「橋本病やバセドウ病」女性に多いワケとは? ホルモンと免疫の関係を医師が解説

甲状腺疾患は女性に多いと聞いたことはありませんか? 実際に、男性よりも女性の発症率が高いことが知られています。特にバセドウ病や橋本病といった自己免疫疾患が関係しており、その背景にはホルモンや免疫の働きが関係している可能性があります。では、なぜ女性に多く発症するのか、その理由について薗田先生に伺いました。
編集部
「甲状腺疾患は女性に多く発症する」と聞きました。本当ですか?
薗田先生
はい、本当です。一般的に、甲状腺疾患は「男性と比べて、女性の発症率は約3倍高い」と言われています。
編集部
甲状腺疾患について詳しく教えてください。
薗田先生
よく知られている甲状腺疾患にバセドウ病と橋本病がありますが、どちらも女性に多く発症すると言われています。橋本病と比べると、バセドウ病は男性にみられることもありますが、それでも男女比を考えると、やはり女性に多く発症します。
編集部
一体なぜ、女性に多く発症するのですか?
薗田先生
残念ながら、今のところ原因は明らかになっていません。しかし、これらの疾患は自己免疫疾患という免疫異常によって起きています。自己免疫疾患は、全体的に男性よりも女性に多く発症することがわかっています。そのため、橋本病やバセドウ病も女性が多いのではないかと考えられています。
編集部
なぜ、自己免疫疾患は女性に多いのですか?
薗田先生
様々な意見がありますが、エストロゲンなど女性ホルモンの影響や、X染色体の影響を受け、女性に多く発症するのではないかと考えられています。特に、女性ホルモンは自己抗体の働きを活発にしたり、「サイトカイン」という免疫反応を促すタンパク質を活性したりする働きがあることから、女性に自己免疫疾患が多いと言われています。

監修医師:
薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)
※この記事はメディカルドックにて≪【女性必見】甲状腺疾患になりやすい人の特徴はご存じですか? 「橋本病」や「バセドウ病」の症状も医師が解説!≫と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。