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周期性四肢麻痺の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

周期性四肢麻痺(読み方:しゅうきせいししまひ)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
鷹取 央 医師 たかとり内科 院長

周期性四肢麻痺とは

発作性に四肢の筋力低下が起こり、それが数時間ないし数日持続し、自然に回復する病気です。筋力低下のエピソードをくり返すものであって、発作時の血清カリウム(K)の値から、低K血性、高K血性、正K血性に3大別されています。

引用:日本筋ジストロフィー協会
https://www.jmda.or.jp/mddictsm/mddictsm2/mddictsm2-9/

鷹取 央 医師 たかとり内科 院長ドクターの解説

周期性四肢麻痺とは、前兆なく突然、四肢(下肢のみといった限局性のこともあります)の筋力が低下し、数時間から数日間症状が続く病気です。

発作時のカリウムの値により、
・低カリウム血性(血液中のカリウム濃度が低いことで麻痺が起きる)
・高カリウム血性(血液中のカリウム濃度が高いことで麻痺が起きる)
・正カリウム血性
に分類されています。

周期性四肢麻痺の症状

筋脱力は、過激な運動、寒冷、感染などが誘因となることが多いとされています。
麻痺の持続時間は高K血性では短いのですが、他は数時間から数日に及ぶこともあります。筋力低下は全身性ですが、呼吸筋や顔、頸部の筋肉は侵されません。
発作のエピソードが終わると、筋力低下は完全に戻ります。しかし、発作を繰り返していると永続的な筋力低下をみることもあります。高K血性はしばしばミオトニー(筋肉を収縮させた後、筋肉がすぐに弛緩しない状態)を伴います(先天性パラミオトニアと高Kは同一疾患です)。

引用:日本筋ジストロフィー協会
https://www.jmda.or.jp/mddictsm/mddictsm2/mddictsm2-9/

鷹取 央 医師 たかとり内科 院長ドクターの解説
急に筋力低下が起こります。数時間から数日程度で自然に治ってしまうものから、治療せずに様子を見ていると症状が重くなってしまうものまであります。

周期性四肢麻痺の原因

症候性の原因には、低カリウム血症を来す疾患、薬物と、高カリウム血症を来す疾患、薬物がある。
最も多い原因は、青年男性で甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム血性例で、全体の約半数を占める。
誘因として、低カリウム血性には過度の運動、炭水化物やナトリウムの過剰摂取、飲酒、高カリウム血性には過度の運動、カリウムの過剰摂取、寒冷などがある。

引用:今日の臨床サポート
https://clinicalsup.jp/contentlist/143.html

鷹取 央 医師 たかとり内科 院長ドクターの解説
周期性四肢麻痺の原因としては遺伝的なものが多いと言われています。遺伝的でないものは、甲状腺の病気を持っている方、アルコール中毒の方に起きやすいと言われています。

周期性四肢麻痺の治療方法

一次性か二次性か、低カリウム性か高カリウム性かの鑑別をすることが治療への第一歩である。二次性の場合は原因をとりのぞけば発作はおこらなくなると考えられるので、原因疾患の治療を行う。一次性であろうと二次性であろうと発作時の治療の目的は筋力の正常化であるが、目標は血清カリウム値の正常化であって筋力の正常化ではない。筋力の回復は血清カリウム濃度の正常化より何時間も遅れることがあり、過補正を防ぐため、補正にあたっては筋力のみならず必ず心電図と血清カリウム値をモニターする。非発作時は発作予防を目的とした生活上の注意と内服を行う。

引用:東埼玉病院
http://esaitama-nho.jp/medical_information/periodic_paralysis.html

鷹取 央 医師 たかとり内科 院長ドクターの解説

根治療法は現在のところありません。症状とうまく付き合っていくことが必要になります。症状が起きた場合は、血液中のカリウムの値を検査した上で治療していきます。

高カリウムによるもの、低カリウムによるもの、カリウム値が正常なもの、それぞれ治療法が異なります。カリウムが高ければそれを外に出す治療として利尿剤を中心に行います。カリウムが少ない場合は、それを補充する治療になります。

もしこういった症状が出たら、最寄りの医療機関を受診してください。

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