「カリウムが不足」するとどんな病気になりやすい？管理栄養士が徹底解説！

「カリウム」とは？

体の中でナトリウムとのバランスを取りながら、細胞内外の水分や血圧を正常に保つのを助けるミネラルです。筋肉や神経が正常に動くためにも働き続けている大切な栄養素です。

カリウムの一日の摂取量

食事摂取基準では目標量として、男性 3,000 mg/日以上、女性 2,600 mg/日以上が推奨されています。

カリウム不足に関連する病気・疾患

原発性アルドステロン症

副腎腺腫や副腎過形成が原因でアルドステロンが過剰に分泌されます。このホルモンは腎臓でのカリウム排泄を促進する為、不足の原因となります。アルドステロン拮抗薬の使用や、場合により副腎摘出手術が行われます。薬物療法により、カリウムの排泄を抑制し、血圧を正常化します。高血圧治療で改善が見られない、血液検査でカリウム低値が確認された場合に検討します。 内分泌内科または腎臓内科を受診しましょう。

クッシング症候群

副腎腺腫、下垂体腺腫、長期のステロイド薬の使用等が原因となり、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの過剰分泌によって引き起こされる疾患です。コルチゾールの増加は、アルドステロンの作用を増強し、カリウムの排泄を促進します。原因となる腫瘍の摘出手術や、ステロイド薬の減量が行われます。コルチゾール分泌を抑える薬が使用されることもあります。体重増加、満月様顔貌、筋力低下などの症状がみられる場合、内分泌科を受診しましょう。

腎性尿崩症

遺伝的要因や、リチウムなどの薬剤の長期使用が原因により、腎臓が抗利尿ホルモン・バソプレシンに反応せず大量の尿が排泄される疾患です。これによりカリウム不足を招きます。十分な水分補給、必要に応じて薬物療法が用いられます。多尿や過剰な喉の渇きが続く場合、腎臓内科を受診しましょう。