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「葉酸」を過剰摂取すると現れる5つの症状は?不足した時の症状も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/04/16
「葉酸」を過剰摂取すると現れる5つの症状は?不足した時の症状も管理栄養士が解説!

葉酸の過不足が健康に与える影響とは?メディカルドック監修医が、不足時に現れる貧血や動脈硬化のリスク、過剰摂取時の注意点について詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『いちごなどに含まれる「葉酸の効果」とは?不足すると現れる症状も管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

山口 恵里

監修管理栄養士
山口 恵里(管理栄養士)

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病院や高齢者施設で5年、給食管理、栄養管理業務に従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は育児をしながらフリーランスとして地域の方の家事・育児サポートをさせていただいています。日々の生活を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。

「葉酸」とは?

「葉酸」とは?

葉酸はビタミンB群の一種で水に溶ける『水溶性ビタミン』に分類されます。科学名ではプテロイルグルタミン酸といいます。
葉酸は遺伝情報をもつDNAの合成にかかわり、新しい細胞を作る際に重要な役割を担っています。この作用は胎児の発育に必要で、妊娠を計画している方や妊婦の方には特に重要になります。
また、葉酸は新たな赤血球が正常に作られるときにも必須の栄養素です。赤血球の合成にはビタミンB12も必要で、ともに働き貧血を防ぎます。さらに、葉酸は必須アミノ酸の一つであるメチオニンの代謝に関与し、動脈硬化を防ぎます。

葉酸の一日の摂取量

葉酸の一日の摂取量

健康を維持するためにほとんどの人が1日に必要とする量として厚生労働省が定めた基準に推奨量があります。以下は葉酸の推奨量になります。
0ヶ月〜11ヶ月の男女は摂取不足の予防のため目安量(40〜70μg)が定められています。

1〜9歳(男女)90〜150μg
10〜14歳(男女)180〜230μg
15〜74歳(男女)240μg
74歳以上(男女)240μg
妊婦(付加量)中期・後期 +240μg
授乳婦(付加量)+100μg

妊娠を計画している女性、妊娠の可能性のある女性及び妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、通常の食品以外の食品(サプリメントや栄養補助食品など)に含まれる葉酸を400μg/日摂取することが望まれます。

葉酸が不足すると現れる症状

葉酸が不足すると現れる症状

動脈硬化

葉酸の働きによって分解・再利用されるホモシステインというアミノ酸があります。
葉酸が不足することでこのホモシステインが蓄積され、血液中のホモシステイン濃度が上昇します。血中のホモシステインの濃度が高くなると血管を傷つけ動脈硬化のリスクが高くなります。

貧血

葉酸は赤血球の生成に不可欠な栄養素です。不足すると赤血球の成熟がされず酸素を運ぶことができないため貧血を引き起こします。摂取不足の他に、アルコールや服薬などによる葉酸の吸収障害、妊娠や授乳などによる需要増加などによって葉酸が不足し、貧血になることもあるためバランスの良い食事とともに意識的に葉酸を摂取することが大切になります。

味覚低下

葉酸は細胞分裂の促進や赤血球の成熟に関わる重要な働きをしています。また脳や神経の働きにも関与しています。不足すると細胞分裂がうまくできなくなり舌の粘膜が荒れ、味を感じるための感覚受容器である味蕾の再生がうまくいかなくなり味覚障害がおこるとされています。

発育不全

妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の脳や脊髄の元になる神経管が正常に形成されず、無脳症や二分脊椎(脊椎が背骨の外に露出してしまう先天性疾患)などの先天異常がおこるリスクが高まります。

精神的な不調

葉酸はセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成に必要な栄養素です。これらの物質は気分や情緒の安定に関わっており、葉酸が不足するとその合成がうまくいかず、精神的な不調につながる可能性があります。

葉酸を過剰摂取すると現れる症状

葉酸を過剰摂取すると現れる症状

葉酸には日常的に摂取しても健康に悪影響を及ぼさない最大の量である許容上限量が設定されています。過剰摂取による健康障害を防ぐために厚生労働省が設定した基準になります。
葉酸の過剰摂取は稀ですが、サプリメントや栄養補助食品の摂取により許容上限量を超えてしまう場合には注意が必要です。

葉酸の許容上限量は
1〜9歳 200〜500μg
10〜17歳 700〜900μg
18〜29歳 900μg
30〜64歳 1000μg
※通常の食品以外の食品(サプリメントや栄養補助食品など)に含まれる葉酸に適用されます

皮膚や粘膜の不調

葉酸の過剰摂取が直接的に皮膚炎を引き起こすという明確な根拠はありません。ただし、葉酸をサプリメントで多量に摂ると、ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の症状(舌や口内の炎症、皮膚の変化など)が一時的に隠れてしまい、診断や治療が遅れる可能性があります。その結果、皮膚や粘膜の不調が進行することがあるため注意が必要です。

動悸・息切れ

葉酸が過剰にあることで一時的に造血機能が保たれてしまい、ビタミンB12欠乏の発見が遅れ、赤血球の生成がされず悪性貧血になる可能性があります。
その結果、動悸や息切れといった貧血の症状が出ることがあります。

神経症状

葉酸が多すぎることでビタミンB12が不足しDNA合成や修復が不完全になり神経伝達がうまく行かなくなることがあります。また葉酸が過剰にあることでビタミンB12が不足していることに気づきにくく悪性貧血が進行することもあり、進行すると手や足が痺れ感覚麻痺になる可能性もあります。

細胞や組織の異常促進

葉酸の過剰摂取により、前がん病変の進行が加速し、特定の人ではがんの発症リスクが上昇するのではないかという報告があります。
前がん病変は『がん』ではないものの、放置すると将来的にがんに進行する可能性がある細胞や組織の異常を指します。

認知発達への影響の可能性

妊娠期間中にサプリメントから1日1,000μg以上の葉酸を摂取した場合、400〜999μgを摂取した母親の子どもに比べて、4〜5歳時点での認知発達テストのスコアが低い傾向が報告された研究があります。ただし、これは一部の観察研究によるものであり、因果関係が明確に証明されているわけではありません。葉酸は胎児の発育に不可欠な栄養素である一方、サプリメントを利用する際は過剰摂取を避け、推奨量を守ることが大切です。

「葉酸の効果」についてよくある質問

「葉酸の効果」についてよくある質問

ここまで葉酸の効果を紹介しました。ここでは「葉酸の効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

葉酸サプリの効果について教えてください。

山口 恵里山口 恵里

葉酸サプリメントには健康や美容、妊娠サポートなど幅広い効果が期待されています。
葉酸はビタミンB12とともに赤血球の生成を助け巨赤芽球性貧血の予防に役立ちます。美容の観点からも細胞の新陳代謝を促進するため肌のターンオーバーが整い、くすみや肌荒れの改善が期待できます。また妊娠前から葉酸サプリメントを摂取することで胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げます。
ただし、サプリメントの摂取は過剰になることもあるため含有量を確認し適量を摂取しましょう。そして食事との併用が理想的ですのでサプリメントだけに頼らず、サプリメントは食事では補えない場合の補助として摂取することをお勧めします。

まとめ

葉酸は赤血球の生成を助けて貧血を予防したり、DNA合成に関与して細胞分裂や成長を支える重要な栄養素です。特に胎児の正常な発育に不可欠であるため、妊娠を計画している方や妊婦の方は意識的に摂取することが推奨されています。通常の食事から過剰に摂取する心配はほとんどありませんが、サプリメントや栄養補助食品を利用する場合には、厚生労働省が定める許容上限量を超えないよう注意が必要です。不足を防ぐためには、葉酸を多く含む野菜・豆類・果物などを日々の食事に取り入れることが基本です。さらに、ビタミンB12やビタミンCと一緒に摂取することで葉酸の働きをより効果的に活かすことができます。

「葉酸」と関連する病気

血液系の病気

神経系の病気

  • 神経管閉鎖症

循環器系の病気

代謝系の病気

  • 高ホモシステイン血症

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