『肋間神経痛』が表れやすい場所をご存じですか? 心臓病と間違えやすい!?【医師解説】

肋間神経(ろっかんしんけいつう)は背骨から左右に分かれて肋骨と肋骨の間を通り、胸部や腹部の前面まで伸びる神経です。この神経が何らかの原因で刺激されたり圧迫されたりすると、神経の走行に沿って痛みが生じるのが肋間神経痛の特徴となります。痛みが現れる場所を正確に理解するためには、肋間神経の解剖学的な走行を知ることが重要です。ここでは肋間神経の走行と、痛みが現れやすい代表的な部位について解説します。

監修医師:
松繁 治(医師)
岡山大学医学部卒業 / 現在は新東京病院勤務 / 専門は整形外科、脊椎外科
主な研究内容・論文
ガイドワイヤーを用いない経皮的椎弓根スクリュー(PPS)刺入法とその長期成績
著書
保有免許・資格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科指導医
日本整形外科学会認定 脊椎内視鏡下手術・技術認定医
肋間神経痛が生じる場所の基本
肋間神経痛の痛みが現れる場所を理解するには、まず肋間神経の走行を知ることが重要です。肋間神経は背骨から左右に分かれて肋骨と肋骨の間を通り、胸部や腹部の前面まで伸びています。この神経が何らかの原因で刺激されたり圧迫されたりすると、神経の走行に沿って痛みが生じるのが肋間神経痛の特徴です。
肋間神経の解剖学的な走行
肋間神経は脊髄から出た後、肋骨の下縁に沿って胸壁を走行します。胸椎から出た神経根が前方へと進み、背中から脇腹、さらに胸の前面や腹部まで広がっています。人間の胸部には12対の肋骨があり、それぞれの肋骨の間に肋間神経が通っているため、痛みが生じる場所も左右どちらか、あるいは上下のどの高さかによって異なります。神経は皮膚の感覚だけでなく、肋間筋の運動にも関わっているため、痛みとともに筋肉の違和感を覚えることもあります。肋間神経の走行を理解することで、痛みの範囲や広がり方を予測しやすくなるでしょう。
痛みが現れやすい代表的な部位
肋間神経痛の痛みは、背中の脊椎付近から始まり、脇腹を経て胸の前面や腹部へと広がることが一般的です。特に脇腹から肋骨の下縁にかけて痛みを訴える方が多く、片側だけに症状が出るケースが目立ちます。背中の肩甲骨の下あたりから脇の下にかけてのラインや、胸骨の周辺に痛みが集中することもあります。痛みの範囲は神経の走行に沿って帯状に広がるため、線状あるいは帯状に痛む領域が明確になりやすいのが特徴です。また、呼吸や体をひねる動作、咳やくしゃみなどで痛みが強まる場合、その部位に肋間神経の異常が疑われます。
まとめ
肋間神経痛は肋骨に沿って走る神経が刺激されることで生じる痛みで、胸部や脇腹に帯状の鋭い痛みが現れるのが特徴です。痛みは片側に限定されることが多く、呼吸や体をひねる動作で増強します。心臓疾患との見分け方としては、痛みの性質や部位、随伴症状を注意深く観察することが重要です。胸痛に加えて呼吸困難や冷や汗などの全身症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。肋間神経痛が疑われる場合でも、痛みが長引く場合や生活に支障をきたす場合は、専門医による診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
参考文献