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糖尿病の予防対策|食事・生活習慣・糖尿病を放置するリスクについて解説

 公開日:2023/10/27
糖尿病の予防対策

糖尿病は、生活習慣病の1つとして知られており、インスリンの不足によって慢性的に血糖値が高くなる代謝疾患です。主な症状として、喉の渇き・だるさ・頻尿があります。糖尿病が進行すると、網膜症・腎症・神経障害の3大合併症のリスクが高まり、その他の疾患も引き起こす可能性があります。

健診で血糖の数値を指摘されたとしても、初期では自覚症状がないため、病院に受診するかどうか迷ってしまうでしょう。しかし、放置することで合併症のリスクが高まる疾患のため、早めに受診をして予防対策することが大切です。

今回は、糖尿病を放置するリスクについて解説します。この記事で、糖尿病の予防対策・放置するリスクについての知識が深まれば幸いです。

五條 淳

監修医師
五條 淳(小手指タワークリニック)

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東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。同大学内科学講座の糖尿病・代謝・内分泌内科に入局し、博士課程修了後は富士市立中央病院の代謝・一般内科医長に就任。現在、小手指タワークリニック院長。日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医。日本高血圧学会、日本内分泌学会に所属。「患者の声に耳を傾ける」ことを何よりも大切にしている。

糖尿病の予防対策

糖尿病の予防対策?
糖尿病の予防対策として、生活習慣を見直すことが重要となってきます。暴飲暴食や運動不足になっていませんか?日常生活の中で工夫することで予防対策が可能となります。
以下の糖尿病対策は、普段の生活習慣でも取り入れられるため、試してみてはいかがでしょうか。

糖尿病対策の食事のポイントは?

糖尿病対策の食事のポイントは?
食べ物を摂取すると、体内でエネルギーとなって働きかけてくれます。エネルギーとなるときに大切な役割を担ってくれるのがインスリンというホルモンです。
インスリンは、栄養素の代謝・血糖値の維持により、消化・吸収された栄養素を体内で効率よく利用してくれる役割があります。インスリンが十分に役割を発揮できるように、下記のことを心がけるといいでしょう。

  • 早食いせず、30回以上よく噛んで食べる
  • 1日3食を欠かさず食べる
  • お肉・野菜・海藻類・きのこ類・乳製品などバランスよく食べる
  • 満腹になるまで食べず、腹八分目にする
  • 深夜・寝る直前に食べない

毎日全てを心がけることは難しいかもしれませんが、できそうなことから1つずつ始めてみましょう。さらに、下記のことを知っていると、食品・食材選びが工夫できます。

炭水化物をなるべく減らす

炭水化物は摂取すると、エネルギーとなる糖質と、血糖上昇を緩やかにする食物繊維として、それぞれ体内で働きます。そのため、炭水化物を全く摂らない、あるいは摂りすぎることは体によくありません。
もし、摂りすぎている場合は、徐々に減らし適正な量を守りましょう。白い炭水化物は糖質が多いため、白米ではなく玄米・雑穀米・もち麦ご飯に変えることで食物繊維を多く摂取できます。また、菓子パンではなく、食パンやライ麦パンもおすすめです。

食物繊維をしっかり摂る

上記でも説明したように、食物繊維は血糖上昇を緩やかにする作用があります。さらに、整腸作用と血液中のコレステロール濃度を低くする働きがあります。植物性食品には食物繊維が多く含まれており、下記の食品は積極的に摂りましょう。

  • いも類:さつまいも・かぼちゃ
  • 豆類:納豆・いんげん豆・小豆
  • 根菜類:切り干し大根・ごぼう
  • その他:しいたけ・ひじき・おから・そば

脂質の摂りすぎに注意する

脂質を摂りすぎると、血液中のコレステロールが高くなり、脂質異常症という糖尿病の合併症リスクが高まるでしょう。また、コレステロールが高くなることで動脈硬化となり、脳血管障害や心筋梗塞を起こす可能性があります。
糖尿病では合併症にも気を付けたいため、脂質を抑えることも大切です。例えば、お肉の脂身を残す・ラーメンのスープを残すなどで予防対策できるでしょう。

糖尿病を予防するためには生活習慣の改善も大事

糖尿病を予防するためには生活習慣の改善も大事
糖尿病は生活習慣病の1つとして知られていますが、生活習慣を見直すことで予防につながります。ご自身の食事・運動・嗜好品・睡眠・ストレス要因について、振り返り見直してみましょう。
どこを見直せばいいかわからない方は、下記のことに注意しましょう。

暴飲暴食に注意する

暴飲暴食によって、急激に血糖値が上昇するため、糖尿病の発症リスクが高まります。1日3食しっかり摂取し、栄養をバランスよく摂ることで予防対策につながります。
白米・お肉の他に野菜・海藻類・きのこ類・乳製品を食事の中に取り入れることを意識してみてはいかがでしょうか。

運動不足に注意する

現代は、自動車や公共交通機関での移動によって歩行する機会が減り、便利家電によって活動量が減っています。便利な反面、運動不足が懸念されます。運動不足であると、生活習慣病のリスクや心の健康にも影響するでしょう。
駅内でもエスカレータに乗ってしまいがちですが、階段を使うことでも効果的です。運動の時間をつくることができなくても、このように生活習慣を少し変えることで運動になります。

過度の飲酒をしない

過度の飲酒は血糖値を上昇させ、高血糖になる可能性があります。高血糖になると、糖尿病の発症リスクが高まり、動脈硬化の要因にもなります。
また、ストレス解消のために飲酒をしている場合は、アルコール依存症になる可能性もあるため控えましょう。付き合いがある方も量や回数を調整するようにしましょう。

過度の喫煙をしない

喫煙は、交感神経を刺激して血糖を上昇させる作用・インスリンの働きを妨げる作用があります。回数を減らしたり、禁煙をすることも糖尿病の予防対策になるでしょう。

糖尿病を放置するリスクは?

糖尿病を放置するリスクは?
糖尿病を放置すると、血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用が十分に発揮できません。インスリンの作用が十分に発揮できないことは、1日の中で上下する血糖の値が常に高い状態となります。これを高血糖といいます。
高血糖の状態が長期間続くと、網膜症・腎症・神経障害の3大合併症を引き起こす可能性が高まるでしょう。合併症の他にも、血管が硬くなる動脈硬化が進行します。放置すると、脳血管障害や心筋梗塞のリスクが高くなってしまいます。そのため、自覚症状のない初期段階から早めの受診をすることが大切です。
では、なぜ早めの受診が重要なのか詳細に紹介していきます。

自覚症状が出たときにはある程度進行しているため

糖尿病の初期には自覚症状がありませんが、進行すると自覚症状が出てきます。そのため自覚症状が出てきた段階では、ある程度進行していることになります。自覚症状がない段階から治療を始めることで、早期から血糖コントロールの安定化が可能です。
糖尿病の治療では食事療法・運動療法・薬物療法があります。初期では、食事療法・運動療法から開始し、血糖の値によってドクターの指示のもと薬物療法を検討していきます。
進行していると、治療開始段階から薬物療法も検討されるため患者さん自身が受け入れるのに時間がかかる可能性があるでしょう。薬物療法にも、内服薬・インスリン注射と種類があり、インスリン注射は皮下注射のため指導や練習に時間が必要です。
また、薬の投与によって血糖値の変動を観察する必要があるため、1日数回の血糖測定を自己管理で行います。生活習慣を見直しながら、薬の管理をするのは大変です。

進行するとその分治療が困難になるため

糖尿病が進行すると、肝機能障害・腎機能障害のリスクも高まります。肝臓・腎臓の機能障害と診断された場合、食事制限・過度な運動の禁止がなされるでしょう。
また、内服薬は肝臓や腎臓に負担をかけます。十分に機能していない肝臓・腎臓では、内服による薬物中毒のリスクが高まるため、インスリン注射での血糖コントロールしか選択できなくなるでしょう。
インスリン注射は皮下に注射し、薬は皮下組織から吸収されるため、臓器を介さずにインスリンの効果を発揮します。進行すると治療の選択肢が狭まり、程度によっては治療が困難となる可能性があるでしょう。

合併症のリスクが高まるため

3大合併症として、網膜症・腎症・神経障害があります。
網膜症は、目の中に広がっている毛細血管が傷つくことで進行すると、失明するリスクがある合併症です。
腎症は、尿を排泄する腎臓の血管が破れたり、詰まったりする合併症です。腎臓内にある老廃物を濾過する装置は、細かい血管が多いため、腎症のリスクが高くなります。進行すると、浮腫み・高血圧・貧血の自覚症状が出て、最終的に人工透析が必要となる可能性があるでしょう。
神経障害は、知覚神経や自律神経などに影響するため、不快な痛み・しびれを感じたり、逆に怪我をしたときに痛みを感じなかったりします。
糖尿病によって、動脈硬化や免疫力低下が進むことで足先の循環が悪くなり、感染から炎症を起こし壊疽する可能性があるでしょう。痛みがあるはずなのに神経障害によって痛みを感じず、放置することで下肢切断となる例もあります。
糖尿病の合併症を防ぐことは非常に大切です。しかし、初期の自覚症状がない状態だと、気づかないうちに進行してしまうでしょう。早めの治療が、後の合併症リスクを低くします。

糖尿病のご相談なら小手指タワークリニックへ

小手指クリニック正面
小手指タワークリニックでは、糖尿病を中心に生活習慣病に対する治療を行っています。

生活習慣病である糖尿病・脂質異常症・高血圧症は、放置すると、さまざまな合併症を引き起こす可能性がある疾患です。自覚症状がなかったり、通院に時間がかかったりすると、治療を後回しにしてしまいがちです。

駅から近く、患者さんの要望を丁寧に聞きながら、一緒に治療をサポートしてくれるドクターがいる小手指タワークリニックに相談してみてはいかがでしょう。

結果がその日のうちに分かる検査機器を導入

健診で血糖の数値を指摘されたら、再検査のために早めに病院を受診しましょう。小手指タワークリニックでは、血糖値・HbA1c・尿検査の3項目を検査しています。

血糖値は、空腹時の値を調べるもので、糖尿病の判断基準は126mg/dl以上です。HbA1cは、過去1〜2ヵ月の平均血糖値がわかる検査で、6.5%以上を糖尿病の判断基準とします。尿検査は、尿中の糖の有無を検査するものです。

小手指タワークリニックは、HbA1c測定器を導入しており、受診した当日に検査結果がわかります。他のクリニックでは、検査を外注していることも多く、結果が出るまで1〜2週間かかる場合もあるでしょう。

仕事などで忙しい方にとっては、結果がすぐわかることで受診回数を減らせるというメリットがあります。

入院をせず生活を維持しながら治療を継続可能

糖尿病と診断されたら教育入院という選択肢もありますが、生活を維持しながら治療を継続したい方も多くいるでしょう。

小手指タワークリニックでは、外来治療を積極的に行っており、患者さん一人1人に合わせた無理のない治療方法を提案しているそうです。

慢性疾患も急性疾患も幅広く診療している

小手指クリニック診察
長期的な病気・急な病気に関わらず、原因の解明から的確な診断をし、患者さんに寄り添った治療を行っています。また、日本糖尿病学会が認定する専門の医師資格を保有している院長が診療を行うため、糖尿病についての知識が豊富です。

「糖尿病かもしれない」という方や「治療は続けたいけど、通院している病院が遠くて通いにくい」という方は、駅から徒歩1分の小手指タワークリニックを受診してみてはいかがでしょうか。

小手指タワークリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

西武池袋線「小手指駅」北口より徒歩1分

埼玉県所沢市小手指町1-6 小手指タワーズ ディアスカイタワー102

診療時間
(受付時間)
9:00~12:00
15:00~18:30

休診 : 水曜・日曜・祝日
▲ : 土曜の診療時間は9:00-13:00(受付は12:30まで)
※初診の方、検査希望の方は、受付時間の終了60分前までにご来院ください
※第2・第4水曜日の午後は、西埼玉中央病院で診療しています

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