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訪問診療はどんな人が受けられるの? 往診との違いや費用について解説!

 更新日:2024/03/07

訪問診療とは、病院に行くのが困難な方々を対象に、医師が直接自宅へ診察に訪れるサービスのことです。この訪問診療は、どんな状況の方が利用できるのでしょうか。そして、よく聞く往診とは何が違うのでしょうか。
本記事では、訪問診療が受けられる条件や往診との違い、費用面などをわかりやすく解説していきます。

大城 堅一

監修医師
大城 堅一(ねりま西クリニック)

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平成3年浜松医科大学卒業、平成9年7月東京警察病院勤務。平成19年9月おおしろクリニック開設、在宅療養支援診療所届出。日本整形外科学会 認定専門医、日本整形外科学会 認定リウマチ医、日本整形外科学会 認定スポーツ医。

訪問診療とは

まずは、訪問診療について解説します。どのような診療を受けることが可能で、どのような疾患に対応しているのでしょうか。

訪問診療とは

訪問診療とは、医師や看護師が患者さんの自宅を訪問し、医療サービスを提供することです。通院が困難な方や体の不自由な方、または高齢で外出が難しい方など、さまざまな理由で病院へ行けない方が利用していて、患者さんが安心できる自宅という環境で医療サービスを受けることが可能です。

訪問診療は、患者さんの健康状態や生活環境に合わせて柔軟に対応できることが特徴です。例えば、慢性的な疾患の管理から急性期の治療、予防医学にいたるまで、幅広いニーズに応えます。また、医師が直接患者さんの生活環境を見ることになるため、より具体的で実践的なアドバイスを提供することができるでしょう。患者さんのQOL向上にも大きく寄与することが期待されます。

訪問診療で受けられる主な診療内容

訪問診療で提供される診療内容は、患者さんの健康状態や必要に応じて多岐にわたります。

・定期的な健康チェック
高血圧や糖尿病などの慢性疾患を持つ方に対して、定期的な健康状態のチェックを行います。血糖値のチェック、その他必要な検査を自宅で行うことが可能です。
また、普段のかかりつけ医であることで「いつもと何か違う」に気づける存在でありたいと考えています。

・薬の処方と管理
慢性的な疾患や病状に合わせた薬の処方、調整を行います。薬の効果や副作用についての説明も行い、自宅における正しい服薬指導を受けられます。

・リハビリテーション
手術後の体力低下のリハビリテーションや加齢による運動機能の低下、脳卒中・脊髄損傷などの後遺症に対するリハビリテーションを行えるよう訪問リハビリや訪問看護ステーションに指示を出すことができます。
そこで自宅での生活に必要な身体機能の回復向上をめざします。

・緩和ケア
がんなどの末期疾患を抱える患者さんに対し、痛みや苦痛の緩和、精神的なサポートを提供します。患者さんの尊厳を保ちながら、できるだけ快適な日々を過ごせるように支援します。

・生活習慣病の管理
高血圧や高コレステロール、肥満など、生活習慣病の管理と予防に関する指導が行われます。食事や運動に関するアドバイスを提供することで、健康的な生活習慣をサポートします。

訪問診療で対応できる疾患

訪問診療は、基本的に全ての疾患に対応することが可能です。特に代表的な疾患として、以下のものが挙げられます。

・パーキンソン病
薬物療法の管理、運動療法のプログラムを提供、症状の変化や定期的なモニタリングが訪問診療により行われます。

・ALS(筋萎縮性側索硬化症)
症状の管理、必要な医療機器の提供と調整、そして患者さん及び家族への精神的サポートを自宅で提供します。これにより、患者さんは快適な環境で質の高いケアを受けることができ、家族の負担も軽減されます。

・認知症
認知症の進行状況のモニタリングや、家族への支援、生活環境の改善アドバイスなどを行います。

・在宅がん緩和ケア
がんの末期患者さんに対して、痛みの管理や精神面のケアを提供します。患者さんが可能な限り快適に過ごせるよう、緩和ケアを中心とした治療を行います。

訪問診療を受けられる人

患者さんの病状に合わせた柔軟なサポートを受けることができる訪問治療ですが、誰でも受けることができるのでしょうか。また、訪問治療が受けられる範囲に制限はあるのでしょうか。 ここでは訪問治療を受けられる条件やエリアについて解説します。

訪問診療を受けられる人の条件

訪問診療を受けられる人の条件
訪問診療は、自分一人で通院することが難しい方に対して提供されるサービスです。具体的には、以下のような条件を満たす方が訪問診療を受けられます。

・加齢で体が弱っている方
加齢で体が弱っていて、一人では通院できない方は訪問治療を受けることができます。高齢になると自然と体力や免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。また、転倒のリスクが高まるなど、日常生活にも支障が出ることがあります。そうした高齢者の方は移動が難しいため、自宅での訪問診療を受けることが理想です。

・認知症を患っている方
認知症を患っていて、一人で通院しても医師の話を理解できない方も対象です。認知症の方は、病院への移動が困難であるだけでなく、環境の変化によって混乱を引き起こす可能性があります。そのため、慣れ親しんだ自宅での診療が、患者さんにとって安心な場合があるでしょう。また、ご家族の方の負担も軽減することができます。

・近い将来に通院が難しくなることが予想される方
現在は通院できているが、疾患の進行や末期がんなどで近い将来に通院が難しくなることが予想される方も、訪問診療の対象となります。早めの段階で訪問診療を利用することで、健康状態の悪化を防ぎ、生活の質を維持することができるでしょう。

訪問診療を受けられるエリア

訪問診療は特定の範囲内で提供されるサービスです。具体的には、診療を行う医療機関から半径16km以内が、保険適用の訪問診療可能範囲とされています。この範囲を超える場合、通常は保険診療の適用外となり自費での治療が必要となります。

ただし、特殊な事情がある場合は、例外として医療機関と訪問先との距離が16kmを超えていても保険診療が認められることもあります。例えば、海路など特殊な交通手段を用いて訪問診療を行わざるを得ないケースなどです。具体的にどのような状況が認められるかは、厚生労働大臣が定める基準に基づくことになっています。

訪問診療と往診の違い

訪問診療と往診の違い
ここまで訪問診療について解説してきましたが、似たような診療方法として「往診」をご存知の方も多いのではないでしょうか。次に、訪問診療と往診の違いについて解説していきます。

往診とは

往診とは、医師が患者さんの自宅や居場所に出向いて医療サービスを提供することを指し、その点だけを見れば訪問診療と同等のサービスです。ただし、主に、急病や事故など緊急を要するケースで利用され、患者さんが病院に行くことができない状況下での治療に重点を置いています。緊急性が高い状況に対応するため、医師が必要な機材を持参し、即座に医療処置を行うことが特徴です。

訪問診療と往診の違い

訪問診療と往診は、訪問の目的と提供されるサービスの内容が異なります。
訪問診療は、継続的から計画的な医療サービスを提供するもので、主に慢性疾患の管理や高齢者の日常的な医療ケア、在宅でのリハビリテーションなど、長期的なサポートが目的です。
一方、往診は緊急性の高い状況に迅速に対応するために行われるもので、急病や怪我など即時的な医療介入が必要な場合に適しています。

また、訪問診療は定期的に行われることが一般的で、事前の予約に基づいて計画的に実施されるものです。これに対して往診は患者さんの緊急なニーズに応じて行われるものなので、突発的な訪問となることが基本です。
訪問診療は、患者さんの生活リズムや状態に合わせた医療プランを作成し、継続的なケアを提供しています。

訪問診療の費用

ここでは、訪問診療の費用の内訳から具体的な目安まで解説します。

訪問診療の費用の内訳

訪問診療の費用の内訳
訪問診療の費用は、大きく分けて基本診療費、追加加算される診療費、医療費負担割合になります。

・基本診療費
訪問診療の基本的な診察料です。
訪問診療の際の医師や看護師の診察、必要な検査、治療などの基本サービスにかかる費用が含まれます。基本診療費は訪問診療を行う医療機関ごとに異なる場合があります。

・追加加算される診療費
特定の医療サービスや治療が必要な場合に、基本診療費に加えて追加料金が発生することがあります。
具体的には、特別な医療機器を使用する場合や、夜間・休日の緊急訪問、特定のリハビリテーションなどが該当します。

・医療費負担割合
患者さんが支払う医療費の割合は、年齢や所得、障害の有無によって異なります。
例えば、高齢者や低所得者、障害を持つ方々は、そうでない患者さんよりも低い割合での自己負担となることが多いです。具体的な負担割合は医療機関や地域によっても異なりますので、詳細は各医療機関に確認すると良いでしょう。

訪問診療の費用の目安

訪問診療の具体的な費用はサービス内容や地域によって異なりますが、ここでは一般的な目安を紹介します。

訪問診療の基本診療費は1割負担の方で、月に2回の訪問診療を基本と考えると、7000円~8000円を目安として考えると良いでしょう。また、特別な治療や検査が必要な場合は追加で費用がかかります
薬の処方を受けた場合などは、上記に加えて1,000〜3,000円程度の追加費用が発生することがあります。
3割負担の方は、この3倍の基本診療費がかかることになります。

訪問診療の流れ

訪問診療の流れ
訪問診療を利用する際の流れについて解説します。

問い合わせ

訪問診療を始める第一歩は、医療機関への問い合わせです。
訪問診療の対象条件や利用できるサービス内容、費用の詳細、訪問可能エリアなど、必要な情報を確認しましょう。医療機関によってはオンラインでの問い合わせも可能です。
問い合わせの際に、患者さんの健康状態や医療ニーズを詳しく伝え、どのような支援が必要かを相談しておくのがおすすめです。

初回訪問

訪問診療が開始となると、まず最初に医師や看護師が自宅を訪問します。初回訪問では、患者さんの健康状態を詳しく把握するための診察や、今後の診療計画についての話し合いが実施されます。
必要に応じて、患者さんの自宅での生活環境や日常のサポートについてもチェックします。

定期的な訪問診療

初回訪問後は、継続的な訪問診療が行われます。通常、あらかじめ作成した治療計画に基づいていつ訪問するかが決定され、その時々の患者さんの状態やニーズに合わせて訪問の頻度が調整されます。
定期訪問では、健康状態のモニタリングや治療、薬の管理、健康相談などが行われ、患者さんが自宅で快適に生活できるようにサポートをしていきます。

訪問診療ならねりま西クリニックに相談を

訪問診療の基本情報から対象となる疾患の紹介、訪問診療を受けられる方の条件などを解説してきました。
東京都練馬区で訪問治療を検討されている方は、ねりま西クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。「機能強化型在宅支援診療所」として認可されていて、地域の他のクリニックとも連携した包括的なケアシステムの構築に力を入れられています。

自宅にいながら専門性の高い治療を受けることが可能

ねりま西クリニック
ねりま西クリニックでは、自宅で質の高い医療を受けられる訪問診療サービスを提供しています。通院が難しい方のために高度な医療機器を備え、レントゲンやエコー、心電図、血液検査、耳鼻科用カメラでの嚥下機能評価、眼科検査まで自宅で実施することが可能です。
また、在籍している医師は内科(循環器・消化器・呼吸器・神経内科・血液内科・膠原病)、外科、小児科、皮膚科、整形外科、耳鼻科、眼科、精神科など、専門分野が多岐にわたるため、専門性の高い医療にも対応できるといいます。医師同士の緊密な連携によって一人ひとりの患者さんに適切な治療計画を立てることで、外来と同じレベルの医療サービスを提供できるように工夫されています。

24時間体制の訪問診療

ねりま西クリニックは、夜間や早朝を含めた24時間体制での在宅診療サービスを提供しています。緊急を要する状況や、夜中に突然体調が悪化した場合でもすぐに対応できる医師が訪問し、必要な検査や治療を行います。
軽微に感じる症状でも、それが重大な健康問題のサインである可能性もあるため、「夜遅くに連絡しても大丈夫だろうか」といった心配をすることなく、気軽に連絡することを推奨されています。

訪問看護・訪問リハビリにも対応

ねりま西クリニック
ねりま西クリニックでは、特に高齢者の方の自宅での療養を支えるため、在宅診療だけでなく訪問看護・訪問リハビリも提供しています。日常生活の支援や栄養管理、排泄ケア、服薬管理をはじめとする看護サービスや、関節運動、筋力強化、日常生活動作の指導などが行われます。
住み慣れた自宅での療養生活を支えるため、担当の医師の指示のもと看護師が訪問し、個々の患者さんの状態に合わせたケアを実施するように心がけています。

このように、ねりま西クリニックは専門性の高い医療を24時間体制で提供されています。気になる方は、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

ねりま西クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

西武鉄道池袋線 大泉学園駅 車で10分

東京都練馬区大泉町3-2-9

診療時間
9:00〜12:15
14:00〜17:15


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