「ピロリ菌感染症」の自覚症状・なりやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!
ピロリ菌という言葉を1度は耳にしたことがあるかと思います。
なんとなく良くないイメージがありますが、実際ピロリ菌についてどの程度知っていますか。
ピロリ菌は放っておくと、胃腸にまつわる病気を引き起こす原因になります。
幼少期に感染することが多いといわれていますが、感染するとどのような症状が出現するのでしょうか。
今回は、感染経路・治療・再発など、ピロリ菌について詳しく解説していきます。
※この記事はMedical DOCにて『「ピロリ菌感染症」になると現れる自覚症状・原因はご存知ですか?医師が監修!
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
ピロリ菌感染症の受診
どのような方がピロリ菌感染症になりやすいのでしょうか?
最近は離乳食期にスプーンを共有するのを避けることが一般的になっていますが、ピロリ菌を保菌している親がスプーンを共有していると感染している可能性は高いです。
また、ほとんどは幼少期に感染しますが、まれに胃の状態が悪くなって免疫が落ちていると大人でも感染します。バランスの良い食事をとり、規則正しい生活を送ることで免疫をあげると良いでしょう。
受診を検討するべき自覚症状はありますか?
大抵の感染は幼少期ですから、大人になって胃の不調に気づいた時にはすでに長い間感染している状態です。
- 胃もたれ
- 吐き気
- 食後の腹痛
- 空腹時の腹痛
- 食欲不振
上記のような症状がある時は受診を検討してみてください。
検査方法を教えてください。
- 血液または尿中抗体検査
- 尿素呼気試験
- 便中抗原検査
- 内視鏡検査で胃の粘膜を採取する検査
血液または尿中検査は最も簡易的であり、広く用いられています。また、尿素呼気試験は最も精度の高い検査です。便中抗原検査は現在ピロリ菌に感染しているかが、わかるため除菌後の検査にも使用されます。
そして、内視鏡を用いる検査には迅速ウレアーゼテストがあります。どの方法もメリット・デメリットがあり、100%正しいとはいえないため医師と話し合って検査方法を決めることが大切です。
ピロリ菌を除菌しないとどうなるのでしょうか?
胃の粘膜が悪い状態が長期にわたると、様々な病気を引き起こす原因になります。代表的なものは慢性胃炎です。
ピロリ菌感染症を患っている状態で、喫煙・不規則な食生活をしていると胃・十二指腸潰瘍や胃がんのリスクが何倍にもなるという研究結果もあります。胃の不調を感じたら、早めに受診をするのが大切です。
編集部まとめ
今回はピロリ菌感染症の症状・感染経路・治療・再発について詳しく解説しました。
ピロリ菌感染症は幼少期に感染していることが多く、無自覚・無症状がほとんどです。
衛生環境の良くなった日本では、ピロリ菌の感染者も減少傾向にあります。しかし、中高齢者層は衛生環境が良いとはいえない環境で育っている方が多いです。
そのため、祖父母や親から感染する可能性も否定はできません。感染している状態を放置すると、胃がんのリスクも高まります。
除菌は内服で簡単にできるので、気になる方はまずは検査をしてみましょう。