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噛み合わせから整え、美しさへ。適切な技術で「抜かない・切らない」を重視した矯正治療【長崎県西彼杵郡長与町 森の木歯科・口腔外科クリニック】

 公開日:2026/03/02

噛み合わせから整え、美しさへ。適切な技術で「抜かない・切らない」を重視した矯正治療
噛み合わせから整え、美しさへ。適切な技術で「抜かない・切らない」を重視した矯正治療

矯正治療を受けたいと思っていても、「抜歯が必要」「顎の手術が必要」などといった情報に流され、一歩を踏み出せないことがある。まずは矯正治療の実情を正しく知ることが必要ではないだろうか。長崎県長与町の「森の木歯科・口腔外科クリニック」では、CTやCADIAXなどの精密検査で噛み合わせと顎機能を見極め、治療方針を組み立てている。そのうえで歯を残す非抜歯の考え方を大切にしながら、治療後を見据えて、美しく長く安定して噛める状態を目指すという。今回は同クリニックの山本達也院長に、噛み合わせと見た目の両方を大切にする矯正方針についてお話を伺った。

Doctor’s Profile
山本 達也(やまもと たつや)
森の木歯科・口腔外科クリニック 院長

2005年に長崎大学歯学部を卒業後、佐賀大学医学部附属病院・歯科口腔外科学講座に入局。2009年に佐賀記念病院 歯科口腔外科科長に就任し、口腔外科領域の診療に従事した後、2012年に「森の木歯科・口腔外科クリニック」を開院。噛み合わせと顎機能を重視し、非抜歯を基本とした矯正治療に取り組んでいる。日本口腔外科学会 専修医。日本口腔科学会所属。

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噛み合わせと顎機能を重視して、美しさを育てる

歯列矯正は、歯並びの悪い人がきれいに整えるための治療だと思っていました。でも、先生のところでは噛み合わせを非常に重視しておられますね

矯正治療は決して単純なものではありません。当クリニックでは「機能美」と「審美」の両立を重視しています。なぜなら機能が整ってこそ、審美は成立すると考えているからです。歯の傾きや顎の位置、歯列全体を丁寧に診断し、まずは機能の土台を整える。その積み重ねの先に、自然な美しさが育つと考えています。

噛み合わせと顎機能を重視して、美しさを育てる

貴クリニックでは「非抜歯の矯正と外科手術をしない矯正」を行っているとお聞きました。抜歯をしないほうがよい、また抜歯せず矯正するほうがよいというのはなぜでしょうか?

非抜歯を重視するのは、抜歯は後から後悔しても元に戻せない選択だからです。実際、矯正を検討される方ほど健康で状態のよい歯をお持ちのケースが多く、それを間引く判断には大きな決断が伴います。
当クリニックでは10年以上にわたり、小臼歯、いわゆる「真ん中の歯」を抜歯して行う矯正は行っておらず、基本方針は非抜歯です。
ただし、親知らずは矯正治療後の後戻りに悪影響を与える歯なので、親知らずは矯正前に抜歯を行っています。

逆に、一般的な矯正で抜歯が行われることがあるのはなぜでしょうか?

一般的な矯正では、「奥歯は動かない・動かさない」という前提で治療を進めます。そのため、スペース不足に陥りやすく、その結果、小臼歯を抜く選択につながることがあります。
当クリニックでは、奥歯を後方へ動かす「遠心移動」を行い、抜歯に頼らずスペースを確保していきます。「顎が小さいから抜歯」と決めつけず、原因を丁寧に見極めたうえで、非抜歯で成立する可能性を検討しています。

矯正治療で抜歯をするとどうなりますか?

過去の治療で抜歯矯正を受けた後、相談やメンテナンスのために当クリニックを訪れる方がいらっしゃいます。そのような方の口の中を見ると、なかには歯列にスペースが残っているケースも少なくありません。
抜歯によって歯を1本分減らすと、その隙間を閉じるために歯を大きく動かす必要が生じ、歯列のアーチが不自然に小さくなりがちです。その影響で噛み合わせが不安定になったり、舌が収まる位置が変化したりして、いびきや顎関節症につながることもあります。

噛み合わせと顎機能を重視して、美しさを育てる

先生は、小臼歯(4番目、5番目の歯)は「噛み合わせの安定」に最も大切な歯であるとおっしゃっています。ですから、そこは抜くべきではないということですね

そのとおりです。小臼歯は前歯と奥歯をつなぎ、噛み合わせ全体のバランスを支える非常に重要な歯です。オーケストラにたとえるなら、全体をまとめる指揮者のような存在と言えるでしょう。この小臼歯が失われると噛み合わせの調整が難しくなってしまいます。指揮者のいないオーケストラのように、全体の調和を保つことが困難になって治療設計の難易度も高まります。

適切な原因の見極めによる、抜歯に頼らない矯正治療

適切な原因の見極めによる、抜歯に頼らない矯正治療

どんな歯並びでも、抜歯をせずに矯正をすることができるのでしょうか?

医療として「すべて非抜歯で可能」と言い切ることはできません。患者さんがどこまで見た目を変えたいか、骨格の条件がどうなっているかによって、外科的な選択肢が必要になる場合もありますね。
ただ、当クリニックでは長年の矯正治療のなかで、小臼歯抜歯をせずに行ってきました。まずは、非抜歯でどこまでできるかを真剣に考えることが重要です。それが当クリニックの姿勢です。

生まれつき備わった歯にせよ、体のすべてに無駄なものは何もないと考えてよいでしょうか?

口の中の歯には1本1本それぞれに役割があり、基本的に無駄なものはないと私は考えています。ただし、親知らずだけは別です。
現代人では親知らずは噛み合わせに不要な場合が多く、たとえまっすぐ生えていても上下の歯と噛み合わず、痛みや知覚過敏、顎関節症の原因になることがあります。そのため当クリニックでは、親知らずについては早期の抜歯をすすめています。

たとえば顎の骨が小さく、八重歯がはみ出しているような場合、小臼歯などを抜歯せずに矯正することはできますか?

顎の大きさを外科処置(いわゆる顎の骨を切る手術)で無理に変えるのではなく、親知らずを抜歯して奥にスペースを確保し、奥歯を遠心移動することで歯列に余裕を生み出します。その結果、八重歯も並べやすくなります。
このように小臼歯抜歯や外科処置に頼らず矯正を進めるためには、事前の精密な検査と治療設計が欠かせません。

成長期の子どもにとって、やはり歯並びの乱れは顎や骨格の発達に影響するのでしょうか?子どもの頃から歯医者さんで正しく歯が生えてくるように導いてもらうことはできますか?

成長期は顎や骨格の発達が歯並びに影響します。うつ伏せ寝や頬杖、噛み方の癖も関わるため、当クリニックでは7~9歳頃に噛み合わせと顎の使い方を確認し、必要に応じて小児矯正や舌・唇のトレーニング指導を行います。
さらに、離乳食の食べさせ方や抱っこ、寝かせ方などの助言は1歳前後の頃からお伝えし、早期から「正しく生える環境」を整えます。

正確な原因の見極めによる、抜歯に頼らない矯正治療

新しい設備による検査からはじまる、人生に寄り添う矯正

新しい設備による検査からはじまる、人生に寄り添う矯正

子どもの矯正は何歳ごろから始めるとよいですか? まだ乳歯のうちに八重歯などがはみ出る予想はつくのでしょうか?

正常に成長している乳歯列は、7~9歳でもすきっ歯になり、大人の歯が生えるスペースがあります。逆に乳歯の段階でガタつきが強く、明らかなスペース不足があれば、将来の八重歯や歯並びの乱れにつながりやすくなります。
当クリニックは「早く始める」より「必要な時期の見極め」を重視しています。検査は6~7歳以降を目安に行い、予防としては1歳前後から授乳・抱っこ・離乳食の工夫に加え、舌や唇のトレーニング(MFT)も指導しています。

顎変形症や受け口、出っ歯の場合の矯正方法について簡単に教えてください

外科矯正が必要なケースもありますが、軽度~中等度であれば矯正のみで対応できます。受け口は「骨を切らないと治らない」と言われることもありますが、患者さんのご希望が骨格そのものを大きく変えることではなく、見た目や噛み合わせの改善であれば、矯正治療の範囲で改善を目指せます。

矯正の治療期間はどのくらいですか?

一人ひとり異なりますが、治療回数は12~24回ほどで、期間は平均すると2年前後です。若い方ほど歯が動きやすく、状態によっては1年半程度で終わることもあります。
ただ、難しいケースでは3年ほどかかることもあります。大切なのは期間よりも、噛み合わせまで含めてしっかり改善し、良い状態で治療を終えることだと考えています。

貴クリニックでは徹底した術前検査を行っているとお聞きしました。矯正治療の流れを教えてください

まずは、カウンセリングでお悩みと希望を伺います。その後、マイクロスコープや歯科用CT、CADIAX(顎機能咬合診断システム)などで、歯列の乱れの原因を見極めていきます。歯だけを見るのではなく、骨格や顎の機能を把握したうえで治療計画を立てるのが当クリニックの特徴です。

ゴムメタルワイヤーを使用しておられるとのことですが、それについて教えてください

ゴムメタルワイヤーとは、ゴムのようにしなやかな弾性を持ちながら、適度な強さも備えている素材を用いた矯正治療用のワイヤーのことです。そのため、弱い力を持続的にかけやすく、歯に過度な負担をかけずに動かすことが期待できます。さらに金属アレルギーに配慮できる素材なので、アレルギーが心配な方にも選択肢になります。

CADIAX(顎機能咬合診断システム)について教えてください

CADIAXは、顎の動きをデジタルで可視化する検査です。顎関節の動きや癖を把握することで、噛み合わせが安定する位置をより適切に判断できます。下顎位をリアルタイムで表示できるほか、記録した下顎運動データに基づいて咬合器を精密に調整することで、矯正治療後のトラブル予防にもつながります。

貴クリニックの矯正治療の費用はいかほどになりますか?

成人矯正は 825,000円で、別途検査費用、管理料、保定装置の費用がかかります。小児矯正は 385,000円で、こちらも別途検査費用、管理料、保定装置の費用がかかります。いずれも税込みです。
治療内容や範囲によって費用は変動するため、事前に詳しく説明しています。

最新の設備による検査からはじまる、人生に寄り添う矯正

矯正治療において、先生が一番大切にされていることは何でしょうか?

噛み合わせがパズルのピースのようにきちんとはまり、全体が安定する状態を目指すということですね。矯正後に歯が動く可能性はありますが、当クリニックでは噛み合わせを丁寧に整え、長く快適に噛める安定した状態へ導くことで、そのリスクをできる限り抑えるようにしています。

最後に顎や歯のことで悩んでいる方、これから矯正を受けようと考えている方、Medical DOCのサイトを訪問している読者にメッセージをお願いします

「抜歯が必要」「手術が必要」と言われ、その時点で治療をあきらめてしまう方も少なくありません。ですが、それが唯一の答えとは限りません。情報があふれる時代だからこそ、まずは適切な診断を受け、納得したうえで治療法を選んでいただきたいと思っています。そのためのお手伝いをするのが、私の役割だと考えています。

編集部まとめ

「森の木歯科・口腔外科クリニック」の矯正は、噛み合わせと顎機能を土台に治療を設計していくのが特徴です。山本先生が何より大切にしているのは、患者さんの歯を守るということ。CTやCADIAXなどの先進的な設備で原因を精密に見極め、非抜歯・非外科を軸に、一人ひとりに合った治療を提案しています。今回の取材を通じ、「抜歯や手術しかないのだろうか?」と不安に思っている方も安心して相談できるクリニックではないかと感じました。

森の木歯科口腔外科クリニック

医院名

森の木歯科口腔外科クリニック

診療内容

矯正治療 口腔外科 審美治療 など

所在地

長崎県西彼杵郡長与町高田郷706-3

アクセス

バス「園折」バス停留所目の前
JR長崎本線「道ノ尾」駅より車で6分

この記事の監修歯科医師