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糖尿病の原因は?種類・治療方法・予防方法について解説

 更新日:2023/09/27
説明する医師

糖尿病は生活習慣病の一つと位置付けられており、肥満・運動不足といった要素により発症するというイメージを持つ方は非常に多いです。

実は糖尿病は生活習慣病だけでなく、遺伝や免疫システムによって引き起こされる糖尿病も存在します。

今回は糖尿病の原因となる要素や、種類・治療法について解説します。糖尿病に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

伊藤 澄子

監修医師
伊藤 澄子(大通り公園クリニック)

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「経歴」
東京医科大学卒

「所属学会」
日本内科学会
日本血液学会
日本透析医学会
日本医師会

糖尿病の原因は?

糖尿病の原因は?
糖尿病の原因の代表的な例として、栄養の偏りや運動不足といった生活習慣を連想する人は多いです。実際に糖尿病を引き起こす原因は、生活に関係する要素が多く含まれています。
しかし全てが生活習慣に関係しているわけではありません。「生活習慣だけが糖尿病を引き起こす原因ではない」という考え方は、糖尿病を知るために重要です。ここからは糖尿病の原因となる要素について解説します。糖尿病のリスクを高める原因は多岐に渡るため、さまざまな視点から対策を講じましょう。

遺伝

遺伝は生活習慣と並び、2型糖尿病の発症に深くかかわる要素です。糖尿病の種類は1型糖尿病・2型糖尿病が大部分を占めており、その中でも2型糖尿病は糖尿病患者全体の9割に当てはまります。この2型糖尿病は親族に糖尿病がいる場合に発症するケースが多いです。
原因のメカニズムは2種類考えられています。遺伝子によって膵臓から分泌されるインスリンが必要量分泌されないケースや、分泌量は十分だがインスリンの効果が発揮されにくいケースです。

加齢

加齢は糖尿病発症において見過ごせない発症因子です。2型糖尿病の発症原因となるインスリンの分泌量低下や、筋力低下によりインスリンが十分に機能しなくなる可能性があります。生きていく上で避けては通れない加齢ですが、糖尿病治療及び予防においては加齢を考慮した医薬品の決定が重要です。特に、腎機能の低下に注意する必要があります。

肥満

内臓脂肪が増大する内臓脂肪型肥満はインスリンの働きを妨げ、インスリン抵抗性が増大します。すると血糖が増加し糖尿病発症の原因になるため、肥満状態の改善は糖尿病を防ぐために重要な因子です。肥満は運動不足・ストレス・食事のバランスといった環境に左右されるため、周囲の環境や自身の意識を変えることで糖尿病になるリスクを軽減できます。
肥満の中でも特に生活習慣病のリスクが高まるのは、筋肉の内側に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満です。自身の生活を見直し、肥満傾向にある場合は生活習慣のバランスを見直してみましょう。

運動不足

運動不足はインスリン抵抗性の悪化を引き起こし、エネルギーとなる糖が血中に蓄積しやすくなるため糖尿病発症のリスクを高めます。運動を行うことは肥満状態の解消にも効果的です。体内の糖をエネルギーとして消費するため血圧を下げる効果も期待できます。
また体内で生成されるインスリンも効きやすくなるため、糖尿病対策には非常に効果的です。肥満状態を解消するには運動だけではなく、食生活や睡眠などさまざまな視点からの改善が求められます。
運動の中でも特に有酸素運動は、体重の減少が認められなくてもインスリン抵抗性が改善されるため無理なくできる範囲で行うことが重要です。

血糖値の上昇

血糖値は食事によって体内に吸収されるブドウ糖が、どの程度血液中に含まれているか計測して確認します。腎臓からインスリンが出にくくなるとインスリン抵抗性が高くなるため、糖を取り込む力が弱まった結果糖尿病リスクが高まり危険です。
糖尿病の前段階である高血糖は、喉が渇きやすくなったり疲れやすくなったりする症状が確認されています。自覚症状が現れた場合は速やかに病院に受診し、血液検査を受けましょう。

高血圧

肥満状態が維持されると心臓から送り出される血流が強くなるため、高血圧になりやすい傾向があります。2型糖尿病患者の6割は高血圧だと診断されており、逆に高血圧だと診断された人で糖尿病だと診断された方は5割です。2型糖尿病発症のリスク要因である肥満は、高血圧を引き起こします。高血圧にならないように行う運動療法や食事療法は、糖尿病対策にも効果的です。

糖尿病の種類

 
糖尿病の種類
上述したように糖尿病は1型糖尿病・2型糖尿病の2種類が大部分を占めており、その割合は全体の9割以上です。今回はこの1型・2型の糖尿病について、詳しく解説していきます。1型・2型に含まれない糖尿病の原因として考えられる症状については、下記にまとめました。

  • 手術・事故などで膵臓が摘出され、インスリンの分泌が不十分になった
  • ステロイドを始めとするインスリンの分泌が抑えられる医薬品を使用した
  • 妊娠後に糖のコントロールが上手くいかなくなる

1型・2型糖尿病は同じ糖尿病ですが、発症の原因が異なるため混同しないよう注意しましょう。

1型糖尿病

1型糖尿病は、血糖をコントロールするために必要なインスリンを分泌する膵臓の細胞が機能しなくなることで発症します。本来、外敵を守るために作用する免疫システムによって破壊されるためです。
糖尿病全体のうち約5%を占めており、体型や生活習慣ではなく遺伝因子によって引き起こされる糖尿病です。発症するのは小児から壮年までと幅広く、高齢者でも少数ですが発症が確認されています。
検査の結果や進行スピードによって分類が分けられ、最も進行速度が速い劇症1型糖尿病は1週間前後でインスリン注射が必要になります。1型糖尿病は合併症を引き起こす可能性があるため、速やかに治療を開始することが重要です。

2型糖尿病

2型糖尿病はインスリンの働きが弱まるような生活習慣や加齢に加えて、遺伝によって発症する可能性が高まります。現在日本で診断されている糖尿病の約95%が、この2型糖尿病です。加齢や生活習慣に起因して発症するため、壮年以降に発症する糖尿病の大部分を占めています。
上述の通り生活習慣だけでなく、遺伝による発症もあるという認識を持っておきましょう。健康な生活を送ることは2型糖尿病発症のリスクを下げることに繋がりますが、気を付けていても発症する可能性はゼロにはなりません。

糖尿病の治療方法

治療方法
糖尿病の治療はさまざまな角度から行い、血糖をコントロールすることが重要です。今回は食事・運動・薬物治療という3つの視点から、糖尿病の治療法を解説します。1型糖尿病・2型糖尿病は発症の原因が異なるため、治療方法も異なりますがいくつか共通する点があります。また食事・運動療法は2型糖尿病にも効果があるため、糖尿病対策の参考にしましょう。

食事療法

食事療法を行う場合に重要なことは、現在の体重を認識しBMI(Body Mass Index)の数値を22に近づけることです。国際的な肥満はBMI値が25ですが、日本を含むアジア人は2型糖尿病のリスクは25でも高まるため更に厳しい基準が採用されています。
食事療法において重要なのは、炭水化物や糖を含む飲食を制限することです。また、見落としがちですが果物にも注意しましょう。果物は健康的なイメージがあるためダイエットに用いられますが、果物は果糖と呼ばれる糖が多く含まれています。果糖はブドウ糖として体内で変換されるため糖尿病の原因になります。
さらに、医師に頼らない食事制限は反動による過食に繋がり危険です。必ずクリニックに受診し、専門家の指導のもと行いましょう。

運動療法

運動療法は、血糖を消費するために必要になるインスリン抵抗性の改善のために重要です。さらに高血圧・肥満といった合併症の改善にも効果が期待できます。重要なのは運動療法と食事療法をバランスよく行うことです。「どちらか一方をやっているから」という理由で食事制限をしなかったり運動を行わなかったりすると十分な効果が期待できません。
運動の種類は、ウォーキング・水泳などの有酸素運動や、スクワットや腕立て伏せなどの筋力トレーニングが有効です。どちらも負荷が低くても1週間に2~3回に分けて行うと、より効果が期待できます。現在の疾患や体調に合わせて、医師と相談して運動スケジュールを決定しましょう。

薬物療法

2型糖尿病の治療はまず食事療法・運動療法から開始しますが、それでも血糖値が改善しない場合に必要となるのが薬物療法です。1型糖尿病の場合は時間と共にインスリンが生み出されなくなるため、診断が確定したら速やかにインスリン注射を開始します。2型糖尿病とはアプローチが異なる点に注意しましょう。薬物治療で有効なのは、血糖値の高さ・低さを上手くコントロールし正常値に納めることです。そのため複数の医薬品を使用し、血糖のコントロールを図ります。

糖尿病の予防方法は?

糖尿病の予防方法は?
1型糖尿病は現在明確な予防法は存在しません。2型糖尿病は発症しやすい遺伝子があることが研究で分かっていますが、環境を変化させることで発症の確率を下げられます。
そのため肥満改善・運動不足解消・ストレス軽減など、生活習慣を改善することが糖尿病予防には大切です。また健康診断で血糖値・血圧などを調べることも、自身の身体を知るきっかけになります。不安がある場合は、一度クリニックで身体の悩みを相談してみましょう。

糖尿病でお困りなら大通り公園クリニックへ相談を

大通り公園クリニック
糖尿病に関してお悩みの場合は、大通り公園クリニックがおすすめです。内科・漢方診療を中心に、曜日に応じて大学病院在籍の医師による専門外来も行っています。

また何科で聞けばよいか分からない不調に関する相談や、精神的な落ち込みについての悩みを看護師に相談できる「なんでも相談」を実施しています。

大通り公園クリニックは症状の改善と共に精神的不安を取り除くことを目標に掲げているため、健康に関して不安がある方はぜひ一度来院を検討してください。

複数の専門分野を持つ医師が在籍

大通公園クリニック院内
大通り公園クリニックは内科・腎臓糖尿病高血圧内分泌内科・血液内科・循環器内科・心療内科・皮膚科と複数の専門領域を持つ医師が在籍医師院長含め5名在籍しております。

不調を抱え込むことは肉体的だけでなく、精神的にも負荷がかかるため放置してはいけません。些細な不調でも気軽に相談するとよいでしょう。

女性医師の診察も受けられる

大通公園クリニック院長
大通り公園クリニックは院長をはじめ、女性医師が在籍しております。女性の医師に相談したい方はぜひ問い合わせてください。

なお女性医師による診療を希望される場合は、事前に相談が必要です。相談後、希望する診療と在籍する担当医の予定を確認して診察日が決定します。

大学病院の医師による専門外来も週一度実施

大通り公園クリニックは東邦大学医療センター大森病院に在籍している医師3名が、週に一度専門外来を実施しています。現在実施している専門外来は、火曜日午前の「循環器専門外来」、金曜日午後の「皮膚科専門外来」の2種類です。

大学病院での診察に比べて少ない待ち時間で、大学病院勤務の医師による診察を受けられます。循環器は糖尿病とも深く関わりがあるため、万が一悩みや不安がある方はぜひ一度相談してください。

大通り公園クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

横浜市営地下鉄ブルーライン 伊勢佐木長者町駅 3A出口 徒歩すぐ
JR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン 関内駅 徒歩5分
バス:伊勢佐木長者町 下車 徒歩1分
バス:長者町5丁目 下車 徒歩2分

神奈川県横浜市中区蓬萊町3-113

診療時間
9:00~13:00
15:00~18:00
17:00~20:00

★:9:00~12:00(循環器外来)
○:皮膚科
▲:9:00~12:00(第2・第4のみ診療)
☆:15:00~17:00(第2・第4のみ診療)
※受付終了時間は18:30となります。その後は予約診療となります。
※横浜市特定検診、個人検診(就職・進学)は完全予約制です。
※上部消化官内視鏡検査は予約制です。
※心臓超音波検査は予約制です。

【所属・資格など】
・日本内科学会
・日本血液学会
・日本透析医学会
・日本医師会

この記事の監修医師