ニキビ跡のクレーターは諦めない! 有効な治療法と「エクソソーム」の効果【医師解説】

ニキビの治療は最初が肝心。治療開始が遅れたり、誤った治療を続けたりすると、ニキビ跡がクレーターや赤みとして残ってしまうこともあるからです。しかし、クレーターや赤みが残ってしまったとしても諦める必要はありません。今回は、クレーターの治す方法について、「さおり皮ふ科クリニック」の山本先生に解説していただきました。

監修医師:
山本 佐織(さおり皮ふ科クリニック)
編集部
どのようにして、クレーターは治すことができるのですか?
山本先生
日本では現在、クレーターを治すのに有効な保険適用の治療法はありません。しかし、国内では未承認ですが、海外ではすでに承認されており、効果が確認されている治療法はあります。その筆頭が、「ダーマペン」や「ポテンツァ」です。
編集部
どのような治療法なのでしょうか?
山本先生
簡単に言えば、皮膚の再生力を活用した治療法です。髪の毛よりも細い微細な針で皮膚表皮層を傷つけずに微小な穴を開け、それを修復しようとする皮膚の力を利用して、コラーゲンやエラスチンなど皮膚のハリや弾力性をアップする成分を増やし、皮膚を綺麗にしていきます。
編集部
自己回復力に期待するということですね。
山本先生
はい。ダーマペンやポテンツァは、特にニキビ跡やクレーターに効果を発揮すると言われています。肌の凸凹に作用してコラーゲンやエラスチンを作り、凹んだ部分の皮膚の再生を促すためです。
編集部
どれくらいの効果が期待できるのですか?
山本先生
ダーマペンやポテンツァと組み合わせる薬剤によっても異なりますが、例えば当院では「エクソソーム」という薬剤を用いています。エクソソームは幹細胞培養上清液と呼ばれるもので、人間から抽出された幹細胞を培養し上澄み液を用いた成長因子を皮膚に塗布します。すると傷を治そうとする力がさらに高まり、また、コラーゲンの生成も促進され、クレーターの改善に大きな効果が期待できます。そのほかにも、「ポテンツァ専用薬剤」や「マックーム」も高い効果が期待できます。
編集部
ほかにも、治療法はありますか?
山本先生
「キュアジェット」という治療法もあります。キュアジェットは、針を使わず、ジェット噴射により真皮層まで薬剤を届ける画期的な治療法です。ニキビ跡の凹みや傷跡の原因となる線維化した組織を断ち切りながら薬剤を注入します。ニキビ跡やクレーターだけでなく、額や首などのシワ、水疱瘡などの跡などにも有効です。
※この記事はメディカルドックにて<クレーター肌や赤みが残るニキビ跡ができる原因はご存じですか? 改善するための治療法も皮膚科医が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




