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「アデノウイルス」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?

 公開日:2025/01/27

小さいお子様をお持ちの親御さんなら「アデノウイルス」を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

保育園や幼稚園に通うお子様がいらっしゃると、時期によっては流行する感染症の1つでしょう。

この記事では、アデノウイルスについて症状から検査・治療・予防方法まで詳しく解説いたします。

「アデノウイルス」とよく聞くけど、どのようなものなの?と疑問をお持ちの方、お子様の症状などが気になる方はぜひ参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「アデノウイルス」を発症すると現れる症状・原因・潜伏期間はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

白井 沙良子

監修医師
白井 沙良子(医師)

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小児科医(日本小児科学会専門医)。慶應義塾大学医学部卒業。総合病院にて研修を修了し、現在はクリニックにて、様々な感染症やアレルギー疾患の診療、乳幼児健診、育児相談などを担当。オンライン医療相談、医療記事の執筆・監修、企業向けセミナーなども通じて「エビデンスに基づいた育児情報」を発信している。

アデノウイルスの症状

熱の子供

アデノウイルスはどのような病気でしょうか?

アデノウイルスは風邪症状を引き起こすウイルスの1つで、季節に関係なく遭遇しやすいウイルスです。血清型が多いため、いろいろな症状を引き起こします。
感染しやすい年齢層は5歳以下の乳幼児が多いといわれています。

症状を教えてください。

アデノウイルスは60以上の血清型が存在しますので、どの血清型に感染したかによって症状が異なります。代表的な症状は、以下の通りです。

  • 咽頭結膜熱(プール熱)
  • 主に血清型3型に感染すると起こる症状が咽頭結膜熱です。プールの水から結膜に直接侵入したり、唾液からの飛沫感染、手指での接触感染で感染が流行することからプール熱とも呼ばれます。
    発熱・頭痛・のどの痛み・目の充血・目やに・涙が出るといった症状がみられます。

  • 呼吸器感染症
  • 主に3型および7型に感染すると起こる症状が呼吸器感染症です。主な症状として、鼻炎・のどの痛み・咳があります。
    また、特に重篤な症状として肺炎・気管支炎を発症することがあります。特に注意が必要なのは7型です。
    乳幼児がかかることが多く、感染するとまれに重症な肺炎を発症する可能性もあります。また髄膜炎・脳炎・心筋炎などを併発することもあるため注意が必要です。

  • 流行性角結膜炎
  • 血清型8型・19型・37型および53型、54型、56型等の新型アデノウイルスに感染すると起こる症状が流行性角結膜炎です。主な症状として、目の充血・目やに・涙などがみられます。
    流行性角結膜炎は感染力が非常に高いことが特徴的です。学校保健安全法上の学校感染症にも指定されており、感染した場合は伝染の恐れがなくなるまで登校禁止となります。

  • 胃腸炎
  • 主に血清型31型・40型・41型に感染すると起こる症状が胃腸炎です。症状として、腹痛・下痢・吐き気・嘔吐などがあります。
    特に乳幼児が発症することが多いです。

  • 出血性膀胱炎
  • 血清型11型に感染すると起こる症状が出血性膀胱炎です。主な症状として、頻尿・真っ赤な血尿・排尿時の痛みなどがみられます。
    症状は3日ほどで改善されますが、検査での尿潜血は10日ほど続く場合もあります。

感染の原因を教えてください。

多様な症状の出るアデノウイルスですが、主な感染経路としてはアデノウイルスの飛沫感染・接触感染によって広がっていきます。
感染者の咳やつば、便などの飛沫に含まれるウイルスを鼻や口から吸いこんだり、感染者がウイルスを含む飛沫で触れた場所を他の人が触れることによってウイルスが伝播していきます。

大人もアデノウイルスに感染するのでしょうか?

子どもに発症することが多いアデノウイルスですが、大人にも感染します。感染力の強いウイルスなので、特にお子さんが感染すると家庭内で感染が広がる可能性が高いです。
アデノウイルスは「かぜ症候群」を引き起こす主要な病原ウイルスの1つとされています。
大人の場合、乳幼児ほど症状が目立たないことも多いことから「かぜ」として対応することがほとんどですが、発症した場合はいつも以上に、オムツ替えのあとの手洗いを念入りにすることや、子どもとタオルや食器を共用しないなどの感染対策を心がけましょう。

編集部まとめ

手を繋ぐ親子
子どもが生まれると、今まであまり耳にしたことのない感染症について触れる機会が増えるのではないでしょうか。

通う保育園や幼稚園などで流行中だと聞くウイルスの1つが「アデノウイルス」でしょう。

子どもの発熱・咳・嘔吐・下痢・目やになど心配になる症状が多くありますが、対症療法によって1~2週間で症状が改善することが多いです。

周りでアデノウイルスが流行している、またアデノウイルスが疑われる症状が見られる、といった場合は、まずは受診し、必要な検査や治療を相談しましょう。

この記事の監修医師