歯の延命を目指す、マイクロコープを使った精密な根管治療とは?【熊本県熊本市 河端歯科 Nori-Dental office】


同じ歯が何度もむし歯になったり、歯ぐきが腫れたりした経験はないだろうか? 悪化が進み、限界までくると抜かざるを得なくなってくるが、根管治療をしっかり行うことにより、そのような歯も残せる可能性が見えてくる。とはいえ、それは非常に複雑で高度な技術が求められる治療法。ほんのわずかな見落としが再発につながってしまうリスクも大きい。そこで注目されているのがマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)だ。最大20倍もの倍率で、狭小な根管内部を詳細に確認できるという。熊本市の「河端歯科 Nori-Dental office」は、こうしたマイクロスコープを用いた根管治療を数多く行い、経験も豊富。院長の河端憲彦先生に話を伺った。
河端 憲彦(かわばた のりひこ)
河端歯科 Nori-Dental office 院長
1978年熊本市生まれ。2005年福岡歯科大学卒業後、福岡大学病院歯科口腔外科に勤務。その後、福岡県内、熊本市内で複数の歯科医院に勤務し、2011年7月に河端歯科 Nori-Dental office開院。日本顎咬合学会、日本顕微鏡歯科学会、日本歯周病学会などさまざまな団体に所属。「ここに来てよかった」と来院者に思ってもらえるクリニックを目指し、確かな技術とホスピタリティを大切にした歯科医療を提供している。
再治療のリスクを抑え、大切な歯を抜かずに守るために
貴院に来られる患者さんで、根管治療を希望する方はどのようなケースが多いですか?

そもそもむし歯とはどんな病気なのか、なぜむし歯になってしまうのか、改めて基本的なことをご説明いただけますか?
食事で糖分を摂取すると、もともと口の中にいる菌が糖を分解して酸を出し、歯の表面を溶かしてむし歯になります。むし歯になるかどうかは生活環境と密接な関係があり、甘い物が大好きで、食事の回数も多く、歯磨きをあまりしない方はリスクが大きいといえます。むし歯の発症は、もともと本人が持っている歯の強さにも関係します。
ひどいむし歯になって抜歯をした場合、どのようなリスクがありますか?
根管治療とは、どのようなことを行うのか教えてください
歯の中央には歯髄という神経と血管が一緒に走っている空洞があります。歯髄があるおかげで、私たちの歯は感覚をもち、血管によって歯に栄養が与えられて歯を強く維持することができるのです。
むし歯になって穴が開き、神経まで達していくと、痛みを感じることで菌が入ったことを体が教えてくれます。ひどくなると、激痛で寝ることすらできなくなります。
そこで、神経を取る治療をせざるを得ませんが、本来、痛みは菌が入ったことを教えてくれる最高の感覚といえます。
神経を取った後は、菌が入らないようにするために徹底的に清掃して封鎖をします。内部の汚れているものを取り除き、完全にきれいにして、最終的に薬を詰めて形を整えて埋めていくのが一連の根管治療です。
貴院ではマイクロスコープを用いた根管治療をされているそうですが、使うことによってどのような違いがあるのでしょうか?
患部がハッキリ見えることで、治療結果はどのように変わりますか?
より精密な治療ができるようになり、再治療のリスクが低くなります。ほかの部分を傷つけずに患部をピンポイントで取り除けるため、痛みも出にくいですね。治療期間も短くできる可能性があります。
また、当院ではラバーダムというゴム製のシートを使い、治療する歯以外の部分を覆って処置をしています。唾液の中にある菌の侵入を防ぎ、さらに治療の精度が高めることができます。

現在、マイクロスコープはどのように進化していますか?
顕微鏡そのものに大きな変化はありませんが、デジタル機能によって進化しています。記録を撮れるようになり、患者さんに画像を見せながら説明できるため、治療についてよく理解していただけるようになりました。
患者の状態に合わせ、適切な治療法を選択

抜歯が必要なケースと不要なケースについて、どのように見極めているのでしょうか?
いろいろな手を尽くし、可能な限り抜歯を避けたいとは考えていますが、歯が完全に割れてしまっている場合などは、どうしても抜歯が必要になります。マイクロスコープで歯の状態がしっかり見えるので、治療が可能かどうかの診断は早いです。
歯を抜かずに歯根を残すことのメリットを教えてください
貴院のマイクロスコープを使った根管治療の流れについて教えてください
最初にレントゲン検査をして、歯の状態を調べます。過去に治療をしたかどうかも検査で把握します。痛みが強い状態であれば、炎症を抑えたり噛み合わせの調整をしたりして、まずは痛みを鎮める処置をします。
再治療の場合は、症状が落ち着いたら、被せ物を外して中に入っている充填剤を徹底的に取り除き、感染状況を調べます。このときにマイクロスコープを使うと、中の状態がよく見えて、肉眼では見えない汚れも除去することができます。そして中をきれいに清掃して、根管充填剤を入れて被せ物をします。
再治療でない場合は、基本的には歯髄温存療法(VPT)によって神経を残す治療を最初に行います。神経を取った歯は神経がある歯に比べて、抜歯のリスクが8倍くらいというデータもありますので、できるだけ神経を残したいと考えています。それでも難しい場合は神経を取り、あとは再治療と同じ流れになります。
マイクロスコープを使った治療をするときに、先生がこだわっていることはありますか?
録画を患者さんに見ていただくようにしています。言葉で説明したり、写真を見せたりするよりも、動画は圧倒的に情報量が多く、すぐに伝わります。
たとえば、歯にヒビが入っていて、触ったら動く様子を見ると、末期症状だということをすぐにご理解いただけますね。
根管治療を受けた後に、患者さんが気をつけなければならないことはありますか?
治療中の歯を一時的に保護するために、仮封(かふう)※をすることがあります。場合によっては外れてしまい、また菌が入って感染することがあるので、治療期間はその部分で強く噛まないように気をつけていただければと思います。
※仮封:歯科治療の途中で空洞になった歯を、一時的に守るためのセメントや樹脂製の詰め物のこと

よいことも悪いことも言ってくれる歯医者さんを選びたい

根管治療において、先生が大事にしていることは何でしょうか?
ひとつは徹底した説明です。特に根管治療の場合はずっと口を開けっ放しになるので、患者さんは何をされているか不安に感じると思うんです。歯の状態をちゃんと説明して、画像でも見せて、治療の見通しについても全部お伝えしています。
あとは、できるだけ痛みが出ない施術をすることです。麻酔の使い方に気をつけ、患者さんの様子を見ながら痛い部分を触らないように注意を払って治療をしています。
貴院の根管治療の料金体系を教えてください
患者さんの気持ちに寄り添ってくれる歯医者さん選びのポイントがあれば教えてください
実際に患者さんが望んでいることと、歯科医師が考えるベストな治療とは一致しないことがよくあります。患者さんは今の痛みがなくなればいいと思っていても、お口全体のことを考えると、もっと根本的な治療をしたほうがいい場合もあるんですね。
気持ちに寄り添うというのは、患者さんに言われるままに治療をすることではなく、気持ちをよく理解して、真摯に向き合うことだと思います。患者さんの話をちゃんと聞き、よいことも悪いこともしっかり言ってくれる歯医者さんを選ぶことをおすすめします。

歯科医師として先生が心がけていることやモットーを教えてください
「ここに来てよかったな」と思っていただけるようにを、常に心がけています。治療に限らず、説明がわかりやすかったり、不安を解消できたり、足を運んでいただいた患者さんに何かひとつでもよかったという思いをしてほしい。
私自身、病院に行くと緊張してしまうタイプなので、安心できるような話し方や温かいコミュニケーションを大切にしています。患者さんの気持ちを理解して、なぜそう思っているのか背景まで考えたやり取りができるよう、スタッフみんなで取り組んでいます。
最後に、Medical DOCのサイトを訪れた読者の方にメッセージをお願いします
治療の情報を発信しているサイトでいろいろ調べても、記事を読んだだけではわからないことがたくさんあると思います。不安を解消するために歯科医院に話を聞きに行くだけでもいいし、ほかの方法も考えたいときはセカンドオピニオンを活用するのもいいと思います。
当院では、説明や診断だけでも全然構いませんので、気になることがあればお電話をいただき、気軽にお越しください。何かお役に立てることがあればうれしいですね。
編集部まとめ
根管治療は、大切な歯を守る最後の砦といえる治療法です。マイクロスコープは根管治療の精度を上げて再発を防ぐために有効ですが、実際に使っている歯科医院は1割程度といわれます。河端先生の説明はとてもわかりやすく、患者さん一人ひとりと真摯に向き合ってくれる方だと感じました。熊本市やその近隣にお住まいで何度もむし歯を繰り返している、あるいは抜歯の診断を受けて悩んでいる方は、河端先生に相談してはいかがでしょうか。




