健康診断で二次検査が必要な項目があったのに、日々の仕事に忙殺され放置してしまっている人も多いのではないでしょうか? また、自治体の胃がん・大腸がんの検診で、再検査が必要となった場合、
胃カメラ(内視鏡)の検査について、「苦しそう」「つらそう」と不安を抱えていらっしゃるかと思います。そこで
内科・耳鼻咽喉科の医師がタッグを組んで人間ドックを行う、モーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科ORの荒木進院長に、内視鏡に関するお話を伺ってみました。
Doctor’s Profile荒木 進
モーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科OR 院長
1991年東京医科大学医学部卒業、東京医科大学耳鼻咽喉科学教室入局。オーストラリア・メルボルン大学助手(難聴の基礎研究)、東京警察病院医員、厚生中央病院医長、東京医科大学霞ヶ浦病院科長を歴任し、2008年千葉県流山市にておおたかの森耳鼻科モーニングクリニックを開院。2009年東京医科大学兼任准教授就任。2017年同准教授職を辞し、都内六本木にモーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科ORを開院。
バリウム検査では初期のがんは発見できない。40歳を超えたら年に一度は胃カメラ検査を
まず初めに、二次検査を怠りがちな忙しい皆さんに向けて、二次検査の重要性についてお話しいただけますか。
現在、自治体ごとに胃がん検査・大腸がん検査を受けられるようになっていますが、そこでわかるのはあくまでも「がんの疑いがある」ということなんです。したがって、そのままでは果たして本当にがんなのか、どのように対処していけばよいのか、まったく先に進めません。二次検査を受けることで、早めの対処につなげる可能性も出てきますし、良性ならば安心感が得られますので、ぜひできるだけ早く二次検査を受けてほしいですね。
「がんの疑い」はないけれど、血圧などの数値で再検査となっている方はつい放置しがちかと思うのですが、その点はいかがでしょうか?
自治体の胃がん検査は
バリウムによるもので、実をいうと、これでは末期のスキルスという胃がんやすごく大きな胃潰瘍しかわからないんです。ですから、本来「がんの疑いはない」と断言しきれないはずです。
胃を検査するならバリウムより胃カメラ(内視鏡)を絶対におすすめしますので、いろいろな数値がよくないというのであれば、その意味でもぜひ早めに二次検査を受けてほしいですね。
また、人の体は1年で状況が変わってくることもあります。生活習慣病を放置すればそれだけ健康を害しますし、がんになるリスクも高まります。ですから
特に40歳を過ぎたら、年に一度は人間ドックで胃・大腸の内視鏡検査を受けることをおすすめします。
バリウムでは初期の胃がんは発見できないんですね。
はい、そうなんです。ですから
バリウム検査をやって、次に内視鏡検査をやるより、
最初から内視鏡検査を受けたほうがいいと思いますね。面倒に感じるお気持ちはわかりますが、健康のために早めの二次検査、年に一度の
人間ドックはとても重要なことだと思います。
耳鼻咽喉科だから痛み・苦しみを軽減できる。鎮痛剤なしで受けられる経鼻内視鏡検査
耳鼻咽喉科と内科の併設されたクリニックということですが、耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受けるメリットについて教えてください。
耳鼻咽喉科である当院で内視鏡を受けるメリットは主に2点あります。まず1つ目は、口腔がん(舌がん)・喉頭がん・咽頭がんといういわゆる耳鼻咽喉科のがんを早期に発見できるという点です。1985年から統計を取っている症例数のデータによると、2010年あたりから急激にこれらのがんが増えているんです。しかも75歳以上になると口腔がん(舌がん)・喉頭がん・咽頭がんすべての症例数が増えています。
これらのがんの主な原因はお酒とタバコです。さらに、喉と食道・胃はつながっていますから、実は喉頭がんになっている人は食道がん・胃がんも発症するケースが多いんです。その合併する可能性は肺がんよりも高いといわれています。ですから大学病院では喉頭がんが発見された場合、胃や食道も必ず検査するんです。
つまり、せっかく内視鏡検査をしても、胃だけを見て耳鼻咽喉科のがんを見落とす可能性があるということ。わざわざ時間をつくって内視鏡検査を受けるなら、胃だけではなく、鼻からしっかりと診たほうがいい、ということなんです。
2つ目のメリットは何でしょうか?
当院では鼻からカメラを入れる、経鼻内視鏡検査を行っています。現在、経鼻内視鏡検査を行うクリニックは増えていますが、当院の経鼻内視鏡検査は、耳鼻咽喉科の医師と内科の医師が連携して行っていますので、「痛くない」「苦しくない」、しかも終わったらすぐに普通に食事ができる検査が可能になっています。
経鼻内視鏡についてもう少し詳しくご説明いただけますか。
実は人間の鼻は8割の方が右、左、どちらかに曲がっているんです。それがどちらにどのように曲がっているのかわからずに内視鏡を無理に挿入すると、痛みや苦しさを感じたり、場合によっては鼻血が出てしまったりします。
当院では耳鼻咽喉科の医師である私があらかじめ鼻の曲がり方を確認して鼻を広げ、軽い麻酔を施し、どう入れればよいかを内科の医師に伝えますので、「痛み・苦しみを軽減した経鼻内視鏡検査」が可能なんです。当院には内視鏡専門の臨床検査技師も常駐しています。
さらに、痛みが少ないので、患者さんを眠らせる、つまり局所麻酔を行う必要がありません。局所麻酔には万全とはいえないので、しないで済む(3)なら、しないほうがいい。しかも局所麻酔には、検査後にリカバリー室で1時間は休んでいただく必要が出てきます。その点、当院では鼻の軽い麻酔しか行わないので、いつも皆さんに「終わったらすぐに六本木の街で(4)焼き肉など食べても大丈夫ですよ」とお伝えしているんです(笑)。
それでは次に、人間ドックのメニューについてご紹介いただけますか。
当院では経鼻内視鏡の有無、耳鼻咽喉科の詳細な検査の有無などにより、
6種類の人間ドックをご用意しています。経鼻内視鏡は本当に重要な検査ですし、痛みもありませんので、年齢・性別にかかわらず、どなたにもぜひ受けていただきたいと思っています。
耳鼻咽喉科の検査については、
音声の検査も行うので、声帯や発声の状態もわかるんです。これは声楽家や歌手の方のほか、学校の先生など喉を酷使する方におすすめしています。また、
鼻のCTも撮りますので、鼻が悪いと困る人、例えば料理人の方などによいと思います。実はこの検査で鼻中隔湾曲症が見つかった寿司店の大将がいらっしゃったんですが、手術をしたところ、鼻がよく通るようになってお寿司がより美味しくなったと、喜んでいただいた話もありました。
そのほか、当院では詳細な
周波数検査を行うので、耳の異常を早めに発見できます。音響関係の方のほか、最近は通勤・通学でイヤホンをはめていて耳が疲労している方も多いですが、気づかぬうちに難聴を引き起こしている恐れがありますので、若い方にもおすすめですね。
婦人科・眼科などオプションも充実。忙しい毎日だからこそ交通至便なクリニックで人間ドックを
二次検査や人間ドックで異常が見つかった場合はどんな対処が可能ですか?
慢性副鼻腔炎・鼻中隔湾曲症・アレルギー性鼻炎については1時間くらいの日帰り手術を行っています。(術前術後に通院していただく可能性がございます。)長くても1時間半程度の手術です。これを行うと花粉症の症状も軽減されます。
また、内科ではポリープ切除手術も行っていますし、六本木駅1分とアクセスもよいので、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病の診療で通ってくださる患者さんも多いです。当院で扱えない症例の場合は、当院は大学病院や総合病院の各科の医師に来てもらっているので大きな病院をご紹介できます。
耳鼻咽喉科・内科だけでなく、眼科などの検査も可能だとお聞きしましたが。
オプションで一般的な眼科の検査も行っています。隔週眼科の医師に来てもらっているので、専門の医師からご説明できます。
また、婦人科の検査もオプションで受け付けています。すぐ近くの乳腺外科、同じビル内の婦人科と連携していまして、どちらも女性医師なので安心して受けていただけると思います。こちらでは乳がん・子宮がんのチェックが行えます。
さらに一泊二日で歯科検診までセットにしたメニューがあり、こちらでは検査前の食事も美味しく適切なものを高級ホテルで召し上がっていただき、検査後はミシュランのレストランでお食事をしていただけます。ご用意したサービス通りに過ごしていただければ、スムーズに全身をチェックできるんですよ。
最後に読者へのメッセージをお願いいたします。
早め早めの対処で健康を守っていただくためには、やはり鼻から食道・胃・大腸まで、隅から隅までチェックすることをぜひおすすめします。当院ならそれが痛みや苦しさなく行うことができます。また、検査後のフォローも各科の専門の医師が行いますので、ぜひ安心してお問い合わせいただければと思います。皆さんのご来院を各科の専門の医師とともにお待ちしております。
なぜ耳鼻咽喉科で人間ドックを行うのか、どんなメリットがあるのか、荒木院長の優しくわかりやすいお話で大変納得できました。忙しい方、検診に行き忘れがちな女性の方など、六本木駅から徒歩1分、落ち着いたスタイリッシュな内装のモーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科ORへまずは問い合わせされてみてはいかがでしょうか。
医院情報
モーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科OR
所在地 |
〒106-0032
東京都港区六本木6-1-8
六本木グリーンビル7階
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アクセス |
東京メトロ日比谷線 六本木駅 3番出口 徒歩1分 |
診療内容 |
耳鼻咽喉科 内科 眼科 他 |