納豆が血液と腸に効く理由|ナットウキナーゼの働きと効果を逃さない食べ方

納豆に含まれる成分は、発酵過程で生まれる特有の酵素や大豆由来の栄養素が組み合わさることで、身体にとって有益な働きをもたらします。血液の状態を良好に保つ働きや腸内環境を整える作用など、健康維持に役立つ効果が報告されています。ここでは、納豆が持つ代表的な健康効果について詳しく見ていきましょう。

監修管理栄養士:
中西 真悠(管理栄養士)
2020年3月 女子栄養大学 栄養学部 実践栄養学科 卒業
2020年4月 株式会社野口医学研究所 入社
同年よりフリーの管理栄養士として活動開始、現在に至る
・法人向け健康経営支援サービスの立ち上げと推進(新規および既存顧客への営業活動を主導)
・食と健康に関する指導プログラムの実施(延べ2000人以上を対象にセミナーや測定会を通じて個別指導を実施)
・SNSでの情報発信によるブランディング
∟ Instagramにて食と健康に関する情報を発信し、フォロワー5万人超を達成
∟ 企業のSNS商品撮影代行やレシピ開発を400件以上実施
・サプリメントや雑貨のお客様相談室にてコールセンター業務を担当
・保険調査業務の実務を担当
納豆がもたらす主な健康効果
納豆には、発酵によって生まれる特有の成分が含まれており、健康維持に役立つさまざまな効果が報告されています。発酵食品としての特性と大豆由来の栄養素が組み合わさることで、身体にとって有益な働きが期待できます。
血液の健康を支える働き
納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素は、血栓の主成分であるフィブリンを分解する働きがあるといわれています。この酵素は納豆菌が大豆を発酵させる過程で生成される特有の成分です。これにより、血液の流れを良好に保つ可能性が示唆されており、循環器系の健康維持に寄与すると考えられています。
ただし、ナットウキナーゼは熱に弱い性質を持っているため、加熱すると効果が失われてしまいます。また、血液をサラサラにする薬(ワルファリンなど)を服用している方は、納豆に含まれるビタミンKが薬の効果を弱める可能性があるため、医師に相談することが大切です。
納豆を日常的に摂取することで、血液の健康状態を良好に保つことが期待できます。ただし、納豆だけに頼るのではなく、バランスの取れた食事や適度な運動と組み合わせることが重要でしょう。個人の体質や健康状態によって効果の現れ方には差があります。
腸内環境の改善に期待される作用
納豆は発酵食品であり、納豆菌という生きた菌が豊富に含まれています。納豆菌は胃酸にも強く、生きたまま腸に届きやすいという特徴があります。腸内に到達した納豆菌は、善玉菌の増殖を助け、腸内環境を整える働きをすると考えられています。
また、大豆には不溶性食物繊維も豊富に含まれているため、腸の動きを活発にする効果が期待できます。納豆には水溶性食物繊維も含まれますが、不溶性食物繊維の方がより多く含まれており、便通の改善にも役立つとされています。ただし、効果の程度は個人の腸内環境や食生活全体に左右されるため、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。
腸内環境が整うことで、栄養素の吸収が良くなるだけでなく、免疫機能の向上や肌の状態改善など、身体全体の健康に良い影響を与える可能性があります。継続的に納豆を摂取することで、これらの効果をより実感しやすくなる場合があるでしょう。
まとめ
納豆は、古くから日本人に親しまれてきた優れた発酵食品です。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、多様な栄養素をバランスよく含み、血液の健康や腸内環境の改善など、さまざまな健康効果が期待できます。
混ぜ方や食べ方を工夫することで、より美味しく効果的に納豆を楽しむことができるでしょう。ただし、薬を服用している方や特定の疾患をお持ちの方は、医師や管理栄養士に相談してから摂取することが大切です。毎日の食生活に納豆を上手に取り入れ、健康的な生活を目指しましょう。
参考文献




