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【管理栄養士監修】健康にいい朝食とは? 栄養満点のおすすめ時短メニューを紹介

 更新日:2023/03/27
【管理栄養士監修】健康にいい朝食とは? 栄養満点のおすすめ時短メニューを紹介

健康のために朝食が大切なのはご存知でしょう。朝しっかり食べると、1日頑張ろうという気になりますよね。朝食は習慣になりやすいため、何を食べるかも非常に重要です。そこで今回は、朝に摂りたい栄養素や食品、おすすめの時短メニューを「管理栄養士」の上辻さんに教えてもらいました。

上辻 知津子

監修管理栄養士
上辻 知津子(管理栄養士)

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2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。病院の栄養部、医学書専門出版社を経て、現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

朝は炭水化物を中心に色々な食品を食べよう

朝は炭水化物を中心に色々な食品を食べよう

編集部編集部

朝食は簡単に済ませる人が多いようですが、健康のためにはどんなものを食べるといいですか?

上辻 知津子さん上辻さん

まずは活動のエネルギーとなる炭水化物を摂ることが大切です。炭水化物は糖質と食物繊維でできており、糖質は脳と赤血球のエネルギー源になるため、寝ている間も消費されます。例えば、夕食を夜8時に食べて翌朝7時まで何も食べないとしたら、11時間も糖質が入ってきません。はじめは肝臓に貯めてある糖質が使われますが、そんなにたくさんないので、足りなくなると筋肉のたんぱく質を壊して糖につくりかえるのです。「朝はごはんを食べましょう」と言われるのは、枯渇している糖質をすみやかに補うためなのです。パンや麺類でもいいので、とにかくまずは炭水化物を摂ることが重要です。

編集部編集部

パンとコーヒーだけでもいいのですか?

上辻 知津子さん上辻さん

何も食べないよりはマシですが、パンを全粒粉にして、コーヒーに牛乳を入れるだけでも栄養価が上がります。しかし、今より30分早く起きて、栄養になるものを食べる習慣をつければ、体は確実に変わります。モーニングルーティーンと言われるように、朝食も習慣のもの。昼と夜は色々なものを食べますが、朝はだいたい同じものを食べている人が多いと思います。毎朝食べるものが健康のベースになると言っても過言ではありません。

編集部編集部

栄養になるものというと、どんな食べ物ですか?

上辻 知津子さん上辻さん

栄養になるものとは、エネルギー源になる栄養素や、体をつくるのに必要な栄養素のことです。炭水化物、たんぱく質、脂質は三大栄養素と呼ばれ、エネルギー源になります。炭水化物が多い食品はごはん、パン、麺類などですね。たんぱく質は肉や魚、卵、大豆食品、乳製品に多く含まれます。脂質は肉の脂身やバター、料理に使う油のほか、ほとんどの加工食品に含まれます。また、三大栄養素をエネルギーに変えたり、体に必要な成分をつくったりする際に、ビタミンとミネラルが使われます。食事から摂るべきとされるビタミンは13種類、ミネラルは13種類あり、過不足なく摂るには色々な食品をバランス良く食べる必要があります。

朝に摂りたい栄養素とおすすめの食品

朝に摂りたい栄養素とおすすめの食品

編集部編集部

バランス良く食べるのが一番難しいと思うのですが、ポイントはありますか?

上辻 知津子さん上辻さん

朝・昼・夜の食事ごとに、すべての栄養素をバランス良く摂るのが理想ですが、確かに難しいと思います。しかし、朝食は習慣になってしまえば考えなくていいので、朝食で過不足を補うといいでしょう。

編集部編集部

一般的な食生活で、不足しやすい栄養素と過剰になりやすい栄養素を教えてください。

上辻 知津子さん上辻さん

不足しやすい栄養素は、たんぱく質、食物繊維、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンDなどですが、これらをすべて意識する必要はありません。魚を食べればたんぱく質、カルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンDが摂れますし、野菜には食物繊維、カリウム、ビタミンCが含まれます。過剰になりやすい栄養素は、加工食品に多く含まれる脂質、ナトリウム(食塩)、リンです。生鮮食品を買って調理する機会が少ない人ほど、栄養素が偏りやすいと言えます。

編集部編集部

具体的に、朝はどんな食品を食べるといいでしょうか?

上辻 知津子さん上辻さん

ごはんなら玄米、パンなら全粒粉にすれば、食物繊維、ビタミン、ミネラルを補えます。特に、糖質をエネルギーに変える時に必要なビタミンB1は、米ぬかや小麦の胚芽に多く含まれます。たんぱく質食品としては、卵、納豆、鯖缶がおすすめです。卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて含んでいます。納豆はたんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルのほか、イソフラボン、納豆菌、ナットウキナーゼといった機能成分が豊富。鯖缶はDHA・EPAといったオメガ3脂肪酸を手軽に摂取することができます。

朝はこれに決まり! 栄養満点の時短メニュー

朝はこれに決まり! 栄養満点の時短メニュー

編集部編集部

上辻さんがおすすめする健康的な時短メニューを教えてください。

上辻 知津子さん上辻さん

ごはん派なら、玄米の卵かけご飯に、納豆と具沢山のみそ汁を付けたいですね。朝は体温が低いので、野菜は温かい汁物で摂るのがおすすめです。みそ汁なら野菜は何でも合いますし、顆粒だしを使えば簡単に作れます。納豆が苦手な人は、みそ汁に豆腐や鯖缶を入れるといいでしょう。とにかく朝は2種類のたんぱく質食品を摂るのが望ましいですね。ヨーグルトもおすすめです。

編集部編集部

パン派におすすめのメニューはありますか?

上辻 知津子さん上辻さん

全粒粉のパン、納豆、ゆで卵、野菜スープはいかがでしょうか。納豆はチーズや刻みネギと一緒にパンにのせてトーストにしても美味しいですし、卵はスープに入れてもOK。鯖缶のマヨネーズ和えもトーストによく合います。野菜スープは時間のある時にたくさん作って、1食分ずつ冷凍しておくと便利です。

編集部編集部

1品でバランス良く栄養を摂る方法はありますか?

上辻 知津子さん上辻さん

オートミールのスープはいかがでしょうか。具沢山スープの最後にオートミールを加えて2~3分煮るだけ。オートミールは食物繊維、ビタミン、ミネラルが多いので、具材にたんぱく質食品を2種類使うと栄養バランスが整いやすいでしょう。例えば、水煮大豆と鯖缶を使ったトマトスープ、鯖缶のカレースープに温玉を添えるなどですね。水の代わりに豆乳や牛乳を使うのもおすすめです。ベーコン・ハム・ソーセージもたんぱく質食品でスープの旨みになりますが、脂質、食塩、リンが多いので、朝の定番スープからは外しましょう。

編集部まとめ

日頃から加工食品をよく食べる人は、体に必要な栄養素が偏りがち。朝食は習慣のものなので、健康のために栄養素の過不足を補える食品を選びましょう。朝の定番メニューは、玄米や全粒粉パンを軸に、卵、大豆食品、鯖缶などのたんぱく質食品と、野菜の汁物をプラスすると良さそうです。

この記事の監修管理栄養士