目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. ドクターインタビュー
  3. 安心して、定期的に受けるための「かかりつけ医による胃カメラ検査」【大阪市城東区 医療法人若松医院】

安心して、定期的に受けるための「かかりつけ医による胃カメラ検査」【大阪市城東区 医療法人若松医院】

 更新日:2023/10/04

安心して、定期的に受けるための「かかりつけ医による胃カメラ検査」
安心して、定期的に受けるための「かかりつけ医による胃カメラ検査」

近年、胃カメラ検査を行うクリニックが増えている。それだけ需要があるということだが、「辛い」「苦しい」といった理由でためらっている人、受診のタイミングを見失っている人は少なくない。また、どのクリニックに相談すればいいのかわからないという人もいるだろう。胃カメラ検査の重要性、必要性の判断、医療機関の選び方などについて、「医療法人若松医院」の理事長・院長である若松隆宏先生に話を伺った。

Doctor’s Profile
若松 隆宏
医療法人若松医院 理事長・院長

1997年、関西医科大学医学部卒業。2005年、関西医科大学大学院修了。大阪府済生会野江病院、関西医科大学附属病院(枚方病院)勤務を経て、2016年に関西医科大学総合医療センター(滝井病院)講師・病棟医長。2021年に医療法人若松医院副院長、翌年には理事長・院長就任。日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医。日本肝臓学会 肝臓専門医、日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医。わかりやすい言葉を使った丁寧な診療によって「やさしい」クリニックであり続けることを目指す。

目次 -INDEX-

胃がんの大きなリスクとなるのは「ピロリ菌感染」

胃カメラ検査では、どのような病気を発見することができますか?

逆流性食道炎、食道がん、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、十二指腸がん、機能性ディスペプシアなどです。食道・胃・十二指腸の病気を早期に発見することができます。バリウム検査とは異なり、カメラを介して粘膜の状態を直接観察できるので、精度という点でも優れています。

胃がんの大きなリスクとなるのは「ピロリ菌感染」

胃カメラ検査といえば「胃がん検診」としても行われています。どのような人が、胃がんになりやすいですか?

ピロリ菌感染、塩分のとり過ぎ、喫煙などのリスク要因が指摘されています。特にピロリ菌と胃がんとの関連は深く、胃がん患者さんの99%にピロリ菌感染が認められます。ピロリ菌に感染したら必ず胃がんになるというわけではありませんが、リスクは高くなります。

近年は、ピロリ菌の検査や除菌治療にも注目が集まっています。そもそもなぜピロリ菌に感染してしまうのでしょうか?

上下水道の整備が十分行き届いていないような衛生環境が悪かった時代に、食べ物や水から感染したものといわれています。多くは抵抗力の弱い5歳くらいまでに感染し、その後も感染が持続します。現代においては、大人から子ども、特に親から子へと感染するケースがほとんどを占めるといわれています。

では、両親や祖父母などの同居家族がピロリ菌に感染していた場合、その子どもも感染している可能性が高くなるのでしょうか?

そうでない場合と比べると、感染する可能性は高くなります。ピロリ菌の持続感染は、慢性胃炎や萎縮性胃炎の原因となり、その一部はがん化します。成人の方で、胃もたれ・胃痛・吐き気・胸やけなどの症状が続く場合には、ピロリ菌検査、また必要に応じて除菌治療を受けることをおすすめします。

ピロリ菌検査はどのような方法で行われますか?

胃カメラ検査で胃の組織を採取し、ピロリ菌がつくり出すアンモニアへの反応を調べる「迅速ウレアーゼ試験」などを行い、陽性であれば内服薬による除菌治療を行います。保険適応となるのは、胃カメラ検査で慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの診断を受けた人、早期胃がんの治療後の人です。

胃がんの大きなリスクとなるのは「ピロリ菌感染」

ただ、「苦しい」といった理由などで胃カメラ検査に抵抗がある人は多いようです

特に過去に胃カメラ検査で辛い想いをした人、一度も胃カメラ検査を受けたことのない人は、抵抗があるようですね。胃カメラ大腸カメラなどの内視鏡システムは、近年飛躍的な進歩を遂げています。また当院では、少しでも楽に、かつ恐怖心なく胃カメラ検査を受けていただけるよう、さまざまな工夫を行っています。

先進的な内視鏡と細やかなケアによる「苦痛の少ない胃カメラ検査」

先進的な内視鏡と細やかなケアによる「苦痛の少ない胃カメラ検査」

鼻から通す「経鼻内視鏡」と、口から通す「経口内視鏡」がありますが、どのように使い分けるのですか?

経鼻内視鏡は舌の根に触れずに挿入することができるため、嘔吐反射が起こりにくく、楽に検査が受けられます。経口内視鏡は、鼻腔が狭い人、鼻血が出やすい人に使用することが多くなります。当院の場合では、約8割で経鼻内視鏡が選択されます。必ずしも、すべての人に経鼻内視鏡が適しているとは限らないのです。

精度の面ではいかがでしょうか? 直径約5mmの経鼻内視鏡より、直径約10mmと太い経口内視鏡の方が優れているのでしょうか?

たとえば胃がんがあることがわかっており、病院でその胃がんを詳しく観察する・治療するといった場合には、経口内視鏡が適しています。ただ、「胃がんなどの病気を見つける」という点では、精度に違いはありません。経鼻内視鏡だったから見落としてしまった、ということはまずないといえます。

具体的には、どのような点が従来と変わっているのですか?

当院でも導入している先進的な内視鏡システムであれば、解像度の向上や拡大機能の搭載はもちろん、光の波長を変えて照射することで粘膜の病変を強調する機能なども備わっています。その一方で細径化も進んでいるため、確実性を高めながら検査を受ける人の負担を軽減することができるのです。

嘔吐反射や苦しさだけでなく、恐怖心を感じてしまう人もいます。その点については、どのような工夫ができますか?

恐怖心、不安が強い場合には、少量の鎮静剤(静脈麻酔)を使うという方法があります。ウトウトとした状態になり、恐怖・不安を感じにくく、あっという間に検査が終わります。また、当院では呼吸法などを指導してリラックスしてもらう、優しく声がけをすることでスムーズに検査を進めるといった工夫もしています。

検査前後で何か気をつけること、制限などはありますか?

前日の夕食は21時までに済ませ、以降は絶食となります。水やお茶は適量飲んでくださって構いません。当日は午前中に胃カメラ検査を行いますが、午後からもできる限り安静にしてください。また、鎮静剤を使用した場合には当日中の車・バイク・自転車の運転ができません。

検査時間はどれくらいでしすか?

何も異常がなければ3~4分、生検が必要な場合もプラス1分程度で終えられます。その後、少し院内で休んでいただいてから、検査結果の説明を行います。生検の結果については、約2週間にお伝えします。

意外と短いのですね! 検査結果の説明では何が行われるのでしょうか?

実際の検査画像を一緒に見ながら、わかりやすい言葉を使いながら説明をしていきます。私がいつも患者さんにお伝えしているのが、胃カメラ検査もレントゲン検査と同じように、「目的ではなく手段なんですよ」ということです。

それは、胃カメラ検査を受けて終わりではないということですか?

はい。病気の診断が出たときにはその治療を行うのは当然として、胃カメラ検査で原因がわからなければ、ほかの検査をしたり経過観察をしたりして、原因を突き止めなければなりません。誤解を恐れずにいえば、胃カメラ検査は数ある検査方法の一つに過ぎません。「胃カメラ検査で異常がなかったから大丈夫」という考え方は危険です。

確かに、本来の目的は「原因を明らかにしてそれを改善・解消すること」であるはずですね

医師側が手段と目的を履き違えていることもあります。症状を訴えているにも関わらず「胃がんではないのでもう通院の必要はありません」と言われた患者さんが、ときどき当院にいらっしゃいます。そのような対応では、患者さんはいつになっても安心できません。私たち医師には、患者さんに健康と安心をもたらし、明るい毎日を取り戻す責任があるはずです。

先進的な内視鏡と細やかなケアによる「苦痛の少ない胃カメラ検査」

まずは「胃カメラ検査が必要なのかどうか」を知ることが大切

まずは「胃カメラ検査が必要なのかどうか」を知ることが大切

胃カメラ検査を行うクリニックも増えてきましたが、大きな病院の方がより詳しい検査が受けられるのでしょうか?

先進的な内視鏡システムを導入しているクリニックであれば、その検査精度は病院と変わりありません。胃カメラ検査が“定期的に受けるべき検査”であることを考えると、むしろ安心してまかせられる医師がいるクリニックの方が適しているのでは、と考えます。

大きな病院になるほど医師の入れ替わりが激しかったり、いつもと違う先生が担当になったりといったことがありますね。近日中の予約が難しかったり、待ち時間が長くなったりするイメージもあります

人材育成の観点から仕方のないことですが、経験の浅い医師に当たることもあります。胃カメラ検査を身近な検査として受けるためにも、ストレスなく受診できるというのが大切になるかと思います。そういう意味では、“かかりつけ医で胃カメラ検査が受けられる”のが、理想だと思います。

胃カメラ検査を「何となく受けそこなっている人」もいます。どのようなタイミングで受ければよいでしょうか?

40歳以上の人、外食の多い人、喫煙している人、お酒をよく飲む人など、食道・胃・十二指腸の病気のリスクが高い人は、胃カメラ検査を検討すべきといえます。特に、胸やけや胃もたれ、胃痛、腹痛、黒色便(タール便)などの症状がある方は早急に受診されることをおすすめします。年齢や既往歴、症状、生活習慣などをお伺いした上で、必要であれば胃カメラ検査を行います。

「症状があるから必ず胃カメラ検査を行う」というわけではないのですか?

もちろん胃がん検診として、あるいは治療後の定期検診として受ける人などは別ですが、少なくとも当院では、本当に必要な方に胃カメラ検査をおすすめする、というのが基本スタンスです。胃カメラ検査に頼りすぎて、病気の発見が遅れるということもあります。症状にお悩みの方は、まずは“自分に胃カメラ検査が必要なのかどうか”を知ることが大切です。

先生は、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医であると同時に、日本内科学会総合内科専門医・指導医、また日本肝臓学会 肝臓専門医でもいらっしゃいますね

胃カメラ検査の経験が豊富であることに加え、内科疾患・肝臓疾患を幅広く診療してまいりましたので、その点は安心してご相談いただけるかと思います。生活習慣病が心配な方、血糖値や血圧コントロールが必要な方なども安心して通えるという点も、当院の特色です。

まずは「胃カメラ検査が必要なのかどうか」を知ることが大切

胃カメラ検査の費用を教えてください

胃カメラ検査は、保険診療として受けられます。3割負担の方で、胃カメラ検査の観察のみで約5,000円、観察+生検で9,000~13,000円、ピロリ菌検査を追加する場合は左記にプラス約1,500円というのが目安です。使用する薬剤などによって、多少前後します。

最後に、このサイトをご覧の方にメッセージをお願いします

患者さんは、病気だけでなく、胃カメラ検査そのものにも不安を抱えています。当院では“たくさんの患者さんのうちの一人を診る”のではなく、“目の前の患者さんのことだけを考えて診る”ことを大切にして診療を行っていますので、安心してご相談ください。
「こわい」「辛いかも」「苦しいかも」と思う人ほど、当院にご相談いただければと思います。当日予約にも対応します。

編集部まとめ

鎮静剤を使った胃カメラ検査を行うクリニックは増えていますが、医療法人若松医院ではより細やかなケアを大切にされているようです。「本当に必要な人に胃カメラ検査をおすすめする」という言葉が、特に印象に残りました。医療機関、かかりつけ医としての本来のあるべき姿を体現されています。内視鏡だけでなく、総合内科・肝臓の専門医であるという点も、安心して相談できるポイントです。症状にお悩みの方は、まずは“胃カメラ検査が必要なのかを知るために”受診してみてはいかがでしょうか。

医療法人 若松医院

医院名

医療法人 若松医院

診療内容

胃カメラ検査 消化器内科 循環器内科 内科 など

所在地

大阪府大阪市城東区成育5-8-15

アクセス

大阪メトロ今里筋線「関目成育」駅より徒歩2分
京阪本線「関目」駅より徒歩3分
大阪メトロ谷町線「関目高殿」駅より徒歩5分

この記事の監修医師