ニキビは皮膚科に行くべきか解説｜受診するべき症状や皮膚科と美容皮膚科の違い・保険適用と適用外の治療方法もご紹介します

ニキビは皮膚科に行くべき？

ニキビは慢性炎症性疾患に位置づけられており、皮膚の病期の一つです。炎症がそれほどひどくない段階であれば、市販薬で治すこともできます。
ですが、中々治らないニキビや顔全体にニキビが広がっている場合には、ニキビが治った後にも跡が残ってしまうことがあります。なので、皮膚科を受診し早期に治療を受けることが大切です。
また、ニキビができる根本的な原因を解決するためには、専門医による治療が必要です。例えば、内臓の異常や薬の副作用などがニキビの原因の場合には、皮膚科に行くことで根本的な原因を解決できます。
ニキビは市販薬で治せることもありますが、市販薬の種類も多く、ニキビの症状に合ったものを選ばなければ効果が得られないことがあります。ニキビなんかで病院を受診するなんてと不安に思うようであれば、市販薬を買うときは薬局にいる薬剤師に相談して選ぶようにしましょう。

思春期のニキビの場合

思春期にニキビができることはよくあります。思春期のニキビは小学生の高学年から中学生にかけてでき始めます。高校生の時期に最も悪化し、その後徐々に症状が軽快していくのが特徴です。
思春期のニキビは成長期にホルモンの分泌量が急激に増え、ホルモンバランスが崩れてしまうことが原因といわれています。ニキビが原因で、中高生ではいじめの原因となることがあります。なので、思春期のニキビができた場合は早期に皮膚科を受診することが大切です。
皮膚科での治療方法は、薬物療法・光療法などです。薬物療法では塗り薬や内服薬を使用し炎症を抑えます。光療法では、レーザーなどを使用し、ニキビを治療します。
皮膚科での治療には保険が適用される場合もあるので、詳しい情報は保険証を持って病院に問い合わせましょう。

大人のニキビの場合

大人のニキビの場合も皮膚科に行くべきです。大人のニキビも思春期のニキビと同様に、ホルモンバランスの崩れが原因となります。
女性に多いのが特徴で、ストレス・睡眠不足・不規則な生活・不適切なスキンケアが悪化要因です。大人のニキビは治っては繰り返す厄介な肌トラブルです。
大人のニキビは脂性肌や毛穴の開きが原因で発生することが多く、治療が難しい場合があります。また、過剰な皮脂分泌や内臓の異常などがニキビの原因の場合もあり、根本的な問題を解決するためには、皮膚科に行くことが重要です。
また、ただのニキビと思っていても、多能性卵巣症候群という病気によってホルモンバランスが崩れている場合もあります。皮膚科では一人ひとりの症状に合わせて、薬物療法・光療法などを使用し、適切な治療が受けられます。
早期に治療を受けることで、ニキビ跡の予防にもつながるため大人のニキビができた場合には皮膚科に行って専門家に診てもらいましょう。

受診するべき症状

受診するべき症状としては、白い粒子が見られる白ニキビ・紅色のしこりが見られる赤ニキビ・紅い痛みがある炎症性ニキビ・顔の中心部に集中する特異的なニキビ・急性に痛みがある疼痛性ニキビなどです。また、ニキビが中々治らない・強い痛みがある・化膿している、などの場合も早めに受診しましょう。
このような症状があるニキビはすでに悪化が進んでおり、ニキビが治った後にもニキビ跡として残ってしまう可能性が高いです。ニキビには様々なタイプがあり、それぞれ異なる原因や対処法があります。専門家による適切な治療を受けましょう。

顔全体にニキビがある

顔全体にニキビが出現する場合は、早めに皮膚科へ受診することをお勧めします。これは、顔全体に広がったニキビは、セルフケアで治療することが困難なためです。
顔全体に広がったニキビは内臓疾患・ホルモンのバランスの乱れ・薬物反応など、一般的なニキビとは異なる原因の場合があります。特に、内臓疾患やホルモンのバランスの乱れが原因の場合、ニキビ以外に例えば無月経が続いていたり体毛が濃くなったりといった症状も合わせて現れることがあります。
そのため、早めに医師に診てもらうことで、正確な診断や治療を受けることが重要です。また、ニキビが中々治らない場合も早めに受診するようにしましょう。もしかしたらニキビを皮膚炎やマラセチア毛包炎などほかの病気と間違えている可能性があります。

強いかゆみがある

強いかゆみがある場合は、受診するべきです。強いかゆみに耐えられず、ニキビを触ってしまうと潰れてしまうことがあります。にきびは毛穴に皮脂が溜まっている状態です。
ニキビがつぶれてしまうと皮脂が中途半端に出てしまう影響で、ニキビが悪化してしまうことがあります。かゆみの原因は、アレルギー反応・炎症・肌の異常など様々です。
かゆみを引き起こす炎症は、肌の老化を促進することもあります。長期にわたるかゆみは、肌のバリア機能を低下させ、乾燥やシミなどの肌トラブルを引き起こすこともあるため皮膚科などの専門医に診てもらいましょう。

化膿している

化膿したニキビは、早めに皮膚科を受診しましょう。ニキビはひどくなると、皮膚の下に膿が溜まり化膿することがあります。
膿が溜まると赤く腫れ上がる、指で押すと白い膿が出るといった症状が出ることがあります。化膿したニキビは、セルフケアでは治らないことがほとんどです。
間違った方法で治療を続けていると、細菌感染を引き起こし、さらに炎症を拡大させる可能性があるため、早めに医師に診てもらうことが重要です。医師は、細菌による感染を確認後に、適切な抗生物質や消毒薬を処方してくれます。

ニキビ治療はどこで受ける？

ニキビの治療は、皮膚科や美容皮膚科のような専門医が在籍している病院で受けましょう。皮膚科と美容皮膚科ではニキビ治療の目的や治療方法が異なりますが、どちらでも専門医による適切な治療を受けられます。
一般病院やクリニックにも皮膚科や美容皮膚科の医師が在籍していることがあるので、そこでもニキビ治療が受けられます。病院によってはニキビの治療経験があまり多くないところもあるため、ニキビ治療を専門的に行っている病院を受診するとよいでしょう。
ニキビの治療を受ける場所は、個人のニーズや症状によって異なります。ニキビの治療を希望する場合は、まずは専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

皮膚科

ニキビの治療は、皮膚科で受けられます。皮膚科医は、ニキビの治療に特化した専門家であり、ニキビの原因や種類に応じた適切な治療方法を提供します。治療方法は、薬物療法・光療法・手術療法などです。
薬物療法には、抗菌作用や抗炎症作用がある薬を使用します。光療法にはレーザー治療などがありますが、ニキビ治療のガイドライン上ではあまり勧められていません。ケロイド状のニキビの場合には、手術を行ってもよいとされていますが、こちらもあまり推奨されていません。なので、皮膚科でのニキビ治療は飲み薬や内服薬を使用した薬物療法が中心となります。
また皮膚科では、ニキビができる前の肌の乾燥や脂質バランスの乱れなどのトラブルにも対応し、スキンケアのアドバイスをもらえます。ニキビの治療は長期間にわたることが多いため、定期的な診察を受けることが重要です。

美容皮膚科

ニキビの治療は、美容皮膚科でも受けられます。美容皮膚科も、肌のトラブルの治療に特化した施設で、ニキビ治療にも熟練しています。美容皮膚科では、海外の最先端の治療を受けたり肌質改善や美白効果が期待できるような治療を受けたりできるため、皮膚科と比べて治療の選択肢が多様です。
美容皮膚科では、レーザーやLEDなどを使った治療を行うことが多いです。これにより、肌の調子が整うためニキビが落ち着きます。美容皮膚科では、治療前に専門医によるカウンセリングを行い、一人ひとりの状態に合った治療方法を提案します。
ただし、ニキビは様々な原因が考えられるため、根本的な原因を特定し治療を行うことが重要です。なので、美容皮膚科だけでなく一般皮膚科や内科などの専門医にも診てもらうとよいでしょう。

皮膚科と美容皮膚科の違い

ニキビ治療における皮膚科と美容皮膚科の大きな違いは、保険適用外の治療が行えるかどうかという点です。皮膚科では、一般的に国内で承認された薬を使用し保険適用内で治療を行います。そのため、治療費が安く抑えられることが多いです。
美容皮膚科では国内ではまだ承認されていない海外の薬や、肌質改善や美肌効果も得られるような治療など、保険適用外の治療を行います。保険適用外の治療なので治療費は全額自己負担となり、皮膚科での治療と比べ治療費が高額になりやすいです。
治療内容は、皮膚科では薬を使用した治療、美容皮膚科ではレーザーなどの光線療法が中心となることが多いです。ニキビの治療を受ける場所は、個人のニーズや症状によって異なります。
ニキビの治療を希望する場合は、まずは専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

保険適用でのニキビ治療

ニキビ治療は一般的には保険適用の対象です。皮膚科を受診することで保険適用内で、医師から処方される薬剤を使用したり処置を受けたりできます。
ガイドライン上では、抗菌作用や抗炎症作用を含む配合薬・抗生物質の飲み薬や塗り薬が推奨されています。また、毛穴に溜まっている皮脂を押し出すために針で穴をあけるという処置を行うこともありますが、真似して自分でニキビを潰すことは決してしないようにしましょう。
皮膚科でのニキビ治療は保険適用となることがほとんどなので医療費の大部分がカバーされますが、一部の費用は自己負担になる場合があります。また、ニキビ治療には治療期間がかかることがありますので、医師からアドバイスを受けるようにしましょう。

塗り薬の処方

ニキビ治療において、塗り薬の処方は非常に有効です。ニキビの種類や深さに応じて異なる薬物が使用され、主に4つのタイプに分類されます。

• アンチバイオティクス

細菌に対して有効な抗生物質を含む薬です。感染を防ぐことでニキビを治療します。

• アンチプロトコール

ニキビの原因となる皮脂の分泌を抑えることでニキビを治療します。

• リタノール

ニキビが原因となる肌の色素沈着を治療することでニキビ跡を減らします。

• ステロイド

炎症を抑えることでニキビを治療します。

塗り薬はニキビの治療に効果的ですが、効果を高めるためには適切な使用方法を守ることが重要です。また、薬の種類によっては、肌に副作用を引き起こすことがあります。薬の使用中に異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。

飲み薬の処方

ニキビ治療において、飲み薬も有効です。塗り薬は局所的に効果があるのに対し、飲み薬は身体全体に作用します。飲み薬は主に下記の2つのタイプに分類されます。

• 抗生物質

抗生物質を含む薬物で、細菌感染を防ぎニキビを治療します。

• オルトロニックアンドロゲン

女性ホルモンのバランスが乱れることで引き起こされるニキビを治療します。

飲み薬はニキビの治療に効果的ですが、適切な使用方法や服用期間を守ることが重要です。特に、抗生物質は必要な期間だけ使用し、長期にわたる使用は避けることをお勧めします。
また、薬の種類によっては身体に副作用を引き起こすことがあります。薬の使用中に異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。

保険適用外のニキビ治療

保険適用外でニキビ治療を行うこともあり、一般的には美容皮膚科で行われることが多いです。保険適用外となるため全額自己負担となり、治療費が高額になる場合があります。
保険適用外の治療は、国内でまだ承認されていない海外の治療薬・ケミカルピーリング・レーザー治療などです。美容皮膚科で行われる治療はニキビを治すだけではなく、ニキビが治った後の跡を消したり、ニキビが出来にくい肌質に改善することが期待できます。
適切な治療法は、皮膚の状態やニキビの程度によって異なるので専門医に相談しましょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、保険適用外のニキビ治療の一つです。ケミカルピーリングとは、皮膚に化学薬品を塗り肌の表面を削ぎ落とすことで、ニキビ・シミ・くすみなどを改善する方法です。削ぎ落とす皮膚の深さは4段階に分類されており、一人ひとりの状態に合わせて使い分けます。
使用される薬品はグリコール酸・サリチル酸・トリクロロ酢酸などです。薬品の濃度を変えて使用したり、薬品を組み合わせたりして使用することで、肌に詰まった老廃物を取り除き、新しい肌の生成を促進します。
ケミカルピーリングは、医師によって行われ、痛みや炎症を軽減するために局所麻酔を使用することがあります。治療後は、肌が敏感になることがあるため日差しに注意しましょう。
また、ケミカルピーリングは保険適用外のため全額自己負担で行う必要があります。

レーザー治療

レーザー治療は保険適用外のニキビ治療の一つです。レーザー治療はニキビの炎症を軽減し、ニキビを減少させるために使用されます。ニキビ治療に使用されるレーザーは、赤外線レーザーや紫外線レーザーなどです。
これらのレーザーがニキビを直接照射することで、炎症を抑えニキビを減少させます。レーザー治療は、皮膚の状態やニキビの程度を評価し、適切なレーザーを選択しなければならないため、専門医が行います。
レーザー治療は、治療後には肌の赤らみや炎症が生じる可能性があるため、肌の状態をしっかり観察するようにしましょう。また、レーザー治療は治療費が高額となることがあるため、いくらかかるか病院に確認することをお勧めします。

ニキビを確実に治したいなら皮膚科を受診しよう

ニキビを確実に治したい場合は、専門の医師である皮膚科医を受診しましょう。ニキビ治療はセルフケアだけでは治療が困難なことがあり、放っておくとニキビが悪化し、治った後にもニキビ跡に悩まされる可能性があります。
ニキビの治療方法は薬物療法・レーザー治療・手術など様々です。皮膚科を受診することで、肌の状態やニキビの程度に合わせた最適な治療を受けられます。
また、皮膚科医は、ニキビの原因となる根本的な問題を解決するためのアドバイスをしてくれるので、皮膚科を受診することはニキビ予防にも繋がります。