インフルエンザの検査ってどんな種類があるの? 抗原検査以外の方法とは【医師解説】

発熱や倦怠感などの症状がみられる「インフルエンザ」。疑われる際には病院で検査をおこないますが、「陰性」という結果が出てもインフルエンザと診断されるケースがあることを知っていますか? インフルエンザの検査内容について、「グローバルヘルスケアクリニック」の水野先生に教えていただきました。

監修医師:
水野 泰孝(グローバルヘルスケアクリニック)
編集部
そもそもインフルエンザの検査とは、どうやっておこなうのですか?
水野先生
一般的には鼻や喉から粘液を採取して、インフルエンザウイルスを検出します。このような検査を「抗原検査」と言います。
編集部
抗原検査とはなんですか?
水野先生
簡単に言うと、病原体そのものが含まれているかを調べる検査のことです。採取した検体を試薬に混ぜて、検査キットに数滴垂らします。もし検体の中にインフルエンザウイルスがいればキット上に線が出現します。これにより陽性と判断します。
編集部
検査の精度はどれくらい高いのですか?
水野先生
インフルエンザの検査は非常に精度が高いとされていますが、検査をおこなうタイミングによっては50〜70%に下がってしまいます。そのため、インフルエンザの診断では検査をおこなうタイミングが重要になります。
編集部
そのほかにも、検査方法はあるのでしょうか?
水野先生
PCR法やウイルス分離法などの方法もあります。PCR法は、インフルエンザウイルスの遺伝子を数千万倍に増やしておこなう検査で、ウイルス分離法はインフルエンザウイルスを鶏卵などのなかで増やし、ウイルスの性質を確認する検査です。しかし、これらは一般的におこなう抗原検査と比べて時間がかかるというデメリットがあり、迅速に治療をおこなうことができません。そのため、通常は抗原検査がおこなわれています。
編集部
様々な検査方法があるのですね。
水野先生
最新の検査方法として、AIを使ったインフルエンザ検査もあります。これはAIを搭載した特殊なカメラで喉の画像を撮影し、インフルエンザの典型的な所見を確認する検査です。これに問診を組み合わせ、インフルエンザを診断するのです。
編集部
AIを使った検査方法もあるのですね。
水野先生
ただし、この検査はまだ新しく、一部の医療機関でしかおこなわれていません。しかし一方で、「粘液を採取するとき、鼻に綿棒を入れるのが苦痛」という人にとっては楽に感じられるのではないかと思います。保険も適用になるので、興味がある人は医師に相談してみるといいと思います。
※この記事はメディカルドックにて<「インフルエンザ」は検査で“陰性”でも感染の可能性があることはご存じですか?【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。



