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性病のセルフチェック方法は?感染による症状や種類も解説

 公開日:2024/06/13
性病のセルフチェック方法は?感染による症状や種類も解説

口腔内や性器などの粘膜や皮膚から感染する性感染症ですが、感染したとしても痛みなどの自覚できる症状は少ないです。

感染したことに気付かず放置していると、不妊の原因になったり神経や心臓などに障害をもたらしてしまう可能性があります。

また、性感染症は母子感染のリスクがあります。そのため、性感染症を罹患した状態で出産した場合は、赤ちゃんにも先天的な障害が残る可能性があります。

このような性感染症から自分やパートナーを守るために、性感染症の種類や症状について解説します。

澤田 樹佳

監修医師
澤田 樹佳(富山県のさわだクリニック)

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経歴
20022金沢大学卒 / 2014年金沢大学大学院卒 / 現在は、富山県のさわだクリニック院長 / 専門は泌尿器科、在宅、緩和医療、東洋医学
保有免許・資格
泌尿器科専門医、指導医
医師へのコミュニケーションスキルトレーナー

性病のセルフチェック方法

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性病のセルフチェックを行うためには、性病の症状について理解を深める必要があります。また、性病の症状は男性と女性で異なるので性別ごとの症状を把握する必要があるでしょう。
男性に見られる症状は以下のとおりです。

  • 尿道からの膿状の分泌物
  • 排尿時痛
  • 陰茎にぶつぶつや水泡

女性の場合は次のような症状がでます。

  • 外陰部の痒みやひりひり感
  • いぼ状のできもの
  • 頻尿や排尿時痛

セルフチェックでこのような症状に当てはまった場合は、すぐに受診することをおすすめします。
また、受診する際は陰部や膣内の洗浄は行わず、そのまま受診した方が検査もスムーズに行えるでしょう。
性病の診断には性行為の時期が大切な判断材料になります。性行為を行った際は、カレンダーなどにメモをしておくことも大切です。

性病のセルフチェックがしやすい症状

ハートマーク
男性の場合は、排尿時痛や陰部の痒みが気付きやすい症状といえるでしょう。精巣や足の付け根のリンパ節が腫れるなどの症状もありますが、普段見ない部分なので発見が遅れてしまう可能性が高いです。
女性の場合は、帯下の増加や下腹部痛が初期症状として出現しやすいでしょう。しかし、女性は日常のなかでも、このような症状は起こりうるのでなかなか気付きにくいです。
気付きやすい症状としては陰部の水泡や潰瘍などではないでしょうか。視認しないと判断がつきませんが、異常なのは一目瞭然です。
以上の内容から、男性よりも女性の方が症状のみでのセルフチェックは難易度が高いといえるでしょう。

発疹

かゆい
性病の症状のなかで皮膚に出る症状として、全身の発疹があります。全身の発疹は梅毒に感染した際に出現するでしょう。
梅毒による全身の発疹は出現した後いったん消失するため、治ったと勘違いしてしまい発見が遅れてしまいがちです。
性行為後に全身の発疹が出現した際は、消失しても受診するようにしましょう。

不正出血

お腹痛い
不正出血は女性の性病でみられる症状の一つですが、性病特有の症状というわけではありません。
不正出血の際に疑われる性病以外の原因は以下になります。

  • ホルモン異常
  • 悪性腫瘍
  • 子宮内膜炎

これらは経過観察でよいものから病院で検査を受ける必要があるものまでさまざまです。そのため、不正出血というだけではなかなか受診しないかもしれません。
しかし、性病の場合、受診が遅れることでどんどん進行し不妊の原因になることも考えられます。
不正出血の原因のなかには悪性腫瘍も含まれ、こちらも放置しているとどんどん進行していくでしょう。
性感染症や悪性腫瘍は生死に関わるような疾患です。これらの疾患は不正出血のほかに、下腹部痛などの症状があるので、そのような症状を自覚した際は思い切って受診しましょう。

帯下の増加・臭い

健康な女性の帯下は水様で白色をしており、ヨーグルトのような臭いがするといわれています。
しかし、性病になると帯下は黄色っぽい膿状で嫌な臭いがするといわれています。このような症状がある場合、膣内で細菌が増殖し膣炎を起こしている可能性があります。
性行為などで感染した細菌は膣内の粘膜に感染し、徐々に進行していき子宮などほかの臓器に炎症をもたらせるでしょう。
このような状態まで進行してしまうと、不妊の原因にもなるため早めに受診し治療する必要があります。

排尿痛・膿が尿に混じる

下半身
性病になった場合、男女ともに排尿時痛や膿が尿に混じることがあるでしょう。特に女性の場合は、膀胱炎になりやすいので排尿時痛をよく経験するかもしれません。
性病での排尿時痛は尿の出初めに痛みを伴うことが特徴で、クラミジアや淋菌などの性感染症が原因であることがあります。
これらの病状が進行してくると男女ともに、生殖機能に影響を及ぼし不妊の原因になることもあるでしょう。
排尿時痛はトイレが億劫になってしまい、生活の質の低下につながります。排尿時痛を感じた方は早めに受診しましょう。

性病の種類

カップル
性病は性的接触を介して感染するとされ、原因としては細菌やウイルスなどさまざまです。
性感染症の多くは治療ができ後遺症も残りませんが、それは早期の段階で治療をした場合です。
性病が発覚した場合、パートナーも同じ性病にかかっている可能性があります。受診し性病だと判明したときは、パートナーに伝え一緒に受診するようにしましょう。
性病では早期発見・早期治療が重要になってきます。ここでは、そのような性病の症状について解説します。

梅毒

梅毒梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症します。
感染経路は性行為によって生じた粘膜の傷からの感染です。梅毒の症状は病期によって異なるとされ、病期は以下のように分類されています。

第一期は感染後一ヵ月程度で、性器にできもの・しこり・ただれが出現しますが、2~3週間で消失します。
第二期は感染後三ヵ月程度で、全身に発疹が出現しますがこちらも数週間から数ヵ月で消失します。
その後症状がないまま何年も経過しますが、皮膚や臓器では徐々に梅毒は進行しており、この期間が潜伏梅毒です。
神経梅毒は終盤の病期で、心臓・血管・神経などに異常が現れます。
梅毒が恐ろしいのは症状が出現してもいったん消失してしまうという点です。そして、この症状が発見を遅らせてしまう要因になります。
また、梅毒に感染したまま妊娠すると、赤ちゃんにまで梅毒が感染してしまうことがあります。
感染した赤ちゃんは、死産したり障害を持って産まれたりするリスクが高くなるといわれています。
性行為を行ってから数ヵ月で体に異常を感じた場合は、早めに受診してください。適切な治療をしておくことで、家族への影響を回避できます。

性器クラミジア感染症

まず、男性の場合は排尿時痛や尿道から膿が出ます。しかし、このような症状が出現する方は半数くらいで、残りの半分は無症状で経過することもあります。
次に女性ですが帯下・軽い下腹部痛・不正出血などで、あまり特徴的な症状がありません。
このように男女ともに無症状や症状が出ても症状としては軽いため、受診が遅れてしまう可能性もあるでしょう。
性器クラミジアは男女ともに不妊の原因になるため、排尿時痛や不正出血などの症状があれば早めに受診しましょう。

淋菌感染症

男女ともにほかの感染症同様、排尿時痛・帯下の増加・不正出血などの症状があります。
尿道炎による排尿時痛は2~9日の潜伏期を経て生じます。女性の場合子宮頚管に炎症が起こりますが、女性は気付かない可能性があります。
また、淋菌はオーラルセックスにより咽頭部に感染することが特徴とされますが、無症状で経過する可能性が高いです。

HIV

HIV
これまで紹介した性病は細菌などによって炎症が発生するという機序でしたが、HIVは炎症を起こすような疾患ではありません。
HIVは人間の体内でCD4リンパ球という免疫に関わる細胞に感染し、徐々にCD4リンパ球を破壊していきます。
CD4リンパ球が減少し免疫力が落ちてくると、病原性が弱い微生物による感染症などの合併症を発症します。
そして、厚生労働省が定める23の合併症を発症した場合、後天性免疫不全症候群(AIDS)と診断されます。
HIVは一度感染すると体内からなくしてしまうことはできませんが、治療薬で病気の進行を抑えることはできます。

性器ヘルペスウイルス感染症

性器ヘルペスウイルス感染症では、水泡や潰瘍が出現するのが特徴的です。しかし、男性と女性では出現する部位に差があります。
男性では性器や肛門、女性は陰部に出現しやすいとされています。
ほかの特徴的な症状としては、男女ともに初めて感染したときに発熱を生じることです。
性病の症状として特徴的でわかりやすいため、自分の症状に当てはまるものがあれば早期に受診しましょう。

性病のセルフチェックで感染が疑われたら?

落ち込む
性病のセルフチェックで感染が疑われた場合、まずは近くの病院に受診し検査を受けましょう。
性病の治療では早期発見・早期治療が重要です。治療が遅れてしまうと心臓や脳に後遺症が残ってしまう場合もあります。
しかし、性病という病気の性質上なかなか相談に踏み切れない方もいるかと思います。
そのようなときは、保健所に連絡することも一つの手段です。保健所では匿名で性感染症の検査を受けることができます。
一人で悩まず、一度誰かに相談してみましょう。

保健所に相談

保健所は匿名で検査を受けることができますが、病気の種類や検査の時間に限りがあるので、病院程、検査の種類は豊富ではありません。
具体的な症状がある場合は、治療を早急に開始する必要があります。そのような場合は、病院に受診することをおすすめします。
症状はないが一度調べておきたいという方は保健所に相談するのも一つです。

クリニックで受診

排尿時痛や陰部から膿が出ているなどの症状がある方は、早急にクリニックなどの病院を受診した方がよいでしょう。
感染症の治療はスピードが重要です。最初に保健所ではなくクリニックを受診することで、早めに治療を開始することもメリットの一つです。
具体的な症状がある方はまず受診しましょう。女性の場合は婦人科、男性の場合は泌尿器科で相談できます。

キットを使って検査

検査
性感染症の原因は細菌やウイルスなど多岐にわたるため、検査を行う段階では感染の原因菌はわかりません。
そのため、検査を行うときは網羅的に検査することが必要です。クリニックなどでは網羅的に検査できるように、検査セットを用意しているところもあります。
検査結果は郵送やインターネットで確認することができるため、プライバシーにも配慮されています。

編集部まとめ

恋人
性病を疑ったとしても相談しにくい面もあり、発見が遅れることもあるでしょう。しかし、性病はパートナーやお子さんにまで感染してしまう可能性があります。

家族を守るためにも、勇気を出して受診する必要があるでしょう。保健所では匿名で検査することができるので、まずは相談することが大切です。

また、パートナーも感染している可能性もあるので、検査を受ける際はパートナーと一緒に受診しましょう。

この記事の監修医師