45 午後:15:15~18:15

参考文献

この記事の監修医師