目次 -INDEX-

  1. Medical DOC TOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 脂肪肝の改善に必要な運動量は週に何分?NASH予防に効果的なトレーニング法【医師解説】

脂肪肝の改善に必要な運動量は週に何分?NASH予防に効果的なトレーニング法【医師解説】

 公開日:2026/04/01

脂肪肝やNASHの改善には、食事療法だけでなく、運動や睡眠、ストレス管理など、生活習慣全般の見直しが必要です。これらの要素は互いに関連しており、総合的にアプローチすることで、より効果的な改善が期待できます。日常生活の中で無理なく続けられる方法を見つけることが、長期的な健康維持の鍵となります。ここでは、運動療法の実践方法や、生活習慣改善のポイントについて解説します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

脂肪肝の改善と予防策

脂肪肝の改善と予防には、生活習慣の総合的な見直しが不可欠です。食事療法とともに、運動や睡眠など、日常生活のさまざまな側面からアプローチすることが重要です。

運動療法の効果と実践方法

運動は、脂肪肝やNASHの改善において、食事療法と並んで重要な役割を果たします。運動により体重が減少するだけでなく、インスリン抵抗性が改善し、肝臓での脂質代謝が促進されることが知られています。有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。
有酸素運動としては、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどが推奨されます。運動の強度は、軽く息が弾む程度(中等度の強度)が目安です。週に150分以上の中等度の有酸素運動、または週に75分以上の高強度の運動が推奨されています。これを週に5日程度に分けて行うと、1日あたり30分程度の運動時間となります。
筋力トレーニングは、筋肉量を増やすことで基礎代謝を向上させ、長期的な体重管理に役立ちます。週に2〜3回、主要な筋肉群を鍛えるトレーニングを行うことが推奨されます。

生活習慣の総合的な改善

睡眠の質と時間も、脂肪肝の改善に影響します。睡眠不足や睡眠の質の低下は、食欲調節ホルモンのバランスを崩し、過食を招きやすくなります。また、睡眠不足自体がインスリン抵抗性を悪化させることが報告されています。毎日7〜8時間の質の良い睡眠を確保することが望ましいでしょう。
ストレス管理も重要です。慢性的なストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を増加させ、内臓脂肪の蓄積を促進します。また、ストレスによる過食や飲酒の増加も、脂肪肝を悪化させる要因となります。適度な運動、趣味の時間、リラクゼーション法の実践など、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
禁煙も肝臓の健康にとって重要です。喫煙は酸化ストレスを増大させ、肝臓の炎症や線維化を促進する可能性が指摘されています。また、喫煙はインスリン抵抗性を悪化させ、糖尿病のリスクも高めます。禁煙は脂肪肝の改善だけでなく、全身の健康にとって有益です。

まとめ

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)は、生活習慣と密接に関連した疾患であり、食事や運動などの日常的な取り組みが改善の鍵となります。食べ物の選び方では、糖質や飽和脂肪酸を控え、食物繊維や良質な脂質、抗酸化物質を含む食品を積極的に摂取することが重要です。コーヒーの適度な摂取は肝保護効果が期待できますが、砂糖の添加は避けましょう。脂肪肝とNASHの違いを理解し、早期発見と適切な対応を心がけることで、重篤な肝疾患への進行を防ぐことができます。気になる症状や検査結果がある場合は、消化器内科や肝臓内科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。

この記事の監修医師