糖尿病による失明を防ぐために。定期検診の重要性と受けるべき検査の種類とは?【医師解説】

糖尿病の重大な合併症である「糖尿病網膜症」は、場合によっては失明することもあります。そのため、糖尿病患者は定期的な眼科検診が不可欠です。では、糖尿病患者の眼科検診を受ける際に、注意することはあるのでしょうか。「秋野眼科医院」の秋野先生に詳しく教えていただきました。

監修医師:
秋野 邦彦(秋野眼科医院)
編集部
糖尿病患者は、どのような検査を受けたらいいのでしょうか?
秋野先生
まずは定期的に「眼底検査」を受けましょう。眼底検査とは、レンズや鏡などを使って眼球の奥を詳しく調べる検査です。眼底には網膜、視神経、血管などがあり、これらの状態を確認します。
編集部
検査はどのようにしておこなわれるのですか?
秋野先生
一般的には、眼底を眼底カメラで撮影して検査します。眼底検査をおこなうことで、糖尿病網膜症を早期発見することができます。日本眼科医会の発表によると「糖尿病網膜症を発症するまでの期間は1~20年」と個人差がありますが、平均すると15年で約40%の人に発症するとされています。そのため、自覚症状がなくても、必ず眼底検査を受けるようにしましょう。
編集部
そんなに多くの人が発症しているのですね。
秋野先生
怖いのは発見が遅れることによる失明です。最近のデータによると、11年間で約3000人が糖尿病網膜症により失明していることが判明しています。2019年の調査によれば、糖尿病網膜症は日本人の失明原因の第3位です。できるだけ早期に発見できれば失明を免れる可能性があるので、定期的に検査を受けることが大切なのです。
編集部
そのほかには、どのような検査を受けるべきですか?
秋野先生
視力検査や眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)も重要です。眼底検査を受ける際には、瞳孔を開かずに写真を撮影する検査だけではなく、散瞳薬を使用して瞳孔を開き、隅々まで詳細に見る検査を受けましょう。
編集部
自覚症状がなくても検査を受けた方がいいのですね。
秋野先生
そのとおりです。糖尿病網膜症は、たとえ糖尿病が未治療でも約10年間は発症しないと言われています。しかし、見えづらいといった症状が出現するときには、かなり病期が進んでいるため、自覚症状がなくても定期的に検診を受けて疾患の早期発見につなげましょう。
※この記事はメディカルドックにて<糖尿病患者の眼科検診>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




