歯と全身の健康は密接に関係。違和感なく入れ歯の概念を変えるMTコネクター【大阪市平野区 みやの歯科医院】
従来の入れ歯はどうしても健康な歯に負担がかかる。そのため、健康な歯がダメージを受け、次第に入れ歯の本数が増えていくという負のスパイラルに陥ってしまう可能性すらある。そこで開発されたのが、健康な歯は健康なまま残し、装着の違和感をできる限り抑え、«一生使える»を目指したMTコネクター®だ。宮野先生に、MTコネクター®や入れ歯治療についていろいろ話を伺った。
宮野敬士(みやのけいじ)
みやの歯科医院 院長
京都大学総合人間学部認知情報学系卒業。しばらくWEBエンジニアとして就業していたが、改めて大阪大学歯学部へ編入。首席で卒業し、歯科医師免許を取得した。大阪大学歯学部付属病院にて卒後研修を受けた後、一般社団法人MTC歯科臨床研究会みやの歯科医院に勤務し、院長に就任。歯科技工士免許も取得。さらには上部頸椎カイロプラクターとして歯から身体、身体から歯双方向をアジャストする「全身を考えた歯科治療」「歯身一体®」をモットーとしている。口からすべてを解放する「オーラルリリース®」をライフワークとする。所属は一般社団法人MTC歯科臨床研究会。株式会社大阪歯科センター代表取締役でもある。
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「ガタつく」「外れやすい」のイメージを一新したMTコネクター
宮野先生が考える「よい入れ歯」とは、どのようなものでしょうか?
痛くないことと、外れないでよく噛めることが第一条件です。また、着けていることに違和感がない、すなわち苦にならないことが必要条件です。さらにはつけていることで心身の健康を損ねない、噛み合わせが本来の自然の状態に整うことで、むしろ心身の状態をよくする入れ歯がよい入れ歯です。
保険診療の範囲内でつくった入れ歯の多くは、プラスチックの部分が2~3mmと厚みがあるため違和感があり、言葉を発する際にも発音しづらいので、食事をするとき以外は外す方がけっこういらっしゃいます。しかし、よい入れ歯であれば普段ずっと着けていられるし、噛み合わせを維持できます。噛み合わせは体と非常に密接な関係にありますから、入れ歯が重要な役割を果たすわけです。
噛み合わせと体の健康はそれほど深く関係し合っているのですか?
噛み合わせは上部頸椎(第一頸椎・第二頸椎)と非常に密接な関係にあります。噛み合わせが歪むと上部頸椎も歪み、神経圧迫が起こって神経伝達が妨害され、「肩凝り」「腰痛」「膝の痛み」や「自律神経の乱れ」「不眠症」など、いわゆる不定愁訴と呼ばれる様々な症状を引き起こすことになります。特に上部頸椎の中にある脳幹の一部である延髄は私たちの生命維持にとって重要な呼吸・心臓血管・血圧調整・咀嚼・嚥下といった中枢が存在します。噛み合わせが悪いことで上部頸椎が歪み、中の延髄を圧迫することで起こる生命エネルギーの妨害は私たちにとって死活問題になります。それほど噛み合わせの問題は軽視してはいけない問題なのです。
MTコネクターのお話が出たところで、従来の入れ歯の種類とMTコネクターとの違いや特徴を教えてください
従来の入れ歯は商品名としてはさまざまありますが、欠損本数で大きく分けると、総入れ歯と部分入れ歯があります。また素材で分けるなら、プラスチックと金属に大きく分かれます。
また力の負担方式を考えると、残っている歯と粘膜に力を負担させる「歯牙粘膜性負担」と粘膜のみに力を負担させる「完全粘膜負担」に分類されます。通常の部分入れ歯は、「クラスプ」や「レスト」という装置があり、残っている歯に力を負担させるので歯牙粘膜性負担になります。噛み合わせが悪いとクラスプやレストをかけている歯がどんどん悪くなるという欠点があります。入れ歯が抜歯装置として働くわけです。しかし、MTコネクターにはクラスプやレストがありません。そのため歯に締め付け感がなく、残っている歯へのダメージがないのです。そして両側性平衡咬合といって、完璧なバランスの非常に安定する噛み合わせを実現することで、何より身体に優しいのがMTコネクターの最大の特徴になります。
装着してすぐピーナッツやスルメが噛める
MTコネクターにはクラスプがないのに、なぜ安定して装着できるのでしょうか?
欠損形態にもよりますが、歯側面にある微妙な丸みや粘膜の凹凸の形状などもすべて計測して、三次元的に回転しながら入れていきます。
その形状は患者さんそれぞれに異なります。その人特有の、ピッタリ固定されて落ちないフィッティングポイントを見つけて、さながら知恵の輪のように入れていきます。しかし最も大事なことはフィットよりも噛み合わせのバランスです。入れ歯というものは指で外すとすぐとれる状態でも、噛み合わせのバランスが完璧であれば、日常生活の話をしたり食べたりする動作には全く問題を感じず、定位置で安定して使うことができるのです。「吸着」や「固定」ではなく「安定」して使うことができるのがMTコネクターの特徴になります。
MTコネクターは装着したその場でスルメやピーナッツが噛めるそうですね
MTコネクターを入れる人すべてに「ピーナッツチェック®」「スルメチェック®」を実施して確実に噛める義歯であることを証明しています。
「ピーナッツチェック®」は完成の一歩手前の土台がロウ(ろうそくのロウ)でできたロウ義歯と呼ばれる段階でピーナッツが噛めることを確認します。通常であればピーナッツより土台のロウの方が柔らかく、噛むとぐちゃっと壊れてしまい、人工歯がポロっととれてしまいます。ところがロウ義歯が正しくフィットして正しいバランスで正しく噛み合っていれば、ピーナッツが割れて土台は壊れません。これが成功するということは身体と噛み合わせが一体となった証明であり間違いのない位置関係で歯がならんでいるという証明になります。そして完成したときは「スルメチェック®」ですりつぶす機能のチェックを行います。実際にスルメと茎わかめを噛めることを体感していだだき「噛む喜び」を実感していただきます。繰り返しますが当院で入れ歯を入れられる人すべてにこの儀式ともいうべきチェックを実施し、確実に噛める保証をしています。
入れ歯と口や顎の筋肉との関係は重要だと思います。入れ歯と口腔内の筋肉について教えてください
第一頸椎と第二頸椎の歯突起によって形成され、頭部を回旋させる働きをもつ関節を「環軸(かんじく)関節」といいますが、これと噛み合わせが密接に関係していると考えています。
噛むための筋肉には側頭筋・咬筋・外側翼突筋・内側翼突筋があって、これらの筋の収縮がアンバランスになり蝶形骨や側頭骨といった頭蓋骨を構成する骨を介して頭を傾けたり回転させる力が働きます。ところが実際は噛むことで頭が動くことはありません。これは首の後ろについている後頭下筋群と呼ばれる筋が拮抗して働き、頭部のバランスをとっているからです。後頭下筋群の緊張に偏りが生じると、第1頚椎と第2頸椎にズレが生じます。先ほども申し上げたようにここには生命維持に重要な神経が通っていて、それが噛み合わせの悪いことによって生じた筋肉の不均衡によって歪むと、脳からの神経伝達がうまく伝わりません。結果的に内臓の働きや運動機能、体全体に悪影響が出ます。
手入れの仕方は従来の入れ歯とほぼ同じ
貴院でつくった入れ歯は、使う人によって寿命に差が生じるものでしょうか?
もちろん変わります。ただ、噛み合わせは誰しも一定ではなく、常に変化します。ですから、体の動かし方、噛み方、普段のお手入れ、定期検診に通う頻度によって条件が変わります。
当院がすることは、噛み合わせのバランスを常に整えることで、長期にわたって継続的に使えるようにして、いい状態で噛めることを保証しますという考え方なのです。
人によって違いがあると思いますが、入れ歯の完成までにどれくらいかかりますか?
貴院の入れ歯治療の流れを教えてください
初診では口腔診断を受けていただきます。口内検査をしてレントゲンを撮って、今の状態を説明して、治療計画を立てます。
また、MTコネクターの土台部分をその日のうちにつくって体験していただけます。(体験プレート®)それでご納得いただけたら、当院の入れ歯治療は自由診療なのでご契約という流れになります。
入れ歯の日常の手入れについて、患者さんご本人がやるべきことは何でしょうか?
健康に影響する噛み合わせを最良に保つための会員制
MTコネクターを使っている方に会員制を採用されているそうですが、会員になることのメリットを教えてください
先述したように、噛み合わせは常に変化するので、それに合わせて入れ歯のメンテナンスと調整が必要です。会員に入らないでメンテナンスしないままお口に合わなくなると、通常料金でまたつくり直しになってしまいます。常によい噛み合わせで使っていただく保証をするためには、会員になってメンテナンスをしていただきたいですね。会費は月額11,000円(税込)です。
先生が入れ歯製作において一番大切にされていることは何でしょうか?
「歯身一体®」ということです。先ほど申し上げたように、噛み合わせと体は一体です。どちらかが悪くなるともう一方も悪くなります。一方だけよい状態で保つことはなく、悪い方へ落ちてしまうのです。
ですから一体となるような入れ歯を入れてあげること。そこに一番気を付けています。
最後に、みやの歯科医院で入れ歯をつくってもらおうと考えている方、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対してメッセージをお願いします
皆さんが思っている以上に、歯は体の健康にとって重要です。歯の噛み合わせは皆さんの健康を左右するので、噛み合わせの状態を診察できる歯医者さんに通われたほうがいいですね。噛み合わせが原因で、治療を受けてから体調を崩す事例もありますから、治療は慎重に考えてください。
ケースバイケースですが、過去に「抜歯しましょう」と言われた歯でも、当院で診たら「残せる」という判断ができる場合もあります。繰り返しになりますが、治療の決断はどうか慎重になさってください。
編集部まとめ
噛み合わせは全身の健康に深く関連していることを、終始強く語る宮野先生。単に悪い歯を抜いて入れ歯に置き換えるのではなく、噛み合わせを緻密に調整して一生使える入れ歯を提供するため、日々研鑽を積んでおられます。
また、歯科医院では珍しいカイロプラクティックを取り入れた診療も行っており、歯を通して全身の健康を見てくれる歯科医院です。入れ歯にお悩みの方は、宮野先生に相談してみてはいかがでしょうか。