AI内視鏡検査を活用するメリットとは? 短時間で高精度な検査を受けて身体的な負担を減らす【医師解説】

内視鏡検査はがんなどの病気を早期発見するのに、非常に役立つ検査です。特に、現在では「AI内視鏡検査」という非常に精度が高い検査も登場しています。今回は、「名古屋むらもと内視鏡クリニック栄院」の村元先生に、AI内視鏡検査を活用するメリットを教えていただきました。

監修医師:
村元 喬(名古屋むらもと内視鏡クリニック 栄院)
編集部
AI内視鏡検査には、どのようなメリットがあるのですか?
村元先生
「がんの見逃しを防げる」という点がメリットです。医師が直接目で見てがんを発見する場合、医師の技量や経験に左右されることが多く、場合によってはわずかな病変が見過ごされてしまう危険もあります。一方でAIの場合には、そのような危険を低減させることができ、ごく初期の小さな病変も発見できる確率が高まります。
編集部
検査精度が上がるのが一番のメリットなのですね。
村元先生
そのとおりです。例えば、当院で導入しているAI内視鏡システム(EndoBRAIN-EYE:オリンパス社)は、動画データから抽出した内視鏡画像をAIが学習することで、大腸病変を検出する確率は96.0%、病気がないと正しく診断する確率は98.0%と報告されています。これは非常に高い数値と言えるでしょう。
編集部
そのほかにもメリットはありますか?
村元先生
例えば、大腸ポリープの場合には、腫瘍性か、あるいは非腫瘍性かの鑑別が非常に重要です。なぜなら、腫瘍性のポリープはがん化する可能性があり治療が必要である一方、非腫瘍性のものはそうした必要性が低いからです。そのため、がんの予防には腫瘍性か非腫瘍性かの鑑別が大切なのです。AI内視鏡は、この鑑別を短時間で的確におこなうため、無駄のないがん予防が実現できます。
編集部
効率的な治療が可能になるのは魅力的ですね。
村元先生
AI内視鏡検査をおこなうことで、従来よりも短時間で効率よく検査をすることができ、患者さんの負担軽減にもつながります。また、がんなどの病変を見つけるだけでなく、どのような治療が必要かまで判断してくれるため、治療の効率化に役立ちます。
※この記事はメディカルドックにて<「内視鏡検査」にもAIを使う時代に!? 検査を受ける側が気になる正確性・安全性を医師に問う>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




