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精神疾患の原因として考えられるのは?精神疾患の種類・症状・治療方法についてもご紹介

 更新日:2023/10/31
精神疾患の原因として考えられるのは

精神疾患とは、思考・感情・行動などの心の側面に影響を及ぼす病気の総称です。

これらの疾患は一時的なストレスや心の不調と区別され、日常生活に深刻な支障をもたらします。

長期的なものもあれば、一時的なものもあり、その影響は個人によって異なります。

精神疾患は身体的な疾患とは異なり、症状や診断が曖昧であることが多いです。そのため適切な治療やサポートが行き渡りにくいことがあります。

この記事では、具体的な精神疾患の症例をもとに、治療方法などをご紹介します。

降矢 英成

監修医師
降矢 英成(赤坂溜池クリニック)

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東京医科大学卒業後、LCCストレス医学研究所・心療内科帯津三敬病院に入局。その後、心と体・精神の3つの観点から治療を行うホリスティック医学を実践する場所として、1997年に赤坂溜池クリニックを開院。日本心身医学会やNPO法人の日本ホリスティック医学協会など多くの学会にも参加。

精神疾患の原因として考えられるのは?

精神疾患の原因として考えられるのは?
現在、精神疾患の原因として考えられているのは、主に以下の4つです。

遺伝的要因

精神疾患の原因として考えられる原因の1つは、遺伝的要因です。特に、双極性障害と統合失調症などの精神疾患においては、遺伝的な影響が確認されています。
一卵性双生児と二卵性双生児を対象とした研究で、同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の方が、二卵性双生児よりも精神疾患の発症率が高いことが判明しました。このことから、遺伝的要因が精神疾患の発症に関係するとされています。

環境的要因

精神疾患の原因として、環境的要因も充分に関係します。長期間にわたる慢性的なストレスが続く場合、不安症状やうつ病のリスクを高めたり、心的トラウマや虐待経験が精神疾患のリスクを増加させたりするのです。
また、社会的支援の不足・環境汚染・不健康な生活習慣においても、精神的な不調の原因となる可能性があります。

身体的要因

次に考えられる要因の1つは、身体的要因です。身体的要因は、脳や内臓の疾患・外傷・身体の病気に関連しています。外因性の精神疾患は、脳に影響を及ぼす外部の要因によって引き起こされることがあるでしょう。
例えば、交通事故で脳に損傷を受けた場合、脳の正常な機能に影響を及ぼし幻覚や記憶障害などの精神症状が現れることがあります。脳の特定の領域が損傷を受けたり、血流が制限されたりすることが、精神疾患の原因となることがあるのです。
また、一部の内臓疾患や代謝異常も、精神的な症状を引き起こす可能性も考えられます。

心理的要因

心理的要因は、精神疾患の原因として多いといわれています。心因性の精神疾患は、主にストレスによって引き起こされるものです。不安や葛藤などがその主要な要因となるでしょう。
ストレスは個人差があり、同じストレス状況にさらされても発症する人としない人がいます。この違いは、ストレスそのものだけでなく、その方の性格や価値観に大きく影響されています。

精神疾患の主な種類

精神疾患の主な種類
精神疾患の種類はさまざまですが、現在日本人に多いとされている精神疾患は主に以下の4つです。

統合失調症

統合失調症は精神疾患の中でもよく知られた疾患の1つであり、人種・性別関係なく約1%の方が罹患しているとされています。この疾患は、幻覚・妄想・集中力・記憶力・計画の立案・問題を解決する力などの認知機能の低下が主な特徴です。
また、現実には存在しない視覚や聴覚の幻覚や、根拠のない妄想を含みます。そのため、日常生活において患者さんに影響を及ぼすこともあり、その結果、生活の質が低下することもあるでしょう。

うつ病

うつ病は、気分が強く落ち込み憂うつになることを特徴とする「気分障害」の1つです。うつ病の典型的な症状に、気分の持続的な沈んだ状態や憂うつ感・やる気の低下・無関心感などがあります。
うつ状態になる気分障害は「単極性気分障害」と「双極性障害(躁うつ病)」の2つに分類されます。単極性気分障害は、うつ状態が続くのが特徴です。
これに対して双極性障害は、うつ状態と躁状態(軽躁状態)を交互に経験します。「躁状態」はうつ状態とは反対に気分が極端に高揚している状態です。

双極性障害

双極性障害とは、気分が高まったり落ち込んだり、躁状態とうつ状態を繰り返す脳の病気です。双極性障害は、激しい躁状態とうつ状態を経験する双極I型と、軽度の躁的な状態(軽躁状態)とうつ状態を交互に経験する双極II型の2つの主要な型に分類されます。
躁状態では、気分が異常に高揚して睡眠をほとんど取りません。また無謀な行動・過度の支出・社会的信用や財産を危うくする行為などが見られ、極端な場合は職を失うこともあるのです。軽躁状態では通常よりも活動的になり、周囲から見ても異常な元気さが目立つでしょう。
一方、うつ状態では、一日中憂うつな気分に包まれ、睡眠障害・興味の喪失・食欲減退・身体の倦怠感などが現れます。また楽しいことに対する関心が低下し、日常の活動が非常に困難になります。
性別によるかかりやすさの差はなく、20〜30代前後に発症することが多いとされていますが、中学生から老年期にかけて幅広い年齢で発症する可能性も高いです。

高次脳機能障害

高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などの脳損傷が原因で、思考・記憶・行動・言語・注意などの高次脳機能に支障をきたす症状のことを指します。
典型的な症状には注意力の低下・言語障害・判断力と社会的な行動の変化に問題が生じることがあります。高次脳機能障害は外見からはわかりにくく、周囲の理解を得るのが難しいため、誤解される可能性が高いのが現状です。

精神疾患の症状

精神疾患の症状
精神疾患は、認知・思考・感情・意欲・心の機能に障害が起こってしまうことによって、症状が現れます。精神疾患の症状は疾患の種類によって異なり、一般的には認知障害・感情の不調・自己認識の変化・意欲の低下・現実感の歪み・対人関係の困難などが見られます。
精神疾患は、早期に適切な治療を受けることが重要です。専門機関へ相談したりサポートを受けたりするといいでしょう。治療法には薬物療法・精神療法・生活技能訓練・環境調整などがあり、個別の状態に合わせて適切な治療プランが立てられます。早期治療により、早めの回復を望めるでしょう。

精神疾患の治療方法

精神疾患の治療方法
精神疾患の治療方法は多岐にわたり、薬物療法・心理療法・生活スタイルの改善・社会的サポートなどさまざまです。

  • 薬物療法
  • 心理療法
  • ホリスティック医学

下記ではこれら3つの治療法について紹介します。

薬物療法

薬物療法は、精神疾患においてよく行われる治療法の内の1つです。主に脳内の神経伝達物質に作用して精神活動を改善するために、「向精神薬」を使用する方法が用いられます。向精神薬の種類は、主に以下の5つです。

  • 主に統合失調症の治療に使用される抗精神病薬
  • 不安感や緊張を和らげる抗不安薬
  • 抑うつ症状を改善する抗うつ薬
  • 気分の波を安定させる気分安定薬
  • 不眠症に対処する睡眠薬

これらの薬は患者さんの症状や疾患に応じて処方されます。

心理療法

心理療法は、薬物療法と併用されることが多いです。患者さんのお話を聞いて、専門的な知識や技能を用いて症状の軽減や疾患の改善を目指します。
心理療法で行われるのは、主に以下の3つです。

  • 認知行動療法(CBT)
  • 考え方を良い方向に変える方法で、うつ病や不安症に効果的といわれています。

  • 精神分析療法
  • 無意識の心理を操作する方法で、対人関係に問題を抱えた方や自分自身のことを知りたいという方などにおすすめです。

  • 心理教育
  • 精神疾患の症状や原因、治療法などを学び、病に対して理解を深めることを目的としています。

心理療法の治療計画は、患者さんの性格や特性に合わせてカスタマイズされます。

ホリスティック医学

精神疾患の治療法に「ホリスティック医学」というものがあります。
ホリスティック医学は、ラテン語の「全体」を表す「Holistic」という言葉に由来しています。
患者さんを単なる身体的な存在として捉えるのではなく、精神的・社会的・霊的な存在として捉え、それぞれの側面からアプローチして調和を図ることを目的としているのが特徴です。
ホリスティック医学では、スピリチュアリティ・自然治癒力・自己治癒力を非常に重要視します。ホリスティック医学は、体・精神・社会と霊的な側面を調和させる手助けをすることで患者さんが健康的な生活を取り戻せることを目的としています。

ホリスティック医学とは?

ホリスティック医学について、もう少し詳しくみてみましょう。

ホリスティック医学は、先述したように、人間の本質を魂(霊性)や環境などから捉え治療を行う医学観のことをいいます。
この考えのもと、代替療法を行うことにより、人間が本来もつ自然治癒力を高めることができるとされています。
ホリスティック医学は、どのような症状の方も治療を受けることが可能です。

精神疾患のご相談なら赤坂溜池クリニックへ

赤坂溜池クリニック 医院長
精神疾患は、私たちの身体だけでなく、心の健康にも深い影響を及ぼす病気です。そのため、適切な治療やサポートが必要です。

赤坂溜池クリニックでは精神疾患に関する相談や治療において、病気の治療だけでなく、疾病予防と健康増進にも力を入れています。

また「オープンクリニック」形式を採用し、ホリスティック医学の理念を実践しています。

これは、患者さんとの信頼関係を大切にし、病気だけでなく、その背後にある生活環境や心の健康も考慮してアプローチするためです。

このようにホリスティック医学の理念のもと、患者さんの個別ニーズに応じたケアを提供しています。

心や環境などを含めたホリスティック医学を実践

ホリスティック医学とは、精神疾患の治療において心や環境だけでなく、魂(霊性)の部分にも焦点を当てるアプローチです。

赤坂溜池クリニックでは、このホリスティック医学の原則を実践し、心療内科・精神科領域の治療に取り組んでいます。

このアプローチにより、患者さんは単なる症状の治療だけでなく、自身の内面に向き合う機会を得ることが可能です。

心と魂の調和が取れるようになると、精神疾患の症状が改善しやすくなり、持続的な回復が促進されるでしょう。

赤坂溜池クリニックでは患者さんの症状の改善だけではなく、全体的な健康と幸福に導くために、ホリスティック医学を積極的に活用しています。

患者さんそれぞれに合った治療法を提案

赤坂溜池クリニック 院内
精神疾患は症状が目に見えないため、患者さん自身やその家族にとっては非常に難解なものとなります。

多くの場合、患者さんは自身の状態や病因を理解することが難しく、何が問題であるのかを把握するのが難しいでしょう。

治療の成功には、患者さんそれぞれに合った治療法を提案することが大事です。

赤坂溜池クリニックでは、患者さんが自身の状態をより良く理解し、治療に積極的に参加できるようサポートしています。患者さんの症状や日常生活への影響を詳細にヒアリングし、個別のニーズや希望の把握をしていきます。このことにより、治療計画を立てる際に患者さんの個別の状況に合わせたアプローチを考える基盤が完成するのです。

自然治癒力を高める効果が期待できる代替療法も実施

人間は本来、自身の体や精神を健康な状態に保とうとする「自然治癒力」を持っています。しかしこの力を自覚している方は少ないでしょう。

赤坂溜池クリニックでは、まず患者さんがその自然治癒力の存在に気付くことから始めます。

治療の一環として、アロマテラピーやタッピングセラピーなどの代替療法を導入しています。

アロマテラピーは、香りを通じてリラクゼーションを促進することにより、ストレスや不安を軽減させることを目指しています。気軽に始められてリラックス効果が期待できますが、適切でない使い方をすると効果が得られなかったり、精油は刺激が強いため取り扱いには注意が必要です。

一方、タッピングセラピーは、ツボを軽く叩く(タッピング)ことで、不安やトラウマ、パニックなどをもたらすエネルギーを取り除いていく方法です。即効性のあるストレス軽減療法で、取り入れやすくやり方を教われば自分でできますが、ストレスの原因が明確でないなど症状によっては実施が難しい場合があります。

このように個々のニーズに合わせ、患者さんが自分自身の治癒力を最大限に発揮できるようにサポートしているのです。

赤坂溜池クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用

東京メトロ銀座線 溜池山王駅 9番出口 徒歩3分

東京都港区赤坂1-5-15 溜池アネックスビル5階

診療時間
10:00〜13:00
15:00〜18:00
16:00〜19:00

※休診日 火曜・木曜午前・土曜午後・日曜・祝日
【完全予約制】

費用:カラーセラピー・タッピングセラピー 5,500〜12,000円(税込)程度

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