「急にむせる咳」が1週間以上続くのは大丈夫なのか?潜む病気を医師が解説!

急にむせる咳が起きるとき、身体がどんなサインを発している?メディカルドック監修医が考えられる病気・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「急にむせる咳」は何が原因?考えられる病気や対処法を解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
「急にむせる咳」の特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「急にむせる咳」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
アレルギー
アレルギーとは、花粉やハウスダスト、動物の毛など、特定の物質(アレルゲン)に対して免疫が過剰に反応し、咳や鼻水、くしゃみ、皮膚のかゆみなどの症状が起こる状態です。
気道の粘膜が刺激されると、乾いた咳やむせるような咳が出ることがあります。代表的な治療法は、以下のとおりです。
- 抗アレルギー薬(内服・点鼻・点眼)の使用
- 吸入ステロイド薬の使用(咳や喘鳴がある場合)
- 生活環境の見直し(こまめな掃除やマスクの使用)
咳が続く、日常生活に支障がある、症状の原因がはっきりしないといった場合には、耳鼻咽喉科やアレルギー科の受診を検討しましょう。呼吸器症状が強い場合は、呼吸器内科を紹介されることもあります。
気管支炎
気管支炎は、ウイルスや細菌による感染が原因で気管支に炎症が起こる病気です。風邪の延長として起こることも多く、咳や痰、胸の違和感、発熱などを伴うこともあります。症状を和らげるために鎮咳薬(ちんがいやく:咳止め)や去痰薬(きょたんやく:痰切り)、細菌感染を疑う場合は抗菌剤を使用します。1週間以上熱や咳が続く、痰が黄色や緑色になる、血が混じるなどの場合は内科や呼吸器内科を受診しましょう。
感染症以外の呼吸器疾患
呼吸器疾患には、細菌やウイルス感染以外が原因となって起こる以下のような病気もあります。
- 気管支喘息
- 咳喘息
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 気管支拡張症
治療には、吸入ステロイドや気管支拡張薬が用いられ、長期的な管理が必要となることも珍しくありません。放置すると、気道が慢性的に狭くなって治りにくくなる病気もあります。むせるような咳が慢性的に続く場合は、呼吸器内科の受診をおすすめします。
胃食道逆流症
胃食道逆流症は、胃酸が食道へ逆流し、胸やけや喉の違和感、空咳などが起こる病気です。気道への刺激が強い場合は、むせるような咳が出るケースもあります。治療には胃酸の分泌を抑える薬や生活習慣の改善(腹部を締め付けない、食べすぎや高脂肪食、アルコールなどを控える、就寝前は食べない)などが用いられます。また、肥満を解消すること、上半身をやや起き上がらせて寝ることの2点は、改善効果が高い生活習慣です。胸やけや酸っぱい液体が上がってくる感じが長引く場合は、内科や消化器内科を受診しましょう。
アトピー咳嗽
アトピー咳嗽とは、アレルギー反応が関与すると考えられている病気で、乾いた咳が続き、のどのイガイガ感を伴うのが特徴です。喘鳴や呼吸困難を伴わない点が喘息と異なり、中年女性に比較的多く見られます。喘息の治療でよく用いられる気管支拡張剤は効果が乏しく、抗アレルギー薬や吸入ステロイド薬による治療が一般的です。3週間以上咳が続く、風邪薬で改善しない場合は、呼吸器内科やアレルギー科を受診しましょう。
止まらない「急にむせる咳」の正しい対処法は?
咳が止まらないときは水分をゆっくりと摂る、部屋の加湿を行う、安静に過ごすなどが基本の対処となります。乾燥で咳が悪化する場合は加湿や水分補給、湿った咳が出る場合は去痰薬や市販の風邪薬が有効な場合もあります。
咳の止め方は、原因に応じた治療を受けるのが確実です。市販薬で対応するのも一つの方法ですが、症状が長引いたり悪化したりする場合は、医療機関を受診しましょう。
応急処置で改善しない、咳が強まる、息苦しいといった症状があるときは、病気が隠れている可能性もあるため、早めに内科や呼吸器内科を受診してください。
「急にむせる咳」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「急にむせる咳」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
市販薬を飲んだり塗っても良いか?
伊藤 陽子(医師)
市販の咳止め薬やのど飴、喉のスプレーなどは、一時的な症状の緩和に役立つことがあります。ただし、市販薬で対応しても症状が数日以上続く、咳が悪化する、発熱や息苦しさがあるといった場合は、自己判断を避けて医療機関を受診してください。持病がある方や妊娠中の方は、使用前に薬剤師や医師に相談するのが安全です。
急にむせる咳は予防できる?
伊藤 陽子(医師)
急な咳を完全に防ぐことは困難ですが、環境や体調の管理によってリスクを下げることは可能です。具体的な予防法を、いくつか紹介します。
・ 室内の湿度を保ち、喉を乾燥させないようにする
・花粉やハウスダストを避けるためにマスク着用やこまめな掃除をする
・食事中はよく噛んで飲み込むようにする
また、ストレスの蓄積や睡眠不足も咳のきっかけになることがあるため、規則正しい生活を意識することも大切です。
激しい咳や1週間以上持続する咳は呼吸器内科へ
急にむせる咳は、乾燥やアレルギー、誤嚥、感染症など、さまざまな原因で起こります。多くの場合は一過性のもので、適切な対処によって症状は軽快しますが、なかには重い病気が隠れていることもあるため、注意が必要です。咳が長引く、発熱や苦しさを伴う、夜間に眠れないなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。自己判断せず、症状の経過を観察しながら、必要に応じた診察や検査を受けましょう。
「急にむせる咳」症状で考えられる病気
「急にむせる咳」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
呼吸器系の病気
- 新型コロナウイルス感染症
- 肺炎
- 気管支喘息
- 咳喘息
- COPD
- アトピー咳嗽
消化器系の病気
急にむせる咳が出て治まらない、息苦しさがある、何度も繰り返すなどの場合は病気が隠れている可能性があります。必要に応じて医療機関を受診しましょう。