「葉酸」は男女で”効果”が異なる?1日の摂取量も管理栄養士が解説!

葉酸が身体にもたらす効果とは?メディカルドック監修医が、DNA合成や赤血球生成における役割に加え、男女別の具体的なメリットを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『いちごなどに含まれる「葉酸の効果」とは?不足すると現れる症状も管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
山口 恵里(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「葉酸」とは?

葉酸はビタミンB群の一種で水に溶ける『水溶性ビタミン』に分類されます。科学名ではプテロイルグルタミン酸といいます。
葉酸は遺伝情報をもつDNAの合成にかかわり、新しい細胞を作る際に重要な役割を担っています。この作用は胎児の発育に必要で、妊娠を計画している方や妊婦の方には特に重要になります。
また、葉酸は新たな赤血球が正常に作られるときにも必須の栄養素です。赤血球の合成にはビタミンB12も必要で、ともに働き貧血を防ぎます。さらに、葉酸は必須アミノ酸の一つであるメチオニンの代謝に関与し、動脈硬化を防ぎます。
葉酸の一日の摂取量

健康を維持するためにほとんどの人が1日に必要とする量として厚生労働省が定めた基準に推奨量があります。以下は葉酸の推奨量になります。
0ヶ月〜11ヶ月の男女は摂取不足の予防のため目安量(40〜70μg)が定められています。
1〜9歳(男女)90〜150μg
10〜14歳(男女)180〜230μg
15〜74歳(男女)240μg
74歳以上(男女)240μg
妊婦(付加量)中期・後期 +240μg
授乳婦(付加量)+100μg
妊娠を計画している女性、妊娠の可能性のある女性及び妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、通常の食品以外の食品(サプリメントや栄養補助食品など)に含まれる葉酸を400μg/日摂取することが望まれます。
【男性】葉酸の効果

動脈硬化の予防
葉酸はアミノ酸の一種であるホモシステインを分解・無害化し血中の濃度を下げます。
ホモシステインの濃度が高いと血管を傷つけ、炎症や血栓の原因になります。
また、ホモシステインの血中濃度が高いと血液が固まりやすくなり、さらにLDLコレステロールの沈着を促します。コレステロールが沈着することで動脈硬化は進行します。
認知症の予防
葉酸には血中のホモシステインというアミノ酸の濃度を下げる働きがあります。
ホモシステイン濃度が高いと脳の血流が悪化し、認知症のリスクが高まるとされています。
毛髪の健康を支える可能性
葉酸は赤血球の生成を助けることで酸素や栄養素の供給をサポートし、全身の血流を良好に保つ働きがあります。このことから、頭皮の健康維持や毛髪が育つ環境づくりに役立つ可能性があると考えられています。ただし、葉酸そのものが直接的に発毛を促進するという明確な科学的根拠はありません。バランスのとれた食事の一部として取り入れることが大切です。
【女性】葉酸の効果

胎児の発育促進
葉酸はDNAの合成にかかわり細胞の生産や再生を助ける働きがあります。
妊娠初期の胎児の神経や脳など、身体の重要な部分が形成されるときに大切な役割を担っています。
貧血の予防
葉酸は新たな赤血球を正常に作り出す時に必要な栄養素で、赤血球のもとになる赤芽球をつくり出す時に作用しています。赤血球の合成にはビタミンB12の作用も必要で、ともに働いて貧血を防ぎます。
美肌効果
葉酸はDNAの合成を促進する働きがあり、古い細胞と新しい細胞の入れ替わりが正常に行われる時に役立ちます。細胞の入れ替わり(ターンオーバー)が正常に保たれるため、くすみや肌荒れを防ぎ透明感のある肌に導いてくれます。
「葉酸の効果」についてよくある質問

ここまで葉酸の効果を紹介しました。ここでは「葉酸の効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
葉酸サプリの効果について教えてください。
山口 恵里
葉酸サプリメントには健康や美容、妊娠サポートなど幅広い効果が期待されています。
葉酸はビタミンB12とともに赤血球の生成を助け巨赤芽球性貧血の予防に役立ちます。美容の観点からも細胞の新陳代謝を促進するため肌のターンオーバーが整い、くすみや肌荒れの改善が期待できます。また妊娠前から葉酸サプリメントを摂取することで胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げます。
ただし、サプリメントの摂取は過剰になることもあるため含有量を確認し適量を摂取しましょう。そして食事との併用が理想的ですのでサプリメントだけに頼らず、サプリメントは食事では補えない場合の補助として摂取することをお勧めします。
まとめ
葉酸は赤血球の生成を助けて貧血を予防したり、DNA合成に関与して細胞分裂や成長を支える重要な栄養素です。特に胎児の正常な発育に不可欠であるため、妊娠を計画している方や妊婦の方は意識的に摂取することが推奨されています。通常の食事から過剰に摂取する心配はほとんどありませんが、サプリメントや栄養補助食品を利用する場合には、厚生労働省が定める許容上限量を超えないよう注意が必要です。一部では美容や発毛などへの効果が取り上げられることもありますが、現時点では十分な科学的根拠が確立していないため、健康維持や妊娠期の栄養補給を目的にするのが望ましいでしょう。不足を防ぐためには、葉酸を多く含む野菜・豆類・果物などを日々の食事に取り入れることが基本です。さらに、ビタミンB12やビタミンCと一緒に摂取することで葉酸の働きをより効果的に活かすことができます。
「葉酸」と関連する病気
血液系の病気
神経系の病気
- 神経管閉鎖症
循環器系の病気
代謝系の病気
- 高ホモシステイン血症