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冬に潜む「ヒートショック」の恐怖とは?入浴中の重篤な事態を避けるための心得【医師解説】

 公開日:2026/02/08
ヒートショックが引き起こす重篤な健康障害

初期症状を見逃したり適切な対応が遅れたりすると、ヒートショックは生命に関わる深刻な状態へと進行する可能性があります。心筋梗塞や脳卒中といった循環器系の重大疾患だけでなく、失神による転倒や溺水など、二次的な被害も懸念されます。これらのリスクを知ることで、日頃からの注意喚起と早期対応の重要性が理解できるでしょう。

滝村 英幸

監修医師
滝村 英幸(医師)

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2006年3月 聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業
2006年4月 聖マリアンナ医科大学病院 初期臨床研修医
2008年4月  済生会横浜市東部病院 循環器内科
2016年12月  総合東京病院(東京都中野区) 循環器内科
2017年 総合東京病院(東京都中野区) 心臓血管センター
2022年4月 総合東京病院(東京都中野区) 心臓血管センター 循環器内科 心臓血管インターベンション科 科長

【専門・資格・所属】
内科・循環器内科一般
冠動脈カテーテルインターベンション治療
末梢血管カテーテル治療
フットケア
心血管超音波検査

日本内科学会認定内科医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定心血管カテーテル治療専門医
日本心エコー図学会SHD心エコー図認定医

ヒートショックが引き起こす重篤な健康障害

ヒートショックは初期症状だけでなく、進行すると生命に関わる重篤な健康障害を引き起こす危険性があります。適切な対応が遅れると、後遺症が残ったり、生命に関わったりすることもあります。

心筋梗塞や脳卒中のリスク

心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を供給する冠動脈が詰まることで起こります。ヒートショックで血圧が急上昇すると、血管内の動脈硬化部分が破れやすくなり、血栓が形成されて血管を塞いでしまうことがあります。胸の中央から左側にかけて強い圧迫感や痛みが現れ、肩や腕、顎に痛みが広がることもあります。冷や汗、吐き気、呼吸困難を伴うこともあり、症状が30分以上続く場合は特に危険です。

脳卒中には、血管が詰まる脳梗塞と血管が破れる脳出血があります。ヒートショックによる血圧の急変動はどちらのリスクも高めます。突然の激しい頭痛、片側の手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、視野が欠ける、バランスが取れなくなるといった症状が現れます。これらの症状は突然起こり、時間とともに進行することがあります。

いずれの場合も、発症後の時間が予後を大きく左右します。症状に気づいたらただちに救急車を呼び、専門的な治療を受けることが極めて重要です。

失神や転倒による二次被害

失神は血圧の急激な低下によって脳への血流が低下した場合にときに起こります。入浴中に失神すると、浴槽内で溺れる危険性が非常に高くなります。転倒による二次被害も深刻です。高齢者の場合、骨がもろくなっていることが多く、転倒によって大腿骨頸部骨折や脊椎圧迫骨折などを起こしやすくなります。これらの骨折は長期の入院やリハビリテーションが必要となり、寝たきりの原因になることもあります。

また、頭部を強く打った場合は、脳挫傷や頭蓋内出血などの重篤な損傷が生じる可能性があります。特に抗血栓薬を服用している方は、出血のリスクがさらに高まります。

失神の前兆として、めまい、吐き気、視界の暗転、冷や汗などが現れることがあります。こうした症状を感じたら、すぐに座る、横になるなどして安全な姿勢を取ることが大切です。

まとめ

ヒートショックは、正しい知識と日常的な対策によって予防できる健康リスクです。めまいや立ちくらみ、動悸などの初期症状を見逃さず、急激な温度変化による血圧変動の仕組みを理解することが重要となります。特に高齢者や基礎疾患のある方はリスクが高いため、室温管理や入浴方法の工夫、トイレや廊下、早朝・夜間など注意が必要な場面を把握しておくことが欠かせません。あわせて、家族による見守りや緊急時の対応を共有しておくことで、万が一の事態にも備えやすくなります。

住環境の改善や生活習慣の見直しを含め、できる対策から無理なく実践していきましょう。少しでも不安や症状がある場合は、早めに医療機関へ相談することが、冬を安全に過ごすための大切な一歩となります。

この記事の監修医師