不妊症とは?原因・検査・治療法をご紹介します
不妊症とは、夫婦が1年以上性交渉を行いながらも妊娠しない状態のことです。
不妊症の要因は、男女それぞれが原因である場合と片方のみに原因がある場合によって引き起こされます。
不妊症の原因について、検査方法はどんなことがあるのか、治療方法などを解説していきます。
監修医師:
大野 基晴(北千住ARTクリニック)
東海大学医学部医学科 卒業
2010年4月
順天堂大学医学部附属順天堂医院 初期研修
2012年4月
順天堂大学産婦人科学講座 入局
2012年4月
順天堂大学医学部附属順天堂医院 勤務
2013年1月
順天堂大学静岡病院 勤務
2014年8月
社会福祉法人賛育会 賛育会病院 勤務
2015年4月
越谷市立病院 勤務
2016年4月
順天堂大学院 博士課程 入学
2016年7月
順天堂大学医学部附属順天堂医院 勤務
2016年10月
大島医療センター 勤務
2017年1月
セントマザー産婦人科医院 勤務
2020年3月
順天堂大学院 博士課程 修了
2020年4月
順天堂大学浦安病院 勤務
2022年4月
順天堂大学浦安病院リプロダクションセンター 副センター長 就任
目次 -INDEX-
不妊症とは?
不妊症と呼ばれる具体的な状態は下記の2通りといわれています。
- 一定期間避妊なしの性交があるにもかかわらず妊娠しない状態
- 一般的に1年以上妊娠しない状態
どちらの状態も、子供を希望している夫婦にとって悲しいことです。さまざまな原因がありますが、ここでは2つの状況に関して詳しく説明していきます。
一定期間避妊なしの性交があるにもかかわらず妊娠しない状態
一般的に、結婚した夫婦は、金銭面・仕事面・将来などを考慮して子供を持つか話し合います。そろそろ子供を授かりたいとお互いの意思が合致して初めて妊活に入りますが、子供を希望したからすぐ授かれるものではありません。女性には妊娠しやすい日があり、排卵日と呼ばれています。
排卵日とは、卵巣から卵子が放出される日のことで受精の可能性が最も高まる時期です。排卵日の前数日から後数日間に性交渉を行うことで、妊娠の確率が高くなるのです。そのようなことを踏まえて排卵日前後に性交渉を行いますが、一定期間妊娠しない場合に不妊症と判断されます。
一般的には1年以上妊娠しない状態をいう
不妊の原因は、個々のケースにより異なる要因があります。不妊と判断する一定期間とは、一般的には1年以上妊娠しない状況のことです。
排卵日を計算して妊娠しやすい時期に性交渉をしても1年以上妊娠しない場合は、不妊症と診断されます。子供を望む夫婦にとって、なかなか子供を授かれない状態が続くのは非常に辛いことです。
不妊症の原因は?
不妊症の原因は、さまざまな理由がありますが一般的な理由を下記に記載します。
- 女性側の原因
- 男性側の原因
- 両方に原因があるケースも
- 原因不明のこともある
上記の原因に関して、ここでは詳しく解説していきます。
女性側の原因
女性側が原因の不妊の場合は、下記の要因が多いといわれています。
- 卵巣機能の障害:卵巣が正常に機能しない状態で、卵巣の炎症や多嚢胞性卵巣症候群などが含まれます。
- 卵管の障害:卵管結紮、卵管炎症、子宮内膜症などが原因として挙げられます。
- 子宮の異常:子宮内膜の異常、子宮筋腫、子宮内膜症など、子宮に関連する問題が原因となります。
- 卵子の品質の低下:年齢の進行によって、卵子の品質が低下することで妊娠しにくくなります。
- 遺伝的要因:染色体の異常や遺伝性疾患が影響を与えることがあります。
男性側の原因
一般的に男性側の不妊に関しては、あまり知られていないのが現状です。不妊は女性が原因と思われがちですが、男性側の不妊の原因も多いということを認識してください。また、男性側の不妊も多様で、下記の要因などがあげられます。
- 精子の異常:精子の数・形状・運動能力に問題がある場合、受精能力が低下します。
- 精管の障害:精管が閉塞したり損傷を受けたりすると、精子の通過が妨げられ、受精が困難になります。
- 生殖器の異常:精巣や陰茎、精管などの生殖器の異常や形態の問題が、不妊の原因となります。
- ホルモンのバランスの乱れ:精子形成に関わるホルモンのテストステロンや卵胞刺激ホルモンの異常が原因となります。
両方に原因があるケースも
両方に問題がある場合は、自然妊娠することは非常に難しく、医師の診断と検査をおすすめします。
医師により、夫婦の詳細な状況と検査結果に基づいて、適切な治療や対策を提案してもらうことが妊娠への第一歩です。
原因不明のこともある
夫婦双方の詳細な検査と診断が行われたにも関わらず、特定の原因が見つからない場合は原因不明の不妊症と呼ばれます。いくつかの可能性が考えられ、現在の医学的な検査や技術では特定できない因子が存在する可能性もあるのです。
複数の要素が組み合わさって妊娠できない状態になっている場合もありますので、それぞれの原因に合わせて治療を根気強く進める必要があります。不妊治療は夫婦で共に歩むことが重要ですが、思うように結果が出ない時も多く気持ちを保つことが難しくなる場合もあります。
そんな時は一度治療を見直してみることも必要です。気分転換やリフレッシュに時間をかけてみても良いでしょう。
不妊症の検査項目は?
不妊症を診断するための検査項目は、下記があります。
検査項目について、ここでは詳しく解説していきます。
内診・超音波検査
不妊検査として、内診と超音波検査は一般的に使用される検査方法です。内診は、医師によって女性の生殖器を調べる専用の器具を使用し、膣と子宮を詳細に調べます。子宮の形状や大きさ・卵巣の状態・子宮内膜の厚さなどを確認する方法です。
超音波検査は、音波エコーを使用して内部の組織を観察する検査で、卵胞の成長や子宮内膜の厚さなどを評価します。また、精子の運動性や子宮内の受精卵の発育状態も確認できます。
ホルモン検査
ホルモン検査は、不妊治療において重要な役割を果たします。医師が患者の個別の状況に基づいて、適切なホルモン検査を実施します。複数のホルモン検査がありますが一般的に行われる検査の種類は下記のとおりです。
- 卵胞刺激ホルモン:卵胞刺激ホルモンのレベルが正常かどうかを確認し、高いレベルの場合は卵巣の機能低下を示します。
- 黄体形成ホルモン:排卵障害が原因で不妊症が起きていると、LHの異常なレベルが示唆されるので排卵障害を判断できます。
- エストロゲン:エストロゲンのレベルが低いと、排卵障害や卵子の品質の低下が原因で不妊症が起きている可能性を診断します。
- プロゲステロン:プロゲステロンが低いレベルの場合は、黄体機能不全や排卵障害などの問題を示唆しているため原因を特定できます。
子宮卵管造影検査
子宮卵管造影検査は、子宮と卵管の形態や機能を評価するために行われる検査です。X線撮影と造影剤の使用を組み合わせて行われます。
検査は月経周期の妊娠の可能性が低い時期を選ぶことが重要です。造形剤を子宮内に注入し、X線装置にて子宮と卵管の形態や機能を評価します。画像はリアルタイムでモニターに表示されますので、医師は得られた画像をもとに迅速に診断することができるのです。
子宮鏡検査
子宮鏡検査は、子宮内腔の観察や疾患の診断・治療を目的として行われる手術的な検査法です。特殊な器具である子宮鏡を使用して行われ、子宮鏡が子宮内に挿入されると、医師はモニターを通じて子宮内腔を観察します。子宮内膜の状態・ポリープ・筋腫・異物・異常な血管・粘膜の異常な成長などを確認することができます。
フーナー検査
フーナー検査は、排卵が予想されるタイミングの排卵日前後に行われます。医師が子宮頸管から粘液を採取し、精子を追加します。これにより、精子の動きや子宮頸管内での生存能力を評価し、顕微鏡で量・質・粘度・精子の運動性などが評価されるのです。
フーナー検査は、子宮頸管の粘液の性状と精子の動きを評価することで、受精の可能性や子宮頸管の問題を確認できます。
精液検査(男性)
精液検査は、男性の不妊症の評価において非常に重要な検査です。精子の数・運動能力・形態・精液中のその他の成分などを評価するために実施されます。
男性から検体を摂取し、専門の研究所において精液検査が行われるのです。検査結果を医師が確認し、男性の生殖能力や不妊症の原因を評価することで適切な治療や対策を提案します。
不妊症の治療法は?
不妊の原因は個別の状況によって異なりますが、治療方法としては主に下記があげられます。
- 排卵を促進する薬物やホルモン治療
- 人工授精によって精子を女性の子宮内に直接注入する方法
- 顕微鏡を使用して、1つの精子を卵子に直接注入する方法
不妊原因によって、より有効な治療方法を選択することは不妊治療において重要となります。
さまざまな治療法を提案してくれるクリニックなら、自分たちにあった治療法を見つけることができるでしょう。
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北千住ARTクリニックは、一般不妊治療・生殖補助医療を中心に婦人科診療を行うクリニックです。子供を望み治療を希望するカップルは、さまざまなプレッシャーとたくさんの障害に立ち向かっています。
院長の大野基晴医師は、勤務医として働きながら、数多くの患者様に出会う中で一人一人に寄り添える医療を目指しています。本物の医療をより身近に、「みんな笑顔に」をモットーに不妊に悩むカップルの心強い味方となってくれる婦人科診療クリニックです。
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