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整形外科のリハビリテーションの流れと役割|治療方法や整形外科の選び方

 公開日:2025/01/31
整形外科のリハビリテーションの流れと役割|治療方法や整形外科の選び方

怪我や疾患によって身体を以前と同じように動かせない患者さんが社会復帰を目指すためには、リハビリテーションによる治療が重要です。

リハビリテーションは、動作を回復させるためだけのものではありません。その流れや役割を知っておくと、十分な心構えをして治療に臨めるでしょう。

この記事では、リハビリテーションの流れと役割を中心に解説します。整形外科の選び方も取り上げているので、参考にしてください。

西村 暁

監修医師
西村 暁(にしむら整形外科クリニック)

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出身大学:兵庫医科大学(平成12年卒)以後 
東京女子医科大学 附属第二病院(現・東医療センター) 外科 入局
東京女子医科大学 整形外科 転局
関連病院(船橋総合病院、蓮田病院、 東京北医療センター、東名厚木病院、 国立がん研究センター、千葉県こども 病院)にて研鑽を積み
平成30年4月にしむら整形外科クリニックを開院

整形外科におけるリハビリテーションの流れと役割

整形外科におけるリハビリテーションの流れと役割
整形外科で行う治療のひとつに、リハビリテーションがあります。リハビリテーションの名称は広く知られているものの、実際の内容は具体的に知らない方もいるのではないでしょうか。リハビリテーションが持つ役割と流れを解説します。

リハビリテーションの役割

リハビリテーションとは、病気や怪我などで失われた身体機能や心の機能を回復させ、日常生活を送れるようにするための治療です。
身体に一定の影響を及ぼす疾患や外傷を発症した場合、機能障害が発生して活動性が低下します。これにより新たな機能障害が発生するため、身体機能は悪化の一途をたどります。
このような悪循環を予防し、患者さん個人の心身機能や能力をよりよく維持する役割を担うのがリハビリテーションです。また、侵害された権利や人権を本来あるべき姿に回復させることを目的として行われます。実施するにあたり、目標設定とその目標を達成するための期間設定を設けるのが特徴です。
なお、整形外科をはじめ病院や診療所などの医療機関で行うリハビリテーションを、医学的リハビリテーションと呼びます。リハビリテーションはその他、職業・社会・教育のリハビリテーションとリハビリテーション工学を含めた5つの分野に分類されます。

整形外科のリハビリテーションの流れ

リハビリテーションは、主に急性期・回復期・維持期の3段階に分けて考えられます。
発症から数週間程度の急性期は安静が必要ですが、過度な安静は廃用症候群を招きかねません。そのため、リスク管理のもとで早期に機能回復訓練を行い、日常生活動作が問題なくできるように身体を整えます。発症から1〜4ヶ月程度が回復期で、ADL(日常生活動作)の改善と社会復帰のためにより集中的なリハビリテーションを行う期間です。
さらに継続してリハビリテーションが必要な場合は、維持期に在宅や介護保険サービス提供施設で実践的な活動を通じて心身機能の維持を図ります。
このように医学的リハビリテーションは心身機能の回復訓練に終始するのではなく、常に予後を意識し残存機能を活かした活動や参加を念頭に進めます。
病院ごとにアプローチの仕方は異なるものの、患者さんの環境因子や個人因子を考慮したうえで目標を定める目標指向的アプローチを行うのがより望ましいです。

整形外科のリハビリテーションで行われる主な治療方法

整形外科のリハビリテーションで行われる主な治療方法
整形外科のリハビリテーションでは、患者さんの身体的または精神的な状態に合わせて治療方法が選択されます。多くの整形外科で一般的に行われている2つの治療方法と違いを解説します。

理学療法士による運動療法

運動療法は、身体の一部または全体を動かすことで障害や疾患の治療や予防を図る治療方法です。
整形外科領域では関節可動域・筋力増強の練習や神経筋促通運動、または歩行動作のような日常生活動作練習が行われます。これらの練習は筋や腱などの軟部組織を伸長し、筋の柔軟性や関節弛緩性を維持・拡大する効果が期待できます。その結果、筋肉や関節可動域の維持向上が図れるとともに、鎮痛作用や抗炎症作用の効果も得られるでしょう。
整形外科で行われる運動療法は、整形外科医の診断と処方に基づいて理学療法士が実施します。理学療法士は医師の依頼内容を点検し、患者さんごとの注意点や行ってはいけない動作を踏まえ、実際に患者さんの筋力を検査します。検査結果をもとに具体的なプログラムを作成するため、患者さんそれぞれの状態に合わせた適切な運動・訓練を行えるのが利点です。

物理療法

物理療法は、電気・超音波・熱などの物理的エネルギーを利用して症状の軽減や組織の回復を促す治療方法です。
整形外科領域では主に疼痛の軽減や循環の改善、ならびに運動療法の効果を高めることを目的として、さまざまな治療機器を用いて行われます。患部の炎症期には電気刺激療法や低出力レーザー療法、超音波療法や寒冷療法が適応です。
患部の肉芽組織が増える増殖期・成熟期に入ると、超音波やラジオ波を用いた深部温熱療法を取り入れ、組織再生を促すとともに線維化や癒着を防止します。複数の方法を組み合わせることでより適応範囲を広げられるため、物理療法は整形外科のリハビリテーションの主軸です。
ただし、運動療法と比べて効果は短期的であり、物理療法のみで症状を治癒するのは難しい点に注意しましょう。

整形外科のリハビリテーションで使用される機器

整形外科のリハビリテーションで使用される機器
整形外科のリハビリテーションでは、より効果的に治療を進めるために症状に応じた治療機器が積極的に用いられます。主に採用されている5つの治療機器を取り上げます。

赤外線治療器

赤外線治療器は、血行を促進し患部の疼痛を減少させる効果が期待される機器です。
関節炎に対する赤外線療法の実験では、炎症性サイトカインの産生を減少させたとの報告があります。赤外線の波長によって深達度が異なり、遠赤外線では皮膚表層、近赤外線では真皮・皮下組織まで到達し作用します。抗炎症作用を目的として照射する場合、目標部位に届く波長の機器の選択が重要です。

超音波治療器

超音波治療器は生体組織に超音波エネルギーを照射し、種々の生理学的作用を引き起こして機能障害を改善させるための機器です。
温熱療法のなかでも超音波機器を用いた治療はより深部まで達することが可能で、腱や関節包、コラーゲン繊維を含む組織が特に加温されます。加温により深部組織の循環改善や組織代謝の亢進、コラーゲン繊維の伸張性の増加や疼痛軽減が見込まれます。そのため、関節可動域制限や慢性疼痛、関節炎や骨折などの幅広い疾患と機能障害が対象です。
反対に非温熱作用の効果もあり、生体内に照射した超音波が組織に当たる際の振動による音響効果でも、鎮痛や可動域改善効果が報告されています。

干渉波治療器

干渉波治療器は、筋力を維持・強化し、血流を促進するために用いられます。この機器は2つの異なる周波数の電流を体内で干渉させることで、新たな電流を生じさせ、電気刺激を筋肉や神経に与えます。
これにより、筋肉の収縮を促して筋力低下を防ぐほか、血流を改善して疲労物質や痛みを引き起こす物質の除去をサポートが可能です。
リハビリでは、筋力低下が進んでいる患者さんや血行不良による痛みを訴える患者さんに対し、適切な部位に電極を配置して使用されます。

低周波治療器

低周波治療器は、痛みの軽減や神経のリハビリに効果的な機器です。
皮膚表面に微弱な低周波電流を流し、神経に電気刺激を与えることで、痛みの伝達を抑制します。
この「経皮的電気神経刺激(TENS)」療法は、特に慢性的な痛みを持つ患者さんや手術後の疼痛管理で活用されます。また、電気刺激により太い神経線維を優先的に興奮させることで、痛みの感覚を和らげることが可能です。
患者さんの痛みの程度や部位に応じて、個別に設定を調整しながら治療が行われます。

牽引器

牽引器は、腰椎や頸椎を牽引し椎間を開大させる機器です。骨格筋や靭帯がストレッチされ、関節可動域の拡大が見込まれます。
また筋肉の緊張が和らぎ、マッサージ的効果で血行改善にもつながります。さらに、神経根の後根神経節に対する直接的な圧迫が改善されることで、慢性的な疼痛の緩和も期待できるでしょう。
ただし牽引時の姿勢や個人差などの理由から効果が感じにくかったり、症状が悪化したりする恐れがあるため、適応の際には十分な検査が必要です。

リハビリテーションを受ける整形外科の選び方

整形外科のリハビリテーションで使用される機器
リハビリテーションを受ける整形外科を選ぶ場合は、理学療法士が常駐しているかを確認してみましょう。
物理療法だけでなく、理学療法士による運動療法も受けられる体制が整っていれば、患者さんごとに適切な治療を選択しやすくなります。目標指向的アプローチを重視している整形外科なら、より患者さん個人に合う目標を設定しサポートしてもらえるでしょう。
また、リハビリテーションで用いる治療機器が充実しているかどうかも大切です。施設設備が充実していて治療経験が豊富な医師がいる整形外科を選ぶと、リハビリテーションの効果を実感しやすく、治療期間を短縮できる可能性もあります。
整形外科はこれらのポイントを参考に選び、快適な日常生活を取り戻しましょう。

リハビリテーションのことならにしむら整形外科クリニックにご相談を

にしむら整形外科クリニック
リハビリテーションを受けようと考えている方は、西早稲田にあるにしむら整形外科クリニックを受診してみてはいかがでしょうか。

にしむら整形外科クリニックは、幅広い整形外科疾患に対して治療やリハビリテーションを提供するクリニックです。以下に、にしむら整形外科クリニックの3つの特徴を紹介します。

日常生活の注意点や自主トレーニングなどのアドバイスも提案

にしむら整形外科クリニックのリハビリテーション科では、物理療法や運動療法などの保存的治療に力を入れています。

ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)の予防促進のためにも、日常生活で生じる注意点を解説し、患者さん自身が意識を高められるようにしているそうです。

さらに自主トレーニングのアドバイスも行い、生活のなかでのあらゆる動作や機能回復に役立てられるようにも配慮しています。

骨折や怪我後のスポーツ復帰リハビリテーションにも対応

にしむら整形外科クリニック

にしむら整形外科クリニックの西村院長は、日本整形外科学会 認定スポーツ医の資格をお持ちです。その豊富な知識と経験から、スポーツ復帰リハビリテーションにも対応されています。

骨折や怪我をした後の身体は、筋肉の緊張や疼痛が生じやすいです。そこで柔道整復師の手技で筋肉をほぐしたり、治療機器で血流の改善を図ったりするそうです。

また、超音波治療器やマイクロ波治療器、電気治療器や牽引器などさまざまな治療機器が導入されており、幅広い症状に対応できる体制が整っています。

理学療法士による外来リハビリテーションは担当者制となっており、担当の理学療法士が患者さんの症状や気持ちに寄り添ってサポートしています。

年齢や生活環境などの要因に合わせた治療

にしむら整形外科クリニックは、患者さんが笑顔で生活を送れるように一人ひとりに合ったリハビリテーションの提供を治療理念としているそうです。

患者さんは、同じ外傷や疾患であっても、年齢や生活環境などの要因によって症状はさまざまです。治療による効果や影響も人によって異なります。

そのため、患者さんごとにどのような身体状態かを詳しく評価したうえで、適切なリハビリテーションの提案が行われています。

身体の疼痛や痺れなどの症状でお困りの方は、一度にしむら整形外科クリニックで相談してみてはいかがでしょうか。

にしむら整形外科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用

東京メトロ東西線 高田馬場駅徒歩7分

東京都新宿区高田馬場1丁目1−1 メトロシティ西早稲田 1F

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診療時間
8:45~13:00
15:15~18:30


初診患者さんの受付時間は、8:45~12:45 15:15~18:15
◎予約制ではありません。直接診療時間内にお越しください。

【費用(税込)】
単位
3割負担:770円
2割負担:520円
1割負担:260円

2単位
3割負担:1,330円
2割負担:890円
1割負担:440円

この記事の監修医師

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