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朝起きられないのは「病気」のせい? 自律神経が引き起こす立ちくらみの正体

 公開日:2026/04/07
起立性調節障害とは何か

起立性調節障害は、自律神経の乱れによって血圧や心拍の調整がうまくいかなくなる疾患です。特に思春期に多く見られ、「朝起きられない」「立ちくらみがする」といった症状で気づかれることが少なくありません。本章では、起立性調節障害の基本的な仕組みや発症の背景を整理し、正しく理解するための土台を解説します。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

起立性調節障害とは何か

起立性調節障害は、自律神経系の調節がうまく機能しないことで、立ち上がったときに血圧や心拍数が適切に保たれず、さまざまな症状が現れる疾患です。主に思春期の子どもに多く見られ、成長期における自律神経の発達の遅れや変化が関係していると考えられています。

自律神経と血圧調節のしくみ

私たちの身体は、立ち上がると重力の影響で血液が下半身に移動します。通常、自律神経が素早く反応し、血管を収縮させたり心拍数を上げたりすることで、脳への血流を保ちます。しかし、起立性調節障害の方は、この調節機能が十分に働かないため、立ち上がったときに脳への血流が一時的に減少し、立ちくらみやめまいなどの症状が起こります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、両者がバランスを取りながら血圧や心拍数を調整していますが、このバランスが崩れることが発症の背景にあるといわれています。

思春期に多い理由

起立性調節障害は、小学校高学年から中学生にかけての思春期に発症しやすい特徴があります。この時期は、身体の成長が急速に進む一方で、自律神経の発達が追いつかないことがあるためです。また、ホルモンバランスの変化やストレス、生活習慣の乱れなども影響します。思春期特有の心理的な不安定さや、学校での人間関係、受験などのプレッシャーも、自律神経の働きに影響を与える要因として知られています。男女比では、やや女性に多い傾向が報告されており、成長に伴う身体的・精神的な変化が複雑に絡み合っていると考えられています。

まとめ

起立性調節障害は、朝起きられない、立ちくらみ、午前中の不調といった症状が特徴的な疾患であり、思春期の子どもに多く見られます。自律神経の調節機能の問題が背景にあり、適切な診断と治療、生活習慣の改善、周囲の理解が症状の軽減につながります。症状が続く場合は、早めに専門の医療機関を受診し、個々の状態に合わせた対処法を見つけることが大切です。家族や学校と連携し、焦らず長期的な視点でサポートを続けることで、多くの方が日常生活を取り戻すことができます。

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