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「りんご病」に予防接種はない?注意すべきポイントや予防法を医師が解説!

 公開日:2025/12/21
「りんご病」に予防接種はない?注意すべきポイントや予防法を医師が解説!

りんご病は、幼稚園や小学校低学年のお子さんがかかることが多いといわれる疾患です。りんご病は通称で、正式名称は伝染性紅斑といいます。

りんご病はウイルスによる感染症のため、人にうつる疾患です。りんごのように頬が赤くなることから「りんご病」と呼ばれています。

今回は、りんご病についてのお話です。りんご病の注意する点についても解説しているため、ぜひ参考にして下さい。

※この記事はメディカルドックにて『「りんご病」とは?症状や大人が発症した場合についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

りんご病で気をつけるポイント

弟にマスクをかける姉

りんご病の予防法やワクチンはありますか?

  • りんご病のウイルスには、専用の薬と同様に予防するためのワクチンもないです。そのため、おたふく風邪や水疱瘡のような、予防接種はありません
  • りんご病をワクチンで防ぐことはできないので、周りで流行っている場合は注意が必要です。
  • りんご病のウイルスに感染する経路は、患者さんの咳やくしゃみによる飛沫と接触からになります。飛沫や接触からのりんご病を予防するには、風邪などの感染症予防と同じように、こまめな手洗い・うがい・マスクの着用が1番です。
  • お子さんが通っている保育園や学校で、りんご病が流行っている場合はこまめに手洗いとうがいをさせましょう。もちろん、家族の方も同様です。

妊婦さんはかからない方が良いと聞きますが…。

  • りんご病は子どもがかかるぶんには、軽症なことがほとんどですし大人がかかった場合でも心配な状態になるケースは少ないといえます。しかし、妊婦さんがりんご病にかかった場合は注意が必要です。
  • 妊婦さんがりんご病にかかると症状の有無に関わらず、お腹の赤ちゃんに影響がでる可能性があります。
  • お腹の赤ちゃんへの主な影響は、赤ちゃんの皮膚や胸などに水が溜まってむくんだ状態になる(胎児水腫)ことで、赤ちゃんの命にかかわる可能性もあるのです。とくに妊娠28週未満の妊婦さんは、赤ちゃんの異常や流産のリスクがあるため、注意をして下さい。
  • もちろん、妊娠中にりんご病にかかったからといって、絶対に赤ちゃんに影響するというわけではありません。胎児水腫が起きても自然に回復するケースもあります。
  • 過度に心配をする必要はありませんが万が一を考えて、できるだけりんご病の予防をすることが大切です。もし、妊娠中にりんご病の疑いがある場合は、まず内科か皮膚科を受診して下さい。
  • りんご病と診断された場合は、健診前でも産婦人科に相談をしましょう。

りんご病かも?と思ったら、病院を受診することが大切なのですね。

  • りんご病の初期症状は風邪と変わらないため、初期段階でりんご病と診断をすることは難しいです。りんご病の初期は高熱などがなければ自宅で様子をみても問題ありません。
  • ただ、りんご病の特徴である発疹が現れた場合は、たとえ元気でも病院を受診して下さい。
  • 発疹がでるころは感染の心配はありませんが、りんご病以外にも発疹がでる疾患があります。りんご病か別の病気による発疹かを判断してもらうようにして下さい。
  • また、りんご病は病院から感染者数の届け出をする必要があります。これは、患者数を把握することで流行の状況を把握し、感染予防に役立てるためです。
  • 妊婦さんなど、りんご病に感染することでリスクがある方への情報提供にもなるため、りんご病が疑われる症状がある方は、受診するようにしましょう。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

  • りんご病は子どもに多い感染性の疾患ですが、罹患の経験がなければ大人でも感染する可能性はあります。
  • りんご病には特効薬もワクチンもないため、予防は自分でするしかありません。日頃から感染症の予防をしておくと安心です。
  • りんご病は冬~春に増える傾向があるため、この時期は子どもと関わることが多い職種の方や子育て中の方とくに流行に注意をしましょう。

編集部まとめ

体温計と赤ちゃん
今回は、りんご病についてのお話をしてきました。りんご病は子どもも大人も感染する可能性がある疾患です。

多くの場合は軽症ですむ疾患ですが、妊婦さんなど注意が必要な方がいます。りんご病は初期の頃が1番感染力も高いです。

まわりで流行の兆しがある場合に風邪のような症状がある場合はりんご病と診断される前でも、周りへの感染を防ぐためにもマスクの着用をするようにしましょう。

この記事の監修医師