口周りにできるニキビの原因とは?治療方法や対策・日々のケアの方法について解説します
ニキビは、誰しもできる可能性がある肌トラブルです。その中でも口周りのニキビは、違和感や会話の時に周囲からの目が気になると感じて悩む方は少なくありません。
なぜ口周りにできるのか、原因など気になっている方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、口周りにできるニキビの原因についてご紹介します。
治療方法・対策・日々のケアの方法などについても解説するので参考にしてください。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
口周りにできるニキビの原因とは?
口周りにできるニキビの原因はさまざまです。一般的には、皮脂の増加や皮脂腺が詰まり、細菌が増殖してニキビができるとされています。
また、ストレス・不規則な生活習慣・過剰なアルコール・喫煙・抗生物質・ステロイドの使用などもニキビを引き起こす要因の1つです。
さらに、食生活も影響を与えます。油っぽい食べ物や甘い食べ物を過剰に食べることでニキビができることもあるのです。
口周りにニキビができる場合は、原因を特定し、予防や治療に取り組むことが重要です。
口周りにニキビができる原因
口周りにニキビができる原因を、より詳しく見ていきましょう。口周りにニキビができる原因には、口周りの環境も大きく関係します。
そのため、ただ綺麗に洗うだけでは防げないケースがあるのです。ここでは、口周りの環境も含めた、ニキビができる原因をご紹介します。
皮膚が薄く乾燥しやすい箇所
口周りにニキビができる原因の1つが、皮膚が薄く乾燥しやすい点です。一般的に、口周りの皮膚は薄く、乾燥しやすい場所といわれています。
肌は乾燥した状態が続くと、肌に潤いを与えようと皮脂を分泌しようとする働きが強くなります。これにより、過剰に皮脂が分泌されることとなり、ニキビができてしまうのです。
また、乾燥した肌ではターンオーバーが乱れる可能性もあります。ターンオーバーが乱れると皮膚表面の確執が厚くなってしまうため、さらに皮脂が詰まりやすい状態となります。
その結果、ニキビができてしまうのです。口周りのニキビは炎症が起こりやすく、発症すると症状が悪化しやすいといった特徴もあるため、注意が必要です。
胃腸機能の低下
口周りにニキビができる原因には、胃腸機能の低下も挙げられます。胃腸機能が低下すると、消化不良や便秘が起こり、毒素や不要な物質が体内に溜まります。
すると、毒素や不要な物質は肌にも運ばれてしまうのです。その結果、ニキビや肌荒れといった症状が現れます。
胃腸機能の低下を引き起こす主な要因には、次のようなものが代表的です。
- 不健康な食生活
- ストレス
- 過剰なアルコール摂取
- 過剰なカフェイン摂取
- 過剰な炭水化物摂取
- 栄養不足
さらに、これらの原因によって胃腸機能が低下すると、免疫力や抵抗力の低下も招く恐れがあります。免疫力や抵抗力が衰えると、ニキビを治しにくくするため、注意が必要です。
過度なストレス
過度なストレスも原因の1つに挙げられます。ストレスは、免疫力を低下させ、皮膚の炎症を引き起こすといわれているのです。
特に、口周りは神経が豊富なため、ストレスがかかると自律神経のバランスが崩れてしまいます。すると、皮膚の代謝が悪化し、ニキビができる可能性が高くなるのです。
また、ストレスがかかると舌を噛んだり唇を噛んだりといった癖ができ、口周りの皮膚を傷つけることでニキビができる可能性もあります。
さらに、ストレスはホルモンバランスを乱す原因の1つです。ホルモンバランスが崩れると、過剰に皮脂が分泌されてしまったり、肌の角質が厚くなったりします。
確執が厚くなると毛穴が狭まり、皮脂分泌量が多いと毛穴が皮脂でつ詰まりやすくなってしまうため、ニキビを引き起こしてしまうのです。
カミソリによる刺激
口周りにニキビができる原因には、カミソリによる刺激も挙げられます。
カミソリでムダ毛やひげを処理する際、肌を傷つけてしまうことがあり、それがニキビの原因となっています。
特に切れ味の悪いカミソリを使用している方は注意が必要です。肌を強く傷つけている可能性があるためです。
またカミソリを使用する際に、保湿剤やローションなどを付けずに使用していると、著しく乾燥を招くケースもあります。これもニキビを引き起こす要因です。
乾燥した肌は、先述したように皮脂分泌を促してしまうため、ニキビのリスクを高めてしまいます。
さらに、同じカミソリを長期間使い続けているケースも、ニキビを招く要因です。不衛生なカミソリとなっており、菌が肌に付着してニキビを引き起こす可能性があります。
カミソリを使用した後の化粧水や乳液などによるケアを怠っている場合も、注意が必要です。
これらのケアを怠っていると、乾燥した状態で放置することとなり、ニキビのリスクを高めてしまいます。
口周りのニキビは身体の不調のサインかも?
口周りのニキビは、身体の不調のサインかもしれません。先述した通り、口周りのニキビが繰り返しできているようであれば、胃腸の不調がまず考えられます。
それは、食生活の乱れからも不調を生じている可能性が考えられますが、過度なストレスを抱えているなども考えられます。
ストレスを抱えている時も胃腸に負担をかけやすいのです。また、ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下も考えられます。
口周りに頻繁にニキビができるようであれば、身体が弱っているサインだと思った方が良いでしょう。
口周りのニキビ治療には皮膚科への受診がおすすめ
口周りのニキビ治療は、セルフケアも不可能ではありませんが、皮膚科の受診がおすすめです。専門の医療機関にかかることで綺麗に直せる可能性があるためです。
また、その他にも皮膚科をおすすめする理由があります。そこで、ここでは口周りのニキビ治療に皮膚科受診をおすすめする理由をご紹介します。
市販薬と異なる薬を処方してもらえる
皮膚科の受診をおすすめする理由の1つが、市販薬と異なる薬を処方してもらえるためです。
口周りのニキビは、先述したような原因から生じます。そのため、それぞれの原因に合わせた適切な治療方法が必要です。
自己判断による市販薬よりも、皮膚科医の方がより適切な判断ができます。また、使用を避けた方が良い薬の判断もしてくれるでしょう。
特に口周りの皮膚は薄くデリケートであるため、避けるべき薬があります。市販薬に避けるべき成分が含まれていることもあるため注意が必要です。
皮膚科では、口周りニキビの特徴を考慮し、適切な薬剤を処方できます。
例えば、口腔内に塗布できるジェルタイプの薬剤や、口腔外からの塗布が可能なクリームタイプの薬剤などです。
また、口腔の乾燥を防ぐために、口腔ケア用品も処方できます。それに加え、病院に行くことで抗生物質などを使ったニキビ治療も受けられるでしょう。
口周りニキビは特殊なケースもあるため、専門医による治療を受けることをおすすめします。
1人1人に合った専門的な治療
1人1人に合った専門的な治療を受けられる点も皮膚科受診をおすすめする理由です。皮膚科では、専門医が診断し、それぞれの症状に合った専門的な治療を受けられます。
例えば、原因が薬剤によるアレルギーの場合は、その薬剤を避けるようにアドバイスできます。
また、原因がストレスや生活習慣による場合は、ストレスの緩和や生活習慣の改善をアドバイスできるでしょう。
皮膚科ではステロイド系の薬を使用するケースもありますが、口周りのニキビはひどい炎症を起こしやすいため、レーザー治療や光線治療なども提供されていることがあります。
また、繰り返し発症する場合は、根本的な原因を特定してそれに対応した治療を受けることも可能です。
口周りのニキビは、治療にも特別なアプローチが必要であり、1人1人に合った専門的な治療を受けるために皮膚科への受診が望ましいです。
保険が適用される
皮膚科受診をおすすめする理由の1つには、保険が適用される点も挙げられます。先述したように、皮膚科では症状に応じて適切な治療が可能です。
そのような治療の中には、特殊で専門的なものもあります。そのような治療方法の場合、保険が適用できる場合があるのです。
日本では医療保険制度があり、一定の範囲で医療費用をカバーできます。
特に、口周りのニキビは、一般的なニキビとは異なって胃腸などの不調によって発生しているケースもあります。
そのため、それらの根本的な治療や薬の処方などを行う場合、保険適用になるケースが考えられるのです。
保険が適用されれば、費用の負担が軽減されるため、費用の心配を軽くして満足いくまでニキビ治療を進められるでしょう。
口周りのニキビは痕になりやすい
口周りのニキビは、繰り返し発症しやすく、痕になりやすい傾向があります。
これは口周りは表情が多いためニキビを押してしまうことや、摩擦をしてしまうことが多く、炎症が深くなって傷や痕が残りやすいためです。
また、紫外線などで乾燥しやすい部位であることも関係しています。ダメージを受けやすい皮膚であるために、繰り返しニキビが生じて傷や痕が残ってしまうのです。
痕になりやすい口周りのニキビを防ぐためには、発症を防ぐことが重要です。
口周りは、毎日のスキンケアで肌を清潔に保つことで、毛穴汚れや皮脂が溜まってしまう状態を防げます。
また口周りは油分や皮脂が多いため、口紅やリップクリームを使用している場合は、ニキビができやすくなります。
口紅やリップクリームの使用後は必ず清潔にし、使用する際には、毛穴を汚しにくいものを使用するようにしましょう。
また、ニキビが発症した場合は、口周りを触らないようにして適切な治療を受けることが重要です。
繰り返し発症した場合は、皮膚科への受診をおすすめします。皮膚科では、専門医が診断し、適切な治療を受けられます。
口周りのニキビ発生の予防方法
口周りのニキビ発生にはさまざまな原因があるため、予防方法もそれらの原因に合わせたものを選ばなければなりません。
適切な予防方法を選ぶためにも、どのようにすれば口周りのニキビを予防できるかを把握しましょう。ここでは口周りのニキビ発生の予防方法をご紹介します。
暴飲暴食を避ける
口周りのニキビ発生の予防方法の1つが、暴飲暴食を避けることです。暴飲暴食は、胃腸機能の低下を引き起こし、消化不良や便秘を引き起こすことがあります。
毒素や不要な物質が体内に溜まり、免疫力が低下することで肌の状態にも影響を与えてニキビの原因になることがあります。
暴飲暴食を避けるためには、健康的な食生活を心がけることが重要です。
食事は、栄養バランス・過剰なアルコール・カフェイン・炭水化物の摂取を防ぐなどのポイントに注意して行いましょう。
また、適度な運動をすることで、胃腸の機能回復を行えます。
生活習慣を見直す
口周りのニキビの発生を予防するためには、生活習慣を見直すことも重要です。生活習慣の見直しには、具体的に次のようなポイントに注意しましょう。
- 食生活の見直し
- ストレスの軽減
- 睡眠不足の解消
- 適度な運動
- 喫煙や飲酒量を控える
先述したように、食生活の見直しは非常に重要です。特に、栄養バランスには気をつけましょう。
脂質のバランスが多く、皮脂分泌が増加すると、ニキビを発生させるリスクが高まります。そのため、過剰な油分や砂糖を摂取しないようにして、野菜や果物を摂りましょう。
ストレスの軽減も重要です。過度なストレスは免疫力を低下させて、ニキビを引き起こす原因となります。ストレス解消には、適度な運動・趣味・睡眠が有効です。
睡眠不足の解消にも取り組みましょう。睡眠不足や睡眠の質が悪いと、免疫力が低下して、ニキビを発生させる可能性があります。
決まった時間に就寝したり、寝室の環境を整えてみたりと、質の良い睡眠を十分取れるように対策しましょう。
適度な運動も大切です。適度な運動は、身体の免疫力を高められるので、ニキビ予防に効果を発揮してくれます。
喫煙や飲酒量も控えましょう。過度な喫煙や飲酒は、肌を乾燥させる原因となります。量を控えて、肌環境を整えることが重要です。
肌に優しいムダ毛処理を行う
口周りのニキビ発生を予防するためには、肌に優しいムダ毛処理も重要です。
口周りには多くの毛が生えており、適切に処理しない場合、毛穴を引き裂いてニキビを引き起こすことがあります。
肌に優しいムダ毛処理には、安全なシェービング・ワックス・レーザー脱毛などがあります。
シェービングやワックスをする際は、高品質なシェービングクリームやワックスを使用し、毛穴を汚しにくいようにしましょう。
またレーザー脱毛は長期的な効果があり、毛が生えにくくなるため、口周りのニキビ予防に適しています。
また、処理後は必ず肌を清潔に保ち、保湿するようにしましょう。これにより、口周りのニキビの発生を予防できます。
口周りのニキビは早めに医師に相談を
口周りのニキビは、さまざまな原因が考えられます。特に口周りの環境は、乾燥しやすいなどニキビが発生しやすいものとなってしまう傾向が強いです。
そのため、清潔に保ちながら乾燥を防ぐ必要があります。カミソリなどでムダ毛処理をする際には注意して行いましょう。
また、口周りは胃腸の調子が表れる部位でもあります。そのことから、身体の不調によってニキビを発症しているケースもあるでしょう。
放置しておくと、身体の不調が改善されず、繰り返しニキビもできてしまいます。繰り返しできてしまうと、傷や痕が残るなどのトラブルも招くかもしれません。
そのような状態にならないためにも、適切な予防方法を把握して、ご自身に合った予防策を取れるようにしておきましょう。
万が一、体の不調と併せて口周りのニキビが気になった場合には、専門の医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
編集部まとめ
口周りのニキビは、乾燥・生活習慣・睡眠不足・ストレスとさまざまな原因から発症します。
原因から分かる通り、誰でも発症する可能性があるため、適切な予防と早期の治療が大切です。
特に、胃腸機関などの身体の機能低下を原因としたニキビには注意が必要です。外からケアするだけでは発症を防げません。
それぞれの原因と適切な対処方法を把握して、早期治療のためにも、専門の医療機関を受診しながら治しましょう。
参考サイト