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「心筋炎」を発症すると現れる症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?

 公開日:2025/01/27

心筋炎は心臓の筋肉である心筋に炎症が起こる病気で、年齢・性別にかかわらず、さまざまな原因で発症します。

軽症で治癒が早い場合もありますが、急激に重症化して、呼吸困難・ショックなどを起こして生命に危険を及ぼす場合もあるのです。

この記事では、そのような心筋炎の種類・症状・原因について詳しく解説します。

どのような人が心筋症になりやすく、心筋症を患った場合にはどのような治療を行うのかまでお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

※この記事はMedical DOCにて『「心筋炎」を発症すると現れる症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

心筋炎の症状と原因

胸を抑える女性

心筋炎とはどのような病気でしょうか?

心筋炎は、心筋(心臓の筋肉)に炎症が起こる病気です。ウイルスが原因となる場合が多く、他には細菌・真菌・原虫・毒素・薬・免疫異常・膠原病なども原因になる場合があるといわれています。
心筋に炎症が起きてしまうと、心臓の機能低下・心不全・不整脈などの症状を引き起こす場合があります。そして、呼吸困難・突然死などの生命に危険を及ぼす場合もあるのです。
心筋炎は心臓突然死の有力な原因であり、重篤な疾患の1つなので、早期診断・早期治療が重要となります。

さまざまな種類があると聞きましたが…。

心筋炎は、病因分類(発症原因)・組織分類・臨床病型分類などで細かく分けられ、さまざまな種類があります。病因分類では、ウイルス・細菌・真菌などの原因によって13つに分けられています。また、組織分類は、リンパ球性・巨細胞性・好酸球性・肉芽腫性の4つです。そして、臨床型分類では、急性・劇症型・慢性の3つに分かれています。
中でも急性心筋炎は、心筋にウイイルスなどが感染して発症する種類です。かぜ症状から始まり、そのまま回復する人も多いですが、その後に胸痛・不整脈が現れて心不全・ショックなどの重篤な症状へと移行する場合もあるのです。そして、劇症型心筋炎は心筋炎の中でも死に至るほど急激に症状が悪化します。
かぜ症状から突然、失神・ショック・呼吸困難などの症状へと進行して、重篤な急性心不全へと急激に病状が変化します。劇症型心筋炎は極めて重篤な疾患なのです。各種類によって原因や症状が異なるため、正しい診断が必要となります。

どのような症状がみられますか?

心筋炎の症状は、病気の程度によって異なります。軽度の場合は症状がない場合もありますが、先行する自覚症状としては、かぜ症状(咳・発熱・倦怠感・関節痛など)が挙げられます。その後、胃のむかつき・腹痛・下痢などの消化器症状に加え、呼吸困難・息切れ・胸痛・胸部圧迫感・不整脈・動悸・失神などがみられるのが一般的です。
しかし、先行症状がない場合もあります。また、急激に状態が悪化すると、血圧低下・意識障害などのショックを起こし、突然死に至ることもあるので注意が必要です。これらの症状がある場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。

原因を教えてください。

心筋炎の原因には、感染性・巨細胞性・薬剤性などが挙げられますが、その多くは、ウイルスなどの感染によって発症します。感染性心筋炎の原因となるウイルスは、コクサッキーウイルス・アデノウイルスなどです。細菌では、腸球菌・ブドウ球菌・レンサ球菌などが挙げられます。
巨細胞性心筋炎は、アレルギー反応・自己免疫が原因で発生することがあり、具体的には食物アレルギー・薬物アレルギー・花粉症・アトピー性皮膚炎などです。薬剤性心筋炎は、薬を服用しているすべての人に起こりうるものですが、特に化学療法薬や心臓に影響を及ぼす薬物の副作用などが原因で発生する可能性があります。

どのような人がなりやすいのでしょうか?

心筋炎になりやすい人の特徴をご紹介します。

  • 免疫力が低下している人:感染症・免疫抑制剤の使用・過剰なストレス・栄養失調などが原因で、免疫力が低下している人は心筋炎になりやすいです。
  • ウイルス感染症を患っている人:コクサッキーウイルスなどのウイルスが心筋に感染して心筋炎を引き起こす可能性があります。ウイルス感染症を患っている人は心筋炎に移行してしまう恐れがありますので要注意です。
  • 過度な運動をしている人:過度な運動を続けていると、心臓が疲れてしまい、それが心筋炎を引き起こす原因になる場合もあります。その他には、アレルギーなどで引き起こされる免疫反応によって発症する場合もあるとされています。

心筋炎はさまざまな原因で引き起こされる病気ですが、一部は明確な原因が特定できない場合もあるのが現状です。心筋炎は年齢・性別・持病の有無にかかわらず、健康な人であっても突然発症する可能性もありますので、気になる症状がみられたら早期の受診をおすすめします。

編集部まとめ

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心臓は、私たちが生きていくために必要不可欠な臓器です。

心筋炎はさまざまな原因で起こる病気であり、重症化してしまうこともありますが、早期治療で回復が見込める病気でもあります。

この記事で心筋炎についての知識を深めていただき、早期発見の手助けとなれば幸いです。

心筋炎から身体を守るためには、禁煙・適度な飲酒・バランスのよい食事・適度な運動・十分な睡眠などの生活習慣を普段から心がけることが大切になります。

心筋炎だけではなく、心臓の病気に対する意識を高め、日常生活の中で心臓の健康について意識してみてください。

この記事の監修医師