「コーヒーを飲み過ぎる」とどんな病気になる?医師が徹底解説!
コーヒーを飲み過ぎてしまった時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「コーヒーを飲み過ぎる」と現れる症状はご存知ですか?適切な摂取量も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
「コーヒーの飲み過ぎ」に関する特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「コーヒーの飲み過ぎ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
カフェイン中毒
カフェイン中毒とはカフェインを短時間で一度に大量に摂取し中毒が起こった症状です。エナジードリンクとカフェイン製剤の併用で死亡した例もあります。
めまい・心拍数の増加・震え・下痢や嘔吐・興奮、重症では痙攣発作・昏睡といった症状が現れます。
カフェインを多く含む飲料(コーヒー・紅茶・緑茶など)・エナジードリンク・栄養ドリンク・カフェイン製剤の併用や大量摂取など、カフェインの摂りすぎが原因です。
カフェインに対する解毒薬はないので、治療の基本は点滴などで体の中のカフェインの濃度を低下させます。
カフェインを一度に大量に摂取した後に症状が現れた場合は、命に関わることもあるため救急要請をしましょう。
不眠症
不眠症は寝付きが悪い(入眠障害)・途中で何度も目が覚める(中途覚醒)・早朝に目覚める(早朝覚醒)・熟睡した感じがしない(熟眠困難)などにより、日中に意欲低下・集中力低下・倦怠感などが出現する病気です。原因はストレス・心や体の病気・生活リズムの乱れ・薬の副作用・カフェインやアルコールの過剰摂取など様々です。
治療法は規則正しい食事・適度な運動・就寝前のカフェインやアルコールの制限・寝室環境を整えるなど、睡眠衛生(睡眠がとれるよう条件を整えること)を意識しましょう。睡眠時無呼吸症候群・うつ病など心や体の病気が原因であればその治療を優先します。
家庭での不眠対策をしても効果が出ないときは精神科や心療内科を受診しましょう。
不整脈
不整脈とは脈が乱れた状態です。脈拍の乱れ・脈が早くなりすぎる(頻脈性不整脈)・遅くなりすぎる(徐脈性不整脈)があります。
症状は動悸・息切れ・胸痛・失神や心不全、突然死などです。無症状の場合もあり、治療が不要なものもありますが、治療を要するもの、危険な不整脈に発展するものもあります。
加齢・心疾患・甲状腺の病気・生活習慣・ストレス・睡眠不足・過労・肥満・コーヒーやアルコールの飲みすぎなどが原因です。
抗不整脈薬・心臓内の組織を直接治療(カテーテルアブレーション)・ペースメーカの植込みなどで治療します。
不整脈の既往、動悸・息切れ・胸痛など不整脈を疑う症状がある場合は速やかに循環器内科を受診しましょう。
高血圧
高血圧とは血圧が高い状態です。日本高血圧学会の高血圧の診断基準は、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。食塩摂取過剰・肥満・過剰飲酒・ストレス・運動不足・喫煙などが原因です。高血圧を放置すると動脈硬化が進み、脳卒中・心疾患・慢性腎臓病を発症するリスクが高まります。
治療法は食塩制限・標準体重の維持・節酒・禁煙など生活習慣の改善と必要に応じた薬物療法です。
健康診断などで高血圧を指摘されたり、家庭での血圧が繰り返し基準値を越えたりする場合は、早めに内科を受診しましょう。
「コーヒーの飲み過ぎ」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「コーヒーの飲み過ぎ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
コーヒーは一日に何杯飲むのが適量でしょうか?
伊藤 陽子(医師)
カナダや米国では、健康な成人のカフェイン摂取量は1日400mgまでと推奨されています。コーヒーで換算するとマグカップ3杯までです。カフェインを多く含む他の物と摂取量と合わせてカフェインの過剰摂取にならないよう注意しましょう。妊婦や胎児は体にカフェインが長く留まりやすいため、成人よりも摂取量の上限は低くなります。市販のコーヒー飲料は、高エネルギーで太る原因や糖尿病発症の原因になるので、摂取には注意が必要です。
コーヒーはシュウ酸を多く含むため、結石ができやすくなり、尿路結石を発症しやすくなります。コーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害する働きがあるので、貧血がある人は食事の前後ではコーヒーの摂取を控えましょう。
まとめ 適量でコーヒーを楽しみましょう
コーヒーを飲むと目が覚める・疲れにくくなる・リラックスできるなど良い効果を得られますが、カフェインを過剰に摂取することで効果が強まり過ぎて悪影響になることもあります。カフェインの体内での反応は個人差があるため、1日の推奨量を越えない範囲で、適量の摂取がおすすめです。
「コーヒーの飲み過ぎ」で考えられる病気
「コーヒーの飲み過ぎ」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
- 不整脈
- 頻脈
整形外科の病気
- 骨粗しょう症
一般内科の病気
精神科の病気
消化器系の病気
- 胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 尿路結石
コーヒーの飲みすぎで考えられる病気は、神経の興奮作用によるもの・コーヒーに含まれる成分の過剰摂取によるものがあります。病気の発症や悪化予防のためにコーヒーは適量の摂取がおすすめです。上記の疾患が疑われた場合にはコーヒーの摂りすぎに気を付け、症状が続く場合には、医療機関を受診しましょう。
「コーヒーの飲み過ぎ」に似ている症状・関連する症状
「コーヒーの飲み過ぎ」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
コーヒーに含まれるカフェインの摂りすぎは様々な症状を引き起こしますが、他の病気が隠れている可能性もあります。症状が続くようなら、早めに医療機関を受診しましょう。