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残存歯の寿命を延ばす、インプラントの機能性・審美性・安全性【高知県高知市 医療法人宏照会はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニック】

 公開日:2024/12/26

残存歯の寿命を延ばす、インプラントの機能性・審美性・安全性
残存歯の寿命を延ばす、インプラントの機能性・審美性・安全性

機能性・審美性に優れた治療として、東京や大阪など大都市の多くの歯科医院でインプラントの症例数が急増している。しかし、居住エリアによって歯・口腔の健康の価値が変わるわけではない。高知県高知市にある「はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニック」は、インプラント治療に特化した歯科医院だ。そもそもインプラントとはどのような治療なのか。どのようなメリット・デメリットがあるのかなどを、改めて同クリニックの溝渕隆宏院長に詳しく伺った。

Doctor’s Profile
溝渕 隆宏(みぞぶち・たかひろ)
はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニック 院長

2015年、東京医科歯科大学卒業。2017年、高知大学医学部歯科口腔外科学講座修了。同年から2021年まで医療法人幸恵会カツベ歯科クリニックに勤務。2018年に「はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニック」を継承して院長就任。
日本顎咬合学会近畿・中国・四国地方支部理事、日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医。口腔全体の健康を管理する治療・予防により、地域のかかりつけ医としても信頼を集める。インプラント治療では難症例にも対応。

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「美しい」だけでなく、「お口全体の機能を守る」治療

近年、歯を失ったときの治療として、インプラントの普及は目覚ましいものがありますね

大都市圏を中心に、インプラントに対応する歯科医院が急増しています。地方でも徐々にではありますが、インプラントを導入する歯科医院は増えています。技術や価格の競争が進み、患者さんがインプラント治療を受けやすい環境が整ってきました。

「美しい」だけでなく、「お口全体の機能を守る」治療

多くの人が選ぶということは、それだけすばらしい治療といえるのでしょうか?

インプラントは、顎の骨にチタン製のフィクスチャーを埋め込み、その上に連結パーツであるアバットメント、セラミックで作る上部構造(被せ物)を取り付ける治療です。強く噛め、天然歯と変わらない美しさを取り戻すことができます。「歯を失ったとき・抜歯後の治療」には、ほかに入れ歯とブリッジがありますが、機能性・審美性のいずれにおいてもインプラントは非常に優れた治療と断言できます。

機能面では、「強く噛める」ということ以外の強みはありますか?

インプラントは、部分入れ歯やブリッジのように、周囲の残存歯に負担をかけません。自分の歯のように磨けるためお手入れもしやすく、お口全体の健康を守ることにつながります。また、インプラントの埋入は顎の骨の痩せを防ぐため、フェイスラインなど顔貌の変化の予防といった効果も期待できます。

一方、インプラントは手術が必要ということで、体の負担に不安を持つ患者さんもいるようです

重度の糖尿病・高血圧の方、心疾患のある方など、インプラントの適応外となるケースもあります。そのため、当院では全身状態を含めて詳しく問診・検査を行い、インプラントが適しているか、入れ歯・ブリッジをおすすめするかをお伝えしています。

ほかにインプラントのデメリットはありますか?

インプラント周囲炎をはじめとする感染症のリスクがあること、治療期間がやや長めであること、そして自費診療になることでしょうか。インプラント周囲炎については、治療後も3カ月ごとにメンテナンスに通っていただくことで、予防と早期発見・早期治療を図ります。また当院の場合であれば、「抜歯即時埋入」や「1回法」によって治療期間を短縮することも可能です。

「抜歯即時埋入」とは、どんな技術ですか?

抜歯してすぐにフィクスチャーを埋め込むという方法です。従来は感染予防を目的として抜歯後2~3カ月待つ必要がありましたが、現在では適切な抜歯即時埋入および管理を行うことで、予後に違いが出ないことがわかっています。

「1回法」についても教えてください

一般的なインプラント治療では、2回法が行われます。1回目の手術ではフィクスチャーを埋め込み、歯茎を縫合します。そして2回目の手術で歯茎に再切開を加えてフィクスチャーを露出させ、アバットメントを取り付けるという方法です。一方、1回法では1回の手術でフィクスチャーの埋入とアバットメントの取り付けを完了させます。

「美しい」だけでなく、「お口全体の機能を守る」治療

抜歯即時埋入や1回法は、誰でも受けられる治療なのでしょうか?

いいえ、歯茎や顎の骨の状態、全身疾患の有無によっては、適さないことがあります。当院では、詳細な問診と検査を行った上で適応を判断いたしますので、ご安心ください。

歯科医院によって差が出やすいポイントとは

歯科医院によって差が出やすいポイントとは

インプラントは自費診療ということもあり、歯科医院によって検査・治療内容の差があると聞きました。具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?

まずは歯科用CTの有無でしょうか。歯科用CTでは顎の骨の状態、血管・神経の位置を正確に把握できます。安全を目指すインプラント治療においては、今や欠かせない設備といえます。また、使用するインプラントの種類も、歯科医院によって異なります。

インプラントの種類によっても、品質に違いがあるのでしょうか?

規格を満たしているとはいえ、やはり差はあります。当院では世界的に高いシェアを誇り、生体親和性に優れるストローマン社製のインプラントを採用しています。実績がすべてではありませんが、長年にわたって使い続けられているインプラントは、それだけ信頼できると考えています。

ある歯科医院では断られたのに、違う歯科医院に行くとインプラント治療を受けられたという話も聞きます

歯科医院によって適応の範囲は異なります。断られる理由として多いのが、歯周病や加齢による顎の骨の不足です。インプラントの土台となる顎の骨が薄かったり、脆かったりすると、埋入ができない・埋入できても長持ちしない原因になるのです。

では顎の骨が不足している人は、インプラント治療を受けられないのでしょうか?

現在ではGBR法サイナスリフトソケットリフトといった技術によって、顎の骨の再生や造成ができるようになっています。また、自家骨を移植するブロック骨移植という方法もあります。いずれも当院で対応しておりますので、「顎の骨が足りない」と断られた方も一度ご相談ください。

手術の正確性についてはいかがでしょうか? 人が行う治療ですので、埋入位置がズレてしまうという可能性もゼロではないように思えるのですが?

そこで重要になるのが、先述した歯科用CTの画像を用いたシミュレーションです。どこにどのような埋入を行えば理想的な仕上がりになるのかを、治療前にチェックし、説明いたします。そしてそのシミュレーション通りの結果を得るために重要になるのが、サージカルガイドです。
これはマウスピースのような形をした、インプラントの正確な埋入を補助する装置です。CTデータをもとに患者さんごとにおつくりします。サージカルガイドを歯列にはめると、インプラントを埋入すべき位置に穴があいています。この穴にインプラントを埋入することで、正確な位置、さらに角度・深さが担保されるのです。

なるほど、それは頼りになります。どの歯科医院でも対応しているものなのでしょうか?

いいえ、サージカルガイドに対応している歯科医院は多くありません。もちろん、ガイドなしでもすばらしい治療をされる先生もいらっしゃいますが、人為的なミスが起こる可能性を完全に否定することはできません。また、歯科用CTによるシミュレーションの実施、サージカルガイドの使用は、不要な骨造成を避けるという意味でも有用です。

それは具体的に、どういうことでしょうか?

一般的に骨造成が必要と思われる症例であっても、シミュレーションとサージカルガイドによって正確な位置に埋入できる技術があれば、骨造成をしないという選択も可能ということです。もちろん無理をしないという前提ですが、当院ではむやみに骨造成をおすすめするということはありません。

お金も時間もかかることですから、不要な処置や治療は患者さんも避けたいですね

当院では、インフォームドコンセントをとても大切にしています。治療内容や費用はもちろん、「なぜこの検査・処置・治療が必要であるか」といったことも丁寧にご説明いたします。ほとんどの患者さんは、“初めてインプラント治療を受ける方”です。とことん説明をし、ご理解・ご同意いただいてからの検査・処置・治療となりますので、ご安心ください。

上部構造については、歯科医院ごとに異なる材料が使用されるのですか?

どの歯科医院でも、基本的にはセラミックが使用されています。当院では、セラミックのなかでも高い硬度を誇る「ジルコニアセラミック」を採用しています。強い力のかかる奥歯にも、安心して使用できます。また、歯茎とのあいだに隙間が生じにくく、インプラント周囲炎や歯周病などのトラブルのリスク低減にもつながる材料です。

歯科医院によって差が出やすいポイントとは

より良い治療に巡り合うため、インプラントを選択肢のひとつに

より良い治療に巡り合うため、インプラントを選択肢のひとつに

インプラントはやはり費用が気になります。先生はインプラントの費用対効果について、どのようにお考えでしょうか?

インプラントは適切に管理すれば、10~20年、あるいはそれ以上の期間、快適に使用することが可能です。対する入れ歯やブリッジは、平均3~8年ほどでつくり替えが必要です。インプラントの金額が高いのは明白ですが、長期的に考えると、また見え方が変わってきます。個人的には、価格以上の価値を感じることのできる治療と考えています。

貴院では、入れ歯・ブリッジにも対応していますか?

はい、対応しています。インプラントを行う歯科医院である以上、患者さんが入れ歯・ブリッジと比較しながら治療を選べる環境がなくてはならないと考えています。自費の入れ歯・ブリッジもご用意があります。「治療法を決めていない」という段階であっても、お気軽にご相談ください。

インプラントではなく、入れ歯やブリッジをおすすめするケースもあるのでしょうか?

たとえば長く、それも快適に入れ歯やブリッジを愛用されてきた方には、特別な理由がない限り、そのまま入れ歯・ブリッジを使い続けることをおすすめします。もちろんインプラントをご希望であればお話をしたり、実際に治療をすることもありますが、無理におすすめすることはありません。

最近はインプラント治療を大々的にすすめる歯科医院も多く、相談するのにも不安を感じる患者さんがいらっしゃるようです

当院の目的は、インプラント治療をたくさん行うことではなく、患者さんがより良い治療に巡り合うことにあります。一般歯科・予防歯科治療・矯正歯科・ホワイトニングなどにも対応しておりますので、まずはかかりつけ医としてお気軽にご相談いただければうれしいですね。もちろん、インプラント治療をご希望される初診の方も歓迎いたします。

幅広い診療に対応されており、お口のお悩みはなんでも相談できそうです

インプラントを検討される方は、さまざまなお口のトラブルを抱えているケースが少なくありません。失った歯の治療だけでなく、お口全体の症状やお悩みを改善・解消するための治療をご提案することができます。矯正治療ホワイトニングインプラントを組み合わせ、より高いレベルで健康・美しさを実現することも可能です。

より良い治療に巡り合うため、インプラントを選択肢のひとつに

では、貴院のインプラントの費用について、教えてください

インプラント埋入手術・管理料が33万円、アバットメントが5万5,000円、上部構造(ジルコニアクラウン)が11万円~16万5,000円で、いずれも税込価格です。なお診断料・CT撮影料・手術シミュレーション作製料・サージカルガイド作製料は、上記の「インプラント埋入手術・管理料」に含まれます。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします

歯科医療の進歩によって、インプラントはより安全に、安心して受けられる治療になっています。ただ、歯科医院によって治療内容の細部、対応できる症例は異なります。当院では、顎の骨が不足している等の難症例にも対応が可能です。入れ歯・ブリッジなどほかの治療法を考えている方も、ぜひインプラントを選択肢のひとつに加え、当院にご相談いただければと思います。

編集部まとめ

年間100症例以上のインプラント治療を行う「はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニック」では、安全を最優先した妥協のない診療が行われています。保険・自費の入れ歯やブリッジにも対応し、比較しながら治療を選べるという点も、患者さんにとって大きなメリットになりますね。「安いから」「近いから」といった一点だけを見るのではなく、具体的な治療内容、実績、カウンセリングや検査への力の入れ方などにも注目した歯科医院選びが大切になりそうです。

医療法人宏照会はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニック

医院名

医療法人宏照会はりまや橋溝渕歯科・矯正歯科クリニック

診療内容

インプラント治療 被せ物治療 ホワイトニング など

所在地

高知県高知市はりまや町1-5-12

アクセス

とさでん各線「はりまや橋」駅より徒歩1分
JR土讃線「高知」駅より徒歩12分

この記事の監修歯科医師