失敗しないための不妊治療の進め方|基本からステップまで詳しく解説

妊娠を望んでいても、なかなか授からないときに「不妊治療」という選択肢が頭をよぎる方は少なくありません。けれども、治療の進め方や段階ごとの特徴については意外と知られていないものです。焦りや不安を抱えたまま情報を探すよりも、まずは正しい知識を整理することが大切です。
本記事では、不妊治療の基本から治療の流れ、そしてステップごとの選択肢を解説します。

監修医師:
桑波田 暁子(あかつきARTクリニック)
平成11年 4月 鹿児島大学産婦人科 入局
平成12年 3月 鹿児島市医師会病院 麻酔科 勤務
平成14年10月 鹿児島市立病院 新生児センター 勤務
平成15年 4月 鹿児島医療センター 産婦人科 勤務
平成21年10月 おち夢クリニック名古屋 (愛知県)勤務
平成25年 4月 加藤レディスクリニック (東京都)勤務
平成26年 4月 おち夢クリニック名古屋【副院長】(愛知県)勤務
目次 -INDEX-
不妊治療を始める前に知っておくべき基本

不妊治療は、漠然と始めるのではなく、まずは「不妊とは何か」を正しく理解しましょう。自分自身やパートナーの現状を把握することから始めると、治療の選択がスムーズになります。
不妊の定義と治療を考えるタイミング
医学的には、避妊をせずに1年以上性交を続けても妊娠に至らない状態を「不妊」と定義します。
年齢が上がると自然妊娠の確率は下がるため、特に35歳を過ぎた場合は、半年ほどで妊娠しなければ専門機関を受診することが推奨されています。大切なのは「まだ大丈夫」と思い込まずに、適切なタイミングで治療を視野に入れましょう。
まずは検査で現状を把握することの重要性
不妊治療の第一歩は、原因を知ることです。
女性側では排卵の有無、卵管の通過性、ホルモンバランスなどを調べ、男性側では精子の数や運動率を確認します。不妊の約半数は、男性因子が関与するといわれています。つまり、カップルで協力し合って検査を受けることが、妊娠への近道なのです。
検査で得られた情報をもとに、医師と一緒に適切な治療方法を選んでいくことが、安心して治療を進める土台となります。
不妊治療の第一歩「タイミング法」

不妊治療にはいくつかのステップがありますが、その中で自然に近い方法として選ばれるのが「タイミング法」です。
身体への負担が少なく、妊娠の可能性を高める第一歩として推奨されます。しかし、自己流ではなかなか成果が出にくく、医師のサポートを受けることで効果的に進められる治療法です。
タイミング法の仕組みと流れ
タイミング法は、女性の排卵のタイミングを正確に予測し、その時期に性交を持つことで妊娠の可能性を高める方法です。
排卵日は、基礎体温や尿中ホルモン検査、超音波による卵胞チェックなどを組み合わせて判断します。排卵直前の数日間が妊娠しやすいため、この妊娠可能期間を見極めることが成功のカギとなります。
医師の管理下で行うタイミング法では、排卵を促す薬を併用したり、排卵の時期をより正確に特定したりすることもあります。これにより、自然妊娠がなかなか実現できなかったカップルでも妊娠の可能性を広げられるとわれています。治療は月経周期に合わせて繰り返し行われ、3〜6ヶ月程度続けることが一般的です。
排卵日の予測と日常生活でできる工夫
排卵日の予測は医療的なサポートが中心ですが、日常生活の中でも意識できる工夫があります。
例えば、基礎体温を継続して測定して体調やリズムの変化を把握することは、排卵日を推定するうえで役立ちます。さらに、規則正しい生活や十分な睡眠、バランスの取れた食事は、ホルモンバランスを整え、排卵の安定に繋がります。
また、喫煙や過度の飲酒、ストレスは妊娠に悪影響を及ぼすことが知られています。心身の健康を保ちながら妊活に取り組むことが、タイミング法の効果を高める土台になります。男性側にとっても生活習慣の見直しは重要で、精子の質の改善に繋がるため、夫婦で協力して取り組む姿勢が求められます。
タイミング法は、身体に優しい治療法でありながらも、適切な管理と生活習慣の工夫を組み合わせることで成功率が高まるといわれています。まずは焦らず、このステップを着実に取り組むことが、不妊治療の大切な第一歩なのです。
次のステップ「人工授精(AIH)」

タイミング法で成果が出ない場合、次の治療段階として多くの医療機関で推奨されるのが「人工授精(AIH:Artificial Insemination by Husband)」です。
人工授精は、不妊治療の中では負担が少ないとされており、自然妊娠に近い状態で進められる方法です。特にタイミング法では妊娠が難しいケースにおいて、有効な選択肢のひとつとなります。
人工授精の方法と特徴
人工授精の基本的な流れは、排卵日に合わせて精子を直接子宮内に注入することです。まず、採取した精液から良好な精子を選別し、濃縮・洗浄したうえで細い管を使って子宮内に届けます。これにより、精子が卵子に到達するまでの距離を大幅に短縮でき、自然妊娠と比べて受精の可能性が高まるとされています。
また、精子の運動率が低い場合や、女性の頸管粘液が少なく精子が子宮に進みにくい場合などにも効果を発揮します。処置自体は数分程度で終わり、痛みもほとんどなく、日帰り(※)で行える点も特徴です。身体への負担が小さいため、次の段階である体外受精に比べて心理的・経済的なハードルが低いのもメリットです。
(※)術前の検査、術後の経過観察が必要です
人工授精が選ばれるケース
人工授精が選ばれるのは、主にタイミング法で妊娠に至らなかった場合です。特に以下のようなケースでは、人工授精が有効とされています。
- 精子の数や運動率がやや低い場合
- 頸管粘液の分泌が少なく、自然受精が妨げられている場合
- 性交のタイミングが難しい、性交障害がある場合
- 軽度の男性不妊や原因不明不妊の場合
妊娠率は1回あたりおよそ5〜10%程度とされ、複数回繰り返すことで妊娠の可能性が高まります。ただし、年齢が高い女性や、明らかな卵管閉塞などの要因がある場合は効果が限定的で、早期に体外受精への移行を検討するケースもあります。
人工授精は自然妊娠と高度生殖医療の中間に位置する治療法であり、カップルにとって心理的にも取り組みやすい段階です。無理なく治療を続けていくために、医師と相談しながら適切な時期に選択することが大切です。
高度生殖医療「体外受精・顕微授精」

タイミング法や人工授精を試しても妊娠に至らない場合、次のステップとして選ばれるのが「体外受精(IVF)」や「顕微授精(ICSI)」といった高度生殖医療です。
これらは医療技術の進歩によって確立された方法であり、妊娠の可能性を大きく広げる手段となります。身体的・経済的な負担は増えるものの、自然妊娠が難しいカップルにとって大きな希望となる治療法だといえます。
体外受精(IVF)の流れと特徴
体外受精は、卵子と精子を体外で受精させ、その後できた受精卵を子宮に戻す治療法です。
まず、排卵を促すためにホルモン治療で複数の卵子を育て、採卵します。同時に精液を採取し、運動能力の高い精子を選別します。選ばれた精子と卵子を培養環境で受精させ、数日間育てた受精卵(胚)を子宮に移植します。
体外受精の特徴は、卵子と精子が出会う確率を人工的に高める点にあります。卵管に問題がある場合や、人工授精を繰り返しても妊娠に至らない場合などに有効です。また、受精卵を凍結保存できるため、一度の採卵で複数回の移植に備えられることもメリットのひとつです。
顕微授精(ICSI)の違いと適応ケース
顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)は体外受精の一種ですが、受精方法に大きな違いがあります。
通常の体外受精では卵子と精子を同じ培養液に入れて自然に受精を促しますが、顕微授精では顕微鏡下で精子を1匹選び、細い針で卵子の中に直接注入します。
この方法は、極端に精子の数が少ない場合や運動率が低い場合、または過去に体外受精を試みても受精が成立しなかった場合に適しています。つまり「精子側の要因が大きい不妊症」において特に有効とされます。
顕微授精によって、自然受精では難しいケースでも妊娠の可能性を高めることができますが、その一方で技術的に高度な操作を伴うため、専門的な設備と経験豊富な医師が不可欠です。
治療選択の目安と医師に相談すべきタイミング
体外受精と顕微授精のどちらを選ぶかは、カップルそれぞれの状況によって異なります。
例えば、卵管が詰まっている場合や人工授精で成果が出なかった場合には体外受精が選ばれることが多く、精子の数や質に問題がある場合には顕微授精が選択肢となることが多いでしょう。
治療を進めるうえで大切なのは、「何回タイミング法や人工授精を試したのか」「女性の年齢は何歳か」「精子や卵子の状態はどうか」といった複数の要素を総合的に考えることです。特に女性の年齢が高くなると卵子の質が低下するため、早めに高度生殖医療へ移行することが妊娠への近道となるケースも少なくありません。
そのため、治療を続ける中で「次のステップに進むべきかどうか迷っている」と感じた時点で、早めに医師へ相談することが大切です。医師としっかり話し合い、自分たちに合った方法を選択することで、治療に対する不安を軽減し、前向きに取り組むことができるでしょう。
不妊治療ならあかつきARTクリニックにご相談を

不妊治療は、身体的にも精神的にも大きな負担がかかるものです。そのため、どのクリニックを選ぶかは治療の成果だけでなく、安心して継続できるかどうかにも関わってきます。
あかつきARTクリニックは、体外受精を含む高度生殖医療に対応しながら、患者さんの気持ちに寄り添った医療を大切にしているクリニックです。先進的な医療設備と丁寧なカウンセリングで、「治療を前向きに続けられる環境」を提供しています。
体外受精にも対応しているクリニック
不妊治療の過程では、タイミング法や人工授精で成果が出ない場合、体外受精や顕微授精へとステップアップする選択肢が出てきます。あかつきARTクリニックは、これらの高度な治療にも対応しており、患者さん一人ひとりの状態に合わせて適切な方法を提案しています。
特に体外受精は、採卵から受精卵の培養、移植に至るまで複雑な工程を必要としますが、クリニック内にはその全てをサポートできる設備が揃っています。胚培養士を含めた専門チームが在籍し、培養環境にもこだわっているため、安心感を持って治療を受けられる体制が整っています。
安心感のある環境と先進的な設備
不妊治療を続けるうえで重要なのは、医療技術だけではありません。通院するたびに緊張や不安を感じてしまうと心身の負担が大きくなり、治療を継続するのが難しくなることもあります。あかつきARTクリニックは、院内の雰囲気づくりにも力を入れており、落ち着いた環境でリラックスして過ごせる工夫がされています。
また、検査や治療に必要な医療機器も先進的なものが導入されており、正確な診断と質の高い治療につながっています。例えば、卵巣や子宮の状態を細かく把握できる超音波検査機器や、培養環境を安定して維持できるインキュベーターなど、先進的な医療技術が患者さんの妊娠の可能性を支えています。
女性医師による患者さんに寄り添ったカウンセリング

不妊治療において、医師とのコミュニケーションは大切です。治療の流れや方法に納得できなければ、先へ進むことが不安になってしまうこともあるでしょう。あかつきARTクリニックには女性医師が在籍しており、患者さんが抱える不安や悩みを丁寧に受け止めたうえで、わかりやすく説明しています。
特に、不妊治療はデリケートな内容を含むため、同性である女性医師に話したいと感じる方も多いのではないでしょうか。女性医師ならではの視点や共感力を生かし、医学的なサポートだけでなく、精神的な安心感も提供している点は大きな魅力といえるでしょう。
あかつきARTクリニックは、体外受精をはじめとする高度生殖医療に対応できる専門性と、患者さんに寄り添う温かさをあわせ持ったクリニックです。「できることはすべて試したい」「安心できる環境で治療を続けたい」と考える方にとって、信頼できる選択肢になるのではないでしょうか。
あかつきARTクリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
鹿児島中央駅 徒歩3分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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| 9:30~12:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | ● |
| 15:00~18:00 | ● | ● | - | ● | - | ● | - | - |
参考文献



