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血便の危険性丨血便を放置する危険性や検査を受ける重要性を知って早めの対策を!

 更新日:2024/10/10
血便の危険性丨血便を放置する危険性や検査を受ける重要性を知って早めの対策を!

血便は、どのような疾患が原因で発生するのかご存知でしょうか。血便はがんなど命に関わる疾患のリスクにもつながるため、早期に検査を受けることが大切です。

本記事では、血便の危険性や、血便が出たときに行う詳細な検査について紹介します。血便の症状があり不安を感じている方、血便について相談したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

河口 貴昭

監修医師
河口 貴昭(河口内科眼科クリニック)

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2003年、千葉大学医学部を卒業後、NTT東日本関東病院で内科全般を学んだのち、東京山手メディカルセンター(旧 社会保険中央総合病院)や慶應義塾大学病院などで炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)という腸の免疫難病の治療に取り組む。2022年11月、これまで培ってきた経験と知識をより多くの方々に還元したいと「河口内科眼科クリニック」を開設、院長となる。

血便について

血便について
血便には、多くの種類が存在します。まずは血便とはどのような状態の便なのか、主な血便の種類と特徴について解説します。

血便とは

血便とは、食道から肛門までのどこかの消化管で出血が発生したことで、便に血が混ざって起こる症状です。出血量が少ない場合には便潜血検査でしか発見できませんが、出血量が増えると肉眼で確認できるようになります。

血便の種類

血便がどのような色か確認することで、出血部位のおおむねの検討をつけることができます。一般的には、消化管の出血部位が肛門に近いほど鮮やかな赤色に、肛門から遠いほど黒色になります。ただし便の色は出血以外にも飲食物や内服薬などの影響で変化することがありますので、便の見た目だけで判断するには注意が必要です。

鮮血便

便が鮮やかな赤い色をしているときには、便のなかに新鮮な血液が混ざっています。肛門や直腸といった消化管の出口に近い部位からの出血であることが考えられます。また大腸から勢いよく大量に出血をしている場合にも鮮やかな赤い色の血液として認めることがあります。
鮮血便が見られた場合には、以下のような病気が原因である可能性があります。

  • 痔(痔核・裂肛)
  • 直腸がん
  • 直腸ポリープ
  • 直腸炎
  • 直腸潰瘍
  • 直腸静脈瘤
  • 虚血性大腸炎
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

暗赤色便

暗赤色便は、便のなかに赤黒い血液が混ざっている状態で、出血してから少し時間が経ったことを示しています。小腸から大腸にかけての肛門から遠い部位で出血している可能性があります。 暗赤色便が見られた場合には、 以下のような病気が原因である可能性があります。

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 大腸憩室出血
  • 感染性腸炎
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

黒色便

黒色便とは便が真っ黒に見える状態のことで、タール便と呼ばれることもあります。黒くなるのは血液中の鉄分が胃酸と混ざって酸化するためです。食道・胃・十二指腸など上部消化管からの出血が考えられます。黒色便が見られた場合にはすみやかに胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査で出血源を特定し、適切な治療を行うことが重要です。 黒色便が見られた場合には、以下のような病気が原因である可能性があります。

  • 食道がん
  • 食道潰瘍
  • 食道静脈瘤
  • 胃がん
  • 出血性胃炎
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍

粘血便

粘血便とは、ドロっとした粘液と血液が混ざった状態の便のことで、大腸の粘膜に強い炎症が発生していることを示しています。粘血便が出ている場合、排便回数の増加や便意切迫感、下腹部の痛みや不快感などを伴うことがあります。

  • 感染性腸炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病

血便の危険性

血便の危険性
「血便が出たけど1回だけだったから様子を見た」「量が少しだったから様子を見た」という経験はありませんか?
血便は出血量が少なければ危険性は低いのでしょうか。また、様子を見てもよい血便の種類などはあるのでしょうか。ここからは、血便の危険性について解説します。

出血量が少なければ危険性は低い?

目視で血便として出血を確認できるということは病気が進行して出血量が多い可能性があります。出血量が少量だから、1回だけだからと病院を受診しないのは危険です。ごく少量でも血便が見られたら、 何らかの病気が潜んでいる可能性がありますので、必ず医師に相談しましょう。

血便を放置する危険性

基本的に、心配の必要性がない血便は存在しません 。症状が一時的に改善して痛みがない場合でも、見逃さないようにしましょう。 腹痛を伴う、便が細い、出にくい、血便が続いている、ふらつきや息切れ、倦怠感がある、という場合は、命に関わる病気が進行している可能性もあるため特に注意が必要です。 血便が見られた場合は、自己判断せずに速やかに病院を受診することが重要です。受診する際は、出血の量や回数、便の形状、腹痛の有無なども医師に伝えられるようにしておくとよいでしょう。スマホで写真をとっておくと医師への説明の際に便利です。

血便が出た場合に考えられる疾患

血便が出た場合に考えられる疾患
血便の原因には消化管のさまざまな病気が含まれ、放置せずに早めに病院で診察を受けることが重要です。血便をきたす疾患について、血便以外に見られる症状についてもあわせて解説します。

痔には「痔核(いぼぢ)」「裂肛(きれぢ)」「痔瘻(あなぢ)」があります。このうち主に出血がみられるのが痔核と裂肛で、鮮やかな赤色の出血がみられます。出血は排便時に見られ、勢いよく出血するときと、ぽたぽた落ちるように出血するときがあります。
このような出血は排便後に止まることがほとんどですが、運動によって再出血することもあります。肛門の痛みやかゆみ、腫れを伴い、大きな痔核の場合にはいぼ状のふくらみが肛門から飛び出てきます。

感染性腸炎

感染性腸炎は、汚染された水や食べ物、不衛生な手指などに付着した病原微生物が腸管内に侵入することで発症します。 病原体は細菌・ウイルス・寄生虫などがあり、これらの病原体の特性によって潜伏期間や症状などが異なります。
血便をきたす感染性腸炎の場合、大腸粘膜に強い炎症をひきおこすことで暗赤色の下痢便や粘血便を生じ、発熱や腹痛、吐き気などを伴うことが多いです。病原性大腸菌O-157や腸管出血性大腸菌、赤痢アメーバーなどが血便をきたす病原菌として有名です。

大腸ポリープ

大腸内に生じた隆起した形態のできものを総称して大腸ポリープと呼びます。ポリープには良性のものと悪性のもの(=がん)があり、良性のポリープには腺腫や過形成性ポリープ、炎症性ポリープなど様々な種類があります。
無症状のため、便潜血検査や大腸カメラの検査で発見されることがほとんどですが、まれにポリープから出血して血便として自覚されることもあります。

大腸がん

大腸がんのほとんどが、良性の大腸ポリープ(主に大腸腺腫)が大きくなる過程で発症するといわれています。大腸がんが小さいうちは無症状のことがほとんどですが、がんが発育して大きくなると表面から出血しやすくなり、血便や繰り返す便秘、下痢、腹痛、食欲不振、体重減少、貧血などの症状が出現します。

大腸憩室出血

憩室とは、消化管の壁の一部が小さな袋状に外側へ突出した状態のことです。大腸の憩室は加齢や便秘などにより発生し、しばしば多発します。
この憩室という小さなくぼみに便がひっかかるなどして憩室内の血管が破れて出血することを、大腸憩室出血と呼びます。憩室があること自体は無症状のため、突然の血便が特徴です。

虚血性腸炎

虚血性腸炎とは、大腸粘膜の血流が阻害されたことで発症する病気です。血流が十分でない状態を虚血といいます。虚血が生じる原因は動脈硬化や脱水など血管側の要因と、便秘や浣腸による腸管内圧上昇や蠕動運動亢進などの腸管側の要因が考えられます。
激しい腹痛や下痢の症状が出現し、しだいに血便が見られるようになります。場合によっては、吐き気や冷や汗を伴うこともありま す。大腸の左側に発生することが多く、出血の勢いが強いと多量の鮮血として認められます。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は難治性の炎症性腸疾患です。主に若年期に発症し、大腸の免疫システムの暴走により大腸粘膜に慢性的に炎症をきたします。炎症は直腸からはじまり、大腸の口側へと広がります。粘血便や下痢、腹痛をきたし、悪化すると頻回の血性下痢や激しい腹痛、発熱などが生じます。

クローン病

クローン病は潰瘍性大腸炎とともに炎症性腸疾患に分類され、小腸と大腸を中心に発症しますが、口腔から肛門までどの消化管でも発症する可能性があります。原因は明確になっていませんが若年者に発症することが多く、腹痛や下痢、発熱や血便、体重減少、貧血の症状が現れることがあります。
炎症が持続すると腸管の中が狭くなったり(狭窄)腸に穴があいたり(穿孔・瘻孔)して手術が必要となります。また肛門病変(痔瘻や裂肛など)を合併しやすいことも特徴のひとつです。

血便が出た場合の検査について

血便が出た場合の検査について
血便は消化管内のどこかで出血が起きている可能性を示唆する重要な症状です。血便が出たときに検査を受けることの重要性、検査方法を解説します。

血便で検査を受ける重要性

血便は、詳しく検査を行ってみないと何が原因で消化管内のどこから出血しているのかわかりません。
受診すべき診療科は消化器内科です。血便の症状から考えられる病気は命に関わることもあるため、早期発見と早期治療が大切です。受診を先延ばしにすると病気がますます進行することが考えられるため、注意が必要です。

血便の検査方法

ここからは、病院で行う可能性がある検査方法について解説します。

肛門鏡検査

肛門の診察では、肛門鏡とよばれる器具を肛門内に挿入して直腸や肛門内を直接観察します。肛門鏡は人差し指ほどの長さの筒状の器具で、表面に潤滑剤を塗布してある程度の深さまで肛門に挿入し、状態を診察します。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査肛門から内視鏡を挿入して大腸の粘膜を観察する検査で、大腸がんや大腸ポリープ、炎症性疾患の発見に役立ちます。
検査前に下剤を内服し、大腸内をきれいにしてから検査を行う必要があります。鎮静剤を使用して検査を行う場合もあります。
ポリープが見つかった場合にその場で切除が可能で、大腸がんであっても早期がんの場合には内視鏡的に切除が可能な場合があります。

胃内視鏡検査

胃内視鏡検査胃カメラとも呼ばれ、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察する検査のことです。
口から内視鏡を通す経口内視鏡と、鼻から通す経鼻内視鏡があります。検査のときには鎮静剤を使用することがあり、どのように検査を行っていくかは医師や病院によって異なります。

腹部CT検査

腹部CT検査は、X線を用いて腹部の断層写真を撮影する検査方法です。X線を利用して体内を透過し、そのデータをコンピューターで処理して身体の断面図を作成します。これらの断面画像を積み重ねることで、腹部の臓器をより詳細に観察することができます。

血便でお悩みの方はお早めに河口内科眼科クリニックにご相談を

河口内科眼科クリニック
血便の種類や血便を伴う疾患、血便の症状が出たときにどのような検査を行うのか解説しました。河口内科眼科クリニックは、消化器系の悩みに幅広く対応しており、地域の健康長寿にも貢献することを目指しているクリニックです。東京都江東区にお住まいの方は、ぜひ受診してみてはいかがでしょうか。

内科・消化器病・内視鏡・炎症性腸疾患のスペシャリスト

河口内科眼科クリニックの院長である河口貴昭先生は、炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病などの難治性免疫疾患の専門性が高い医師です。日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会 消化器病専門医などの資格もお持ちで、内科全般、消化器疾患のスペシャリストです。
炎症性腸疾患は生涯にわたる疾患のため、河口内科眼科クリニックでは患者さんに寄り添い、さまざまなアドバイスやサポートを大切にして診療が行われています。

予防医療にも注力し、安心できる便利なクリニックを目指す

河口内科眼科クリニック 受付
河口内科眼科クリニックでは、予防医療にも力を入れています。
まだ病気とは診断できないほど初期の場合でも、早期に対策することで健康寿命を延ばすことにつながるという診療方針で、定期的に健康診断を受けることを推奨しています。一般的な健康診断だけでなく消化管に特化した消化管ドックや眼科ドックにも対応しています。

内科と眼科の連携診療で地域の皆さんの健康をサポート

持病に内科疾患のある方は、眼の合併症があることがあります。それとは逆に、眼科の診察から内科疾患が見つかるということも少なくありません。
どちらかで病気が見つかったときは各クリニックで受診する必要がありますが、河口内科眼科クリニックでは、眼科診察も内科診察も同じクリニック内で行うことができます。情報共有がスムーズに行われるため、連携した検査・治療を受けることができます。
血便や消化器系の不調が気になる方は、内科疾患の治療に幅広く対応している河口内科眼科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

河口内科眼科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数

東京メトロ半蔵門線 清澄白河駅より徒歩3分

東京都江東区白河三丁目1番3号

診療時間
9:30~13:00
14:30~19:00

▲:15:00〜18:00
※第4土曜日の午後は休診
※土曜日の午後は完全予約制
※最終受付は診療終了時間の30分前

【費用】
大腸内視鏡検査のみ
 1割負担:2,000円程度
 3割負担:6,000円程度
大腸内視鏡検査 + 病理組織検査
 1割負担:3,000〜5,000円程度
 3割負担:10,000〜16,000円程度
・大腸ポリープ切除術
 1割負担:7,000〜10,000円程度
 3割負担:20,000〜30,000円程度
【治療期間】1回(その後数回通院)
【治療回数】1回

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